耐性スキルのために100回死んだら、死神になりました 作:暁月 聖人
白峯がダンジョンをクリアしたらしく、無事にユニークシリーズを手にいれたようだ。
俺は予定通りに4人で行動するため、ハナと2人で噴水広場で2人を待っていた。
「……それで、そのフードは何?」
「……だって、恥ずかしいし」
ハナは素顔こそ見せているが、服を覆い隠すためにフードを着ていた。俺の知り合いということもあって服を見せたくないようだ。
「それにしても、驚きだよ。ブレイブにリアルで友達がいたなんて。今でも信じられないもん」
「友達というよりもクラスメートって関係の方が強いけどな」
プライベートで関わることはないからな。メアドとか知らないし……。
「おーい!」
「来たな」
メイプルの声が聞こえて顔を向けると青い服を着た少女に背負われてこちらに来るメイプルの姿があった。
「な、何で背負われて……?」
「メイプルはAGIが全くないんだ」
「あ、そういうこと」
メイプルは俺達のところまで来ると少女から降りた。
「お待たせ」
「えっと、あんたがブレイブね。それで、こっちが妹さん」
「そう。そういうお前はサリー……でいいんだよな?」
「ええ」
「ハナです。不甲斐ない兄が迷惑をかけていませんか?」
「ううん。迷惑なんてないよ」
青い服の少女、サリー(白峯のプレイヤーネーム)にハナが自己紹介して、社交辞令をとる。
「……本当ですか?」
「社交辞令じゃなくて本音かよ!? 失礼な妹だな!?」
「だって、まともに人と接してないだろうから変なこと言いそうだし」
「少しは兄を信用しような……」
ボッチなのは事実だけど、失礼がないように接するくらいはできるわ。
「ハナちゃんは何年生?」
「……ブレイブ?」
メイプルがハナを撫でながら質問する。その接し方が子供扱いなためかハナが俺に冷たい視線をぶつけた。
そういや、ハナが高校生だってこと、説明するの忘れてた。
「あー、メイプルにサリー。ハナは小学生じゃないから」
「え? 中学生?」
「高校生ですよ!!」
「「……嘘ぉ!?」」
まるで体に雷が当たったかのような驚きを見せる2人。学校内でも低身長であるメイプルよりもずっと低いからな……。140どころか135もいってないし。
「高校1年だ。間違いなくな。子供扱いすると機嫌が悪くなるからやめてあげてくれ」
「う、うん」
メイプルはハナの頭から手を離した。そして、フードの方に目を向ける。
「ハナちゃんは何でフードをつけているの?」
「……恥ずかしいからです」
「何が恥ずかしいのよ?」
2人はよく分からず首をかしげていた。メイプルやサリーのと比べてコスプレ感が強いからなぁ……。
サリーは気になるのか自前のAGIを活かしてハナに急速に接近する。
「えい!」
そして、フードを外して服を露にした。
「うわー! スッゴく可愛い!!」
「……え、ええ。可愛いわね……」
「いやー!」
ハナは恥ずかしくなってしゃがみこんだ。メイプルはいいなぁと羨ましがっているが、サリーは申し訳なさそうな顔をした。気持ちを何となく察したからだろう。
「運営の悪意を感じさせられるわね」
「服はまだいいさ。付与されてるスキルがもっと酷い……」
「それは強力って意味よね?」
「……羞恥の意味でだ」
「ど、どんなスキルよ……」
攻撃を与えれば分かるんじゃないか? ハナはやられないように必死に抵抗すると思うが。
「う、うぅ。お嫁に行けない……」
「何で恥ずかしいのかなぁ? ね、サリー? 着てみたいくらいだよ!」
「私は遠慮するわ……」
「ハナ、早々に慣れとかないと精神が持たないぞ」
「分かってる……」
ハナはどこか暗い雰囲気で立ち上がった。
この後、次の階層へ行くためのダンジョンへ向かう。その時に、AGIやSTRの関係で俺がメイプルを背負うということになりかけたが、俺が反論する前にサリーが猛反対して、サリーが運ぶことになった。助かったぜ……。
「しかし、あれだな」
「うん。ブレイブが言いたいことは分かるよ。色々おかしいよ、あの盾」
「あんたの【魂の共鳴】を組み合わせたからもっと凶悪になってるのがまた……」
「楽だねぇ」
今はダンジョンの廊下を進んでいる。出てきたモンスターは全て【魂の共鳴】で空中を自由に動いているメイプルの大盾によって倒されている。
正確には食われている、か。当たるだけで吸われていくんだもんな。【悪食】が強力すぎる。
俺達はただ歩くだけでいいという。仮にあの大盾がなくてもハナの魔法で殲滅するだけなんだが……。
「そういえば、メイプルってVITはどれだけいってるんだ?」
「4桁はいってるよ」
「「4桁!?」」
ハナの魔法でもダメージは与えられるか……?
