耐性スキルのために100回死んだら、死神になりました 作:暁月 聖人
では、どうぞ。
ゴブリンのダンジョンをクリアした俺達は再び草原を歩く。
因みに、あのダンジョンでメダル2枚と強力だがすぐに壊れる片手剣が手に入った。
片手剣は俺がもらい、メダルは恨みっこなしじゃんけんでサリーとハナがもらった。
「……おい」
「……………」
「おいってば」
「ひぅっ!? な、何よぉ!?」
草原を突破して森に入ったのだが、その森が暗い雰囲気があり、如何にも出そうだった。何がって? そりゃあ、あれですよ。
「ほら、見て! 綺麗な火の玉がある!」
「赤に緑に青に……色んな火の玉がありますね。あれ、誰かの魂なんですかね?」
「いやー!!! 聞こえなーい!!!」
サリーが俺の服を掴んで涙を流しながら叫ぶ。
そう、この森は幽霊とか妖怪とかその手の類いが出てきそう……というか、出てきてるのだ。
「ねぇ、逃げよう? そうしよう? ね?」
「お前……ホラー苦手だったのか……」
サリーが目をうるうるさせて上目使いでそんなことを言う。その顔に可愛いと動揺するよりも鬼気迫る感じがして憐れに思えてしまった。
「ほ、ほほほ、ホラーが苦手? な、なな、何のこと……ひっ!?」
「サリーさん、そんな怯えた様子を見せたら説得力皆無です」
「サリーは本当にこういうのダメなんだー」
「歩きにくいから服を掴むのやめてほしいんだが」
「こ、これは……そ、そう! ブレイブが怖がってるのかと思って!!」
怖がってるのはお前だろ。子犬みたいに体を震わせてるくせに何を言ってるんだか……。
俺達は幽霊やらゾンビやらを魔法で蹴散らしていきつつ森を探索する。
その間もサリーは俺の服から離すことがなく、体を震わせていた。
しばらく探索していると家を見つける。
「家がありますね」
「本当だ」
「は、早く入ろう!!」
「わ、分かったから強く引っ張るな!?」
俺達は家の中に入る。
幸いにも内装がぼろく汚いくらいで、中にはモンスターがいなかった。ゾンビとかいたらサリーが気絶するかもだし助かった……。
「ゾンビとか入ってきませんよね? ホラー映画とかだとよくある」
「ハナ、それ以上はいけない」
ハナが余計なことを言うもんだからさっきまで安心していたサリーの顔が青くなっていく。
「お、落ち着けよ。入ってこないって」
「そうだよ。とりあえず、トランプをやろうよ!」
メイプルがトランプを取り出した。そんなアイテムもあったなぁ。
「他にも、オセロとか将棋とかスゴロクとかいっぱいあるよ!」
「修学旅行か!」
「けん玉まであるんですね……」
遊び道具を次々と出してくる。よくもまあこんなに買い込んだな……。
「じゃ、じゃあ、ババ抜きをやりましょうか」
サリーは外にいる幽霊などに怖がりながらも提案する。しかも、食料をたくさん出したのだ。
「ど、どうしたんですか、その食料?」
「ゲーム内だから、食事って不要だよな?」
「私、どうも現実と同じように食べないと調子がでないのよ……」
「なるほどな。じゃあ、食べながら遊ぶか」
俺達はババ抜きやポーカー、チェス、スゴロクとたくさん遊ぶ。
そして、遊んだ後、交代で眠ることにした。俺とサリーが番をして、メイプルとハナが眠りにつく。
「大丈夫か?」
2人が眠って静かになると俺はサリーに声をかけた。
家の雰囲気が暗く、どこか不気味なので、サリーが怖がってるんじゃないかと思ったからだ。
「な、何がよ……」
「怖いんじゃないかなと」
「べ、別に……」
そんな椅子の上で体育座りになって、怯えていたら説得力がないな……。
「しりとりでもするか」
「何でよ?」
「気が紛れるんじゃないかなって」
「ふーん。まあ、いいけど」
俺とサリーはしりとりをして時間を潰す。やはり、気が紛れるのかサリーは先程とは違い、リラックスが出来ていた。
そんな時だ。ボソボソと何か聞こえてきた。
「ひぃ!?」
「ちょっ!?」
慌てたサリーが椅子から飛び降りると俺の腕を掴み、自分の体に引き寄せた。
うっ! こんな状況なのに、ドキッとしてしまうとは!?
