耐性スキルのために100回死んだら、死神になりました   作:暁月 聖人

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 第2回イベントの2日目です。少しではありますがSMI(死神滅殺委員会)のメンバーの一部が出てきます。では、どうぞ。


17話

 朝になり、俺達は森から出るために走る。幽霊やゾンビは夜限定なのか特に現れることはなかった。

 サリーがメイプルを抱え、俺が木の上に上って山岳地帯を確認しつつ森を抜けた。

 

「森を抜けれたな」

「んー、久しぶりの日の光!」

「日陰ばかりでキノコが生えるところでしたね」

「今度はなにも無さすぎね」

 

 サリーが疲れのため息をついてそう呟いた。

 確かに森からいきなり何もない荒地のような場所に変わった。ゲームじゃなければあり得ないだろう。

 

「とりあえず、山まで……いるな」

「うん。誰かいる」

「3人……みたいですね」

「どうする?」

 

 別方向から3人のプレイヤーが近づいていた。

 

「接触するとしたら俺かメイプルが狙いだよな?」

「うーん。私としてはメイプルだけが狙いだと思うんだけど……だって、戦ってリスクが低いのはメイプルだから」

「機動性がなく、防御貫通が実装した今だと数で挑めば倒せそうですからね」

「なるほどね」

 

 確かに、その通りだ。だとしたら、それをもとに作戦を立てないとな。

 

「…………」

 

 ハナが考える素振りを取る。こういう時は大体ろくでもないことかとんでもないことのどっちかを考えてるに決まってる。

 

「ハナ、何か考えがあるのか?」

「え? ううん。サリーさん、何かありますか?」

「そうね……これはどうかしら?」

 

 サリーが立てた作戦はこうだ。

 メイプルをわざと俺達と離れさせるようにする。そして、孤立したとみた3人が襲いかかったところで【カバームーブ】を発動し、俺達の誰かまで移動するというものだ。悪食が使えるように黒い大盾を装備することも忘れない。

 因みに、【カバームーブ】は使用後30秒、被ダメージを倍にする代わりに半径5メートル以内にいるメンバーへ瞬間移動できるスキルだ。しかも、AGIに左右されないのだからスゴい。その有用さに俺も手に入れたくらいだ。

 俺達は3人が予想通り一緒に付いていっていいかと聞かれたので、快く受け入れた。その際に俺を睨み付けていたが、嫉妬してるだけなので、気にしないことにした。

 さりげなく俺達とメイプルの距離を離していくのだが一向に襲おうとしない。どういうことだ?

 しかも、メイプルには目を向けず、俺ばかりを睨んでいた。

 

「……サリーさん、ちょっと」

「……え? わ、わかった」

 

 何やらハナがサリーに耳打ちをしたと思ったら何故か俺から離れていく2人。訳がわからない。

 

「ん? メッセージ?」

 

 ハナからメッセージが送られてくる。メイプルと少し距離を縮めて欲しいと書かれていた。

 俺は?マークで頭がいっぱいになったが、素直に従うことにした。

 歩く速度を緩めてメイプルとの距離を少し縮める。その瞬間、男3人の目が煌めいた気がした。

 3人は駆け出したと思ったらメイプルを無視して俺に向かって武器を構えてきたのだ。

 

「んなっ!?」

「「「死ねぇ! 死神ィ!!」」」

「【エクスプロージョン】」

「「「「え?」」」」

 

 俺と3人の間に輝く閃光、直後に轟音と共に爆発が起きた。

 爆煙が立ち上ぼり、クレーターができていた。そんな中で俺はヤムチャな格好で倒れ伏せていた。

 

「ふぅ……」

「……ふぅ……じゃねぇよ!?」

 

 やりきったと言わんばかりの息をついたハナに俺は起き上がって怒鳴った。

 

「まさか、本当にやるなんてね……」

「私はやると言ったらやる女です」

「ひでぇ妹だな……」

「私、何が何だかよくわからないんだけど……?」

 

 ……俺もよくわからないんだよな。何でメイプルをガン無視して俺を狙ってきたのやら。明らかに殺意を抱いていたし。

 あれか? やっぱり男の嫉妬か? それにしたってなぁ……。

 

「とりあえず、仲間を犠牲にした魔法攻撃は止めてくれ……」

「善処します」

「それ、絶対またやらかす発言だからな?」

 

 俺達はプレイヤーを警戒しつつ山岳地帯を歩く。

 その間に何回も鳥型のモンスターと対峙して倒していった。

 

「しかし、空にいるから魔法しか攻撃が当たらないわね……」

「MPの消費が……」

「……試してみるか。みんな、攻撃を止めてくれ」

「どうしたの?」

「まあ、見ててくれ」

 

 俺は鎌を置くとあのゴブリンの洞窟で手に入れた剣を取り出した。

 

「【魂の共鳴】」

 

