空に浮かぶは大きい雲(ありふれ世界編)   作:あろえよーぐると

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くそ遅いですが、あけおめです。私は生きてます。ちょっと思考があっちこっちに行き過ぎたのと悦森さんとか色々ハマってただけなんです。サーセン。


ステータスプレート(第4話)

 翌日から早速訓練と座学が始まり、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られ騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド。生徒達が興味津々に聞いてる中、歩太とリニスは表情には見せないが少し緊張していた。二人は異世界転移される直前に読み取られるだろう自分達の情報を歩太の陰陽術をもって偽装していた。おそらく、と前置きが付くが深層まで見られていないと判断。では自分達はプレートに何と表示されるのだろうかと…。

 どちらも一般人ならぬ逸般人。歩太は前世で己の限界を超えて覚醒し魔人(デスペラード)になってはいるが分類上は人のはず。しかしリニスに関しては人ですらなく猫で使い魔だったのが今や猫又の妖怪化しているのだ。ちょっと見るのに不安しかないのは仕方ない。

 二人は互いに見つめて頷くと意を決してステータスプレートの魔方陣に血を垂らした。

 

「………」

「………」

「…リニス、どうだった?」

「…歩太もどうでしたか?」

 

 何も言わず互いのステータスプレートを見せ合った。

 

=========

 

不動 歩太 17歳 男 レベル:1

 

天職:白魔導士

 

筋力:620

 

体力:1000

 

耐性:1200

 

敏捷:950

 

魔力:2000

 

魔耐:2000

 

技能:慧眼・白魔法・魔力操作・全魔法耐性・物理耐性[+痛覚耐性][+痛覚遮断]・精神汚染耐性・状態異常耐性・気配感知・魔力感知・言語理解

 

==========

 

不動 リニス 16歳 女 レベル:1

 

天職:科学者

 

筋力:800

 

体力:1200

 

耐性:900

 

敏捷:1000

 

魔力:1800

 

魔耐:1800

 

技能:錬成・雷属性適性・魔力操作・縮地・魔力感知・気配感知・直感・物理耐性・状態異常耐性・言語理解

 

 

==========

 

 

 どうやら杞憂に終わった模様。二人は安堵しながら話し出した。

 

「ゲーム的に考えたら到底レベル1のステータスとは思えませんね」

「でもこれ、魔力ランク落として呪縛霊錠やら限定霊印してる状態だからな。取り敢えず隠蔽なり偽装なりしとくか」

「お願いします、歩太」

 

 現時点の数値でトータスにいる人間族の中でぶっちぎりトップの二人はステータスの数値を50前後に偽装することによって目立たないようにした。

 

「ほお~流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か。技能も普通は二つ三つなんだが規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

「いや~、あはは……」

 

 騎士団長メルド・ロンギスの称賛に照れたように頭を掻く天之河光輝。そしてステータスがオール10のザ・平均だった南雲ハジメは檜山が率いる子悪党グループに野次られ次々と笑い出す生徒に白崎香織が憤然と動き出す。しかし、その前にウガーと怒りの声を発する人がいた。畑山愛子教師だ。

 

「こらー!何を笑っているんですか!仲間を笑うなんて先生許しませんよ!ええ、先生は絶対許しません!早くプレートを南雲君に返しなさい!」

 

 ちっこい体で精一杯怒りを表現するその姿に毒気を抜かれたのかプレートが南雲ハジメに返される。

 

 

 彼女は彼に向き直ると励ますように肩を叩いた。

 

「南雲君、気にすることはありませんよ!先生だって非戦系?とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲君は一人じゃありませんからね!」

 

 そう言って「ほらっ」と愛子先生はハジメに自分のステータスを見せた。

 

 

==========

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬成師

 

筋力:10

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:10

 

魔力:10

 

魔耐:10

 

技能:錬成・言語理解

 

==========

 

畑山愛子 25歳 女 レベル:1

 

天職:作農師

 

筋力:5

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:5

 

魔力:100

 

魔耐:10

 

技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

===========

 

 

 (とど)めを刺されていた。南雲ハジメは死んだ魚のような目をして遠くを見ていた。

 確かに畑山愛子の全体のステータスは低いし非戦系天職だが、魔力だけなら勇者に匹敵しており技数なら超えている。そして糧食問題は戦争には付きものだ。つまり彼女も周りからしたら十二分にチートだった。

 

(むご)いな」

「天然はエグいですね。フェイトもやらかしていないか少し心配です」

「アルフはプレシアさんの近くにいるから怪しいかもな~」

「変な男性に引っ掛かったりしてないでしょうか」

「大丈夫だろ。旦那の高町がいるし危なくなったら駆けつけてくるさ」

「あの、同性愛に目覚められてもそれはちょっと困るのですが…」

 

 歩太達はその場を眺めながら他愛のない会話をしてるように見せて並列思考(マルチタスク)を使い念話でこれからのことを密かに話し合っていた。

 

「な、南雲くん!大丈夫!?」

 

 反応がなくなった南雲ハジメを見て八重樫雫が苦笑いし、香織が心配そうに駆け寄る。畑山愛子教師は「あれぇ~?」と首を傾げている。相変わらず一生懸命だが空回る愛子先生にほっこりするクラスメイト達。

