幼女が魔改造されたクマに乗って時獄と天獄を生き抜く話   作:アキ山

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幼女のスーツ特性

クマスーツ オールマイティ(全パイロット能力値+10の補正)

ひーちゃんドレス 射撃・命中特化(射撃値・命中値に+30 格闘値に-20の補正)

魔神の巫女装束 格闘・防御特化(格闘値・防御値に+30 回避値に-20の補正)


幼女と来る厄災

 一面真っ暗な不思議な場所で私は再び出会えた妹を抱いている。

 

 前に会った時は生まれたての赤ん坊だったこの子も、今は2歳くらいにまで成長していた。

 

 あれから数日しか経っていないのに大きくなりすぎだと思うけど、この子の出自を考えると驚きより心配が先立つ。

 

 恐らくは何らかの手段で成長を速めているんだろうけど、それってこの子の身体に悪影響を及ぼさないだろうか? 

 

 この姿を見た時はクォーターに連れ帰ろうと思った。

 

 けれど、いくら歩いてもこの暗闇から抜け出る気配はない。

 

 結局体力が尽きた私はこの子を抱いたまま、こんな所にへたり込むことになってしまったのだ。

 

 ここは何処なのか?

 

 出口はあるのか?

 

 それ以前に宇宙にいた筈の私がどうしてこんな場所にいるのか?

 

 分からないことだらけだ。

 

「きゃう! ねー! ねー!」

 

 腕の中で無邪気な笑顔を浮かべながら私に手を伸ばす妹。 

 

 この子をこんな寂しい場所には置いておけない。

 

 なんとかして連れ帰らないといけないのに……

 

 足りない頭で一生懸命脱出法を考えていると、幼女特有の睡魔に瞼が重くなってくる。

 

 ああ、ダメだ。

 

 このまま眠ってしまったら、この子を置いていってしまう。

 

 ほっぺの内側を噛んで必死に意識を繋ぎとめようとしても、圧倒的な眠気の前には焼け石に水でしかない。

 

 名前だけ……

 

 せめて……名前だけでも呼んであげなくては。

 

「……ミウ、ごめんね」

 

 閉じていくまぶたに映った妹にそう言葉を掛けて、私の意識はプツリと途切れた。

 

 

 

 

 ドラゴンズハイヴのレクリエーションサロン。

 

 そこにはアルトや宗介を始めとするZ-BLUEの若年組が集まっていた。

 

 彼等の話題は一つ。

 

 先日のインベーダー遭遇の折に部隊の妹分であるミユが引き起こした現象についてだ。

 

「あの時は本当にビックリしたわ。いきなり頭の中にミユちゃんの声が聞こえて、力を貸してとか言われたんだもん」

 

「そうだよねぇ、私もGeoジャベリンのコクピットで跳び上がりそうになっちゃった」 

 

 カナメの言葉に琉菜がうんうんと同意する。

 

「あのとんでもないロケットパンチはそうやって集めた力で撃ったんだろ?」

 

「けど、どういう原理なんだ? ニュータイプ専用機に乗っていたのならともかく、今回はマジンガーだぞ」

 

「そうですね。ハード面でもソフト面でも、ミユちゃんの力とは何の関係も無いでしょうし」

 

 アルトの言葉にミシェルは納得がいかないと言わんばかりに眉根を寄せ、ルカも首をかしげる。

 

「その辺はどうなんだ、甲児?」

 

「正直俺にも分からないんだ」

 

 エイジの問いかけに甲児は複雑そうな顔で首を横に振る。

 

「ただ……ミユちゃんの周りをいつも飛んでいる小さなパイルダー、あれが関係してるんじゃないかと思う。オジイちゃんが機能してくれてたら何か分かったんだろうけどな」

 

「十蔵博士の人格がコピーされたゴッドスクランダーの制御システムの事ね」

 

「ああ。俺があれを使いこなせるようになった時点で出て来なくなったし、調べようにもマジンガーの意思でスクランダーはジェットになっちまったからなぁ」

 

 さやかの合いの手に溜息を返す甲児。

 

 マジンガーに意思があるのは確実だが、それが何を考えているのかさっぱり分からない。

 

