私がVになった一週間のお話   作:シャケ@シャム猫亭

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この小説でやりたいこと。
・匿名による投稿(文章雰囲気類似作品に自分の他作品が載るか)
・アンケート機能の使用
・予約投稿(全話済)による毎日更新(19:00更新)
・JASRAC楽曲コードの使用

全7話になります。


月曜日:最初の日

 このPCに向き合うのも随分と久しぶりだ。

 馬鹿姉が一人でできるようになってから手伝うことなんてなかったから。

 けど、自転車と同じで一度覚えてしまえば、久しぶりでも迷わず手が動く。

 カメラOK、マイクOK、システムオールグリーン。

 配信開始まで秒読み開始。

 

「はあぁ……」

 

 深呼吸ではなくため息を吐いて、私は配信開始のボタンを押した。

 

 

 

 

 

「えー、皆さま、おはこんばんちわ。VTuberの李 桃(すもも もも)の皮です」

 

コメント:お、はじま……皮?

コメント:おはこんばんちわー。

コメント:なんかいつもと違くね?

 

「その通り、違います。皮は桃ですが中身は柚子(ゆず)です」

 

コメント:いつもの元気はどうした?

コメント:どういうこっちゃねん。

コメント:でも結局果物なんだな。

 

「どうして私がこんな事――んんっ、失礼――李 桃の皮を被って配信してるかと言いますと……」

 

コメント:こ ん な 事 www

コメント:溢れ出るめんどくさ感に草

 

「桃の奴は風邪をこじらせて入院したからです」

 

コメント:は?

コメント:え、大丈夫なん?

コメント:じゃあこれ誰なの?

 

「ご心配なく、一週間で退院予定です。ですが、当然病院から配信なんて出来ません。高熱で朦朧とした意識の中、配信に穴を開けたくない桃が導き出した答えが、柚子による代役配信です」

 

コメント:重症じゃん。

コメント:安静にして。休んで!

コメント:代、役? 声がまるっきり同じなのだが……。

 

「馬鹿だと思いました。いや、馬鹿だと思ってます。私に配信させる桃の奴も、それを認める運営も。『みんな〜! 桃ぴょんだぞー!! 今日も枠いっぱい、楽しむぴょん!!』なんて頭おかし──キャラを私が出来るわけないじゃないですか」

 

コメント:お口ワルワルじゃん。

コメント:一瞬、いつもの桃ちゃんだったw

コメント:本音漏れてて草

 

「まあ結局、多数決とかいう民主主義に負けて、こうして配信してるわけですが。桃、運営、父、母の四面楚歌でした」

 

コメント:草ァ

コメント:味方おらんやん

コメント:もしかして

 

「というわけで、李 桃はお休み。大変不本意ではありますが、双子の妹である李 柚子が、一週間限定で配信します」

 

コメント:双子!?

コメント:どうりで声が同じなわけだ。

李 桃:ゆず、がんばれー!!

 

「寝てろ馬鹿姉。付き添いの母さんにチクってスマホ取り上げるわよ?」

 

コメント:www

コメント:正論っwww

李 桃:ごめんなさい、ゆるして

 

「だったら早く身体を治せ。それから体調が悪いときはちゃんと病院行きなさい。病院が嫌いなんて馬鹿な理由、金輪際認めないからね」

 

コメント:小学生かよwww

コメント:桃ちゃんらしいといえばらしい

コメント:ツンデレ

李 桃:うぅ……わかりました。

コメント:苦渋の決断で草

 

「コメントしてくるな。明日の朝、アーカイブで確認しろ。さあ、5秒以内にスマホを仕舞え。5、4、3、2、1、0………よし、もう馬鹿姉は居ないとする」

 

コメント:完全にジャックされた

コメント:あ、カウント……

コメント:やっちゃいましたねぇ、ありがとうございます

コメント:雰囲気違うけど、これはこれで

 

「好きに使えば? どうせ私は一週間限定だから実害無いし」

 

コメント:ありがとう

スパチャ:ありがとうございます ¥3000

コメント:これは(ほとけ)

コメント:ス パ チ ャwww

 

「あ、私の配信中はスパチャ禁止ね。私には一銭も入らないから。桃が帰ってきたら投げて」

 

コメント:自ら禁止していくとは……

コメント:ボランティア……サビ残……うっ、頭が……

コメント:社畜は休め

コメント:ギャラ無しなん?

