まぁ、相も変わらぬ低クオリティーなのでご容赦ください
「ここまで来れば、問題ないだろう」
荀家の屋敷を飛び出した周尽はとある益州にある山道にいた。既に飛び出してから二週間は経過しており一週間後には曹操の元に向かう筈の荀彧からは逃れられたと周尽は判断していた。しかし、目を閉じれば今にも荀彧が飛び掛かって来るような気がして周尽はこの二週間の間まともに眠れていなかった。
「くそっ、逃げるだけで尽きちまった……」
周尽は空になった袋をひっくり返す。ここには数日前まで路銀が入っていたが今は何も入っていなかった。幸い服や寝袋、護身用の剣は持ってきており最悪の場合これを売ればいいと考えていた。
「こんなんで生きていけるのかな……」
気を抜けば口から出てくるのは弱気な言葉。二年の間に無能だと罵られてきた周尽は無意識のうちに自分は何も出来ない無能と思うようになっていた。
山道の端により周尽は膝を抱えてそこに頭を埋める。頼る者も、金銭も居場所もない。頼れる相手がいない周尽は少しづつ、だが確実に疲弊していった。
ふと、彼の頭に水滴が落ちる。頭を上げれば先ほどまで快晴だった空は今にも雨が不利そうな曇天となっていた。そして移動する間もなく雨は降りだした。来ていた服は雨でぬれたが替えの服や寝袋まで濡れてしまい周尽はため息をつく。ネガティブになった瞬間にこれである。周尽の気分は再下降まで落ちていた。
「取り合えず濡れないように……」
「あの、大丈夫ですか?」
移動しようと立ち上がった周尽に女性の声が聞こえた。一瞬荀彧かと警戒したがそれにしては優しい、こちらを気遣う声に違うと判断した周尽は声のきこえたほうを見る。そこには桃色の髪の女性がいた。皺ひとつない奇麗な服に身を纏った女性は同じく奇麗な傘をさして心配そうに伺っていた。
女性は一目見ただけで美しいと言える容姿をしており可愛らしい荀彧を見慣れた周尽でさえ見惚れるほどだった。しかし、女性はそんな周尽に気付かず不審がられていると判断したのか慌てたように言い訳をする。
「あ、いえ!その!雨降ってきて困ってそうだったので……!その、お邪魔でしたか?」
「い、いや!そんな事はないですよ!」
「それなら良かったです」
そう言って女性は微笑む。まるで女神の如きその微笑に自然と周尽は惹かれていた。
「それで……、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。荷物は全部濡れたが大丈夫だよ」
「……何処か泊まる所とかありますか?」
「……いや、生憎全てを捨てて逃げた身でね。コネも金銭も無くてね」
自然と、周尽はそう口にしていた。口に出してから見ず知らずの人に何を言っているんだ……!と心中で自分の迂闊さに怒る。しかし女性はまるで嬉しそうに笑みを浮かべる。
「それなら私と一緒に行動しませんか?」
「え?」
「私、あまり武芸は得意でなくて……。でも人を雇うお金も持ってなくて……」
「それで俺を?」
「はい!お兄さん特に用事はないんですよね?私も村を飛び出した身で頼る人がいないんですよ。何か出来ると自信を持って言える者はないですが、どうですか?」
「……」
周尽は考える。目標は一応益州と決めていたが別にここでなくてはいけないという事はない。それならこの女性と行動を共にするのもありなのかも知れない。
「……分かりました。俺が何処まで出来るかは分かりませんがよろしくお願いします」
「!はい!よろしくお願いします!」
周尽の返事を聞いた女性は花が咲いたように笑顔を見せた。周尽はその笑みを見て知らないうちに顔を赤くしていた。
「……あ、俺は周尽。よろしく」
「はい!私は劉備といいます!これからよろしくお願いします!」
こうして周尽は女性、劉備と共に旅をする事になった。劉備との旅は一人の時よりも明るく、楽しかった。旅の途中劉備は周尽に夢を話した。誰もが笑って暮らせる世、その為に行動する劉備を周尽はとても素晴らしいと思うと同時にこの人の為に自分も力を貸したいと思っていた。それを劉備に話せば嬉しそうに一緒に頑張りましょうといい周尽に新たな目標を作らせた。道中劉備は関羽、張飛の二人と義姉妹の契りを交わした。周尽は結ばなかったが三人と真名を与え合い今後は真名で呼び合うようになっていった。
公孫瓚の下で義勇軍を起こした劉備は中華全土で暴れまわっていた黄巾党の乱の鎮圧で活躍した。
