平和国家召喚 作:アンモナイト
中央暦1639年の1月末、クワ・トイネ公国は、異世界からやってきたと主張する緑茶国の
何でも緑茶国は島国で、約70年前にコーラ合衆国をはじめとした連合国との大きな戦争で敗北し、一切の軍備を解体されたらしい。
その戦争で、第三のビール帝国やカプチーノ王国といった同盟国が敗れても、緑茶国は抵抗をやめないで、ヴォトカ社会主義共和国連邦(以下ヴォトカ連邦)とコーラ合衆国や大紅茶帝国を主とした連合国を相手に熾烈な本土決戦を行って敗北し、
北部のカニカマ地方と呼ばれる島がヴォトカ連邦に、それ以南がコーラ合衆国などに占領された。
戦後は、ヴォトカ連邦とコーラ合衆国の二つの超大国も結構な被害を被ったので、しばらくは代理戦争も起きず、世界には短い平和が訪れたが、長く続くこともなく、2つの超大国は世界を舞台とした陣取りゲームを始めた。
その中で、緑茶国はちゃっかり復興しており、一時は世界第二位の経済大国になった。
ヴォトカ連邦が崩壊した際に、カニカマ地方を取り戻して再統一もした。
ただ、その国には軍事組織がなかった。詳しいことは聞くな!
その後、異世界に召喚された緑茶国は、その食料自給率が低い非資源国だったが、その両方に満ちたクワ・トイネ公国とクイラ王国と国交を締結することで、最悪の状態は脱した。
だが、その後ロウリア王国が二カ国に宣戦を布告して、戦争が始まった。
ロウリア王国は、人族至上主義の国家で、亜人の滅亡を夢見て、亜人の多いクワ・トイネ公国とクイラ王国に攻め入ったのだ。
この世界の5大列強のうち一つであるパ皇から支援を受けたロウリア王国は、圧倒的な力で、クワ・トイネ公国とクイラ王国を蹂躙し、ロデニウス大陸から亜人を駆逐した。
クワ・トイネ公国とクイラ王国は、緑茶国に援軍を要請したが、緑茶国は軍を持たない。よって派遣できる戦力も無いので、二つの国が消滅して、地図がきれいになった。
緑茶国は食料や資源の輸入先がなくなって困っていたが、すぐにロウリア王国からそれらの輸入を始めた。
緑茶国は、異世界の国で亜人がそもそもいなかったので、人族至上主義のロウリア王国は、緑茶国の技術を知ったこともあって友好関係を築いた。
ロウリア王国と国交が結ばれるまでの間、緑茶国の国内では、食料輸入が絶えたことで数百万程の餓死者が発生しており、この国交締結は国民に歓迎の声で受け止められた。
中央暦1639年1月下旬
「我々に隷属せよ!!!」
フェン王国に侵攻したパーパルディア皇国軍に緑茶国人観光客が見せしめに殺害されたが、緑茶国は抗議しただけで、特に何もしなかったしできなかった。
その後、パーパルディア皇国は、ロウリア王国で活動する商人の情報から、緑茶国は高い技術力を持っていると判断、それを手に入れるために侵略を決定する。
バルス司令官に率いられた、パーパルディア皇国海軍の総数900隻にもなる竜母や戦列艦が一路東へ進む。
緑茶国の領海に入ってから、緑茶国海上保安省の
緑茶国は、一切の軍備を持たないため、緑茶国は海賊に悩まされたので、沿岸警備隊相当の組織の海上保安省の巡視艦は、速射砲や個艦防空ミサイルなどで武装、軍艦にこそ及ばないものの、重装備を持っていた。
だが、まさか攻めてくるとも思っていなかったのか、巡視艦の配置転換も完了していなかったので、絶対数が足りず、パーパルディア皇国軍の一部に上陸を許してしまった。
だが上陸したパーパルディア皇国軍は、湯豆府警に応援に駆けつけた鮒寿司県警の機甲隊に所属する74式特車や装甲戦闘車などとの交戦で全滅してしまった。
竜騎士団は、携SAMで頑張って落とした。
緑茶国内では、パーパルディア皇国軍を銃刀法違反、爆発物の不法保持、殺人未遂とかの容疑で、緊急避難で制圧することができるのだ!!
