課題と戦っているうちにトリガーが始まり、スーパースターが始まり、この小説を投稿してから1年が経ってしまいました。
『「があああああッ!』」
宙を裂くように舞った光刃が、赤と銀の身体を幾度も襲う。
『大丈夫か、大地!?』
「あ、ああ……」
熱した鉄串を当てられたような激痛が走る。膝をつき、そして脇腹を抑えたままエックスは前方の怪獣を見据える。攻撃を加えた本体……カミソリデマーガは両腕の刃を研ぎ、なんとも余裕そうな表情で向かってくるのだった。
『厄介な相手だ……』
全身が凶器と言っていいくらい鋭刃が飛び出しているため、近距離戦を仕掛ければこちらが不利になるのは確実。さらに近距離だけでなく、数多の遠距離攻撃も備えている。そしてそれらを適切に扱う高い知能。この3つの要素を併せ持ったのがこのカミソリデマーガという怪獣なのだ。
「エックス……まだいける?」
『ああ……勿論だ』
ユナイトを保っていられる時間も残り僅か。時間が来てしまえば、いつまた再びユナイトできるかわからない。そのためにも早急に終わらせなければ。今もジリジリと燃えるような痛みが体を蝕むが、どうにか意識を切り離して戦意を掻き立てる。
「■■■■ッーー!!」
再度飛んできた剃刃を横に飛んで回避。回り受け身をとりつつ、地面を蹴って突進。拳のラッシュで押し、迫る凶刃を仰け反って躱す。そして流れるように足蹴り。フィニッシュに光エネルギーを圧縮して纏わせた右腕を胸元にぶつける。すると小規模の爆発。これで少しは隙が出来た筈────
『……な!? アアアアアッ!』
だが黒煙から振るわれた刃は、点滅のする水晶の横を斬り上げる。そのまま宙に飛ばされたエックスは、ビルを潰しながら倒れてしまうのだった。
「これでも……くらえ!」
サンダーブレスターは勢いよく右手を振りかぶった。飛んでいくのは赤い光の鋸……ゼットシウム光輪。
「んだこれはぁ!」
だがそんな単純な攻撃をまともに受けてくれるはずもなく、左の長剣で叩き落した。ガピヤ星人サデスの身体を操るプロキオは、楽しそうに切っ先をこちらに向ける。
すると面倒なことに、標的をオーブへと変更したデアボリックが機関銃を乱射しながらこちらへ接近してきた。星人と怪獣、そしてウルトラマン。状況は2対1へと変化する。
「クソッ……時間も少ないってのに!」
「ああ? このデカブツが……あの不愛想な方を相手してりゃいいってのによ」
悪態をつくプロキオ。彼はタイマンで勝負をしたかったらしい。だがキレたとしても、理性らしい理性のない動く火薬庫は聞いてくれないだろう。その結果を作ったのは自分だとわかっているから、彼は小さく舌打ちをする。
「しゃあねぇ。これでも耐えてくれよな、オーブ!」
「……上等だ!」
闇を抱きしめるという方法で暴走を克服してはいるが、それでもフュージョンカードの影響を受けているようだ。いつもより好戦的な一眞は声を上げると同時に地面を蹴る。
赤と黒の稲妻が尾を引き、オーブはすれ違いざまにデアボリックの側面へ手刀を打ち込む。その後も勢いを緩めずにプロキオへと突貫。オーブの振るった左の拳と、同じく突き出された機械の拳が衝突。衝撃が波紋のように広がり、ビルを薙ぎ倒していく。そのあまりのインパクトに、同時に打ち出されたプロキオの右腕は粉々に砕けしまった。
「もらった! ゼットシウム光線ッ!!」
吹き飛んでいく無防備なプロキオに狙いを定め、十字に組んだ腕から熱戦を放つ。闇と光の混じった熱戦を受け、ヤツは爆風の中に消えていくのだった。
火花が飛び散り、瓦礫が宙を舞い、黒煙が上がる。そんな激戦の様子を、千歌たちは固唾を呑んで見守っていた。しかし途中で参戦してきた宇宙人と怪獣には声を上げたりもしていた。「卑怯だ」と。
