Sunshine!!&ORB   作:星宇海

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早めに出せました。今回であるキャラの出番は終了です。


第三節 奇機械怪獣

「そんなことが……」

 

『だが、君たちが気に病む必要はない』

 

「そうだよ。悪いのはスパーク……『ドールズ』なんたらドールズを落とした宇宙人なんだから。……あれ、悪いのか?」

 

 千歌と曜にこれまでの事情を話し、一眞の捕まっているところまで歩みを進めた一行。しかし、この話を聞いて彼女ら2人はあまりいい気はしないだろう。例え、エックスや果南からフォローされても。

 

「でも、君のお陰で居場所を突き止めることができた」

 

 微笑む大地に、千歌は首をかしげる。君のお陰と言っても、自分で何かした覚えはないのだから。

 

「スパークドールズ、拾ってくれたでしょ。それが俺たちと君を繋げてくれたんだ」

 

「もしかして……これが……ですか?」

 

 千歌がポケットから取り出したのは、届ようと思って拾った人形だ。彼女が持ってくれていたおかげで、大地やエックスと巡り会えたことは不幸中の幸いと言える。

 

「うん。持っていてくれてありがとう」

 

 渡されたスパークドールズを大事にそうに見つめる大地。スパークドールズも星で共に生きる命。その価値に変わりはないのだ。

 

『みんな、そろそろ一眞君が囚われている部屋に到達するぞ』

 

 エックスの一声に、空気が一気に引き締まる。部屋への入り口に差し掛かれば、身を潜めて中を覗き込む。

 

「ああもう! どうしていつも邪魔ばかり!! それにどいつもこいつも役立たず……」

 

「お前はそうやって誰かを見下すことしかできないから、だれにも信頼されてないんだろ」

 

「黙れ下等生物が!!」

 

「があっ……!」

 

 計画が阻止されたことを映像で知ってしまっているヴィルゴは激昂し、八つ当たりとばかりに一眞を蹴る。

 

「カズ……!」

 

『待つんだ。ここはワタシと大地で救出にあたる』

 

 今にも飛び出していきそうな果南を抑え、自分達が行くと伝えるエックス。

 

「じゃあ、私たちで注意を引くから!」

 

「え、ちょっとみんな!」

 

『仕方ない。行くぞ大地!」

 

 Aqoursは周りにいる宇宙人4体やヴィルゴの気を引き、大地とエックスにはその隙に救出してもらう。そんな運びとなった。が、特に手段もないので周りにある壺や椅子を振り回すことしかできないのだが……。

 

「ダイヤその椅子貸して!」

 

「はい!」

 

「果南、やっちゃえー!」

 

 ダイヤから手渡された椅子を、果南は勢いよくぶん投げた。飛翔した椅子はセミ人間の頭部に見事激突。セミ人間は頭を抱えて座り込んだ。

 

「大丈夫かい? ちょっと待ってて!」

 

 大地は腰のホルスターからXioの正式装備である光線銃”ジオブラスター”を抜き、枷へ発泡。自由になった一眞へ手を伸ばす。

 

「ありがとうございます!」

 

 手を取って立ち上がった一眞は、目の前の青年とデバイスの中の人物に尋ねる。「あなた方は?」と。

 

「俺は大空大地」

 

『ワタシはウルトラマンエックスだ』

 

「あなた方も?」

 

「うん……でも話は後、すぐ逃げるよ!」

 

 一眞と大地とやり取りの横で、1年生組はレキューム人からグルグルと逃げ回っていた。その様はこの場所や雰囲気にはあまり似つかわしくない、なんともコミカルなものだった。

 

「どうすんのよ!」

 

「わかんないよ!?」

 

「善子ちゃ~ん」

 

「どうにかするずら~!?」

 

 あまりの無茶ぶりに驚いた善子は、足をまたまた絡ませ転倒。善子が先頭だったのもあり、続けざまに転んでいく。すると、なんとレキューム人も巻き込まれてしまう。さらに善子たちが倒れた衝撃で、飾ってあった壺が落下。積み重なる形で横になっていたことから、一番上のレキューム人の頭に直撃。気を失ってしまった。

 

「おお!」

 

「善子ちゃんのお陰だね!」

 

「ふ……フフフッ、これも堕天使ヨハネの力……!」

 

「早く逃げるずらよ~!」

 

