耐性スキルのために100回死んだら、死神になりました   作:暁月 聖人

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5話

 俺がNWOを初めてから2ヶ月が経過した。

 俺は格好のせいか死神の異名を得てしまった。まんま過ぎて初めて聞いたときは吹いた。だが、クロムが言ったらムカついたため、殴り殺した。……つまり、即死で殺してしまったのである。運がないやつめ。……そして、ごめん。ヤるつもりはなかった。

 尚、その後、軽いメンテで街中での即死無効という意味不明な修正が入ったのだが、明らかに俺のせいだろう。ごめんね、運営。ありがとう。

 さて、話を変えよう。

 本日はついに第1回イベントが開催される。

 俺は今日のためにスキル集めと経験値集めを頑張ったんだ。お陰で、レベルが40まで上がった。徹夜しまくった。その分、母さんに怒られたけども……。

 以下が今のステータスだ。

 

ブレイブ

 レベル40

 HP 338/338〈+30〉

 MP 316/316〈+30〉

 

【STR 40〈+45〉】

【VIT 20〈+25〉】

【AGI 75〈+25〉】

【DEX 20〈+10〉】

【INT 35〈+35〉】

 

 装備

 頭 【空欄】

 体 【地獄ノ黒衣】

 右手 【魂狩ノ鎌:ケルベロス】

 左手 【装備不可】

 足 【地獄ノ黒衣】

 靴 【風の草履】

 装飾品 【パワーリング】

    【魔法の腕輪】

    【生者ノ手袋:地獄魔法、ヒール】

 スキル

 【死罰軽減】【起死回生】【毒無効】【麻痺無効】【即死無効】【睡眠無効】【氷結無効】【スタン無効】【大剣の心得Ⅱ】【鎌の心得Ⅴ】【パワーアタック】【スラッシュ】【死への誘い】【筋力強化小】【HP強化小】【MP強化小】【MPカット小】【MP回復速度強化小】【跳躍Ⅰ】【気配感知Ⅴ】【気配遮断Ⅲ】【魔法の心得Ⅲ】【火魔法Ⅱ】【氷魔法Ⅰ】【毒魔法Ⅰ】【光魔法Ⅱ】【しのび足Ⅱ】【体術Ⅴ】

 

 かなり強くなったと思う。一番苦労したのは体術スキルだ。丸々1日使って上げたからな。お陰で、独特な戦闘スタイルが確立できたんだが。

 だけど、それでもトッププレイヤーに通用するか分からないんだよなぁ。

 

「やるだけやってみるかね」

 

 俺は周りを見てそう呟く。

 この場にいるプレイヤーは多い。100人は超えてるな。

 ペイン、ドレッド、ドラグ、カスミ、シンなどトッププレイヤーも参加していることだろう。

 

『ガオ~! それでは、第1回イベント! バトルロワイヤルを開始するドラ!』

「「「「「「オオォォォォォ!!!」」」」」」

 

 ヘンテコなチビドラゴン、ドラぞうのアナウンスにイベント参加者が盛り上がる。

 マスコットキャラらしいが、緩すぎないか?

 

『それでは、もう一度ルールを説明するドラ! 制限時間は3時間。ステージは新たに作られたイベント専用マップドラ! ポイントは倒したプレイヤーの数と倒された回数、被ダメージと与ダメージで算出されるドラ! ポイントが高い上位10名には記念品が贈られるから、皆頑張るドラよ?』

 

 ドラぞうからの説明が終わると各プレイヤーはスタート地点に転移された。

 俺のスタート地点は森だ。

 

「さて、始めようか。魂狩りの時間だ」 

 

 俺は鎌を両手に持ちつつ、森を駆け始めた。

 【気配感知】を利用してプレイヤーを探す。

 

「よぉ」

「し、死神!」

「お前の魂、いただいた!!」

 

 俺はプレイヤーを見つけると鎌を振るう。

 草陰から俺が現れたせいかプレイヤーは俺の動きに反応できなかった。

 首を切られ、プレイヤーは全損して消滅した。

 

「ふぅ。っと」

 

 俺は何かを感じて後ろに跳ぶ。すると、俺のいたところにナイフが刺さった。

 

「まさか、避けるとはな。【気配遮断】のレベルは高いはずだから気付かれないと思ったんだが……」

 

 ナイフが飛んできた方を見ると木の幹に緑の衣を纏ったアサシン風の男がいた。

 【気配感知】に引っ掛からなかった。直感が働かなかったらやられてたな。

 

「ドレッド……」

「お? 俺のことを知ってるのか?」

「AGI特化の中で、強いプレイヤーであるお前は注目していたからな」

「そりゃ、光栄だ」

 

