それは、善子が”白い生物”を拾ってから数時間後のこと。
「くそ……ここに置いといたはずなんだがな……」
少し高めの背丈、短い髪、そして新調したのか、妙に着慣れていないように見えるスーツ姿。そんな見た目こそはただの一般男性ではあるが、彼が探しているのはあの地球外の生物であった。
「丁寧に運んできたってのによ……これじゃあヴィルゴ様に殺される……」
その口ぶりから、彼が運んできたのだろう。しかし、己の不注意で善子が拾っていってしまった。数刻前の自分に毒づきながら、最悪の結末だけは回避したいと、彼は辺りを見渡していく。
そして「どこいきやがった……ホロボロス……」とあの生物の名称ととれる言葉を口ずさみ、彼は走り出していくのだった。
一瞬、男性の顔がホログラムのように歪み、昆虫と思しき赤い複眼だけが光っていたことは、誰も知らない。
~~
「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー……」
カウントする果南の声とリズムをとる手拍子。そんな見慣れた光景が屋上にはあった。次は涙をのんだ地区予選という事で、練習には一段と熱が入っている。
(特に荒立ったこともないみたいだしな……)
靴が地面を擦るという、ずっと聞いてきた音。様々な音が交差する中で、ふと一眞の目線は皆と同じようにステップを踏む梨子に向く。
早いことに、梨子があの生物を引き取ってから数日が経とうとしているのだ。それまでに何かあった……というような報告は聞いてないので、梨子も仲良くやっているのだろう。しかし、梨子自身には変化があった。一眞の方からも近況を聞くことがあったのだが、梨子から返ってくるのはあの生物の”可愛いとこ”の報告だけ。
(マジで克服してるのかもしんねえな……犬じゃねえけど)
「ルビィちゃんもう少し内側」
数時間前のことを思い出していれば、Aqpursは最後のポーズまで通し終えたようだ。ルビィの立ち位置が若干外側だったが、大した問題ではなさそうだ。
「前よりだいぶ良くなってきたぞ」
「ホントですか!」
ルビィの眼差しに一眞は笑顔で頷く。嬉しそうな妹の姿を見たダイヤは「ではもう一度……」と言いかけたところで空を見る。
既に薄紫色に染まった空。そして太陽は山に隠れようとしている。誰が見ても、もう日暮れが近くなってきていることなど明らかだった。
「日が短くなってるからね」
「ケガするといけないしね。あとは沼津で練習するときにしよう」
曜の言葉に、鞠莉も同意する。ライトスタンドなどがない屋上では、暗くなってからでは見辛いだろう。それ故に起きるであろう怪我は最も避けたいものだし、ここで終わろうと提案する。
「じゃあ終り?」
「うん……どうしたの?」
「え、いや、ちょっと……私、今日は先帰るね!」
妙にうれしそうだったのに、千歌に問われると歯切れが悪くなる梨子。そして何も言わせず帰っていく。そんな、「騒がしいな」と思わせる後ろ姿を見てため息を吐くのは一眞だった。
「また?」
「なにかあったずら?」
「そういえば、ここのところ練習終わっちゃうとすぐ帰っちゃうよね」
彼女の最近のやけに早く帰ろうとする姿には、千歌は勿論、花丸やルビィたちも不思議に思っていたようだ。一眞は心当たりはあるのだが、特に語らずその場を後にする。
しかし動きが若干不自然だったのか、それとも一眞の表情に苦笑が見られたのか……。彼の後ろ姿を目で追うものが1人いたことは、一眞でも気が付かなかった。
「何か知ってるでしょ?」
「…………知らない」
「何よその間! 明らかに知ってるでしょ!?」
一眞の歩く隣で声をあげているのは勿論善子。あの後すぐにバレたのだ。彼女の問いに別段答えない理由は無いのだが、少し弄ってみたいと思ったのかもしれない。
