Pratico-Inerte -アークナイツ二次創作短篇輯-   作:道臣

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これだけは読まなくていいです。
考えてたことをまとめずに書いたので、まず読む必要はないです。


読まなくていいです。

 ここでは"源石"および"鉱石病"について、現実のアカデミズムを参考にしながらその構造解析を行いたい。ここでは、以下の問いに順序だてて答えていく。

1,自然物としての源石

2,病原体としての源石

3,鉱石病

4,アーツと源石

5,鉱石病と治癒

 

1,自然物としての源石

 ここでは、そもそも源石とは一体なんなのか?という問いについて答える。

 以下はゲーム内説明からの引用である。

 

「この世界に普遍的に存在する鉱物の一種で、大半は黒く半透明な結晶体である。源石(オリジニウム)は巨大なエネルギーを秘めており、天災を誘発する主たる要因となっている。

通常はアーツの分野で運用されており、施術工具やアーツ用品の基本的な材料や触媒が製造されている。源石の補助がなくてはアーツの使用効率は大幅に低下するだろう。現在は源石エンジンの技術革新に伴い、各国でエネルギー源としての利用が増加している。」(ゲーム内ロード画面より)

 

 ここで明言されている通り、源石が鉱物=無機物であることに間違いはない。言い換えれば源石は生物的な炭素化合物を持たない無機化合物であり、(現実に存在するそれと同じものかは別として)元素のいずれかを組み合わせて、できたものであることが想像できる。ただしゲーム内アイテムとして「純正源石」というものがある。この「純正」が何を指し示しているのかは判然としない。単に不純物が混ざっていないという意味ならば先述の化合物としての理解も通るが、もしこれが酸化、還元、加脱水などの化学反応を示していないという意味であれば、源石はある種の純粋な元素が、他の元素と化合せずに結晶化したものであると解釈される。つまり水素、酸素のような他の元素と混ざっていない単体であるということである。

 

Q.源石とは「何かしらの複数の元素の寄せ集め」なのか、「独立した一つの単体が集まってできたものなのか」

 

 という疑問である。源石は「結晶体」という表現でなされており、金属なのか非金属なのかは不明である。純物質である場合、結晶化しているという表現から恐らくは金属元素の単体純物質であると目される。非金属の場合は既存の(あるいは未知の)元素が複数個連なったものであり、それらが何であるかを詳しく調べる必要がある。

 

2,病原体としての源石

 源石は鉱石病の病原体である。これはゲーム内における大原則である。病気というと生物によって引き起こされるイメージが付きまとう。つまり最近、ウイルス、寄生虫といった手合いの感染単位である。しかし1に示した通り源石は明らかに無機化合物であり、有機化合物によって組成されるこれら生物とは存在から一線を画している。では、どのような病原体であるのか。共通の事例を探っていきたい。

 以下に挙げるのは、源石と同じく無機化合物でヒトにおける病原体となりうる物質である。

 

1,毒性を発揮する無機化合物

2,放射性物質

3,プリオン(これは有機物であるが、挙げた理由は後述する)

4,石綿

 

 これらを参考に病原体としての源石に迫っていきたい。

 まず毒性の無機物は誰でも思いつくことと思う。明らかな毒性を発揮するものとしては一酸化炭素、硫化水素、あるいは水銀などが挙げられる。これらは人に害を与える無機物という点において源石と共通しているが、それでも作中の描写から考えるに源石とは違う病原性を発揮する。これらは身体内部のどこかに作用し、その活動を狂わせるのみである。硫化水素は強い刺激を与えるから毒なのである。つまり無機化合物が体の有機化合物に反応するというだけである。しかし源石は明らかにこれらと性質を異にする。源石は

 

1,人間にアーツを発現させる

2,体内で増殖する

 

 この二つの極めて異例な特徴を持っているのである。単なる毒性の無機物ではこの二つの重大な要素をクリアできないだろう。たとえそれが現実に存在しないモノであったとしても。ということは、源石は無機物でありながら、発揮するのは無機物的毒性ではないということである。源石が発揮する毒性は無機物のそれではなく、明らかに人間の有機的存在に対して発揮されているのである。むしろ、源石の毒性は次に挙げる放射性物質やプリオンに近いものであると考えられる。