 聞けばミユが着ていた服もマジンガーから貰ったというではないか。

 

 服の件といいあの大技といい、マジンガーがミユを乗せたがっているとしか考えられない。

 

「しかし、あの時のミユの格好を見ると、ますますもって巫女染みてきたな」

 

「魔神の巫女かぁ。そう考えると、いつか出たミケーネ文明の生き残り説も真実味を帯びてきましたね」

 

 ヒビキの言葉に正太郎も難しい顔で同意する。 

 

 人の意志を光子力に変えるなんてマネをしでかした以上、こんな荒唐無稽な話も冗談とは言えなくなってきた。

 

「甲児、アイツをマジンガーに乗せるのはやめておけ」

 

「どういう意味だ、カイエン」

 

 先ほどから沈黙を守っていたカイエンの言葉に甲児は眉根を寄せた。

 

 アクエリア市での暴走時に彼がミユを排除しようとしたのは、Z-BLUEの中では周知の事実だ。

 

 それ故に彼女の兄貴分であるシンとの関係は最悪と言っていい状態になっている。

 

 もっとも『絶望予知』という能力があっても、仲間を排除しようとしたカイエンは部隊の中で大きく評価を落とす事になったが。 

 

「気付いていないのか? マイノット基地にアクエリア市、マジンガーが暴走する時はいつもあのガキが関係してたろう。そこに来て今回の件だ、このまま行けばマジンガーを横取りされかねんぞ」

 

 悪意を隠そうともしないカイエンの言葉にムッとしたものの、甲児はすぐに言葉を返せなかった。

 

 カイエンの指摘通り、暴走の切っ掛けも一時とは言えマジンガーが自分よりミユを選ぶような行動を取ったのは事実だからだ。

 

「随分と棘があるじゃないか。君の能力の事は聞いているが、小さな子をそんな風に言うのはどうなんだ?」

 

 そんな甲児の代わりに口を開いたのは、偶然この場に居合わせたリディだ。

 

 深くかかわっていないが彼もミユとの付き合いは長い。

 

 子供が軍艦に乗る事はあまり良しとしなくても、悪し様に言われるなら口の一つも出すくらいの情は持っている。

 

「リディ少尉、アンタはあのハロに勝つ自信はあるか?」

 

「ハロってあの子のデカい奴かい? 正直、デルタプラスでは難しいかな」

 

 そう言って肩をすくめるリディ。

 

 頭の中でシミュレートしてみたが、ニュータイプだのパイロットの腕だの以前に機体性能差が開き過ぎている。

 

 ああは言ったが本当に戦えば撃墜されないように逃げ回るのが精いっぱいだろう。

 

「アイツはあの機体でシミュレータとはいえ、キラ・ヤマトの乗るストライク・フリーダムを一方的に撃墜している」

 

 それを聞いてサロンの中に動揺が走る。

 

 キラ・ヤマトはザフト最強のパイロットにして、Z-BLUEでも指折りのエースだ。

 

 それをシミュレータの模擬戦とはいえ、一方的に倒すなど出来る物がどれだけいるだろうか?

 

「あの暴走したクマもそうだ。この部隊が総出で掛からないとどうにもならないバケモノをアイツは持っているんだぞ。お前らはそれを危険だと思わないのか?」

 

「あのクマが暴走したのって、機体がミユちゃんの精神に過干渉したからなんでしょ? もうアレは封印したんだから大丈夫じゃない」

 

「あの緑の球体はそのクマが残したモノだ。暴走しない保証が何処にある?」

 

 MIXの反論をバッサリと切って捨てるカイエン。

 

 思わず口を噤んだ彼女に代わって、壁に背を預けて静観していたミヅキが問いを投げる。

 

「ねえ、貴方はあの子の事を随分と嫌っているみたいじゃない。いったい何があったの?」

 

「私達エレメントは一人一人に特殊能力があって、カイエンの場合は『絶望予知』っていう自分や身の回りの者に訪れる不幸を予知する物なんです。それでZ-BLUEがミユちゃんに滅ぼされる未来のビジョンをみちゃったらしくて」

 

