Sunshine!!&ORB   作:星宇海

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今回はオーブの初戦闘です!!


第2話 輝きの輪

宇宙悪魔と巨人が激突している中、木々の生い茂る中から見ている影が2つあった。

 

「出てきたじゃないか、ウルトラマン。いや、ウルトラマンオーブって言った方がいいかな」

 

「……」

 

男は禍々しく輝くリングを持った少女の後ろへと立つ。しかし少女は無反応である。

 

「ダークリングもうまく使えているようだし、僕が来る必要はなかったね」

 

「……何の用?」

 

「君がうまく扱えていなかったら僕が引き継いでやろうかと思ってね」

 

男はそう言い、近くの木に体を預ける。少女は顔色一つ変えず、男を見るとすぐさま目の前で行われている戦いに目を移した。

 

「怒ったのかい? だったら謝るよ。まあ、君は怒っても顔には出さないだろうけど……」

 

冗談で言っているのかはわからないが、男は少女に再度近付いて彼女の頬を突っついたり、髪を触り始めた。

 

「……やめて」

 

その言葉にすぐさま手を離す男。

 

「おや、これは失礼。髪は女の命……とはこの星の言葉だったね。まあ髪を触られてうれしい奴なんてそうそういないけど……。それより、ベゼルブは本来の目的を果たしたんだからここで戻してもいいんじゃないか?」

 

「ダメ。ウルトラマンはここで倒す」

 

これまで抑揚のない話し方だったのに対し、そ言葉にはとある感情が込められているように感じられる。その姿に男はフッと笑うと彼女の元を後にする。

 

「うまくやりなよ、スピカ。僕は先に戻ってる」

 

彼は歩きながら、オーブのことを考える。

 

「君は希望を運ぶ光か、それとも絶望を運んでくる闇……かな?」

 

 

 

 

 

(ここで止める……!)

 

一眞/ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオンは迫りくるベゼルブの体に掴みかかり、押し戻すことに成功する。

 

「■■■■■ーーー!!」

 

再度迫りくる突進には手を使って受け流す。すると彼の脳裏にノイズがかかりながらもとあるビジョンが浮かび上がる。

 

(うう……なんだよ……これっ!?)

 

ひとつは腕を十字に組んで光子熱線を放つ姿。もうひとつは丸鋸のようなものを投げる姿だった。

 

一眞はそのビジョンの1つに従い、腕を十字に組んだ。すると腕からビジョンで見た通り光線が放たれた。しかしその反動によって制御が利かず、あらぬ方向へと飛ばしてしまう。

 

(ちょっっ、うう、なんだ!?)

 

急いで腕を離すことで光線の発射を中止させる。しかし、そんな隙を見せてしまった事をベゼルブが悠長に待ってくれるわけもなく、両腕の鎌で斬りかかってきた。

 

左の鎌は胸のO字型の水晶付近を抉り斬られれ苦悶の声を漏らすオーブ。

 

(痛ってぇ……)

 

ジワリと胸中を駆ける痛みを堪えながら、オーブは走り出した。

 

「シュアッ!」

 

飛び上がりからのチョップ、左ストレート、最後に横蹴りを食らわせた。チャンスとオーブは近付くが、ベゼルブは顎の部分にエネルギーを凝縮させ、火球として放った。戦闘の素人、ましてや火球を放つ相手と叩くのが初めての彼が咄嗟によけられる筈もなく、もろに食らってしまう。

 

「ウアアアッ!!」

 

オーブは吹き飛ばされ、そのまま近くの建造物へと倒れていく。建物は紙で作られているかのようにぺしゃんこになる。するとオーブの胸の水晶は青から赤へと変わり点滅を始めた。立ち上がった一眞は体から力が抜けていくのを感じる。

 

(なんだ力が……)

 

加えて体から半透明の巨人が2体、オーブの体からよろめきながら出てくる。

 

しかしここで一眞が倒れれば、あの怪獣はまた街を破壊するだろう。そうなれば3年前と同じ、それよりひどい事態になる。それだけは避けなくてはならない。まだ彼女は何も始めてない……このまま終わらすわけにはいかないのだと、一眞は力を入れ再度、地面を思いっきり蹴った。

 

(こ……んのおおおっ!!)

 

その彼の意志は体をめぐる赤のラインを光らせ、ベゼルブをパンチひとつでいとも簡単に飛ばせるほどの怪力を発揮させる。地面に伏し、痛みでのた打ち回るベゼルブの尻尾を掴みジャイアントスイングを決めた。空へと放り投げられたベゼルブはそこで羽を展開しブレーキをかけ、そのまま空から突進する。

 

(真正面なら狙いやすい……)

 

オーブは両腕を水平に広げ、右腕を頭の横まで持ってくる。すると手にはエネルギーを高速回転させた光輪が出現。オーブは迫りくるベゼルブに向かって投擲した。

 

紫の帯を描いて飛んだ光輪は、ベゼルブの頭から尻尾までを綺麗に切り裂いた。そして2つの半身は地上へ落下しながら大きな爆発を起こすのだった。

 

(おわった……よな……)

 

爆発を見届け、下の方で微かに聞こえる歓声を聞きながらオーブは光に包まれ消えていくのだった。

 

 

 

 

 

「……役立たず。けど本来の目的は果たせた」

 

先の爆発から出た光をダークリングに集めると、それはベゼルブが描かれたカードになった。それを回収したスピカは毒づきながらも、踵を返すのだった。

 

 

 

 

 

~~

 