そのやり取りのしょうもなさに溜息を吐いた善子。すると彼女は打って変わり、落ち着いた口調で尋ねてくる。
「あの生物、何か知ってるの?」
「梨子にも聞かれたよ、それ」
「で? なんて答えたのよ?」
「”知らない。でも地球上の生物じゃない”って答えた」
納得した善子は「そうよね」と呟き、後は黙り込む。見つけた彼女も少なからず気付いていたのだろう。それが今確信に至った。また暫くの沈黙の後、一眞は口を開く。
「で、なんでここにいるんだ?」
「梨子の家を尋ねるのよ。ここまでくればわかるでしょ?」
予想通りの答えに「だよな」と返す一眞。梨子の話に聞いたところ、最初に見つけ、拾ったのは善子だったはず。彼女も思うところがあるのだろう。
目的の場所までもう少しといったところで、ふと思い出した善子は隣を歩く少年に尋ねる。
「なんで一眞も来るの?」
「あのな……いくら可愛いからって地球外の生物だぞ。それなりの注意は必要なんだ」
「それもそうよね、悪かったわ」
善子の言うように、一眞まで赴く必要はないように感じられる。しかし、その会話の中心にあるものは正体がわからない未知の生物。現状どうすることが正解だと言い切れない今、一眞も見届ける必要があると感じたのだ。
梨子の家のインターホンを押せば、すぐさま彼女の母親が出てきてくれて部屋へと案内してくれた。
「なに、あなたも知り合いなの?」
「色々あったんだ。何も聞くな……」
「え、ええ。そうしておくわ」
一眞の引き攣った顔を見たからなのか、苦笑しながら了承してくれた。やっぱり善い子だ。
「梨子、お友達よ」
母親が梨子の部屋を開ければ、彼女はライトグリーンのゲージを愛しそうに見つめている。中には白いアイツがいるのだろう。
「一眞くんと……善子ちゃん……!?」
「よっ」
「ヨハネ……!」
「あら、まだそのワンちゃんいたの?」
母親には犬という事で誤魔化しているらしい。それにしても梨子は、ゲージの中の存在に心を奪われたようで、「もう少し預かってほしいって頼まれちゃって……」と母親に返していた。誰も頼んでないぞ、と一眞は内心でツッコむ。
「でも梨子ちゃん、犬凄い苦手だからやっぱり私の家で預かろうかな」
「あら、善子ちゃんの家はマンションだからダメって聞いたけど?」
「少しなら大丈夫だから」
「ダメって言うから私が預かったのよ?」
どちらが預かるかで揉めるとは、梨子に頼んだ当初は思っていなかっただろう。
「さあご飯にしましょうね~ノクターン」
「ノクターン……?」
「ど、どうぞ、ごゆっくり……」
そっちのけで話を始めてしまったためなのか、梨子の母親は微妙な表情をしながらドアを閉めていった。そしてドアが完璧に閉まったあと、善子は開口一番に「ノクターンってなによ!?」と問いかけた。
「この子の名前よ。いつまでも名前が無いのは可哀想でしょー」
「この子は私が出会ったのよ!? 名前だってネメアーっていう立派なのがあるんだから!!」
2人して別々の名前を付けているこの光景を見守るしかない一眞。口を出しに来たわけでもないが、かといって来るべきではなかったのではと後悔してしまう。
どうせ今は何を言おうとも、「うるさい」の一言で片づけられるのがオチだ。
「「一眞(くん)はどう思う!?」」
が、どういうわけかジャッジは彼に任されたようだ。このまま2人で話しても、埒が明かないとでも思ったのだろう。しかし、飼い主でも発見者でもない一眞に判断を任すのもどうかと思うが。
「……ここはひとまず………ドローで」
曖昧な返しで、今日はひとまず落ち着いてもらった。
~~
その翌日。いつも通り練習が終わった後には梨子と善子が言い合いをしながら、ライトグリーンのゲージを抱えて歩いていた。どうやら今日は人気のいないところで、”ノクターン”あるいは”ネメアー”を走らせてやるんだとか。ずっと家の中、という訳にもいかないのはごもっともではあるのだが、大丈夫だろうか。
