男嫌いな軍師の婚約者だった男の話   作:鈴木颯手

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お久しぶりです。今回は作者が恋姫キャラで一番推している呂布です。あの触覚がとても好き


寝取られ√(呂布編)・前編

周尽が彼女と出会ったのは荀彧の婚約者として荀家に入るよりもずっと前。周尽が私塾を卒業した日の帰りの事だった。彼は人気のない山をひたすら進んでいた。左右上下前後何処を見ても道らしい道はない。しかし、彼は進む事しか出来ない。何故なら自分の現在地が分かっていないからだ。そう、彼は迷子になっていた。

私塾を卒業し学友たちと別れた周尽だったが洛陽の郊外でなんと山賊に襲われたのだ。まさか漢の首都にまで現れるとは思っておらず周尽は抵抗もせずにただ逃げた。しかし、山賊は諦めの悪い事に怒声と共に追いかけてきて一昼夜の間追いかけっこが行われた。最終的に山の道なき道を進んでいる間に山賊を撒くことには成功したがその代償として彼は迷子となったのだ。

 

「ちくしょう!何で俺がこんな目に……!」

 

周尽はありったけの思いを乗せて叫ぶ。しかし、彼の声は反響し声に驚いた鳥たちが飛び立つだけだった。周尽はせめて道に出られるように進み続ける。逃げ回ったせいで彼の気力は底を付きかけているが周尽は「こんなの、曹操に訳わかんない政策を聞かされるより全然マシだ」と自分に言い聞かせながら残り少ない体力を使って進み続ける。

やがて彼は獣道を見つける事に成功した。あくまで獣道なので街道に出られるかは分からないが彼の希望となったのは間違いなかった。

 

「ふぅ、ふぅ。……ん?」

 

荒い息を整えながら進んでいると一人の少女を見つけた。赤毛の少女で歳は同年代ほど。頭から伸びる二本のアホ毛が特徴的だった。

彼はようやく森から抜け出せると思い話しかける。

 

「良かった!君、ここから降りたいんだけど道を知らないか?」

「……誰?」

「あ、いや。俺は周尽。洛陽の私塾を卒業したばっかりで決して怪しい奴じゃないよ!」

「……」

 

周尽は目の前の少女の信頼を得ようと余計なことまで言うが少女はただ首を傾げるだけだった。

 

「……よく分からないけど、敵じゃないのは分かった」

「それで十分だよ。所で山からおりたいんだけど……」

「……あっち」

 

少女はそう言って後方を指さす。……どうやらあのまま進んでいれば降りられたみたいだな。

 

「ありがとう!これで何とか帰れそうだ!」

 

俺はそう言って少女の脇を通り進むが足を滑らせた。

 

「「……あ」」

 

俺と少女は同じような言葉を発し俺は滑り落ち少女は茫然とその様子を眺めていた。

 

「う、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!???」

 

叫び声を上げながら落ちていき俺は川に落ちる事で怪我をする事はなかったけど服は全部濡れてしまった。

はぁ、不運だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……大丈夫?」

「あ、さっきの」

 

川を出て河原にて火を焚き服を乾かしていると先ほど道を教えてくれた少女がやってきた。少女は無表情にこちらを眺めており感情は良く見えなかった。少女は自分よりも大きな矛を右手に持ち左手には首から上を切り落とされた野ウサギを持っていた。え?まさか狩ったのか?そう思っていると俺のお腹が控えめに鳴った。そう言えば山賊に追い回されたせいで昨日から何にも食べていなかったんだ……。

そう思っていると少女がズイ、と俺に野ウサギを近付けてくる。

 

「……食べる?」

 

その言葉と共に。俺の返事は決まっていた。

 

「勿論だ!ありがとう!」

 

俺は野ウサギを受け取り血抜き、解体を済ませて肉を焼く。残念ながら持っていた食料は川に落ちた時に駄目になってしまったが俺が保存食にと作った焼きおにぎりだけは無事だった。水に濡れているけどな。俺は二つあるそれを一つ掴むと少女に差しだす。

 

「……?」

「一緒に食べようぜ。食事は一人で食べるより一緒に食べた方が何倍も美味しいんだから」

「……」

 

少女はびしょびしょに濡れた焼きおにぎりを受け取り俺の隣に座った。丁度野ウサギの肉がいい感じに焼けてきた為二人分に分けてかぶりつく。塩などないため味はしないがとても美味しく感じた。やっぱり空腹は最高の調味料だな!

少女も恐る恐ると言った感じに焼きおにぎりにかぶりつく。すると少女は一瞬目を見開くとハムハムと食べ始めた。俺も焼きおにぎりを食べるが正直水に濡れたせいかあまりおいしくない。だけどお腹はすいていたし残さずに食べる。

やがて焼きおにぎりも野ウサギの肉もなくなり俺のお腹は膨れた。これなら後一日は水さえあれば動けるな。それ以上は分からないけど。

 

「……美味しかった」

「そうか。それは良かった。まぁ、水に濡れてなければもっと美味しかったと思うけどな」

「……十分」

 

少女は無表情の為気を使っているのかそれとも本心で言っているのかは分からないが少なくとも満足している事は雰囲気から分かった。

そこから俺は服が乾くまで少女と話をした。少女の名前は呂布奉先といい色んな所を転々としているらしい。親は物心つくころにはいなくなっており今まで一人で生きてきたらしい。

 

「これからはどうするんだ?」

「ん、特に決めてない」

「な、なら。俺のところに来ないか?」

 

さすがにこのまま放置することは俺にはできなかった。幸いうちはそこまで貧乏という訳でもない。俺も働くことができる年齢に近づいている。両親もまだまだ健在だしな。

そんな俺の提案に呂布は申し訳なさなそうに眉を下げる。そして口から出てきたのは否定の言葉だった。

 

「さすがに、悪い」

「気にしなくて良いよ」

「……なら。こうする」

 

呂布の提案はこうだった。先に大物になった方がもう一方を養うというもの。さすがに意味不明だったが呂布は「これで、決定」と一方的に打ち切ってしまった。ただ、呂布が俺のところに来る気はないという事だけは分かった。さすがに嫌悪からではないのが分かったが理由までは分からなかった。この約束もそうだしな。とはいえ別に断る理由もなかったため俺は笑顔で答えた。

 

「……分かった。なら領主くらいになって呂布を迎えに行ってやるよ」

「……む、私が先」

「おっと、そう言えば名乗ってなかったな。俺は周尽。そして真名は煉だ」

「……偶然。私も真名は、恋」

「お、本当か!なんか嬉しいな」

「……私も」

 

漢字は違ったが読みは一緒という偶然に俺は嬉しくなる。呂布、恋も同じだったようで自然と笑みを浮かべていた。

 

 

 

こうして俺は無事に下山し家に帰ることができた。そして俺は領主、とまではいかなくても大物になるべく今まで以上に努力を重ねたが俺は荀家の娘、荀彧と婚約する事になった。そして希望も夢も崩れあの時の約束を俺はいつの間にか忘れてしまった。

そして俺が耐え切れなくなり荀家を後にしたとき、彼女と再会した

 

「……恋?」

「そう。約束……、果たしにきた」

 

 

(後編に続く)

 

書いてほしい√

  • 婚約者とのハッピーエンド√
  • 婚約者を殺害√
  • 婚約者と一緒に駆け落ち√
  • 婚約者寝取られ√
  • R18版(書けるとは言ってない)
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