 ドレッドは幹から降りて、俺に向かってナイフを振るう。俺は鎌で受け止めた。

 

「鎌使いなんて初めて戦うぜ。楽しませてくれよな」

「はっ。上から目線かよ。生意気だぞ!」

 

 俺はナイフを横に流し、体を捻って鎌をドレッドを振るった。ドレッドがすぐに下がってしまい、空振ったけど。

 ドレッドはまた距離を詰めて、ナイフの連撃を繰り出す。

 

「くっ。この野郎!」

「ぐぉ!?」

 

 俺はナイフの連撃を鎌で防ぎ、がら空きの一瞬をついて()()()()()()()()()()

 

「おまっ。よ、容赦無し……! 卑怯だぞ……!!」

「知るか。【魂の共鳴】!!」

 

 俺は鎌に向けて【魂の共鳴】を発動させる。

 鎌の刃が漆黒に染まる。そして、漆黒の鎌鼬を股間の痛みで倒れてしまっているドレッドに向かって放った。

 ドレッドは鎌鼬を食らい、消滅した。レベル的にHPが残りそうなものだが……。

 

「即死か。不運だな。……はぁ」

 

 ドレッドを倒して一息かと思ったが、そうもいかないらしい。

 【気配感知】で次のプレイヤーを補足した。どうやら、今度は複数らしい。

 

「死神だ!」

「やってやるぞ!」

「倒せ倒せ!!」

 

 しかも、あちこちでプレイヤーがこっちに近づいてる。何でだ?

 ……あれを試してみるか。

 

「【ケルベロス】!!」

「「「ワウゥーン!!」」」

 

 俺の目の前で魔方陣と炎が出現し、三つ首の狼、ケルベロスが姿を現した。

 

「ケルベロス! 敵を食らえ!」

 

 ケルベロスは俺に命令に従い、プレイヤー達へ攻撃していった。

 食らい、爪で凪払い、炎を吐き出す。壮観だなぁ。

 勿論、俺も攻撃してるよ?

 

「【地獄の業火】!【針地獄】! オラよ!」

 

 青い炎を放射して、剣山を出現させる。近づいてきたら鎌で切り、蹴り、殴る。

 飛んでくる魔法は鎌で切ったり、避けたりして凌いでいた。ノーダメージとはいかないが、HPは八割を切ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、観客席では、ペインやブレイブ、そして、とあるプレイヤーを注目していた。

 

「ペインはスゴいな。あれ、人間?」

「同時に飛んでくる魔法を難なく防いでる。あり得ねぇ」

「ブレイブもヤバイな。ケルベロスか、あれ?」

「どうやら、長時間召喚できる訳じゃないみたいだな。でも、すぐに再召喚してる。ケルベロス扱いの荒いやつだな」

「いや、魔法もヤバイぞ。八大地獄を想像させるな」

「見ろよ。あのプレイヤーもヤバイぞ!」

「メイプル? 知らないプレイヤーだな。てか、何、あの防御力?」

「ハンマーを頭に当ててるのに弾き返したぞ!?」

「盾が魔法どころか武器で攻撃してきたプレイヤーすらも吸収してる……」

「魔法もえぐいな。猛毒の魔法とか……」

 

 ペインはどんな攻撃も冷静に防ぎ、次から次へとプレイヤーを切っていく。

 ブレイブはケルベロスという獣を召喚し、炎でプレイヤーを燃やし、鎌や体術で敵を倒していく。

 メイプルという聞いたことのないプレイヤーはどんな攻撃も無傷で、盾は魔法も武器もプレイヤーすらも吸収する。

 しかも、吸収したMPを使って毒魔法を使う。猛毒に犯され、麻痺で体を動かせないでいる相手プレイヤーは不憫に思える。阿鼻叫喚という言葉がふさわしい光景だ。

 

『ガオ~! 現在の1位はペインさん、2位はブレイブさん、3位はメイプルさんドラ! これから1時間、上位3名を倒した際、得点の三割が譲渡されるドラ! 三人の位置はマップに表示されるドラから、一発逆転が狙えるドラよ! それじゃあ、最後まで頑張るドラ!』

 

 ドラぞうからの経過報告のアナウンスが響き渡る。イベントの終わりが近づいていく。ペイン、ブレイブ、メイプルの3人の戦場は激化することが予想された。

 

 

 

 

 

 

 

 俺の位置がマップに表示されるようになったせいか、次から次へとプレイヤーが襲いかかってきた。

 【ケルベロス】と【地獄魔法】で魔法使いと弓使い、遠くにいるプレイヤーを殲滅し、近づいてきたプレイヤーは鎌と拳と蹴りで対応した。

 

「ちっ! 本当に多いな!」

 

 周りはプレイヤーで埋まっていた。うざいったらありゃあしない。

 

「【猛毒の霧】!」

 

 俺は自分の姿を見えにくくするため、【猛毒の霧】を展開した。

 プレイヤー達は猛毒状態になり、それでも、俺を狙おうとした。

 

 

 しかし、俺の周りにいたプレイヤー達は次々と消滅していった。

 

 

 へ? 何で? 猛毒ってそんな強力だったとか?