サリーの装備はメイプルみたいな鎧ではない。だから、体の柔らかさが直に伝わってくるのだ。……いや、胸の柔らかさだけは伝わらないんだがな。
「う、うぅ……」
そんな中でもボソボソと何かうめき声のようなものが聞こえてくる。サリーは顔が真っ青になり、どうにかしてぇーと俺の体を揺さぶった。
「わ、わかったから! とりあえず、落ち着け!」
こんなに騒がしいのに、メイプルとハナは起きる気配がない。くそー、俺がやるしかないじゃんかー。
「机の下から聞こえてくるな……」
下に何かあると睨んだ俺は腕に引っ付いてるサリーを少し邪魔に思いながら机をどけた。
「よいしょっと。お?」
「な、何!?」
「隠し扉発見。下に何かあるな」
床に扉があるのを見つけた。俺は扉を開けると下へと続く階段があった。
「んじゃ、行きますか」
「い、行くの!?」
「行きたくないなら残ってくれてもいいぞ」
「…………私も行く」
サリーは変わらずに俺の腕を掴みながら一緒に行くことを決意した。
俺はサリーと一緒に階段を降り、出てきた部屋に入る。その間も声が聞こえてくる。いや、むしろ、声が聞こえやすくなっていくのだ。
「これは……」
部屋に入ると椅子に縄で縛り付けられた男性がいた。若干透けてるように見える。サリーからす、透けてるという呟きが聞こえた。
男性の体はボロボロで痛い、痛いと呻き声を上げていた。
「こりゃいかんな。傷を癒さないと」
「そ、そうね……」
俺は縄をほどいて【ヒール】をかけてやる。サリーも怯えながらも俺と同じように男性に【ヒール】をかけた。
男性の傷が癒えていき、やがて、俺達にお礼を昇天していくかのように消えていった。
「成仏していったな」
「じょ、成仏とかいわないで!? あれはゲームの演出よ!!」
いやでも、状況的にあれは成仏以外に考えられないが……サリーは余程あの男性が幽霊であることを認めたくないらしい。
俺がふと椅子を見るとメダルと指輪が置かれていた。
「HPが上昇する指輪にメダルが1枚か」
「あの男性のお礼……かしら?」
「だな。とりあえず、指輪はメイプルかハナに渡すとして……メダルは」
「ブレイブがもらいなさい」
「え?」
「前回だとあの脆い剣でしょ? 流石に申し訳ないし……」
「あれは実用があるからもらったんだがな……」
俺はそういうも遠慮せずに受けとることにした。
この部屋でのやることは終わり、メイプルとハナがいる部屋に戻った。
その後、メイプルとハナを起こし、下で起こったことを話した。
メダルは予定通り俺がもらうことにし、指輪は話し合いの結果メイプルがもらうことになった。非常に申し訳なさそうな顔をしていたがこの先に欲しい装備があれば譲ることで納得してくれた。
「この森のイベントってそれだけかな?」
「さ、さあ? どうだろうね」
「私としては朝になったら出ていった方がいいかもです」
「一部が耐えられないからな……」
俺達は何かイベントが残っていたとしても朝になったら森を抜けることにし、交代での就寝を再開した。
第二回イベントで主人公はどう参加する?
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メイプルとサリーと行動(ハナは不在)
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兄妹だけで行動
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メイプル、サリー、ハナの三人と行動
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ブレイブだけで行動する(ハナは不在)