「何言ってるんだ。むこうはどんな手だって使ってくる。卑怯なんて言葉……あいつらには誉め言葉だよ」
戦っている場所とは全くの別方向を見て呟くアオボシ。彼らの戦いには興味はないし、関わりたくないのだろうか。逃げてきた後も戦いに参加していない。
「どうして一眞たちを助けてあげないの?」
「僕にはそこまでする理由はないね」
真っ当ともいえる問いに淡々と理由を述べるアオボシ。確かに彼がウルトラマンたちに手を貸す理由はないのかもしれない。けれどそうなると、先ほど手を貸したのはどういうことなのか。怒りが湧いてくる寸前に出た疑問によって、思考がストップする。
「じゃあさっき私たちを助けてくれたの────「僕が手を貸したのは、ただの個人的な嫌がらせのためだよ」
「そんな……」
「それにね……あいつらに勝てないようじゃ、シリウスはこの先何と戦ってもダメだ」
この先にあるものを見越しているのか、或いは既に知っているのか……。意味深な言葉だけを残してアオボシはその場を後にするのだった。
少女たちが見えなくなるところまで歩いてきたアオボシは、その場にある木を背もたれにして倒れこんだ。ここまで我慢していたのか……額には汗の粒が。
「失望されたかな……。まあ……それが僕だしね」
腹部を抑えていた彼は、ジャケットを脱ぎ捨てる。すると通常無地であるシャツが、赤い斑点模様で埋め尽くされていた。さらに所々切れている。洋館内での宇宙人との戦いで傷を負ってしまったようだ。彼が戦いに参加しなかったのは先の理由もあるが、この傷で満足に動けないというのも大きい。
「はあ……正義の味方って……面倒くさいなぁ……」
愚痴るように呟いてはいるものの、何処か満足そうだったのは口元が緩んでいるからだろう。
~~
「このっ……」
戦いは苛烈を極める。デアボリックは未だ健在でありオーブと光線を続けている。さらにエックスもカミソリデマーガ、そしてガッツ星人の2体を捌いている。体の隅々が悲鳴を上げているが、躊躇うことなく拳を振るい、足を前へ前へ動かす。
するとデアボリックとはまた別の光弾がオーブを襲った。瞬時に腕をクロスさせて攻撃を防ぎ、その方向に目をやった一眞は思わず溜息を漏らす。
「やってくれたな……おかげで体がバラバラに砕けちまったぜ」
先ほどゼットシウム光線を当てた筈のプロキオが、煙の中から姿を現したのだから。
「な、お前……」
「ああ、言ってなかったよな。
腕を広げて見せるヤツの体。それは今日初めてや対峙した時と同じだった。まるで時間を巻き戻しでもしたかのような、汚れのない体の彼がそこにはいたのだ。これまでも倒す度に彼は再戦を仕掛けてきた。しかし今回はインターバルなしだ。その理不尽な再生能力で何度でも蘇る。
拳を握りしめるオーブを嘲笑うプロキオ。その偽りの姿……いや既に本当の姿とも言っていいヤツら向かい、オーブは何度目か激戦を繰り広げるために地面を蹴った。
だが、体力は既に無いに等しかった。それは共に戦うエックスや大地も同じ。両刃で体を引き裂かれ、分身体から放たれた光線が身体を穿つ。それはオーブも同じ。猛吹雪のように打ちつけられる銃弾。防ぐ暇のない拳や蹴り。意識も朦朧とし、相対して激しく点滅するカラータイマー。
「これで終わりです。ウルトラマンエックス」
『「ウアアアアアアアア────』」
ガッツ星人とカミソリデマーガの同時光線を受けたエックスは爆発に呑まれ姿を消してしまう。ユナイトが解除されてしまったのだ。
「エックスさん、大地さん!!」