「ノクターン! 取っておいでー!!」
「だからネメアーよ!」
梨子がボールを投げれば、その白い鬣を揺らして疾走するノクターン。その速さは、普段目にする動物の枠組みを越えていた。しかし動きは犬そのもので、ボールを口に咥えれば梨子や善子のもとに一目散に戻っていく。
「よくできたね!」
「ふん、ヨハネの使役する魔獣ならこれくらいできて当然……って聞きなさいよ!?」
善子には脇目もふらず、ノクターンをわしゃわしゃと撫でる梨子。その光景は、犬と遊んでいるものと何ら変わりない。そんな光景を見ていると、自分と彼女らが関わっていけているように、怪獣と人……異なる種族もわかり合えるのではないかと思えるのだった。
「なにボーっとしてんのよ」
「んあ?」
間の抜けた声を出した一眞が横を向けば、そこには善子が座っていたのだった。
「別に……」
「ここまできて誤魔化すの?」
善子の指摘にはなにも言い返せない一眞は、どこから話せばいいかと考えを巡らせる。すると2人の姿を見た梨子も、一眞の隣に座っていた。
「俺さ、ずっと怪獣と戦ってきたけど、梨子や善子見てたら思うんだよ。怪獣も俺たちとおんなじだって」
それだけでは意味が伝わらず、両者ともに首を傾げている。その様子を見て、一眞は「ごめん」と言いながら話を続ける。
「俺たちみたいに、いい奴も、悪い奴もいるってことだよ。確かに、自分の楽しみのために牙をむくってのは許せない。けど、一概に敵と決めつけちゃいけないのかも……って思たんだ」
思い返せば、今までは”狂暴で殺戮を繰り返す生物”だとしか思っていなかったのかもしれない。そして梨子や善子と触れ合うその生物は、間違いなく怪獣と呼ばれる類だ。しかし、彼女たちは心を通わせることができている。それを今、この状況が証明している。
「だからさ、いつかは怪獣と共に住めることもあるかもしれないって思うんだ。同じ生物で、同じ命だから。これって、俺が………いや、ウルトラマンとしても大事なことだと思うんだ」
ただ倒すだけではいけない。同じ唯一の命だからこそ、考え続けていかなくてはいけないと。
「そんなこと考えてたのね」
「そんなって……俺にとっては結構重大なもんなんだけど……」
「でも、それってすごくいいことだと私は思うな」
ノクターンに顔を舐められているのがくすぐったいのだろう。顔を背け、片目を瞑った梨子は言った。
「わ、私もいいことだって思ったわよ! でも、共存とかそれ以前に、私にとってその子はもう特別なのよ……」
善子のことを聞く限り、一眞とはまた別の感情を抱いているみたいだった。
「それって前に言ってた……運命のこと?」
梨子が聞けば、彼女は無言で頷いた。それは、初めて梨子が白い生物と出会った日のこと。善子は話していたという。「
「どうして、運命なの?」
すると梨子は彼女の言う運命とは何なのか、その真意を訪ねた。以前は状況が急だったために聞けなかったからなのか、改めて知りたくなったのだろう。
「
「そうかもしれないけど……」
言葉通りの意味だと善子は言うが、梨子が知りたいのはもっと深いところにあるらしい。
「堕天使っていると思う……?」
語りだした最初の言葉がそれだった。しかし梨子は突然のことで答えることはできず、善子も気にしないようで話を続けた。
そんな善子の話を、一眞も黙って耳を傾ける。
「私ね、小さいころからすっごい運が悪かったの。外に出ればいつも雨に降られてたし、転ぶし、何しても自分だけうまくいかないし……それで、思ったの。私が特別だから、見えない力が働いているんだって」
それが堕天使のはじまり。子供心に、「なんで私だけ」と感じていれば、何かのせいにだってしたくなる。見えない存在による妨害だと、善子は自分を納得させていたのだろう。
