もう少し三国志と恋姫の知識増やした方が良いなと実感しました。
知識得るためにアニメでも見てこようかな
誰もが寝静まった深夜、荀家にて一人の男が気付かれないように歩いていた。荀彧の婚約者周尽である。彼はなけなしの金銭といくつかの着替えが入った風呂敷を持っていてまるで夜逃げするような出で立ちをしていた。
実際、彼は荀家の跡取りの婚約者という地位を捨てて逃げるつもりだった。彼は毎日の様に行われる婚約者からの罵声に耐え切れなくなり荀彧の士官が決まったと同時に逃げることにしたのだ。
「義母上、申し訳ございません」
彼は門の前にてそう呟くとここから遠くへ、誰も自分を知らないような田舎を目指して走り出した。向かう先は益州。西方の異民族が気になるがあそこまで行けば自分を知るものは誰もいないだろうしひっそり暮らせるだろう。そう考えて彼は走る。彼は走りながら今後の人生を考える。もうあんな罵声を浴びせられる事はないだろう。小さな畑と小さな家を持ち優しい妻と可愛い子供と共に暮らしたい。平凡な男の平凡な夢であった。
……もし、彼がこのまま逃げ切れたならその夢が果たされたことだろう。実際別の歴史では彼は見事逃げ切り三国へと変わっていく情勢の中ひっそりと暮らすことが出来ていたのだから。
この世界の彼の不幸は何といっても走り去る彼の後ろ姿を偶々みられていた事だろう。
周尽の逃走を知った荀彧は直ぐに捜索隊を編成させ彼の捕縛を行わせた。更に街の人々からも情報を募り些細な情報でさせ多額の褒賞を渡した。結果彼の情報はあっという間に集まり逃げた時間、方向などが割り出された。
「(絶対に逃がさない!必ず捕まえてやるんだから!)煉は益州へと向かったわ!そっち方面に人員を配置して!それと隣、いえその先にも伝令を!見つけたら捕まえるように言って!」
荀彧は自分の知力を最大限に生かし周尽の捕縛に全力を注いだ。その熱意は奉公人どころか彼女の母親でさえ押される程だった。
程なくして彼は拘束された状態で荀彧の前に連れてこられた。暴れたのか彼の手には青い痣が出来ていた。
荀彧と周尽は数日ぶりに再開した。
「……」
「……」
荀彧は人払いを済ませると周尽の寝室で向かい合う。お互い、無言のまま見つめ合う。いや、周尽は睨みつけているといっても良かった。
「……」
「……なんで、逃げたの?」
「……」
「そんなに私との婚約が嫌だったの?」
「……」
荀彧の問いに彼は答えない。通常なら答えない時点で罵声が飛んでくるが荀彧は淡々と問いを投げる。
「金銭も大してないのにどうするつもりだったの?」
「……」
「実家以外に貴方に頼る者がいるの?」
「……」
「……」
「……」
荀彧の問いに無言、無視を持って答える周尽。その状況に荀彧の問いもなくなり彼同様に無言になった。
どのくらいそうしていただろうか?ポツリと周尽が呟く。
「……婚約を破棄させてくれ」
「っ!?」
「もう、荀彧の婚約者でいる事に疲れたんだ。仕事でミスをすれば罵声、仕事を終わらせても遅いと怒鳴り反論すれば給料を取られた上で罵声。何をしても怒られ何もしなくても怒鳴られる。二年も我慢したけど……。もう無理だ」
そう言って荀彧を見る周尽の瞳は濁っていた。全てに絶望したようなその瞳に荀彧は一瞬たじろぐ。
「もう二度と荀家にかかわらないし邪魔もしない。一人でひっそりと田舎で暮らしたいんだ。頼む……」
そう言って周尽は頭を下げる。この時、荀彧がどのような表情をしていたか彼は気づいていなかった。
「……ない」
「……荀彧?」
「許さない許さない許さない許さない許さないっ!そんなの認めないわ!」
「ぐっ!?」
荀彧は急に怒鳴り周尽を押し倒す。縛られた状態の彼は抵抗も出来ずに床に転がった。そんな彼の上に跨る荀彧。この時周尽は初めて荀彧の瞳に気付く。
周尽なんかより濁りまるで何処までも続く底なし沼の様に深い深淵が周尽を映していた。周尽は何とも言えない恐怖に襲われ逃げようとするが荀彧が乗っている状態では逃げだす事が出来なかった。
荀彧は彼の頭を両手でつかむと一気に引き寄せ彼の唇にキスをする。
「ん!?」
「ん……んぅ……」
突然の事に驚く周尽と嬉しそうに彼の唇を奪う荀彧。暫くして彼から唇を離す。二人の間には互いの涎による橋が出来ていた。
「ふ、ふふ。もう逃がさない」
「ひっ!?」
「貴方の望み通り婚約は破棄してあげる。でもこれから煉は私の奴隷として一生尽くしなさい」
荀彧はそう言うとかれを抱きしめ彼の耳元で呟く。
「曹操様の赴任している街に家を買ったの。私達二人の家よ。貴方はこれから先その家から出る事を禁ずるわ。家の中で私の帰りを待つの。大丈夫。食料は私が買うし貴方が望むなら料理だって家事だってしてあげる。夜の方だって任せて頂戴。貴方に気持ちよくなってほしいからたくさん知識を得たから。初めてだから上手くできるか分からないけどきっと気持ちよくなれるわ。だから家から出る事は禁止ね?大丈夫、大丈夫。貴方の首にはどんな武将でも切断できない首輪をつけてもらうわ。それを鎖を通して柱とつなぐの。そうすれば貴方は永遠に家から出られなく。素敵でしょ?これで私たちは幸せになれるのよ」
荀彧のその言葉に周尽はなみだを流す。ああ、なんでこうなってしまったんだ。彼は少し崩れていく心を感じながら荀彧のされるがままとなり体を一つにした。
数日後。荀彧は予定通りに曹操に仕えるべく荀家を後にした。彼女は曹操の下で実力を発揮し軍師として、文官として活躍した。彼女の智謀は天下が魏、呉、蜀に別れてからも発揮し呉、蜀を振るいあがらせた。
しかし、彼女は曹操にすら自分の真名を預けなかった。怪訝に思った曹操がその理由を聞けば
「私の真名は大切な夫にのみ預けました」
と答えたという。その時の彼女の顔は幸せそうであったという。
しかし、誰も彼女の伴侶を見た者はいない。それどころか彼が今どこに住んでいるのかさえ分かっていない。その為一部の心無い者たちからは「想像上の人物では?」と言われていた。彼女が真実を語らない限り本当のことを知るものは誰もいないだろう。
暗い部屋の中、鎖で繋がれた男が目を覚ます。部屋には男の他に一人の女性がいた。女性は男が目を覚ました事に気付くと笑みを浮かべた。
「あ、起きたんだ。待っててね。今ご飯を食べさせてあげるから」
そう言って女性、荀彧は男、煉にご飯を食べさせ始める。自身の口に含み彼の口に移す。ここに来てからの食事の仕方だった。食べ終えた煉は荀彧に何時ものお礼を言う。
「ありがとう。桂花」
「どういたしまして♪」
二人の関係は死ぬまで続くのだろう。全てを諦めた煉は荀彧、桂花の望むがままの人生を歩み続けるのだった。
書いてほしい√
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婚約者とのハッピーエンド√
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婚約者を殺害√
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婚約者と一緒に駆け落ち√
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婚約者寝取られ√
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R18版(書けるとは言ってない)