「流石、ノーダメでイベントを乗り切っただけはある」
「今あるどの攻撃も効かないよ。存在が卑怯だよ……」
「あんたら、兄妹のスキルも大概だと思うわよ」
サリーが俺とハナをジト目で見て言った。ダンジョンを歩き回ってるときに俺達のスキルを開示した時に化け物兄妹か! と言われたからな……。
何の苦労もなく、あっさりとボス部屋に俺達は到着する。メイプルが大盾で防いでもらいたいため、大盾を返し、ボスの方に顔を向けた。
今回のボスは大きな鹿だ。角にはリンゴがついている。何かありそうだな。
「まずは一発! 【フレアドライブ】!」
ハナが炎の魔法を鹿に向けて放つが、シールドに阻まれてしまった。
「効かない!?」
「どうしよう……」
「【地獄火球】!」
俺は試しに角に向けて青い火球を放つ。
やはり、角には効くらしく、一部のリンゴが焼け落ちた。
「角が効果的だ! 多分、リンゴを落とせばダメージが通る!」
「了解! 【ウィンドカッター】!」
「【
「【フレアドライブ】!」
サリー、メイプル、ハナの順番で魔法が放たれる。それらによって全てのリンゴが落ちる。
「【魂の共鳴】!」
俺は攻撃が通るかどうかを鎌鼬で確認する。
鎌鼬は体を貫き、HPが減った。
「攻撃が通ったぞ!」
「それじゃ、一気に決めるよ! 【精霊結晶】! 【聖魔砲】!!」
ハナは【精霊結晶】を召喚し、結晶と共に白黒のビームを鹿に向かって放つ。
9割はあったはずのHPが一気に全損し、鹿は倒れて消滅した。HPバーの減り方が速かったからオーバーキルだな、多分。
「やっぱり火力高いなぁ」
「一気に削りきったわね……。あーあ、私、今回全然戦えてないじゃない」
サリーが不完全燃焼な顔で呟く。メイプルはハナの魔法が気に入ったのかかなり目をキラキラさせて、カッコいい!! とか叫んでいた。
だが、あれでも2番目に強い魔法らしいから恐ろしい……。
こうして、俺達はあっさりと二層へ行く権利を獲得した。
411:名無しの大盾使い
メイプルちゃんなんだが、何かまたパーティー組んだ表記がが出た
412:名無しの槍使い
お? 今度は誰だ? 誰か情報ない?
413:名無しの大剣使い
知らないの? 死神と破壊魔法少女がメイプルちゃんともう一人の子と一緒にいたらしいよ
414:名無しの弓使い
例のスレだろ? 俺も見た
415:名無しの魔法使い
例のスレとは?
416:名無しの大剣使い
死神滅殺委員会って組織が最近掲示板内でできてるらしい。そのメンバーの一人がカキコして炎上してるんだよ
417:名無しの大盾使い
こわっ!? 何でそんな組織ができてるんだ?
418:名無しの弓使い
男の嫉妬
419:名無しの槍使い
あ、察し
420:名無しの大剣使い
次のイベントの時に死神を襲うつもりらしいんだよ
メイプルちゃんに害がないといいが……
421:名無しの弓使い
いや、メイプルちゃんなら大丈夫だろ。むしろ、返り討ちにあう
422:名無しの槍使い
それな
423:名無しの大盾使い
心配なのは友達の方だな
424:名無しの魔法使い
メイプルちゃんの友達だから、もしかしたらと思うけど……
425:名無しの弓使い
そもそも、死神がメイプルちゃん達と組むかだよな
426:名無しの槍使い
破壊魔法少女とは間違いなく組むと思うぞ
427:名無しの魔法使い
いざとなったら助けよう
428:名無しの大剣使い
入る隙があればだけどな
429:名無しの大盾使い
とりあえず、見守るしかないか
430:名無しの弓使い
そうだな
掲示板内で色々なことが巻き起こっていることがこの掲示板から分かる。
まず、死神と呼ばれてるブレイブが女と仲良く遊んでいるのを見て嫉妬したプレイヤーだけで構成された『死神滅殺委員会』。どうやら、ブレイブを倒すために動いているらしい。
次に、いつの間にかハナに二つ名が追加されていた。『破壊魔法少女』と言う名前だ。
これはハナが魔法でモンスターを蹂躙し、一部を荒れ地に変えたところを見たプレイヤーが付けたのだとか。ハナが知ったら羞恥のあまり泣き叫びそうである。
ブレイブ、ハナ、メイプル、サリーの4人がさらに注目されていっているのだが、そんなことを4人が知るわけがないのであった。
後少しで第2回イベントにいける……。
第二回イベントで主人公はどう参加する?
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メイプルとサリーと行動(ハナは不在)
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兄妹だけで行動
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メイプル、サリー、ハナの三人と行動
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ブレイブだけで行動する(ハナは不在)