目を離した一瞬の隙。飛び込んできたプロキオの強力な拳がオーブを吹き飛ばした。
「ギャラクティカ・サデスファクション!」
「ガアアッ────」
ビルを巻き込みながら倒れたオーブ。彼は体を維持することができず、遂にエネルギーが霧散。その姿は一眞へと戻っていくのだった。
「……っ!?」
その様を見ていた千歌や曜たちは思わず彼の倒れた場所まで走り出していく。
「ううっ……!」
一方ユナイトを解除された大地も同様に、別の場所へ投げ出されて地面を転がる。幸い受け身をとれたようだが、ダメージの残る体では起き上がれない。
「エックス……大丈夫?」
『あ、ああ。だが、再びユナイトとなると……』
エックスが無事だということに安どするのも束の間。お互いに満身創痍であり戦いへ赴けないこと、そして周りの景色を見まわして奥歯を噛み締める大地。
あちこちに上がる煙や炎。建物だってここら一帯は原型が残っていないだろう。瓦礫の山となった地を闊歩するのは4体の怪獣と宇宙人。成す術のない今は、ただ視線を送ることしかできなかった。
「く……ぐ、うぅ……」
ビルが崩れ、クレーターとなった中心に倒れていた一眞。体を焼くような痛みに喘ぎ、起き上がろうにも体が言うことを聞かない。耳鳴りも酷いし、頭もクラクラする。だからなのか、近づいてくる声が自分を呼んでいるのか、悲鳴なのかわからない。
「カズくん……!」
「ちょっと、しっかりして!?」
「……何してんだよ。こんなトコ、まで来て……があ……」
そんな中大きな振動が彼女らを襲う。未だ宇宙人たちや怪獣は健在だ。暇なのか暴れ足りないのかは知らないが、銃を乱射し、刃を振るったり……様々な方法で残ったビル群を破壊。街を蹂躙していく。
「くそ……」
その光景を目の当たりにした一眞は立ち上がろうとしたものの、足がもつれて膝をついてしまった。彼はまた変身しようというのだ。その姿を見て、周りからは止めるように言われる。
「無茶よ!」
「その体では……」
「わかって、るけど……」
この体で何ができる? その答えは何もできない、だ。仮に変身できてあの群れに突っ込んでいくとしよう。すれば袋叩きにされて今度こそ死ぬ。こうやって変身解除で済んでいるのが幸運なくらいだ。けどそれは本人である一眞が一番わかっている。しかし理解していても納得することはできない。そんな一眞は自分の無力さに拳を握ることしかできなかった。
すると、一眞の肩にポンっと手が置かれた。
「……え?」
見上げたものの、太陽の光で顔はよく見えない。けどその体つき、そして置かれた手の力強さから男と判別できる。
「諦めてはいけない」
その声に、少女たちも顔を向ける。男は穏やかな雰囲気を纏っている。しかしそれだけではなく、多くの出来事を経験した特有の何かを感じる。かといって一眞たちを包むのは緊張ではなく、どことない安心感。
「かつてウルトラマンたちも数多くの強敵に敗れることがあった」
「……!」
この人はウルトラマンのことを知っているようだ。それも経験してきたみたいに。
「だがウルトラマンも人間も……仲間がいる限り、どんな強敵にだって勝つことができる。今の君なら、その意味が分かるはずだ」
「……あ、あなたは……誰です?」
その男に一眞は尋ねた。そこまで見通しているあなたは何者なのだと。
「誰でもない。ただの風来坊さ」
そう言って男は、胸のポケットから真紅のフレームに覆われたメガネ状のアイテムを取り出した。そのアイテム”ウルトラアイ”と呼ばれるそれを男が装着すれば、渦巻く火花のような閃光と共に体が変化する。銀色の頭部に額のビームランプ。真っ赤な体色に、胸から肩にかけて備わるプロテクター。