 

「私が断った。お金をもらうということは、責任を負うってことだと思ってるから。何が起きても責任取る気無いし」

 

コメント:一理あるな

コメント:柚子ちゃん、桃ちゃんと違って頭いい?

コメント:何を起こしてくれるんですか(ワクテカ

 

「好きにやらせてもらう。今日は何も準備してないので、雑談。テーマは、そうだなぁ……よし、桃のプライベート暴露会にしよう」

 

コメント:マっ!?

コメント:これは酷い

コメント:本人いないからって……いいぞ、ヤレヤレ!!

 

「マシュマロに質問投げて。その中から拾うから」

 

コメント:これは神回では?

コメント:何でもいいんですか!?

 

「投げてもいいけど、拾うかは私が決める。──っと、もう良さげなマシュマロ来たわね」

 

【声がクリソツですけど、もしかして一卵性双生児ですか? 姿も似てるの?】

 

「一卵性です。顔も背もスリーサイズも一緒だけど、髪の長さと服が違うから区別は簡単」

 

コメント:一卵性双生児って、声も似るんか

コメント:人による、かな。

コメント:知り合いにいるけど、声違うな。

コメント:因みに、2人はどう違うの?

 

「桃はこのアバターと同じで髪長いけど、私はショート。服は、桃がライト系で柚子はダーク系」

 

コメント:つまり、髪が短い2Pカラー?

 

「ああうん。そんな感じ。ヨシ、次」

 

【家ではお互いに何て呼んでるんですか?】

 

「お互い名前呼び。ああでも、さっきみたいに馬鹿姉って言ったりもする」

 

コメント:「お姉ちゃん」じゃないのか

コメント:ウチも名前呼びだな

コメント:それ、お前が呼んでほしいだけだろ

 

「ん? ああ、そういう事。んんッ……『お姉ちゃん』『お姉ちゃん!』『お姉ちゃん……』『お 姉 ち ゃ ん♥』……こんなもんでいいか」

 

コメント:ぐッふ

コメント:鼻血でた

コメント:ふうううううううう!!!

コメント:ナイスだ! 完璧に桃ちゃんだったぜ!

コメント:その調子で、お兄ちゃんも!!

 

「やだ。次のマシュマロね」

 

【桃ちゃんと柚子ちゃんって、仲いいのですか?】

 

「さあ? 比べたことないし。でも昔は一緒にお風呂入ってたわね」

 

コメント:お風呂!?

コメント:創造した

コメント:作るなよ

コメント:はかどる

 

「というか、拾ってる私が言うのもなんだけどさ。こんなもんでいいの? いや、エグいのも来てるんだよ? パンツの色は? とかさ。でも、流石にそれは無いなって取り上げてないんだけど」

 

コメント:誰だよ送ったの

コメント:普通にセクハラ

コメント:変な奴は一定数いるから……

 

「例えばさぁ、桃の初恋の話とか聞きたくないの? そういう質問が来ると思ってた」

 

コメント:初恋!?

コメント:大暴露やん! 超聞きたい!

コメント:それ、炎上しません?

 

「小学生の頃の話だし、セーフでしょ。小学生の可愛い初恋に嫉妬するような汚い大人がいるんなら、今すぐ世の中の女に見切りをつけて出家すべき」

 

コメント:出家www

コメント:でもたまにいるんだよなぁ

コメント:辛辣ぅ!

 

「で、聞きたいの? 聞きたくないの?」

 

コメント:聞きたい

コメント:聞きたいに決まってるよなぁ

コメント:聞きたいです。

李 桃:ダメ!