「勿論、堕天使なんているはずないって薄々感じている。クラスでも言わないようにしているし。……でも、本当にそういうのが全くないのかなって」
現実にはないとわかっていても、怪獣や宇宙人、そしてウルトラマンという想像を超えた存在を見てしまえば考えてしまう。堕天使ではない、別の力……。
「そんな時、出会ったの。なにか見えない力で引き寄せられるようだった。これは絶対、偶然じゃなくて何かに導かれているんだって……そう思ったの。不思議な力が働いたんだって」
すると白い鬣を揺らし、善子の膝上へと乗るネメアー。その気高い容姿からは想像がつかないくらいの懐きようだ。それを優しく撫でてあげる善子は、穏やかに笑う。
偶然のようでいて、何かに導かれ、紡がれたような出会い。そこには、見えない力が働いているのではないか……と善子は感じていたのだ。ネメアーはその力の象徴でもあるのだ。
「ようやく見つけた……」
3人で話していれば、スーツを着た謎の男が近づいてきた。
「なんだ……あんた?」
「いえいえ、私は怪しいものではないですよ」
怪しくないと言うのは、逆に怪しいですと自己申告しているようなものだ。そして、今まで笑ったことのないような不自然な笑顔を見た一眞は構える。
「その生物……ホロボロスは危険な生物なのです。今すぐに渡してくれれば悪いようにはしません」
男が言うホロボロスと言うのが、あの生物の本当の名前なのだろうか。
「ノクターンは渡さないわ!」
「この子はノクターンでもホロボロスでもなくて、ネメアーよ!」
その男の発言に警戒し、梨子はノクターンを抱え込む。梨子たちにとっては、本来の名がホロボロスだとしても信じる気にはなれないだろう。そんな暫くの睨み合いの後、男は頭を掻きむしりこちらに突っ込んでくる。それはやはり、人の目で追えるスピードではなかった。
「いいから……ホロボロスを渡せってんだよッ!」
「くそっ……2人は逃げろ!」
男を受け止め、梨子と善子に促す一眞。2人はすぐさま逆方向に走っていくが、受け止めた男の力で一眞は吹き飛ばされる。
「逃がすかぁぁぁぁぁ!!」
「こっちの台詞だッ!」
瞬時に起き上がった一眞の飛び蹴りが男を転倒させる。さらに、追撃で繰り出した拳が男を地面に転がした。だが男も抵抗してくる。地球の重力を無視した動きで、一眞を翻弄。最後には腹部へと突き、2人を追っていく。
「く、待て……」
うまく息ができない一眞はそこで蹲ってしまった。
「ここまで……くれば……」
「ええ……」
逃げてきた善子と梨子は後ろを振り返る。だが、道の先には人影ひとつなかった。
「一眞……大丈夫かしら」
「……」
しかし、自分たちを逃がしてくれた彼が来ないことに少し不安になる。彼がウルトラマンだとしても、幾度となく自分たちを守ってくれたからとしても、不安が消えさることは無かった。
すると、不安げに遠くを見据える彼女たちを心配してか、か細い声を腕の中で上げるホロボロス。それに気づくと、梨子たちは腕の中に居る白い鬣を優しく撫でた。
「ここにいたか……」
落ち着いたのも束の間、先の男の声が2人の鼓膜を震わす。瞬間移動してきたかのように現れた男に、梨子と善子は固まってしまう。もう1つの理由としては、彼の顔がブルブルと振動を始めていたから。否、擬態が切れかけているのだ。
「けっ、もうこの擬態もおさらばだ」
男の擬態が解ければ、顔の両側面についた大きな複眼、そして額から延びる触覚が特徴の宇宙人となった。
「さあ、ホロボロスを渡してもらおうか」
「やめて!!」
「この、梨子から離れなさいよ!」
「黙れ地球人が!!」
しかし2人の抵抗虚しく、地球人男性に擬態していた”クカラッチ星人”にホロボロスを奪いとられてしまった。梨子と善子は、ホロボロスに付けた名を叫ぶことしかできない。すると────
「そいつを返しやがれ!」
