耐性スキルのために100回死んだら、死神になりました   作:暁月 聖人

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 最初、ちょこっとだけ現実の話があります。
 そして、ようやく戦闘……まともに書けてるといいなぁ。


3話

 レベル上げ活動が始まった日の翌日。俺はだるそうに登校していた。

 昨日は日曜日だ。つまり、今日は月曜日。学校がある日。休み明けの学校ってなんでこうもダルいんだろうね?

 

「あー……おぶっ」

 

 教室に入って、席に着いたその瞬間、俺は力尽きるように机に伏せた。

 ゲームで死にまくった影響だろうか? ダルいし、力がでない。

 まあ、いいか。HRが始まるまで寝てよう。どうせ、声をかけるやつはいない。だって、友達いないし。

 ……ぐす。悲しくなってきた。ボッチは辛い。

 

「おはよう、多々野君」

「…………」

「返事くらいしろ!!」

「ぐぼっ!?」

 

 誰かに声をかけられたと思ったら後頭部に衝撃が!?

 

「誰だよ! 人の頭を痛め付けるやつは! 脳細胞が死滅したらどうしてくれる!?」

「折角挨拶したのに、無視する方が悪い」

 

 顔を上げるとアワアワしてる本条さんと少し怒ってる白峯の姿があった。

 

「あ、おはよう、本条さん。そして、白峯ぇ。てめぇ、俺の頭に何するんだ! 無視したのは悪かったが、暴力はないだろ!」

「うるさい! 折角楓がボッチのあんたに声をかけたのに、返事しないとはどういうことよ!」

 

 ボッチとは失礼な! 事実だけど、言うな!

 

「それで、俺になんか用か?」

「ううん。挨拶しただけだよ。私の隣だし」

「いつも思うんだが、隣ってだけで挨拶しなくていいんだぞ」

 

 周りを見ると俺に視線を合わせないように目をそらすやつばかりが視界に映る。

 俺の目付きが悪いせいだ。この二人を除けば俺を怖がるやつばかりなのである。

 

「それに、俺のこと怖いだろ?」

「?」

 

 本条さんは何を言ってるか分からずに首をかしげていた。

 

「楓はそんなこと気にしないって前にも言ったでしょ?」

「分かってるけどな。周りを見ると……」

「放っておきなさい。見た目でしかものを判断できない人ばかりだから」

 

 白峯が呆れた顔で周りを見ながら俺に言う。いや、最初は俺のことを怖がっていたお前が言うか?

 それにしても、何で二人は俺に声をかけてくるんだろうな。ただ、隣の席ってだけなのか?

 そんな疑問を抱いているとチャイムが鳴った。

 本条さんと白峯が各々席に着き、しばらくして先生が入る。そして、HRが始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ログインした俺は戦いによって得られた金で鎧と剣を購入した。レベルをある程度上げたらボスに挑戦しようと考えたのだ。

 スキルも金で手に入れた。【パワーアタック】と【スラッシュ】というスキルだ。

 ポーションも買えるだけ買い、地獄神殿に挑む。

 俺は地獄神殿に来るとモンスター狩りを始めた。

 もうね。大剣があるかないかで全然違うね。素手とは大きく違う。

 

『レベルが20上がりました』

 

 そして、数日間レベリングした結果、レベルが20になった。ポイントを割り振ろう。

 

「こんなものか」

 

 ブレイブ

 レベル20

 HP 338/338

 MP 216/216

 

【STR 40〈+10〉】

【VIT 20〈+20〉】

【AGI 55〈+5〉】

【DEX 10】

【INT 0】

 

 装備

 頭 【空欄】

 体 【鉄の鎧】

 右手 【鉄の大剣】

 左手 【装備不可】

 足 【空欄】

 靴 【布のブーツ】

 装飾品 【空欄】

    【空欄】

    【空欄】

 スキル

 【死罰軽減】【起死回生】【毒無効】【麻痺無効】【氷結無効】【睡眠無効】【スタン無効】【大剣の心得Ⅱ】【パワーアタック】【スラッシュ】

 

 うん。かなり強くなれたな。これで、ボスに勝てる……のか?

 

「うーん。スキルが心許ない。何とかなるか」

 

 俺はボス部屋に向かうため、奥へ進撃する。

 

「VITが高いお陰かダメージが全くない。状態異常がないとか楽勝過ぎて笑える」

 

 敵を倒しながら進んでいくと赤い大きな扉の前まで到着した。

 

「ボス部屋だな」

 

 情報によると【地獄鬼】という棍棒を持った鬼らしい。攻撃力はあるが動きは遅く、単騎で攻略した人がたくさん出ていると言われてるくらい弱い。

 俺は楽勝だなと心の中で言って扉に触れる。

 

「え?」

 

 その瞬間、俺の体がドス黒く輝きだし、黒い塊がいくつも出てきた。

 黒い塊は扉に吸収されていき、赤から青へ、青から藍色へ、藍色から紫へ、紫から黒へ変化していった。

 

「なにこれ? こんなこと情報には……」

 

 体が元に戻る。何かしらのギミックが終わったらしい。

 何か嫌な予感がする。この先にいるのって本当に【地獄鬼】なんだろうか?