 

「ちょっとごめん…………あ、もしもし母さん。馬鹿姉が布団に潜ってスマホ見てるだろうから取り上げて。うん、そう。熱が下がるまで母さんが持ってて。よろしく………ヨシ、これで馬鹿姉は間違いなくいなくなった」

 

コメント:鬼www

コメント:紛う事なき悪魔の所業www

 

「さて、何だったっけ? ああそうそう、桃の初恋の話ね。あれは小学四年生の頃。当時お隣に高校生のお兄さんが居てね…………」

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、お兄さんには彼女ができたため、桃の初恋は告白もできずに終わったのでした」

 

コメント:可愛い

コメント:甘酸っぱかった

コメント:てぇてぇ助かる

 

「まあ、ライバルの背中を押してくっつけたのは私だから、私のせいなんだけど」

 

コメント:ひどい裏切りを見た。

コメント:鬼、悪魔!

コメント:まあもし高校生君と付き合えたら、それはそれで問題だから。

コメント:初恋クラッシャーwww

コメント:今北産業。なんか雰囲気違うんやけど?

コメント:桃ちゃんは入院のため、代打、柚子ちゃん。柚子ちゃんにより桃ちゃんの初恋暴露。初恋が実らなかった原因は柚子ちゃん。

コメント:サンガツ

 

「ん? 思ったよりこの話で時間経ったわね。じゃあラストのマシュマロ」

 

【桃ちゃんが隠したがっている恥ずかしい話を一つお願いします】

 

「えー、あー、そうねぇ……ああそうだ。最初のマシュマロでスリーサイズ一緒って言ったけど、あれ嘘だわ。桃の奴Vになってから家にいること多くなって、そのせいで運動減ってウエストとヒップが私よりちょっとだけ大きくなった」

 

コメント:マ!?

コメント:魅惑のむっちりボディですか!?

コメント:だから夜食にポテチはアカンとあれほど……

 

「別に太ってはいないだけどね、BMI的にも。ただ、私の持ってるぴっちり目のデニムパンツとかが厳しくなってて落ち込んでた」

 

コメント:体重計の前で落ち込んでる姿想像した。

コメント:むっちりしてる方が男は好きだから、大丈夫。

コメント:わかるマン。

コメント:これから運動系ゲームでダイエットだな。

コメント:因みに胸はどうなんですか?

 

「カップ数は一緒だけど、トップは私の方が大きい」

 

コメント:赤裸々たすかる。

コメント:これは桃ちゃん涙目www

コメント:勝ってる要素がなくて草

コメント:カップ一緒なら誤差みたいなもんだから(震え

 

「というわけで、今日はここまで。はぁ、あと6回もあるのか……めんど……」

 

コメント:乙

コメント:おつかれー

コメント:さ い ごwww

コメント:これはこれで面白いので、続いて欲しい。

 

 

 

 

 

 配信終了のボタンを押して、今日のボランティアは終了した。

 正直、上手くやれた気がしない。まあ上手くやる気もなかったけど。実際、開幕こそ視聴者数が多かったが、終わりには随分と減っていた。

 改めて馬鹿姉の凄さに気づかされる。コメントが流れるとは言え、これは壁に向かって話しているのと大差ない。

 こんなにやりにくいのに、よく続けられるものだ。

 

「私には無理だわ」 

 

 双子なのに、やっぱり違うんだなということをまざまざと感じた。

 まあ私は違う方がイイのでありなんだけど、一方の姉は同じ方がイイので、多分頬を膨らませる。

 

「っと、そうだ。ツイッターとかちょっと変えておこう」

 

 一週間限定で柚子になることを告知してなかったから、今回の配信を逃した人にも伝わるようにしなくては。じゃないと、また一々説明する必要が出てくる。

 名前とプロフ欄に一週間限定で柚子になる旨を書いて閉じた。

 リプは見ない。見ないほうがきっといい。

 

桃華(ももか)のやつ、早く治りなさいよ……」

 

 

 

 




それじゃあ最後に、明日の占いじゃんけんだよ!
勝った人には桃から幸運を送っちゃうぞ♪

いくよー、じゃん、けん、ぴょん!! 
(アンケート最多の手。同数の場合は強い方)

バイバーイ!

桃の手はアンケート最多の手だよ

  • ロックマン(グー)
  • キュアピース(チョキ)
  • エドモンド本田(パー)
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