 2年生組もフック星人から逃げ惑う。しかし側面から飛び込んできた一眞の飛び蹴りでダウン。残りの1体であるバド星人も、ジオブラスターの前に倒れるのだった。

 

「大丈夫か?」

 

「こっちは平気」

 

「それよりも……」

 

「2人が無事ならそれでいいよ。謝るのもなしな!」

 

 宇宙人たちも倒れ、計画はもはや滅茶滅茶。そんな状況にヴィルゴが憤慨しない理由は存在しなかった。

 

「どこまでこけにすればすれば気が済むのよアナタたちは……!!」

 

『お前か、我々の宇宙からスパークドールズを盗み出すよう仕向けたのは!』

 

「はあ? だから?」

 

「スパークドールズを返してもらう。彼らは道具じゃないんだ!」

 

 争いの道具には利用させないと大地が語るのは、異なる生命との共存を望んでいるからだ。しかしヴィルゴは自分は持っていないという旨を伝える。では一体がと言いかけたところで、皆の背後からガッツ星人が姿を現す。 

 

「お探しのものというのはこれですか?」

 

 ジュラルミンケースを見せつけてくるガッツ星人。下手に手を出すと、何をしでかすか……そんな不安もあり動きが止まる。

 

「でかしたわガッツ星人。フフフ……それじゃあ、アンタら仲良くここでブッ潰してあげ────」

 

 しかし影のように滑り込んできた人影が、ガッツ星人へと剣を振り下ろした。

 

「ハアッ!」

 

 攻撃は外れたが、衝撃でジュラルミンケースは宙を舞う。そして割り込んできた男がキャッチした。

 

「よっと」

 

「オマエ……悉く割り込んできやがって」

 

 ヴィルゴはケースを持った男、アオボシを睨む。元から気に入らなかった上に計画の邪魔したり、ようやく殺せると思えばまったく死なないともなれば、彼の存在は一層忌々しくなるだろう。

 

「君を怒らすためなら何度だって割り込んできてやるよ。ほら、これでしょ?」

 

「ありがとう……」

 

「お前……なんだその恰好……?」

 

「そこかよ……早く逃げるぞ!」

 

 一瞬の静寂を打ち破るように、アオボシの声で全員が館から逃げ出していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってるのよ! 早くアイツら追って始末してきなさいよッ!!」

 

 あろうことかスパークドールズすらも取られてしまい、煮え滾った感情を爆発するさせるヴィルゴ。彼女はガッツ星人に命を下しながら、体を蹴り上げた。

 

「クソッ……クソクソクソ! どうしてこんな……!!」

 

 完璧だったのに、途中までうまく行っていたのに……そんな感情が彼女の胸の内で渦巻いていた。この星に来るまでは何もかも思い通りだった。なのにオーブやあの裏切り者のせいで悉くを打ち砕かれてしまう。

 

「もういいわ。だったらコイツらを使って……この星を焦土にでも変えてやるわ!」

 

 自棄になった彼女が取り出したのは6枚のカードと、唯一残ってガッツ星人の手元に残っていたスパークドールズ。それらを一気に召喚し、物量で攻め立てようとする初期の作戦を実行に移そうとしていたのだった。

 

 

 

 

 

 ────すると

 

 

 

 

 

「やっぱりそっちの方向で行くのか? オレは賛成だぜ」

 

 背後から近付いてきていたガピヤ星人もといプロキオに気付かず、ダークリングとカードを奪われてしまった。

 

「ちょっと!? プロキオッ……!」

 

「けど、コイツらだけで暴れさせるのはちょっと勿体ないなぁ……」

 

「はあ? 何言ってるのよ」

 

 ダークリングを眺めながら語るプロキオの言葉をヴィルゴは理解できず、堪らず聞き返してしまう。しかし髪が乱れ、いつもの妖美な雰囲気の欠片もない今のヴィルゴに、彼は答えず話を続けた。

 

「オマエはこの星を焦土に変えたいんだろ? だったらさ……()()()()()()()

 

 そう言ってプロキオはカードの一枚をダークリングに読み込ませ、ヴィルゴへと淡く光る輪を向ける。

 

 

《デアボリック》

 

 

 放たれた闇の波動は、剣の如くヴィルゴの体を貫いた。

 

「な、なんで……?」

 