 俺は剣に向けて【魂の共鳴】を発動させ、剣に黒い靄がかかる。それを確認して俺は鳥型のモンスターに向かって投げた。

 剣は横回転しながら鳥型のモンスターへ飛んでいき、何回も攻撃して倒した。

 

「スゴッ!?」

「これなら節約できるね」

「でも、俺の動きが単調になっちゃうんだよな」

 

 剣を操るのだから並列思考でもしないかぎり自分の体の複雑な動きは難しいだろう。

 

「私は【精霊結晶】を操りながら動けるけど?」

「お前は並列思考ができるんだろ。羨ましい限りだよ……」

「いざとなったら私が守るから安心してね!」

「おう。ありがとな、メイプル」

 

 俺達は調子よく進んでいき、吹雪が吹き荒れる雪地帯に突入しても躓くことはなかった。そして、気づけば山の頂上に到達した。

 途中で剣は破損してしまったものの新たに別の剣を出すことで何の支障はなく、魔法をほとんど使うことなく戦闘を行えた。

 

「魔方陣があるな」

「ってことはダンジョンがあるね!」

 

 頂上には祠があり、その前に転移の魔方陣が展開されていた。入ろうとしたときに誰か来る気配を感じ取った。

 

「誰かいる……」

「今度は4人ね」

 

 またも来るプレイヤーに俺達は警戒を始める。だが、その警戒も俺とメイプルは和らぐことになる。

 

「あれ? メイプルにブレイブ?」

「あ、クロムさん」

「クロムじゃん」

 

 何とこっちに近づいてきたのはクロムとそのメンバーだった。

 

「こっちには攻撃の意思はない。だから、その杖を下ろしてくれないかなぁ……」

「ハナ、クロムは一応フレンドだから抑えてくれ」

「わかった」

「サリーもお願い」

「警戒を解くつもりはないけど、私も戦闘したくないからね」

 

 ハナが杖を構えていたため、説得して戦闘態勢を解いておく。サリーも警戒を解かないでいるが短剣の柄に触れていた手を前に動かした。クロムのパーティーはハナが杖を下ろしてくれたことにほっとした。

 

「それで、どうするんですか? 祠前にあるこれって絶対ダンジョンに繋がる魔方陣ですよね?」

「そうだな……」

 

 順当にいけば先についた俺達が先なんだろうな。

 

「攻略した報酬はどっちかしかもらえない……」

 

 サリーのこぼした呟きにメイプルがハッとしてオロオロしだした。まさか、こいつ……。

 

「はぁ。クロム、先にいけよ。譲ってやる」

「ブレイブ!?」

「あんた、自分のいってること分かってる?」

 

 ハナが目を開いて驚き、サリーがジトッとした視線を向けられる。だが、メイプルは目をキラキラさせて俺を見てきた。

 

「メイプルはそのつもりみたいだし」

「そうなの?」

「う、うん」

「えっと……いいのか?」

「まあ、いいよ。な、2人とも」

 

 俺がサリーとハナに振ると2人は仕方ないと息をついて頷いてくれた。

 

「メイプル、ブレイブも、後悔がないようにね」

「うん」

「分かってるよ。クロム、これは貸しだからな?」

「ああ、分かってる。メイプルも何かあれば手伝うよ。ありがとうな」

「はい!」

 

 クロム達パーティーは俺達にお礼を言うと魔方陣に入っていった。

 俺達はクロム達が転移したのを見送ると雪遊びをする。

 だが、それは本格的に始まることはなかった。

 

「魔方陣が……!?」

「ど、どどどういうこと!?」

「これは……」

 

 クロム達が転移してから少し経った頃、ハナの声に反応して祠を見た。

 転移魔方陣が復活していたのだ。

 

「時間的に5分はおろか、1分も経ってないですよね?」

「クロム達がダンジョンをクリアした……ってのは楽観的かねぇ?」

「転移先にアイテムやメダルが置いてあるだけって? それはないでしょうね」

「やっぱり? 魔方陣が復活したってことは俺達はクロムが行ったダンジョンに行けるってことだから、クロム達がクリアした線はないだろうな」

「つまりどういうこと?」

「……先にいる何かにあっさりと倒された……と見るのが妥当ですね。ブレイブ、あのクロムって人はどのくらいの強さがあるの?」

「金のメダルを始めから持ってるくらいの実力は持ってる」

 

 ハナの質問に対して、俺は遠回しに第1回イベントで上位10位以内であることを伝える。だからこそ、俺達は魔方陣の先にいる何かに余計に戦慄した。

 

「行くか?」

「当然でしょ!」

「何が待っていても私が守るよー!」

「頼りになりますね」

 

 俺達は魔方陣に乗り、ダンジョンへ転移した。

第二回イベントで主人公はどう参加する?

  • メイプルとサリーと行動(ハナは不在)
  • 兄妹だけで行動
  • メイプル、サリー、ハナの三人と行動
  • ブレイブだけで行動する(ハナは不在)
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