 

 

◆◆◆◆

 

 あれから訓練すること2週間が経った。その間に歩太とリニスは地球から持ち込んだ道具のチェックや元々所持していた能力の使用可能かの確認を初日に終わらせ、この国の地理や歴史をパパッと頭に入れてこの世界で得た技能を鍛えながら変装して偽名で冒険者登録をして依頼もたまに受けつつ外の情報も仕入れていた。

 

 

==========

 

 

不動 歩太 17歳 男 レベル:25

 

天職:白魔導士

 

筋力:1550

 

体力:3000

 

耐性:3750

 

敏捷:2375

 

魔力:5000

 

魔耐:5000

 

技能:

・慧眼[+魔力視][+真偽鑑定][+状態診断][+鑑定][+先読]

・白魔法[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]

・魔力操作[+魔力制御][+魔力循環][+魔力集束][+魔力圧縮][+魔力放出][+身体強化Ⅱ][+部分強化][+変換効率上昇][+魔纏]

・闇属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]←new!!

・全魔法耐性

・物理耐性[+痛覚耐性][+痛覚遮断][+熱気耐性]

・精神汚染耐性

・状態異常耐性

・気配感知[+範囲上昇][+固有気配認識]

・魔力感知[+範囲上昇][+固有気配認識]

・空間魔法←new!!

・言語理解

 

 

==========

 

 

不動 リニス 16歳 女 レベル:21

 

天職:科学者

 

 

筋力:1680 

 

体力:2520

 

耐性:2100

 

敏捷:3150

 

魔力:3700

 

魔耐:3700

 

技能:

・錬成[+鉱物鑑定][+精密錬成][+精密機器錬成][+鉱物分離][+鉱物融合][+鉱物圧縮[+複製錬成][+自動錬成][+想像構成][+イメージ補強力上昇][+高速錬成][+魔力消費減少][+鉱物分解]

・雷属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇]

・魔力操作[+魔力制御][+魔力循環][+魔力放出][+魔力圧縮][+身体強化][+部分強化][+変換効率上昇][+魔纏]

・縮地[+爆縮地][+轟脚][+空歩]

・魔力感知[+範囲上昇]

・気配感知[+範囲上昇][+固有気配認識]

・直感[+危険察知][+虚偽察知]

・物理耐性

・状態異常耐性

・空間魔法←new!!

・言語理解

 

 

==========

 

 

 

「グリューエン火山は思ったよりも熱かったな」

「マグマの噴出なんて初めて見たので非常に興味深かったです」

「何にせよ、先ずは一つ目だな」

「〝空間魔法〟…ですね。座標さえ分かれば私達なら帰れそうですが…」

「短距離転移なら大丈夫ぽかったけど長距離転移は空間の揺らぎが大きくなるから流石に気づかれる可能性がある」

「はい。ですがこれで持ち込める道具が増やせますね」

「手軽に持ち運べる家って夢があるよな」

「これで何時でも何処でも即座に解析・分解・作成が出来るなんて科学者の血が騒ぎます!では、これから工房造りするので協力してください。今夜は寝かせませんよ?」

「えっ、もしかしてデスマーチですか?」

「フフフフフフ…楽しみです。これからはチマチマとせず堂々とあれらの鉱物やアイテムを調べられるのですから。さぁ共同訓練も終わりましたし行きましょう!」

 

 メルジーネ海底遺跡や氷雪洞窟は時間と準備が足りなかったので断念したもののグリューエン大火山は半日かけて攻略していた。原作のように主人公のようにオルクス大迷宮の奈落に堕ちたふりして離脱する気満々である歩太達だが、只待つのも原作を再現する気もなかった。ちなみに少しお節介を焼いたおかげか原作主人公の南雲ハジメは国お抱えの錬成師に教えを乞い技能を高めてたりする。もしかすると早めに愛銃であるドンナーが生まれるかもしれない。

 

 

 翌日。訓練が終了した後、いつもなら夕食の時間まで自由時間となるのだが今回はメルド団長から伝えることがあると引き止められた。何事かと注目する生徒達に、メルド団長は野太い声で告げる。

 

 

「明日から、実戦訓練の一環としてオルクス大迷宮へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ!まぁ、要するに気合入れろってことだ!今日はゆっくり休めよ!では、解散!」

 

 

 いよいよ歩太達にとっての本番が始まろうとしていた。

 

 

 

「ところで歩太」

「どした、リニス?」

「あなたの弟子も一緒に連れて行くのですか?」

「もちろん。せっかくの機会だからオルクスの奈落でビシバシ強くさせるさ」

「肉体派ではないんですから程々にしてあげてくださいよ」

「性根を鍛えるんだからある程度は仕方なしだよ。それに鶴子師匠よりは確実に優しいし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「えっ、なに?すっごい悪寒がしたんだけど!?もしかしてアユ君?ちょっと聞きに行こうかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 本来のスペック的にグリューエン大火山くらいサクサクっと行けるので行かせました。
 歩太とリニスのステータスプレートに表記されてる内容は能力を限定してるので魔力魔耐以外はレベル1の数値から5倍にした数値が本当の異世界転移直前の数値です。
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