 扉を開けて、慎重な足取りで中に入っていく。

 

『罪人よ。待っていた』

「え?」

 

 ボス部屋にいたのは漆黒の外套を纏い、大きい鎌を持った骸骨だった。

 その見た目は一言で表すとすれば、死神だろう。おかしい。鬼はどこ行った?

 

『怨念を溜め込み、地獄神殿を汚す。その所業を許さない』

「な、何のこと?」

『汝ら冒険者は死んだら魂を特定の場所へ移動させて肉体を再生させる』

 

 ゲームの蘇生措置のことだろうか? 冒険者というのはプレイヤーのこと?

 

『ここは特殊でな。死んだ場合、ここに彷徨う怨念もついていってしまう。そして、肉体を再生させるときに中に蓄積させていく』

 

 え!? じゃあ、あの黒い塊はここを彷徨う怨念!?

 

『本来、別の場所で死ねば怨念はその場所で散る。だが、あろうことか汝は何度もここに訪れては死んでいった』

 

 だから、怨念が蓄積されていったと……。

 

『怨念を吸収する扉のお陰で汝の怨念は消えた。だが、その怨念のせいで、鬼達が苦しんでいる。ケルベロスさえも伏せてしまった』

 

 鬼というのは【地獄鬼】のことか? ケルベロスってなに? 知らないんだけども!?

 

『同じことを汝は繰り返すだろう。なら、我の手で葬ってくれる!』

 

 死神は俺に向かって飛んでくる。そして、鎌を振り下ろした。

 俺は横に転がって鎌を避ける。大剣を抜いて、死神と対峙した。

 

「バトル開始ってか! やってやる!」

 

 俺は振るってくる鎌を避けたり、大剣で受け止めたりして、すれ違いに切りつける。

 

『くっ。なら、これを食らうがいい!』

「いっ!? うおっ!?」

 

 死神は俺から少し離れると青い火の玉をいくつもの出現させる。そして、俺に向けて放った。

 何個かは避けれたけど、やはり数が多いので食らってしまう。

 

「くそ。こんの!」

 

 俺は避けるだけでなく、大剣で切り捨てた。火球はそこまで速くないからできる。でも、数が多い。

 死神はしばらく火の玉を放っていたが、やがて、俺に向かって突撃してきた。

 俺はその突撃するわずかな時間を利用してポーションを取り出して、飲み込んだ。

 死神は鎌を振るい、火の玉を放つ。その攻撃に隙はない。なんだこいつ!? 強すぎ!?

 俺は避けたり、剣で防いだりして相手の攻撃を防ぐ。そして、一瞬の隙を見抜き、通常攻撃や【パワーアタック】、【スラッシュ】でダメージを与えた。

 途中で、毒の息吹や凍える息吹を放ってきたが、俺には効かない。無効スキルがあるからな。

 

『ぐぬっ。まさか、これほどの強さとは。だが、我は負けるわけにはいかんのだ』

 

 体感的に1時間経ったころだ。死神のHPが1割近くになったところで死神は俺から大きく離れてそんなことをいった。

 死神の鎌が漆黒になり、ドス黒い靄が蓄積されていく。ものすごくヤバい予感がする。

 とんでもない攻撃が来る。俺はポーションを飲んでHPを回復させつつ、大剣を構えて、死神の攻撃に備えた。

 

『この鎌は汝の魂を狩る! いかに、防御力があろうと、いかに、強力な肉体であろうと無意味!』

 

 防御力はVITで肉体はHPだとすると……即死攻撃!?

 ふざけるな!! そんなものなにやっても死ぬじゃねぇか!? 運営め! 何を考えてやがる!?

 

「避けるしかない!!」

 

 俺は集中して、敵の攻撃を避けることだけを考える。

 鎌が靄によって見えなくなった。力がたまったのだろう。

 死神はすぐに俺へ接近すると鎌を一瞬で振り下ろす。

 

「あっぶな!?」

 

 速すぎない!? しかも、一度で終わらない!?

 死神は即死攻撃を絶え間なく行う。俺は攻撃を見切って攻撃を避けていった。

 防戦一方であった。攻撃しようにも鎌が速すぎて避けるので精一杯である。

 しかし、俺はやってしまった。床に足を引っ掻けてしまい、転んでしまったのだ。

 

「しまっ」

 

 死神はその隙を見逃すはずもなく、無防備な俺に向けて即死の鎌を振るう。

 

「ぐっ!」

 

 鎌は俺の腹を切った。終わりだ。そう思ったが、HPが全損することはなかった。

 何とか1残ってる。何で……そうか! 【起死回生】!

