Sunshine!!&ORB   作:星宇海

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Z観ましたがジードカッコ良すぎだろ……
さらに坂本監督らしくOP含めて劇中で3曲も使うという豪華っぷりに朝から興奮しましたね。

てか次回に師匠が来ちゃうって……先が読めなくてウルトラ楽しみです。

今回の戦闘場面はオーブの祈りをイントロからいっきにサビまで飛ばして聴きながらいい感じになるかなと考えながら書きました。


第6話 新たな羽ばたき

放課後、ストレッチをしながら相談する一同。グループ名という重大なものをここにきてようやく思い出すという失態である。ルビィに言われなかったらどうなっていたのだろうかなんて考えたくもない。

 

「まさか、決めてないなんて……」

 

「梨子ちゃんだって忘れてたくせに」

 

「早く決めないとね」

 

「つってもなかなか難しいぞ……」

 

責任を押し付け合う千歌と梨子と早く決めようと言い出す曜。しかし一眞の言うように、一筋縄でいかないのがグループ名だ。これには覚えやすくてインパクトのあるという条件が出てくる。難しくてもダメだし、簡単では埋もれてしまう……。なかなかに頭を悩ませる問題だ。

 

「どうせなら学校の名前が入ってた方がいいよね? 浦の星スクールガールズとか?」

 

「「まんま(じゃない)」」

 

千歌の案に梨子と一眞からの否定が入る。「なら梨子ちゃんが決めてよ」と千歌。「東京の最先端の言葉とかあるでしょ」は曜。

 

(最先端とか、SNS……? とかやってればわかるんじゃないか)

 

梨子はしばらく考えてから出したのは……

 

「3人海で知り合ったからスリーマーメイドとか……?」

 

2人はスルーしてストレッチを続行する。ダメらしい。

 

恥ずかしくなったのか「今のは無し」と訂正を入れるが、聞き入れてもらえなかった。

 

「曜ちゃんは何かある?」

 

曜の出した案は

 

「制服少女隊とか! どう?」

 

「ないね」

 

「そうね」

 

千歌と梨子は言った。そのことに曜は「ええ~!!」と不満を漏らす。「結構気に入ってたんだな」と一眞。

 

(俺は来ないよな……)

 

静かに距離を開ける一眞に対して曜が「カズくんは?」と聞いてくる。

 

「デスヨネ~」

 

少し考えた後、結構投げやりに

 

「浦の星制服マーメイドとか……」

 

「ごめん、聞いたのが間違いだった……」

 

「ええ!?」

 

曜に謝られる始末。「カズくんは感性が独特だからな~」と千歌は言った。

 

その後も浜辺にたくさんの案を出したがこれと言ったものが出てこず、しまいには「みかん」とか書き始めてしまった。

 

「こういうのはやっぱ言い出しっぺに付けてもらうべきよね」

 

梨子の提案もあって最初の千歌に戻る。

 

すると千歌は海辺に書かれた文字に視線を落とす。そこには誰が書いたかもわからない文字がそこにはあったのだった。

 

”Aqours”と書かれたそれを見つめる4人。

 

「えーきゅーあわーず?」

 

「アキュア……」

 

「もしかしてアクアじゃない?」

 

千歌と梨子を悩ます文字を曜が推測する。

 

「水……ってことか」

 

水と私たちという意味を掛け合わせた造語だろう。それを踏まえてもう一度見た千歌は

 

「グループ名にどうかな?」

 

と提案する。

 

「誰が書いたのかもわからないのに?」

 

「だからいいんだよ。名前決めようとしてる時にこれに出会った……それってすごく大切なんじゃないかな?」

 

梨子は苦言を申すが、千歌の考えに突き動かされる。

 

「いつまでたっても決まりそうにないからな」

 

ここにいる者たちの意思は固まった。ここから彼女たちは――――

 

 

 

 

 

「「「浦の星学院スクールアイドル”Aqours”です!!!」」」

 

町内放送のスピーカーを通してその名が伝えられた。

 

が……

 

「でも学校から正式な承認貰ってないんじゃあ……」

 

「ああ!?」

 

「浦の星学院非公認アイドル……」

 

纏まりが悪くなりながらも、彼女たちはなんとかライブの日程を町中に伝えていった。

 

この後、放送を許可してくれた人に謝罪しに行きそのやさしさ、寛大さに感謝する一眞が見られたのは別の話。

 

 

 

翌日も沼津でビラ配り……なのだが

 

「なんで俺が写真を……」

 

「いいからいいから、カズくんお願いね!」

 

曜や他校の生徒に頼まれ、一眞はカメラを構えていた。

 

「全速前進……」

 

 

「ヨーソロー!」

 

 

曜と他校の生徒が敬礼した写真をカメラに収める一眞。

 

「ビラ配りは!?」

 

撮影会のようになってしまった現状にツッコミを入れる。

 

 

 

ライブまでの残り少ない期間には学校の友人にステージの手伝いを頼んだり、曲を完成させたり……

 

「ならここでステップ入れれば……」

 