 そう思っていたが、明らかにタンカーっぽい鎧のプレイヤーも消滅した。これはどういうことだろうか?

 

「あ」

 

 【死への誘い】のせいか? あれは霧にも作用されているとしたら、納得がいく。

 だが、確率は5%だ。こんなにあっさりと即死がかかるなんて……。

 

「もしかして、霧にいる状態が攻撃を受け続けている状態だから……?」

 

 今霧にいるプレイヤーは全身に超加速的に弾が放たれ続けるガトリングガンを受けている状態なのではないか? だから、確率は低いが即死をうけてしまうのではないのだろうか?

 何てこった。これは酷すぎる……。

 【死への誘い】は想像以上に凶悪なスキルだ。完全にゲームバランスを崩壊させてしまった。

 絶対修正されるな。というか、【猛毒の霧】と【極寒の息吹】は使わないようにしないと。これは卑怯すぎる……。

 【死への誘い】について色々と考えているうちに霧が晴れた。

 【気配感知】から霧の外にいたプレイヤーがこちらに向かって走ってくるのが分かる。

 

「【ケルベロス】!!」

 

 プレイヤーを視認した俺はケルベロスを召喚させ、襲ってくるプレイヤー達を殲滅していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガオ~! 終了~! 結果は1位から3位の順位変動はなかったドラ! それでは、これから表彰式に移るドラ!』

 

 ついに、イベントは終了した。

 俺は広場に転移されると表彰台に立つ。

 

『では、まずは、3位のメイプルさん。どうでしたか?』

 

 3位に入賞していたメイプルというプレイヤーがマイクをもってコメントしようとしていた。

 緊張しているけど、ちゃんとコメントできるのか?

 

「えっと……いっぱい耐えられてよかったでしゅ」

 

 あ、かんだ。

 その後は特にコメントが出てこず、メイプルが恥ずかしさで悶える。

 

「……ん?」

 

 あれ? メイプルってプレイヤー……どこかで見たような……。

 どこで見たんだろうか? ゲーム内? 違う。だとすると……リアル?

 

『次に2位のブレイブさん! お願いするドラ』

「え? あ、はい」

 

 そうだった。次は俺の番だ。

 俺はドラぞうからマイクを受けるとコメントを考える。

 

「皆さん、お疲れ様でした。色々なプレイヤーと戦えて楽しかったです。悔しいと思った人はたくさんいると思います。ですが、イベントは今後も出るはずです。レベリングやスキル獲得を頑張り、トップを目指して頑張ってください」

『ブレイブさん。貴重な言葉、ありがとうドラ!』

 

 コメントが終わり、俺はドラぞうにマイクを渡した。

 その後、ペインからコメントをもらい、イベントは終了した。

 俺は記念のメダルをもらって現実世界に帰り、イベントの疲れを取るために眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イベント終了後、運営は大慌てだった。

 

「くっそー!! 何でこうなった!?」

「やっぱり対処すればよかった!」

 

 理由はブレイブとメイプルの2人の問題児が原因だった。

 まず、ブレイブの【猛毒の霧】と【死への誘い】のコンボだ。まさか、霧の中にいるとほぼ確実に即死が発動するなど思いもしなかったのだ。

 因みに、【死への誘い】を作った運営の1人は罰として始末書を書かされたらしい。それほどまでに凶悪だったということだろう。

 

「メイプルもメイプルだよ。何あれ!?」

「【悪食】がああも強力とは思わなかった!」

 

 【悪食】によってどんな攻撃も飲み込む盾も十分にゲームバランスが崩壊している存在だ。しかも、吸収した力を蓄えているからたちが悪い。

 

「大型メンテナンスのときに徹底的に修正するぞ!!」

『オォー!!!』

 

 今日も運営は忙しなく動く。ゲームのバランスを調整するために。




 因みに、書かれてませんが、ドレッドはイベント後半でブレイブに再戦しよう接近していました。【猛毒の霧】にやられたけどね!

第二回イベントで主人公はどう参加する?

  • メイプルとサリーと行動(ハナは不在)
  • 兄妹だけで行動
  • メイプル、サリー、ハナの三人と行動
  • ブレイブだけで行動する(ハナは不在)
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