ギリギリのところで一眞が追い付いた。
「お前……何者だ!?」
クカラッチ星人は一眞のタフさに驚愕しているようだ。つまり彼の放った攻撃が地球人に当たれば、命はなかったという事だ。
「悪い、やられちまった」
後ろにいる2人に謝罪しながら、眼前の昆虫宇宙人を睨む。しかし向こうは銃を構えているため、下手には動けない。
「あらあら、羽虫がうるさいと思ったらあなたが運んできたのね」
最悪なことに、何処からともなくドレスを翻して近づいてくるものが1人。その立ち姿と声を聞き、善子は冷や汗を流す。なぜなら善子は、一度彼女”ヴィルゴ”と出会っているから……いや、襲われかけたと言っていいだろう。
「あ、あなたは……」
「……? あら、あの時の地球人ね。運良く生きてたみたいね」
見るもの誰もが美しいと言うであろう笑顔なのに、どうしてもそうは思えない。彼女は危険だと、一眞の本能が告げる。
「善子、知ってるのか?」
「ええ、アイツが私たちを襲い……珠冬を怪獣にしたのよ」
その言葉に一眞は驚きつつ、ヴィルゴを睨んだ。しかし彼女にも聞こえていたようで、ご機嫌に手を振ってきた。やはり、彼女の笑顔には謎の不快感と恐怖を覚える。
「それより、随分とホロボロスと仲良くしてたみたいね。クカラッチがバカなことしなければ、悲しい別れにもならなかっただろうに」
そう言ってヴィルゴは懐から鉱石を取り出した。それは、先日水族館を襲撃してきた宇宙人が持っていたものと全く同じものだ。
「問題です。このヤセルトニウムに溜め込まれたエネルギーを、ホロボロスに照射するとどうなるでしょーか?」
「……やめろ!」
一眞はヴィルゴの狙いに気が付くとすぐさま駆け出す。だが時すでに遅く、ヤセルトニウムのエネルギーはホロボロスの体に注がれていく。閃光と雷鳴で見えないし聞こえない。さらに、エネルギーの照射で発生した衝撃で吹き飛ばされてしまう3人。
「ア─────アアアアアア!?」
雷鳴の音に加え、クカラッチ星人の悲鳴が聞こえてきた。青白くなる目線の先で辛うじて見えたのは、彼の左腕に付けたブレスレッドが光っているところであった。
「ヴィルゴ様、やめてください!? こ、これは通信機ではないのですか!!??」
「ヤセルトニウムをそこに仕掛けておいたのよ。でも、通信機の役割も果たしたでしょ?」
何故、と彼が問いかけようとする前にヴィルゴは口を開く。
「当然でしょ。地球人にホロボロスが奪われかけたのよ? これはその罰。……まあ、アンタみたいな宇宙人は使い捨てだからどの道こうなってたけどね」
そんな……と絶望する暇もなく、生体エネルギーを吸われたクカラッチ星人はその場に倒れてしまう。そしてエネルギーを放射され続けたホロボロスの体はみるみる巨大化していく。
青い閃光が消え、その場に鎮座していたのは、先ほどまで腕の中に抱かれていたホロボロス。しかしその眼は赤く染まり、四足歩行だったのが二足歩行になっていた。
「そ、そんな……ノクターン?」
「………ネメアー?」
梨子と善子の声を無視するように、ホロボロスは天に吠えた。その姿は獰猛な狼のようで、気高い獅子の様にも見える。
「さあ行け、ホロボロス!! その力で全てを滅ぼしなさいっ!!」
梨子と善子と共に戯れたノクターン/ネメアーはここにはいない。ヴィルゴの命に従い、すべてを滅するもの、死を運ぶものとしてこの地球の大地に降り立つのだった。
はい。気付いていたかもしれませんが、2人が拾ったのはホロボロスでした。
アニメでは犬にライラプスと名を付けていた善子ですが、ギリシャ神話に登場する犬とのことなので変えました。ホロボロスは獅子に例えらえているみたいなので(Zのサブタイ)獅子=ギリシャ神話のネメアーのライオンから取りました。
次回は巨大化してしまったホロボロスと戦うことになってしまいそうです……。