翌日、テレビでは昨日の怪獣とウルトラマンの情報で持ち切りだった。3年前の来訪だとか、姿が違うだとか、どこに消えたのかだとかずっと聞こえてきている。ネットにも昨日の戦闘を動画に撮って投稿しているアカウントもあり、世間がその波に呑まれているのだと感じた。それはいつも登校する2人も同じことで

 

「カズくんも見たんでしょ? ウルトラマン!」

 

「ま、まあな……」

 

「どうだった!?」

 

「デカかったよ。……に、にしても大惨事にならなくてよかったな~」

 

逃げ遅れた人を助けに行ったのだから、間近で見られたのだろう? と言う問いを適当に誤魔化す。

 

「カズくん、ホントは見てないんでしょ~?」

 

「嘘つかなくても私も千歌ちゃんも何も言わないって」

 

ホントは見てないと言う千歌は正解だ。しかしそれは自分がウルトラマンだったからですとは到底言えるはずもなかった。

 

 

 

「曜もスクールアイドル部入るのか?」

 

バスの中では昨日のこと、そして今朝一眞がバス停にくる前に起きたことを千歌が話してくれている。昨日会った音ノ木坂の生徒のこと。そして曜が水泳部の掛け持ちとはいえ、スクールアイドル部に入ってくれること。

 

「うん。千歌ちゃんと一緒に夢中で何かやりたいって思ってたし!」

 

「そうか。がんばれよ」

 

「ええ!? カズくんはやらないの!?」

 

「ああ」

 

「いやいやいや、そこは俺も入るかって……場面じゃないの!?」

 

一眞の返答に千歌と曜はツッコミを入れる。曜が少し声を似せたのは謎だが。

 

「スクールアイドルって女子だけだろ? それに俺が入ったところで何すんだよ」

 

「それは……色々!」

 

千歌の具体例のない答えに一眞はため息を吐くのだった。

 

(まあ、こんな日常を護れるのなら、ウルトラマンも悪くない……か)

 

窓の外の景色に目を通す。そして後ろで話す2人の声を聞きながら、一眞は心の中でそう思うのだった。

 

 

 

「ふわあ~」

 

「今日は珍しく眠そうだね」

 

「ああ。昨日はちょっと寝れなくてな」

 

2年の教室で欠伸をする一眞とそれを珍しがる曜。昨日寝れなかったというのは嘘である。本当は、珍しく疲労がたまりすぎたせいでなかなか起きれなかったのだ。原因は十中八九、昨日の戦闘だろう。

 

「で、どうだったんだ? 千歌が音楽の教科書を引っ張り出してる件も含めて説明してくれ。気になってしょうがない」

 

曜がっ説明するには、ダイヤには認めてもらうことはできなかったようだ。「何故」と食い下がらない千歌とそれに対抗するダイヤ。もはやここで厳格なイメージは無くなりつつあるが、ここでは触れないでおこう。

 

「作曲?」

 

「うん。なんでも、ラブライブ……? に出場するにはオリジナルの曲じゃないとダメなんだって」

 

カバー曲でスクールアイドルの数がいたずらに増えてしまうことを防ぐための決まりなのかもしれないが、難関にもほどがあるだろと一眞は感じた。

 

「にしても不思議だな」

 

「え、何が?」

 

首をかしげながら言う一眞に、曜は問いかけてくる。一眞も自分の違和感を何とか言葉にする。

 

「いや、生徒会長ってスクールアイドルが好きじゃないんだよな?」

 

「そう……だと思う」

 

「だったらさ、なんでスクールアイドルの最初の難関なんて知ってるんだ?」

 

もし嫌いだとしたら、そんな最初にあたる壁を知っているのだろうかという疑問が一眞にはあった。

 

「さあ、調べたんじゃないかな」

 

「……そうかもな。具体例だせば希望者も下がってくれるだろうし」

 

曜の言葉に納得は行かないが頷く。どんなに考えても推測は推測。結局は本人に聞かなければ正解はわからないのだ。

 

「それで話を戻すと……」

 

「千歌が作曲をね……」

 

2人は千歌を見る。本人は音楽の教科書をまじまじと見つめているができるころには卒業してしまうだろう。

 

すると担任が教室に入ってきてHRが始まるのだった。

 

「はいみなさーん。ここで転校生を紹介します」

 

そんな先生の言葉に、クラスがざわつき始める。3年間の高校生活の中で、1度あるかないかの出来事だ。それに心躍らせない人はいないだろう。

 

先生の入ってきてと言う声と共にドアを潜ってきたの彼女は昨日見たとても少女に似ていた。

 

 

 

…………いや、同一人物であった。

 

 

 

「東京の音ノ木坂から転校してきました。桜内梨子です」

 

 

 

 

奇跡……とはこの状況のことを言うのかもしれないと、そう思えた。

 

「スクールアイドル、やりませんか?」

 

その奇跡はここで巡り合い、スクールアイドルを始める為と言わんばかりのものであると、そう感じられるほどに……。

 

梨子は千歌の誘いに微笑む。千歌も微笑み返す。そして

 

 

 

 

 

「……ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

頭を深く下げられた。この行動と言葉、ここから導き出される答えはのはそう、1つしかない。

 

 

 

 

 

断られたのだ。

 

 

 

 

 

「ええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!?!?」

 

 

 

 

 

桜が舞う4月。教室中、学校中に千歌の声は響いたのだった。




今回の戦闘はオリジンサーガを基にしました。すぐ光線ぶっ放すのはアカンよ。そして不遇のスペリオン光輪を何とか活躍させたいと思って今回は切ってもらいました。規制の少ないここならもっと行けるのではないのだろうか……。

さて、次回は千歌の誘いを断った梨子の話がフィーチャーされます。

※最初に出てきた男は夜明のコーヒーを飲む人でもJJでも隊長でもないです。
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