「ここで動いた方がお客さんに正対できていいと思うけど」

 

「じゃあ私が回り込んでサビに入る?」

 

振付やステップの相談をしたりと、着実に完成へと近づかせていった。

 

 

 

 

 

そしてついに来たライブ当日。しかし外はあいにくの雨。しかも土砂降りだ。まるで空が彼女たちに悪戯を仕掛けにきているかのように。

 

体育館では彼女たちとは別の場所に一眞はいた。この時間は彼女たちだけで話あってほしいと考えてのことだ。

 

緊張しているのは当たり前。それに満員に満たなければいけないという条件も重なり、とても強い圧がかかっているのかもしれない。しかし、彼女たちがやってきたことは嘘ではない。一眞もきっとうまくいくと、そう信じている。

 

ステージ裏では千歌たちは手を繋いで円を組んでいる。思いを一つにして気合を入れるために千歌は声をあげた。

 

 

 

「今を……全力で……輝こう!!」

 

 

 

「「「Aqours! サンシャイン!!」」」

 

 

 

そしていよいよ開演の幕が開く――――

 

 

 

 

 

しかし、現実とは時に残酷に牙をむく。今この体育館にいるのは、満員どころか10人にも満たない人たち。その多くが浦の星の生徒だったのだから。一般の人など片手で数えられるほど……。

 

 

その期待とは裏遠くかけ離れた事実に彼女たちは表情を曇らせてしまうものの、それでも……と、ここまでやってきたことに嘘をつかないため、彼女たちはライブを開始した。

 

 

「私たちはスクールアイドル、せーの……」

 

「「「Aqoursです!!!」」」

 

彼女たちはその輝きと諦めない心、信じる力にあこがれスクールアイドルを始めたこと、そして何を目標としているのかを語る。

 

「目標はスクールアイドル……μ'sです!!」

 

千歌の宣言の後、曲が始まった。

 

『ダイスキだったらダイジョウブ!』

 

 

 

 

 

その曲は、ここにいる誰をも魅了した。ダンスや配置も完ぺきにこなしていくその姿に一眞は息を呑む。この出来に……もしかしたら……と淡い期待を持つ一眞。

 

 

 

その瞬間――――

 

 

 

バチンッ!!という巨大な音共に、辺りが暗くなってしまう。一瞬のことで思考が回らなくなる。しかし、その冷たくなる空気を感じ取って一眞は最悪の事態であることを理解する。どこかに雷が落ちてしまい、停電が発生したのだ。

 

 

 

そのどうしようもない事態に呆然と立ち尽くしてしまう。心臓が早く脈打ち、息も上がっていく……反面、頭の中では脳をフルに回転させ始めていた。

 

(冷静に……冷静に……ここで終わらすわけには行かないだろ……!!)

 

はじめてのはずなのに……以前にもこのような緊急事態を経験しているかのように、言い聞かせていくほど彼の頭の中は冴えていく。

 

(電気が落ちた……でも復旧までに時間がかかる……なら!!)

 

一眞は一部の望みを導きだし、体育館を後にして土砂降りの中を全力疾走する。

 

災害などによってはここも避難場所になる。すれば、電気が使えなくなるような時を想定してどこかに予備電源が存在しているはずだ。

 

(そして体育館からあまり離れてない場所に……!)

 

雨粒が目に入って痛む。しかしそれを気にしている余裕はない。ここま彼女たちがやってきたことを……一番近くで見てきた自分だからこそ、こんな終わり方にはさせない……そんな一心であった。

 

体育館裏倉庫に着くとすでにドアが開いていた。どうやら自分と同じ考えに人がいたようだ。

 

「ありがとうご……って生徒会長!?」

 

その人物に一眞は声を上げてしまう。なんとそこにいたのは「スクールアイドル部は認めない」と言っていた生徒会長の黒澤ダイヤであったのだ。

 

「たくさんの方々に来ていただいているのに、停電で中止となってはこの学校の何も傷がついてしまいますから」

 

ここにいる訳を話すダイヤ。そして「たくさんの人……?」と一眞は動きを止めてしまうが、ダイヤの「早くしないと人が来てしまいますわよ」の声で協力して予備電源を移動させる。

 

「全部つなぎましたか?」

 

「はい、大丈夫です!」

 

一眞の確認がとれたダイヤは電源のスイッチを押し起動させる。それと同時に「バカチカー! あんた開始時間間違えたでしょ!」と美渡さんの声が聞こえた。すると外からは多くの人が体育館へ続々と入っていく。その数は体育館を簡単に満員へと持っていった。

 

千歌へ断っていた美渡さんも会社にポスターを貼ってライブを知らせ、他の浦の星の生徒もビラ配りをしてくれていたのだ。千歌たちの知らないところで、千歌たちを応援する人が助けてくれていたのだ。

 

たくさんの人々の前で千歌たちはライブを再開させた。

 

するとライブは大成功を納めたのだ。溢れんばかりの歓声や拍手が鳴りやまないほどに。

 