そして、反董卓連合で周尽は最も会いたくない人物と再開する。
「煉!?」
「荀彧……」
周尽は反董卓連合の会議が行われている陣地の前で待機していた荀彧と再開した。驚く荀彧に対し周尽はただ冷たい目で荀彧を見ていた。
暫く固まっていた荀彧だったが回復すると彼の手を取り誰もいない裏手へと連れていく。やがてたどり着くと荀彧は目を吊り上げて怒鳴る。
「煉!どういう事!?私の下を勝手に出て今はあんな劉備とか言う何処の馬とも知れない女と一緒に……!」
「……俺の勝手だろ?」
「そんな訳ないでしょ!?あんたは私の婚約者なんだから!」
「俺は荀家を出た時点で破棄したと思っていたんだが……」
荀彧の罵声に周尽は淡々と答えていく。反論しなくなっていた事になれていた荀彧は顔を赤くして更に怒鳴る。
「いいから!今すぐ頭を下げて謝りなさい!勝手に出て行ってすいませんでした、って!」
「……それについては申し訳ないと思っているが、俺は謝らない」
「っ!しばらく見ないうちに偉そうになったじゃない……!」
「……俺はもうお前といるのに疲れたんだ。だから逃げた。もう二度と一緒にいたくなかったから」
「っ!なん、でよ……」
気付けば荀彧の目から涙が溢れ出ていた。先ほどまで怒鳴っていた荀彧も次第に声が小さくなっていく。
「わた、私。あんたと、し、幸せに、なりたかったのにぃ。何で、出て行くのよぉ……!」
「……ごめん」
泣き始めた荀彧に周尽は背を向けて来た道を戻る。もう二度と再会しないことを祈って。
「……婚約者との、挨拶は終わりました?」
「……桃香」
戻ってきた周尽を出迎えたのは何時ものと変わらない温和な笑みを浮かべた劉備であった。劉備の言葉から先ほどの言葉を聞いていたのかと心の中で思う。
「……聞いていたのか?」
「はい、会議が終わって外に出たら煉がいなかったので。……でも、良かったんですか?」
「ああ、もうあいつと会う事はないしそのつもりもない」
「ふふ、ならこれからも私と一緒にいてくれるという事ですか?」
「……そう、なるな」
「それは良かったです」
照れているのか劉備は顔を赤くして微笑む。それを見た周尽は言うなら今だと覚悟を決めた。
「……桃香」
「はい」
「好きだ」
「はい」
「これからもずっと一緒にいたい」
「私もですよ」
「……桃香」
「はい♪煉さん」
劉備は手を広げた。周尽はそれに答えて抱きしめる。二人の恋が実った瞬間だった。
「(桃香。俺がどれだけ力になれるかは分からない。けど、必ず王にしてやる。俺の愛おしい人よ)」
周尽は改めてそう決意するのだった。
「(ふふ、上手くいった♪)」
劉備は周尽と抱き合いながらこちらを見て固まる荀彧を見下すように視線を向ける。劉備の瞳は先ほどまでとは違い暗く濁り何物をも映していなかった。
「(馬鹿な娘。こんなに良い人を罵倒するなんて)」
劉備は初めて会ったあの日から周尽を好いていた。だからこそ多少強引にでも旅に同行させた。自分の夢を笑わず適えようと言ってくれた時には涙と共に全身が幸福感に包まれた。彼の横を歩けば夫婦になったような気がして股を濡らし、路銀を浮かすためと同じ部屋で寝泊まりをしたときは思わず彼の手を使って慰めてしまったほどだ。
そして今周尽の方から告白してくれた。劉備にはそれが嬉しかった。彼の目が、声が、息が劉備を幸福で包み込む。
「(もう二度と離さない。煉は私の物。
劉備は二度と手放すものかとばかりに強く抱きしめる。周尽は劉備の心境を知ってか知らずか同じく強める事で返してくれる。
劉備はそれがたまらなく嬉しく小さく震えて絶頂するのだった。
何でこんなに寝取られ人気なんですかね(震え)
書いてほしい√
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婚約者とのハッピーエンド√
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婚約者を殺害√
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婚約者と一緒に駆け落ち√
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婚約者寝取られ√
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R18版(書けるとは言ってない)