その後、パーパルディア皇国海軍は、海上保安省の巡視艦に全滅させられた。
ここに来て、緑茶国政府幹部は流石ににまずいと思ったのか、国内にいる緑茶国の召喚に巻き込まれた可哀想なコーラ合衆国第17艦隊を、どうにか説得して、パーパルディア皇国を制圧するようお願いした。
食料を含めた一切の補給を絶つ可能性すら示唆した交渉に、コーラ合衆国在緑茶国司令部は屈して、第17艦隊が出撃、緑茶国内のコーラ軍基地からは戦闘機や戦闘爆撃機が次々と離陸した。
主力艦隊を失ったパーパルディア皇国に、その進軍を防ぐ力もなく、皇都エストシラントを火の海にされ、パラディス城は倒壊し、皇帝ルディアスや観光客殺害の首謀者レミールも巻き込まれて圧死した。
その後暫定政府代表カイオスは、エストシラント沖に停泊した原子力空母フライド・ポテトの甲板上で、降伏文書に調印した。
中央暦1642年4月22日、この日先進11ヵ国会議が開催された。
「我々に隷属せよ!!!」
そこで、グラ・バルカス帝国の外交官シエリアが突如として全世界への宣戦布告をして、参加各国の艦隊にグラ・バルカス帝国の戦艦グレードアトラスターや機動部隊が襲いかかった。
グラ・バルカス帝国は第二次大戦程度の技術力を有しており、神聖ミリシアル帝国が何とか対抗できるだけで、他の国はまるで相手にならなかった。
唯一の例外は、緑茶国の巡視艦であり、迫り来るアンタレス艦戦、リゲル艦攻、シリウス艦爆を次々と撃ち落とした。
だが、大和型戦艦に似た戦艦グレードアトラスターに、対艦能力がほぼオミットされて速射砲や個艦防空ミサイル程度の武装しか持たない巡視艦が対抗できるわけもなく、46センチ砲弾を食らって爆沈した。
その後、第二文明圏に進入したグラ・バルカス帝国を倒すべく、神聖ミリシアル帝国が音頭をとって、つくった世界連合艦隊がグラ・バルカス帝国を前に危うく全滅しかけて、パル・キマイラ1隻引き換えでどうにか助かったり、ムー国の都市、オタハイトやマイカルが空襲やら艦砲射撃を受けたりした。
緑茶国は戦力を派遣しなかったので、直接の被害は受けなかったが、ムー国の都市が攻撃されたことや、ムー国に向かっていた貨物船がグラ・バルカス帝国の潜水艦に撃沈されたりして、消費が鈍り大きな経済的打撃を受ける。
それからしばらくして、グラ・バルカス帝国がムーを難なく征服すると、本格的に危機感を覚えた神聖ミリシアル帝国は、国内に残存する古の魔法帝国の残した超兵器、空中戦艦パル・キマイラの残り4隻を全力投入して、戦線を第二文明圏内に押しとどめることに成功する。
その混乱の中、古の魔法帝国の子孫が建国した国家、アニュンリール皇国は、国内の魔石不足を補うべく第三文明圏へと侵攻した。
第1世代ジェット戦闘機程の性能のアニュンリール皇国製天の浮舟が空を支配し、パル・キマイラが都市を焼き、海ではアダマン級魔導戦艦の霊式40.6センチ魔導砲が唸る。
アニュンリール皇国は、アルタラス王国等の魔石に富んだ地帯を征服した。
ようやくアニュンリール皇国の正体を把握した神聖ミリシアル帝国は、パル・キマイラの爆撃や占領地域の維持で同じく疲弊しつつあったグラ・バルカス帝国と第二文明の占領を認めて講話した。
以後、各国のにらみ合い状態が続き、アニュンリール皇国の強さを認識したグラ・バルカス帝国が神聖ミリシアル帝国と同盟を組むなどの些細なことはあったものの、特に何も起こらなかった。
変わったことと言えば、緑茶国では、在緑茶国コーラ軍がクーデターを行って、緑茶国総督としてハン・バーガー氏が就任し、再軍備、軍拡を推し進めたことぐらいだ。