 放射性物質が毒性を発揮するのは、人間の細胞(=有機的構造)を書き換えるからである。放射線がDNAを損傷し、その結果健康体の維持が難しくなる。無機物が人間の体のサイクルを有機的に壊すという意味では、源石の毒性はどちらかと言えば放射性物質に近いのかもしれない。ただし放射性物質は強い放射線を放って周囲の物質を一部放射性物質に変える作用はあっても、同じ放射性物質そのものに変換するわけではない。つまり源石のような症状にはならないということである。

 最後にプリオンを挙げたのは、「感染・増殖する非生物」という点で似通っていたためである。プリオンとは病原性のタンパク質(=有機物)であり、本来の機能が失われてしまったものである。これは体内に取り込まれることによって感染し、また増殖する。プリオンが引き起こす病気としては狂牛病、致死性家族性不眠症、クロイツフェルト・ヤコブ病などがある。これらは脳がプリオンに侵されることで人間の行動に異常が出るというものである。源石がアーツという疑似魔法を使用可能にすることからも、源石がプリオンと同じく脳に作用していることは明白である。ここまででは一番源石と症例が近い存在なのかもしれないが、そもそもプリオンは有機物であるため無機物と目される源石とは全く異なっている。

 石綿は発現過程が源石と酷似している。人間の工業に使用されていた鉱物であるが、使用すると空気中に飛散し人間が呼吸等によって体内に取り込むことで、最終的にがんの原因となるからである。これは源石と極めて似たプロセスであると言えるため、興味深い。しかしこれも1,無機化合物のように自ら増殖することはないので、同じものとは言えない。

 

 以上をまとめると、源石は「無機物で石綿のような感染経路を経る、人間の有機的構造を書き換える放射性物質的な存在でありながら、プリオンのように感染・増殖して発症する」というものである。こうして引き起こされるものが鉱石病なのであり、またアーツなのであろう。

 

3,鉱石病

「源石は人間の行動を変える(=アーツを生み出す)ので、脳を含めた全身に感染し、増殖する」

 鉱石病が不治の病であり、最終的に全身が源石になるという事実から

「源石はなにかしらのプロセスを経て、人間の身体を源石に変換している」

 さらに、アーツを使用すると鉱石病が悪化するということから

「源石がアーツをもたらし、アーツの使用と源石の増殖が関係している」

ということになる。

 これは一体どういうことなのか。

 

 以上の源石の特徴から、鉱石病について或る仮説が出来上がる。

 

 ――源石は「人間の意志に作用」しているのではないか?

 

 アーツについては後述するが、鉱石病についてはこれで一定の整合がとれる。

 つまり鉱石病とは、まず微量の源石が石綿のように呼吸あるいは食事を通じて人間の体内に入り込み、蓄積される。(これは作中キャラクターに源石濃度が表示されていることからも理解できる)フロストノヴァの鉱石病が先天性ではなく源石採掘場からであったこともこの説を裏付けるものであろう。どのように蓄積されるのかは不明であるが、脳への汚染は無視できないだろう。これも詳細は後述する。

 脳と身体各部に蓄積された源石は、少量であっても人間にアーツを使用可能にする。(アーツは非感染者であっても使用可能である。証拠に術師の中にもスカイフレア、ドゥリンのような非感染者が存在する。)そのアーツの使用の意志に対して源石がなにかしらの反応を示し、アーツが発現するというものである。この際、源石は意志への反応への反動として人間の有機物を分解し、源石へと変換しているのではないか? とも読み取れる。この場合それがどのように行われているのかは定かではない。源石そのものが触媒としての機能を持つのか、それとも意志そのものを触媒としているのか。

 

 