 闇が体を侵食し、自分という存在が上塗りされていく感覚。自分が自分でなくなっていくのをひしひしと感じているヴィルゴは声を震わせた。

 

「理由なんかねえよ。その方が面白いかなと思っただけさ」

 

 今のプロキオはガピヤ星人……それも半機械化したサデスの体。故にチカチカと輝く光でしかない瞳からは、表情を読み取ることはできない。しかしヴィルゴから見た時、彼の眼からは侮蔑の意を感じた。

 

「オレ個人はオマエに恨みはない。けど、散々他人を利用してきたところは見てきたからな……。こんな時ぐらいオマエも前に出ろ」

 

「い、嫌!? ワタシはまだ……こんなところで────」

 

 終わるつもりはないと言いかけたところで、プロキオは言葉を遮る。

 

「そんで兵器にでもなって、沢っっっ山暴れてくれよ?」

 

 闇が全体を侵食する。美しくはあったヴィルゴの顔も既に虚空を見つめ、口からは涎がダラダラと垂れている。美しかった彼女の落魄れようが見るに堪えなかったのか、それともただ飽きたのか……プロキオは部屋から出ていく。残りのカードとスパークドールズを持って。

 

「あ……わた……あ、しあ……あ、ああ─────」

 

 波動は黒煙へと変貌し、ヴィルゴを完全に包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~

 

「ちょっと、あの屋敷爆発したわよ!?」

 

「気にしてる場合じゃないでしょ!」

 

「そうですわ。一刻も早く安全な場所まで行かなくては!」

 

 館から逃げ出し、市街地に向かう一行。道なりに進めばいいだけだが、律義にエックスはナビをしていた。

 

『300m先、左折です』

 

 そんな中、一眞は梨子や果南といった8人に問いかけた。「なんで来たんだ?」と。助けてくれたのは心の底から感謝している。しかし彼女たちが危険な目に遭うのを避けたかったのだ。

 

「私たちだって心配なのよ!」

 

「そうですわ。特別な何かができなくても、わたくし達にだってできることがある筈ですわ」

 

「そうやって今までもやってきたでしょ」

 

 口を噤む一眞を見つめる大地。戦う側と、それを見守る側の気持ち。どちらの想いも理解している彼は、現に迷う後輩に向って言葉を紡ぐ。

 

「俺にも、大勢の仲間がいる。苦しい時には、その人たちの笑顔が力になるんだ」

 

「……」

 

 そんな時、地響きを鳴らしながら街に怪獣が降り立った。

 

「え、怪獣!?」

 

「あれは……」

 

『デアボリックか!?』

 

 既に一度交戦経験のあるエックスは、その怪獣の名を叫ぶ。

 

 頭と胴が一体化したような風貌に、右目には緑色のスコープ。左腕の巨大な機関銃、右腕には3本の爪を持ったロボットアーム、両肩に三連装砲や小型ミサイルポッド、光弾発射機といった多くの武装が装備されている。歩く武器庫ともいえる怪獣……奇機械怪獣デアボリックは、笑い声の様な不気味な咆哮を上げた後、街を破壊していく。銃口が連続的に火を噴き、ミサイルが空を突き進み、光線が一直線にビルを貫く。

 

「沼津の街が粉々に……」

 

 ものの数秒で瓦礫の山と化していく街を見て、呟く千歌。これ以上好き勝手にさせるわけにはいかないと、大地と一眞は前方の怪獣を見て走り出した。

 

「行きましょう、大地さん!」

 

「ああ! エックス、ユナイトだ!!」

 

『よし、行くぞ!』

 

 一眞はオーブリングを前方に突き出したのと同時に、大地もエクスデバイザーの上部スイッチを押し込んだ。

 

 エクスデバイザーは左右の金色のパーツが展開。Xを象った形へと変形すると同時に、ウルトラマンエックスのスパークドールズが具現化。即座に掴みデバイザーで読み取る。

 

《ウルトラマンエックスとユナイトします》

 

「エックスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 大地の叫びと共にデバイザーから放たれる光は激しさを増す。その果てに彼を包み込み────

 

 

 

 

 

《エックス ユナイテッド》

 

 

 

 

 

 上空で青と紫の光が、それぞれXとOの形で輝いた。そこから2体の巨人が錐もみ回転で降下。瓦礫をさながらチップのように舞い上げ、沼津の街に降り立つ。

 