 俺は立ち上がり、死神に向かって笑みを浮かべた。

 

『何……?』

「運がなかったな。これで、終わりだ!」

 

 【起死回生】の効果か、剣が白いオーラを纏っていた。

 

「倍返しだぁー!!!」

 

 俺は剣を勢いよく死神に向けて振り下ろした。

 【起死回生】の一撃は見事死神に決まり、HPを全損させた。

 

「終わった……」

『我が……負けた、のか……。止めをさせ。さすれば、汝は死神の力を得るであろう』

 

 死神は跪き、首を俺に差し出した。これを切れば、ダンジョンはクリア。報酬をゲット! ってなるんだろう。

 

「……因みに、お前が消えたら、どうなるんだ?」

 

 何となく気になって聞いてしまった。だって、死神って地獄だと最上位にいる人だろ?

 

『我が消えたら、この地獄神殿は荒れるであろう。鬼達も悲しむ』

「そっか。なら、切らない」

『何?』

「この神殿にはお前が必要だ。だから、切りたくない」

 

 ゲームのシナリオだから、気にしなくていいんだろうが、良心が傷つくんだよ。

 

『見逃すというのか? 強力な力はいらぬと?』

「強力な装備は欲しい。でも、力はいいよ。それと、すまなかったな。もう怨念を持ってこないよ」

『不思議なやつよ。ならば、我の力の一部、そして、配下であるケルベロスの召喚権を与えよう』

 

 死神は俺に向けて手をかざす。すると俺の体が赤く光出した。

 

『スキル【地獄魔法】を取得しました』

『スキル【ケルベロス】を取得しました』

『スキル【鎌の心得Ⅰ】を取得しました』

『スキル【死への誘い】を取得しました』

『スキル【即死無効】を取得しました』

 

 うおぉ。たくさんスキルが手に入った。

 

「あ、ありがとう」

『これも受けとるがよい』

 

 今度は下に翳すと漆黒の宝箱が出現した。

 

『我の装備一式だ。予備として用意していたが、汝に使ってもらいたい』

 

 宝箱を開けると鎌と黒い外套、白い手袋が入っていた。

 

【ユニークシリーズ】

 単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。

 一ダンジョンに一つきり。

 取得した者はこの装備を譲渡出来ない。

 

『魂狩ノ鎌』

【STR+30】

【破壊成長】

【魂の共鳴】

 スキルスロット空欄

 

『地獄ノ黒衣』

【VIT+10】

【AGI+10】

【破壊成長】

 スキルスロット空欄

 

『生者ノ手袋』

【INT+20】

【破壊成長】

 スキルスロット空欄

 

 これもスゴいな。ユニークシリーズって……。

 しかも、鎌だと? 【鎌の心得Ⅰ】ってスキルがあるからまさかとは思ったが……。

 鎌なんて武器カテゴリーにはなかった。つまり、ユニークウエポンの可能性がある。スゲェ。

 

『では、さらばだ』

 

 死神はそういって消えていった。俺は疲れてその場に倒れ込む。

 

「疲れたー!! 少し休憩だ」

 

 スキルの確認とかは明日にしよう。

 俺はしばらく寝転がるとダンジョンから出てログアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、運営はまた騒いでいた。【死神】がブレイブの手によって葬られたのだ。

 

「ブレイブが死神を倒した!」

「誰だよ! 倒されないとか言ったやつ!!」

「お前だ!!」

 

 運営はとりあえずブレイブの戦闘動画を再生した。

 

「火球を切ってる!?」

「ペイン以外で魔法を切ってるやつ初めて見た」

 

 そこまで速くないとブレイブは思っていたようだが、実はそんなことは全然ない。

 目で追うことはできるだろうが、それを剣で切るのは至難の技だ。しかも、大剣だと重い分難しい。

 本人は自覚ないが、ブレイブは人よりも動体視力が優れている。火急と鎌の攻撃を掻い潜りながら隙を見つけるところから何となく運営も察した。

 

「しかも、和解ルートを進みやがったよ。どうしよ?」

「修正するか?」

「イベントがあるんだぞ!?」

「無理だよなぁ」

 

 こんなに騒ぐのに理由がある。

 【死への誘い】というスキルのせいだ。このスキルはあらゆる攻撃に即死が付与される。確率こそ低いが、範囲の広いスキルを使った場合、運が良ければレベル差関係なく一掃されてしまう。ゲームバランスの崩壊が予想されるスキルだった。

 不幸中の幸いは即死はボスには効かないことだ。ボスにまで効いたら目も当てられない。

 

「イベント後に修正をかけるか」

「第1回イベント……まともに終わってくれ」

 

 運営が全員思ったことを誰かが呟いた。




 【死への誘い】はかなりチートなスキルです。気に入らない方はいるかもしれませんが、第1回イベントが終わるまでは待ってくださると助かります……。

第二回イベントで主人公はどう参加する?

  • メイプルとサリーと行動(ハナは不在)
  • 兄妹だけで行動
  • メイプル、サリー、ハナの三人と行動
  • ブレイブだけで行動する(ハナは不在)
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