4,アーツと源石

 アーツについては、「源石の特性を利用し、物質の形や性質を変化させる技術」という定義がなされている。ということはそもそもアーツに源石が関連していることは間違いないだろう。ゲーム内の描写を信用するとすればアーツは明らかに人間の意志から発せられている疑似魔法のような存在である。そのアーツと鉱石病の症状が関わっているとすれば、源石そのものがアーツの利用を通して増殖している可能性は大いにある。しかし源石を利用して物質の形や性質を変化させるというのは些か抽象的である。もしアーツが描写通りの疑似魔法であるなら、先述した通り人間の意志を介して行われているsupernaturalな力と解釈して間違いないだろう。この場合、どのような原因と結果の関係性があるのかという疑問がある。

 アーツという技術に対する仮説は以下の二つが挙げられる。

 

1,人間の意識から直接物体を変化させる

2,まず人間の意識の中で物体の変化を行い、そこから間接的に現実を変化させる。

 

1は理解しやすいと思われる。「かぼちゃよ馬車になれ」と言ったらかぼちゃがボンと煙を吐いて馬車になるのがこのパターンである。しかし2の場合は少し違う。「かぼちゃよ馬車になれ」と言ったら、まず馬車になるのは現実のかぼちゃではなく、言った魔法使いの脳内のかぼちゃである。その後、その魔法使いの脳内が他の人間と共有されることでかぼちゃは馬車になる。

 2がどういうことなのか、もっと詳しく説明しよう。まず哲学の世界では人間はいかに客観的事実を観ているとしても、それは脳による主観的な編集を経た上で見ている光景である。ゆえに人間は完全な客観的事実を経験することはできないと言われている。その客観的事実を如何に理解するかというところで、本質存在と現実存在という二項対立が生まれるわけである。例えばスワイヤーという個人を例にとると、本質存在とは「そのスワイヤーをスワイヤーたらしめている本当の特性」、実存存在とは「存在している我々がスワイヤーと認知する物体」という概念である。これら二つの概念自体は哲学上の理論に過ぎないが、もしこれがアークナイツの世界内の現実として備わっていたらどうだろうか。

 実存存在はともかくとして、つまるところ本質存在という概念上のものでしかないものがアークナイツの世界には確かに実在し、アーツとはその本質存在を捻じ曲げることによって実存存在も捻じ曲げるという技術。という説明がつけられる。

 もっと具体的に説明するならば、実はアークナイツの世界には我々に観測できないが確かに普遍的に存在する空間のようなものが存在しているとしよう。仮に「エーテル」と名付ける。エーテルにあるのはあらゆる物質の本質存在であり、人間はそのエーテルと本質存在を観測はできないが認知しているとする。更に本質存在と実存存在は連動し合い、どちらかが変化すれば片方も変化する。そこをアーツは人間の意志を発端とし、源石を通じてそのエーテルを刺激することで、本質存在を変えて実存存在をも変化させているという理論である。

 このような理論であれば、源石がアーツという近代科学的な魔法を生み出したということにも説明をつけられるだろう。また源石という無機物がこの魔法の仲介役となっているのは、源石分子がエーテル空間に四次元的に拡張している故に可能な現象。と言えるだろう。丁度、「チオチモリン」のようなものである。

 

5,鉱石病と治癒

 仮に上記の仮説通り、鉱石病が人間の意志に作用した上で悪化しているのだとすれば、理論上鉱石病を止めるのもまた人間の意志そのものに他ならないだろう。「ヒュウガ・ウイルス」が圧倒的な危機感をエネルギーに変えられる人間だけに克服できたようなものであろうか。

 しかし現実に鉱石病患者は人非人のような扱いを受け、家族、友人を失くし、全てを絶望する。ほぼ全ての鉱石病患者がこのルートを辿るとなると、やはり鉱石病悪化の一因は個人個人の負の感情もそれを負っていると考えるのが必然だろうか。となると、鉱石病患者が鉱石病を自らの意志で食い止めるには、その圧倒的な絶望感をそっくりそのまま生き残るエネルギーに変換することが重要になってくるのではないだろうか。

 

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