幾度も侵略者から別の地球を守り続け、真紅のファイターと呼ばれる戦士。彼がこの地に立った瞬間を、一眞やAqoursは疎か、大地やエックス、宇宙人たちの全員が目にしていた。そんな戦士の登場に、誰もがその戦士の名を呼んだ。その名は────
「……セブン!?」
「『セブン!」』
「セブン?」
「セブン……!」
恒点観測員340号、ウルトラ警備隊七番目の仲間とも言われ、ウルトラ兄弟と呼ばれる地球を救ったウルトラ戦士に与えられる名誉の称号を持った戦士……ウルトラセブンだ。
怪獣たちを見据えたセブンは一気に駆け出した。デアボリックのミサイル群を突き出した指から光弾を連射する”ウルトラショット”で撃ち落とし、そのまま体当たりで後退させる。次に迫ってくるカミソリデマーガの刃を躱しつつ、頭部に備わる宇宙ブーメラン”アイスラッガー”を使って打ち合う。
だがそこに緑の光弾が放たれる。しかしセブンはこれも回避。額のビームランプから放たれる”エメリウム光線”を3連射。攻撃を止めさせる。
「セブンさん……」
一連の動きを見ていた一眞は、体の痛みを忘れるほどに見入ってしまう。力強くも、素早いその動きは長年の末に会得し、今現在も成長しているという歴戦の勇者を思わせるものだったのだからだ。
セブンは語らずとも、一眞へと頷く。
「これが噂に聞く生涯現役ってやつか。おい、オマエらは手を出すな。コイツはオレが!」
ガッツ星人や怪獣2体に呼びかけ、プロキオは地面を蹴って飛び上がる。落下の勢いを利用して襲い掛かろうとするが、セブンは簡単に投げ飛ばしてしまう。馬乗りになって攻撃しようとするが、プロキオはそれを阻止。互いに立ち上がり、激しい肉弾戦が始まる。
巴投げから始まり、素早くそれでいて強い手刀。丸太をぶつけたような重い打撃。怯んだところでプロキオを地面に叩きつけ、トドメにはドロップキック。その機械の身体は滑るように吹き飛んでいく。そして数秒後には地面へ倒れこんでしまった。
「セブンのキック……効くなぁ……」
腹部を抑えながらも戦いを繰り広げられることが楽しくてたまらない彼は、すぐさまセブンと衝突した。
~~
そんなセブンとプロキオが衝突する中、デアボリックはAqoursや一眞のいる方に体を向けた。それはヤツの本能か、消えた彼女の怨念が残っていたのかはわからない。けれど確実なのは、確実に命を奪おうとしていること……それだけだった。
「あの野郎……みんなはこっから逃げろ。俺がどうにか時間を稼ぐ!」
しかし彼言ったことを聞く者は誰もいなかった。それどころか、一眞の前に立ったのだ。まるでデアボリックを止めようとでもするかのように。
「そこの怪獣! カズくんに何かするなら、わたしたちを倒してからにしろー!」
「マルだって相手になるずら!」
「このまま守られっぱなしってのも嫌だしね!」
「何言ってんだよ! 早く逃げろって!!」
彼女たちの行動はとてもありがたかった。でもそれはそれだ。みんなが恐怖に心を支配されているのは見なくてもわかる。さらにこのままでは、全員とも灰になる。そんなことにはさせたくない。その一心で一眞は叫んだのだった。
「何言ってんのよ」
「ルビィたちだって仲間です!」
「最後まで一緒ですわ」
「今更言わせないでよね」
デアボリックの鳴き声とともに迫る。すぐそこまでやって来た地響きで倒れそうになるも、必死に堪えて顔を上げる。辛かった時もあった、現実に打ちのめされそうになった時もあった。それでもやってきた自分たちであるから。それがステージの上でも、そしてこの瓦礫の上でも変わることはない。
「私たちは絶対に……」