 メカニカルな印象を受け、がっしりとした体格。赤や銀、黒といった配色で頭部のヘッドホンのような形状が特徴的。そして胸に輝くX字の水晶。その姿こそが大地と共にユナイトし、未知なる超人……ということから命名された────

 

「……ウルトラマン……エックス」

 

 ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオンと共に構えをとったエックス。そして眼前の敵へ威嚇の咆哮を上げるデアボリック。それが戦闘開始のゴングだったのだろう。巨人と怪獣は互いに地面を蹴ったのだ。

 

「■■■■■ッッーーーーーー!!!」

 

 全身武装を一斉に解放。周囲にも被害を及ぼしながら足を進めるデアボリック。対するオーブはシールドを展開し初撃を防ぐ。その後は手刀や蹴りで叩き落し、スペリオンスラッシュで相殺。エックスも同じく矢じり型の光弾”Xダブルスラッシュ”で撃ち落としながら弾幕の中を突き進む。

 

「オオオオッ!」

 

 エックスの腕を掴み回転。パワータイプの力も併用し、ハンマー投げのようにエックスを飛ばす。胸元に体当たりが命中。後退し、弾幕も治まる。

 

『ヤツの攻撃は厄介だ。なるべく撃たせるな!』

 

「はい!」

 

 アドバイスもあり、即座に左腕を蹴り上げるオーブ。さらに雷をまとった蹴りで下方向から蹴り上げるエックス。だが、デアボリックも反撃に肩から連射。一発の威力も高く、当たれば連鎖的に次の攻撃の餌食になってしまう。終わることのない銃撃の風。

 

「一眞君!」

 

 エックスは右手に力を溜める。青く輝く手刀をXを描くように打ち込んだ。

 

「『X……クロスチョップ!』」

 

 巨体に描かれたかのような光の筋。そこに向かって拳を叩きこめば、X字の衝撃波がデアボリックを襲う。

 

 フラフラと動くデアボリックを逃がすまいとオーブは肉薄。蹴り上げから頭を掴む。

 

『イィーッサァーッ!』

 

 足に力を入れて加速。渾身の飛び蹴りをデアボリックへお見舞いする。

 

「スペリオン……光線ッ!」

 

 十字に組んだ腕から光線を放つ。しかしヤツは右腕のロボットアームから赤いレーザーを照射。中心でぶつかり合い巨大な爆発を引き起こす。

 

「クッ……!?」

 

『大丈夫か!』

 

 衝撃で吹き飛んだオーブを起こすエックス。並んだ2体の戦士は、再度怪獣を見据える。

 

『デアボリック……以前戦った時とはまるで違う』

 

 星を宝石に変えようとした宇宙魔女賊との戦いでも、エックスと大地は対峙した。しかし、今回のヤツは以前とは何かが違うと感じていたのだった。

 

「エックス、何かわかるかい?」

 

『いや、まるで見当がつかない……』

 

 笑い声のような咆哮を再び上げて向かってくる。対するこちらも、また駆け出そうとしたその時だった。緑色の銃弾が側面から撃ち込まれたのだ。想定外の攻撃になす術なく、地に伏せてしまう。倒れながらも顔を上げ、射線の先を見つめる。

 

「デアボリックもよくやってるみたいだな」

 

 二連装の銃口がついた腕を下したガピヤ星人サデス(プロキオ)。彼の登場にエックスと大地は驚愕する。

 

『お前、生きていたのか!』

 

「いえ、こいつは別人。体だけを乗っ取っているんです!」

 

「そういうこと。それじゃあ第二ラウンドと行こうぜ!」

 

 長剣を取り出し、左腕をグルグルと回し始めた。

 

 全身武器の機械怪獣と厄介なサイボーグ宇宙人の登場に、大地も一眞も思わず奥歯を噛み締める。すると機関銃の攻撃が迫りくる。2体は前転で回避。エックスはデアボリック、オーブはプロキオへと走っていく。

 

「ゴモラ、力を貸してくれ!」

 

 大地はデバイザーに、サイバー怪獣のデータが記録されているサイバーカードを差し込む。

 

《サイバーゴモラ ロードします》

 