1人の生徒がステージ前に立つ。本来であれば多くの人がいて音が吸われてしまうはず……しかしそれでも全員に聞こえるほどの声でダイヤは言った。

 

「これは今までのスクールアイドルの功績と、町の人の善意があっての成功ですわ! 勘違いしないように!」

 

ダイヤの言葉は正しかった。今回のファーストライブは、千歌たちの呼び声に賛同してくれた彼らの善意がなければこれほどの成功は望めなかっただろう。だが、千歌はそれをわかっていてダイヤに言葉を返す。

 

「見ているだけでは始まらない。今しかない瞬間だから――――」

 

「「「輝きたい!!」」」

 

と。

 

彼女たちを陰から見ていたのは幾人か居たが、その中には

 

「……これが……スクールアイドル」

 

自分の想像を超えた姿を見たように目を見開いたスピカの姿もあった。

 

 

 

 

 

 

「退屈だな……これでも召喚するか」

 

傘をさしたアオボシは、スピカから取ったダークリングを持ってカードをリードした。

 

《バドリュード》

 

 

 

体育館でも地響きを感じ、一眞は外へと飛び出る。そこには白い体に黒のラインで幾何学的な模様が描かれた、オレンジ色のモノアイを光らせる機械生命体が立っていた。

 

「こんな時に……」

 

《ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン》

 

 

 

千歌たちも体育館から飛び出し、その地響きの原因を探す。

 

「なになにっ!? ……か、怪獣!!」

 

「早く非難しないと!」

 

「千歌ちゃん、曜ちゃん見て!」

 

梨子が指を指す方向にはバドリュードへと立ちふさがるオーブが立っていた。

 

「うるとらまん、がんばれー!」

 

沈黙をやぶって、ライブを見に来てくれていた小さな男の子がオーブに向かって応援を始めた。

 

するとその男の子に触発されたのか、たくさんの人々が応援を始めた。

 

「頑張れぇぇぇぇ!!」

 

そして千歌もライブ後とは思えないくらいの声量でオーブに向かってその想いを届ける。

 

(今日はソッコーで終わらす)

 

オーブはバドリュードへを構えると地面を蹴って駆けていく。バドリュードの攻撃をブロックし、左ストレートを打つ。機械の腕のフックを頭を下げるようにして躱し、腹部に横蹴りを食らわせた。その攻撃で怯んだ隙に、オーブは渾身の力で背負い投げる。

 

追い打ちで放ったスペリオン光輪は見事、胸の装甲を切り裂いた。

 

バドリュードも反撃のためと口元に両手をあててから超音波光線を発射するが、それを見切ったオーブは前転で避ける。

 

(スペリオン光線ッ!)

 

流れるように発射された光線はバドリュードの胸中を貫き爆散したのだった。

 

 

 

機械の破片が飛び散り怪獣の姿が消えるとオーブはゆっくりと立ち上がる。

 

 

 

さっきまで降っていた雨はやみ、雲の隙間から光が漏れ始め、学校やオーブを照らす。雨上がりの空に飛ぶ鳥は、まるで彼女たちの新たな飛び立ちを感じさせるようなものであったのだった。

 

 

 

納得いかないという表情でアオボシはオーブを見つめていた。

 

「なんだよ……元の姿で戦わないのか……」

 

彼はオーブの”本来の姿”を所望のようであった。しかしオーブがその姿を見せることが無いまま戦いが終わってしまった。もう少し強いのが良かったかなと先の戦いを思い出していると、ふととある疑問が生じた。

 

「それにしても、3年前はあんな戦い方だったか?」

 

彼が見たオーブの戦い方はまるで素人。やっと板についてきた程度のものだった。しかし彼の知るオーブはもっと戦い慣れていた筈……。少なくともアオボシの記憶ではそうだった。

 

そんな鼻で笑うような戦い方であるのに、アオボシには長年近くで見てきたかのような動きにも見えていたのだ。

 

飛び去っていくオーブを見ながら、アオボシは呟く。

 

 

 

 

 

 

「誰なんだ……お前」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ後、一眞は千歌たちに頭を下げていた。

 

「俺もマネージャーとして入れてください!」

 

と。先のライブを見て踏ん切りがついたのだ。自分も近くで見ていきたいと。

 

「もう入ってるみたいなものだけどね」

 

「そうよね。今更って感じかも」

 

曜や梨子に言われる一眞は「でも申請書に名前書いてないし~ほら、こういうのってやっぱりしっかり言っとかないと……」と言っている一眞に千歌は近付き。

 

「うん、カズくんよろしく!」

 

と迎え入れてくれた。さっきまでの賑やかな雰囲気とは打って変わり、4人は穏やかな顔でお互いを見つめ合う。

 

 

 

 

 

こうして一眞を入れたAqoursは最初の一歩を踏み出したのだった。




今回登場した怪獣はウルトラセブンXに登場したバドリュードです。
戦闘短くね?と思ったそこのあなた、原作のセブンXの方でも戦闘時間はわずか6秒ほどなんです……ちょっとそこも再現したいかなと思って書いてみました。
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