「「「諦めない!」」」
かつて離れ離れとなり、消えかけた夢や目標があった。しかし今こうやって再び集まり、また歩き出す事ができた。そんな経験があるからこそ、いつだって諦めないと3年生は叫ぶ。
「私たちはいつだって……」
「「「前を向く!」」」
何が起ころうとも、ひたむきに前を向こうとする。隠された力を信じ、進み続けようとする1年生の叫び。
「限界だって……」
「「「越えてみせる!!」」」
輝きたいと始まり、いつしか自身の抱えてしまっていたものすらも取り払っていった。いつかのパフォーマンスの時のように、自分の見えている、知っている限界なんてものは超えていけると2年生が叫んだ。
彼女らの叫びは、ここにいる全員との絆を紡いでいくと同時に……歩んでいくうちに培い、経験してきたもの。それが光となり……彼に力を与える。
「……! これは……」
オーブリング、そしてホルダーにある3枚のカードが銀色に光り輝く。そこで一眞は、この力を与えてくれたウルトラマンヒカリの言葉を思い出す。
『────彼女たちと結んだ絆の力が最高潮に達した時……その種子は芽吹き、新たな力となってくれるだろう』
芽吹く時……それが今なのだ。白紙のカードは千歌たちの周りを回ってオーブリングに吸い込まれていく。
「本当に……バカだよ。みんなは……」
一眞は呟くも、その口調はどこか嬉しそうだった。ここまで信じてくれたこと、そしてこれからも信じてくれること……いつだって助けてくれる彼女たちに一眞は────
「ありがとう」
とだけ。
そんな彼の言葉を聞き、千歌たちは頷く。再び戦いへと赴く彼の背中を押すように。そして見守っていると言ってくれているように。
再び立ち上がった一眞は眼前の存在を睨みながら、青く光り輝くオーブリングを起動させた。
ウルトラマンギンガ
ウルトラマンビクトリー
ウルトラマンエックス
《トリニティフュージョン》
3枚のカードをリード。その後オーブリングから現れたのは、丸鋸状の武器”オーブスラッシャー”。みんなの絆が生み出した力、そして新たな道を切り開く3人の力を借りるため、一眞は虹色に輝いたオーブスラッシャーを天高く掲げた。
赤、黄、紫のオーラに包まれた3人のウルトラ戦士が、青く光るオーブと重なり合う。そして虹色の粒子が体を形作った。
天から降り立つオーブに、周囲の空気がまた一段と変化する。
手足や額に光るクリスタルや、サイバーメカニックな耳当て……カラータイマーの周りには金色の装飾に、青いXの輝き。右肩には、5色に煌めく鋭利な刃……。
ギンガ、ビクトリー、エックスの特徴が上半身に集中しており、下半身はオーブオリジンの面影を残すような外見。新たなる世代を行く彼らをその身に宿した姿に、誰もが目を奪われた。
「俺の名はオーブ。ウルトラマンオーブ……オーブトリニティ!!」
右肩からオーブスラッシャーを取り出し、構えを取るオーブトリニティ。
「■■■■ーーーー!?!!!!」
「イイネイイネ!そう来なくっちゃなぁ!!」
再び彼が立ち上がったことに、怒りの咆哮をあげるデアボリック。そして、興奮で声を上げるプロキオ。目の前の敵に走り出してくオーブを見てセブンも頷き光を送った。その方向にいたのは大地とエックスだ。
「……!」
その光はエクスデバイザーに吸収され、中からエックスが呼びかけてくる。
『大地、セブンのおかげでワタシの力も回復した。いつでも行けるぞ!』
「よし、もう一度ユナイトだ!」
再度エクスデバイザーの上部スイッチを押し込み、大地は再び光に包まれた。
『「Xクロスキック!』」
上空から出現した勢いのまま両腕、両足を開き、X字の姿勢からエネルギーを集中させた右脚で強力な蹴りを繰り出した。