中央暦1650年6月
「我々に隷属せよ!!!」
この時、異世界中が恐れる国家、ラヴァーナル帝国、またの名を古の魔法帝国が復活した。
ラヴァーナル帝国はまず手始めとばかりに、光翼人の仲間を自称する不届き者、アニュンリール皇国にその刃を向けた。
海上要塞パルカオンや対空魔船からうちだされる誘導魔光弾でアニュンリール皇国空・海軍は全滅し、皇都マギカレギア等の都市にはコア魔法が撃ち込まれて、皇帝ザラトストラは死んだ。
これに世界各国は今一度団結し、グラ・バルカス帝国も加えた新・世界連合軍が結成されるが、1970年代の先進国レベルの技術力を持つラヴァーナル帝国の敵ではなかった。
これを討つべく、緑茶国総督兼コーラ合衆国異世界軍総司令官ハン・バーガーは、異世界に存在するコーラ合衆国軍と緑茶国軍の全戦力を差し向ける。
敵は質はともかく、量がやばかった。
ラヴァーナル帝国海軍は、10隻の航空魔導母艦、海上要塞パルカオン5隻(航空ミサイル戦艦)とそれを守る対空魔船、4隻のオリハルコン級魔導戦艦、そしてコア魔力式潜水艦100隻(魔法版原子力潜水艦)など、15個空母打撃群、4個水上戦闘群を持つ合計で約600隻にもなる大戦力であった。
ハン・バーガー氏とて、何も考えていなかったわけではない。
接収した緑茶国の宇宙開発組織に命じて、何故か緑茶国が保有していた固体燃料ロケットを元にICBM、ゼータロケットを開発し、核兵器の大量生産を行っており、さながら冷戦期にタイムスリップしたかのようであった。
神聖ミリシアル帝国を制圧すべく航行していたラヴァーナル帝国第1~第4艦隊に凶刃が向かう。
まずはコーラ合衆国海軍と緑茶国海軍の潜水艦がサブロック2潜水艦発射核ミサイルを放ち、その爆発で混乱に陥った魔帝艦隊に、ハープーンが殺到した後、核爆発で魔導電式変換波動反射探知レーダー等の雷魔法系設備が使えなくなった魔帝艦隊に、フォールアウトの影響を一切知らされていなかった新・世界連合軍が再度襲来した。
魔力レーダーは健在だったため、魔力生物のワイバーンや、高い魔力反応を出す天の浮舟等は甚大な被害を被ったが、魔力反応に乏しいグラ・バルカス帝国機は大きな戦果を上げた。
ほぼ同時に、ラヴァーナル帝国本国と、その防衛に残っていた魔帝艦隊へと向かって、無数のゼータ多弾頭ICBMその進路を向ける。
あまりの核ミサイルの数に、科学者が戦争後の環境について危惧したが、そんなことは関係ない。
今まで得た情報から、ラヴァーナル帝国には話が通じない。その証拠に問答無用でアニュンリール皇国を滅ぼした。
在緑茶国コーラ軍は、ロデニウス事変、対パーパルディア戦争、新世界大戦で、この世界への不信感にとらわれており、もはや誰も求めることはできない。
ゼータ多弾頭ICBMは、ラヴァーナル帝国の軍事基地らしき場所は勿論、都市という都市すべてに向かって飛翔し威力を解放、光翼人約4億が1日にして蒸発した。
数時間後、ラヴァーナル帝国の自動報復システムが作動、運良く生き残っていた地下ミサイルサイロから、全世界を照準としたコア魔法搭載の魔法版ICBMが放たれるが、魔法版ICBMは単弾頭型で、しかも数が少なかったので、
かくして、ラヴァーナル帝国は滅亡した。
大量に使われた核ミサイルの影響で大気中に大量の微粒子が浮遊することになり、地上に届く太陽光が弱くって、世界中の穀物生産に悪影響が発生し、全世界規模の食糧危機が起こったが、それでも食料の過剰生産が可能なロウリア王国を事実上の属国とする緑茶国とハン・バーガー総督には関係のない話であった。
平和な世界。