 水色の鎧が上半身に装着される。胸部中央に施された巨大なXマーク、角のような突起のある肩アーマー、4本の爪が特徴の巨大な両腕部アーマーにはGというマーク。地球人のサイバー怪獣技術とエックスのコラボである”モンスアーマー”だ。

 

《サイバーゴモラアーマー アクティブ》

 

 巨大なクローがボディを引き裂き、デアボリックから大量の火花が散っていく。合間に撃たれる攻撃を両腕部のアーマーで防ぎつつ、鋭い一撃を放つ。

 

 

 

 

 

「ハアアアッ!」

 

 高速移動でプロキオを翻弄しながら、一撃を叩きこむナイトリキデイター。

 

「またソイツかぁ!」

 

 一度やられた経験があるためだろう。プロキオの攻撃は苛烈になっていった。互いに長剣を振り回し、ぶつかれば火花が散る。幾度目かの鍔迫り合いの後、バク宙で距離をとったオーブは即座に雷を纏わせた光球を撃ちだした。

 

「ストライクナイトリキデイター!」

 

「もう通用しねえ!」

 

 しかしサデステインで一閃。半球となって消滅してしまう。

 

「ならコイツで!」

 

 加速して間合いに入ったストリウムマイトのアッパーが命中。だというのに、気にもせず空中でガピヤ・スネイクを乱射。こちらも連弾で対処する。

 

「スワロマイトバレット!」

 

「それもだ!」

 

 煙の中を突っ切り接近したプロキオ。落下の勢いも加え威力を倍増させた一撃によって、オーブは仰向けに倒れこんでしまう。そして遂にカラータイマーが点滅を始めてしまった。

 

「やろう……」

 

 オーブは早々に決着をつけるため、首跳ね起きで立ち上がると同時に赤い光に身を包んだ。

 

「オオオ……ラアッ!」

 

 サンダーブレスターへと姿を変え、銃弾の嵐を片手で防ぎつつ突進。プロキオの頭を渾身の力で振るった裏拳で吹き飛ばす。

 

「いいねぇ、やっと骨のあるやつが出てきたな……」

 

 吹っ飛んだものの、今の彼は痛みよりも強者と戦えるその喜びで体を震わせていた。

 

 

 

 

 

《サイバーエレキングアーマー アクティブ》

 

 Eのマークが施された巨大な電撃銃を右腕に装備した、黄色のモンスアーマーを纏うエックス。電撃銃から放つ雷撃を、さながら鞭のように扱い攻め立てていく。広範囲の攻撃も、横一文字に薙ぎ払うことで一気に打ち消した。

 

『クッ……もう時間がない!』

 

 エックスと大地のユナイトも残り時間が僅かなのだ。しかしこのデアボリックには微妙に知能が残っているのか、ただ乱射するというわけでもなかった。

 

「エックス、一気に決めよう!」

 

 そう言ってもう1つのスパークドールズを取り出そうとした矢先、ブーメラン型の光線がエックスに直撃。

 

『……なんだ!?』

 

「遅いじゃねえかよ」

 

「申し訳ありません。お待たせしました」

 

 煙の中から姿を現したのは巨大化したガッツ星人。それともう1体の怪獣だった。

 

 全身から突き出した鋭い突起が光を反射させる。背中にも生えた刃はまるで翼。金属化した皮膚やビスで止められた鎧のような体に、シャッターで閉じたかのような口元。そして均一に光る黄色の目……生物というよりも機械に近い姿は、もはや同族とは思えないほどの変化だった。

 

「あれは……!」

 

 大地は見覚えがあった。なぜならそれをXioの基地で保護していたからだ。盗まれたスパークドールズの1体。

 

 

 その名は次元凶獣カミソリデマーガ。両腕の”レザーエッジ”で煌めかせ、その咆哮を轟かせた。

 

 




いろいろ詰め込んだ展開になりましたね。

ヴィルゴに関しては一体化することでデアボリックのスペックを上げてもらう役割での一体化であって、彼女の意思なんてものはあの怪獣にはありません。こうしてみると妥当な最期だったんじゃないでしょうか。人を苦しめてきた(主にAqoursと一眞)の報いということで……。短い付き合いでしたが、いざこれで最後となると寂しいものです。

あと、ダークリングには強制的に怪獣にする力があるのかと言われると、これは私の拡大解釈で書かせてもらった結果です。細かい設定もないし、できるんじゃないかなと。

次回もお楽しみに!
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