「■■■ッッーー!!!」
空気を震わす轟音と苦悶の叫びを上げてカミソリデマーガは転倒。エックスも着地し構えをとった。
そうして並び立つ3体の巨人と4体の怪獣と宇宙人。一触即発ともいえる空気の中で、プロキオは声を上げる。
「悪いな。こっちにはもう1つ隠し玉があるんだ。こんな盛り上がる中で使わなきゃ損だろ?」
ヤツの手の中にあったのは豆粒ほどの小ささ。しかしウルトラマンの強化された視力で見れば、その正体が怪獣カードだとすぐに認識できた。そしてそのカードをダークリングにリード。
《ゴルザ》
《メルバ》
《レイキュバス》
《ガンQ》
《超コッヴ》
黒い翼が広がれば、破壊を尽くす王者が誕生する。
《ファイブキング》
ゴルザの頭部に、額を覆うようにしてから背中を構成するメルバの翼。右腕を構成するレイキュバスの頭。左腕はガンQの瞳が目立つ。そして腹部に張り付いた顔から構成される超コッヴの下半身。各怪獣の特徴や技を併せ持つ超合体怪獣だ。
「これで5体3だな。存分に楽しめよ?」
『なんて奴だ……』
不穏な空気になる寸前で、オーブは語りかけた。
「例えこちらが不利でも、諦めないのが俺たちでしょ? どんな強敵でもみんなの力で!」
「ああ、そうだね」
セブンも頷き構える3人。どんな強敵でも、みんなの力を合わせれば勝つことができる。1人では無理だとしても仲間を信じ、絆を築いけば勝つことができると。
「やる気になったか。じゃあ早速ファイブキング、あいさつにぶちかませ!!」
指示のもとファイブキングは一歩踏み出して額や目、右腕や左腕から一斉に光線を放った。地面を抉り突き進む光線をもろに受ければ無事では済まないだろう。
しかしそれは、上空から放たれた2つの光線によって相殺された。
「ギンガクロスシュート!」
「ビクトリウムシュート!」
第三者の攻撃に狼狽えるプロキオは、射線を辿る。空から落ちてくる2つの影は、オーブの目前に着地した。
1人は赤や銀の体に、額や耳、胸部や両肩、両腕、両脚についたクリスタルが印象的なウルトラマン。
そしてもう1人は黒を基調とした全身に、手首や足首に光るV字型のクリスタル。V字型のカラータイマー。そして何よりも特徴的なのがV字に沿った形状の頭部は、さながら海賊帽のようだ。
「ギンガ、ビクトリー!」
大地は思わず声をかける。それは彼と同じように別の宇宙で活躍するウルトラマンで、過去に共闘した仲間でもあるからだ。1人は未来から来た銀河の覇者”ウルトラマンギンガ”。そしてもう1人は太古の昔に地球に降り立った戦士”ウルトラマンビクトリー”だ。
「よお大地、エックス、セブン」
「あなたがウルトラマンギンガ……」
オーブ以外は顔見知りであるらしく、親しげに話しかけるギンガ。その様に若干戸惑いの表情が見える一眞。
「あんたは……俺らがしってるオーブじゃないってことか?」
「おそらくは……」
「そっか。それじゃあ改めて、俺がギンガ。んで、そっちがビクトリーだ。よろしくな」
そうして短い紹介を終えた後に、ギンガとビクトリーも並び立つ。
「状況は理解できた。そんじゃ、こいつらを一緒に倒そうぜ!」
「例えオレたちの知るオーブでなくとも、進む先は一緒だ。行くぞ、オーブ!」
「はい!」
守る者と壊す者、その双方が睨み合い構える。少女たちが見守る中、いよいよ最後の大決戦が始まろうとしていた。
詰め込んだお祭り状態です。
セブンもオーブトリニティも、ギンガとビクトリーも出せました。出し方が色々変わってますがオリジナルということで……。
次回もド派手に戦ってもらいます。それでは!