 困り顔で話すサザンカの言葉にミヅキは小さくため息を吐く。

 

「それで、その絶望予知とやらはどのくらいの的中率なのかしら?」

 

「───分からん。特訓で一瞬先の事ならほぼ100%予知できるようになったが、それ以外は何とも言えん」

 

「そうなる原因や時期については?」

 

「……それが分かれば苦労はしない」

 

 そうやって吐き捨てるカイエンにミヅキは呆れたように肩をすくめる。

 

「なによそれ、そこらの占いと変わらないじゃない」 

 

「なんだと?」

 

 ミヅキの言葉に気色ばむカイエン。

 

 海兵隊出の屈強な体躯の彼に睨まれてもミヅキはどこ吹く風と怯む気配を見せない。

 

「そんな事で仲間を悪し様に言うんだもの、呆れられて当然でしょ」

 

「お前に何が分かる!?」

 

「分からないわよ、その予知とやらを私は見た事が無いんだから」

 

 カイエンの抗議をバッサリと切り捨てるミヅキ。

 

「貴方はミユちゃんを追い出したいみたいだけど、それって逆効果なんじゃない?」

 

「どういう事だ?」

 

「来たばかりの私にも彼女はこの部隊を信頼しているように思えたわ。そんな人達から追い出されたら、あの子は酷く傷つくでしょうね」

 

 さすがにストレートに言われては罪悪感があるのか、バツが悪そうに顔をしかめるカイエン。

 

「そうなれば私達を恨むだろうし、あの年だから癇癪だって起こすでしょう。結果、私達と敵対するって事になってもおかしくないと思うわよ」

 

「あの子は優れたニュータイプ能力が原因でここに保護されている。それを放り出したらネオジオンや連邦の研究所に捕まる可能性は高い。そうなれば洗脳されて俺達の前に立ちはだかるって事も十分に考えられるな」

 

「カイエンさん、あしゅら男爵がミユちゃんをスカウトしていたの忘れたんですか? 僕達から離れたらあいつは嬉々として彼女を攫いに来ますよ」

 

 ミヅキ、リディ、正太郎から立て続けに反論をぶつけられてカイエンは思わず怯む。

 

「ねえ、その予知ってミユちゃんをここから放り出したらこうなるぞって事じゃないの?」

 

 トドメとばかりに放たれたカナメの言葉にカイエンは反論する事はできなかった。

 

 

 

 

 どうも、買い出し担当のミユです。

 

 私達Z-BLUEはインベーダー襲来を大統領へ伝える為に地球に帰る事になりました。

 

 宇宙と離れるのは少し寂しい気もするけど、この辺は仕方ないよね。

 

 それはさておき、新メンバーが合流した時の恒例になってる顔合わせなんだけど、実際にやったのはインベーダー戦の次の日だった。

 

 本当はすぐにやりたかったけど、かみさま主催の光子力祭りでお疲れだったから、戦闘後に挨拶するのは無理だったんだよ。

 

 そういえばパラダイムシティの時も挨拶が遅れたような気が……

 

 幼児なので電池切れはどうしようもないとしても、新しく入ってくる人には失礼の無いようにしたいと思う。

 

 でもってご挨拶は最初は2体のグラヴィオンのパイロットであるサンドマンさんとグランナイツの皆から始める事になった。

 

 まずはグラヴィオンチームのリーダーであるクライン・サンドマンさん。

 

 金髪が素敵なダンディさんで、ランビアス人という他の星出身なんだって。

 

 あと本名は「ジーク・エリクマイヤー」というらしい

 

 理屈はイマイチわからないけど、この人も見た目以上に長生きをしているんだとか。

 

 オババ様とは違って、あまりにもダンディ過ぎてこの人をオジジ様とは呼べません。

 

 ご挨拶した時はインベーダーの言葉から立ち直った事を褒めてくれた。

 

 頭を撫でてくれた時に「ほかのほしのひと、なかよくなるのうれしい」って言ったらすごく嬉しそうにしてたよ。

 

 ところで、私の事を『彼に聞いた通りの子だ』って言ってたけど、いったい誰が噂してたのかな?

 

 そして次に顔合わせしたのはグランナイツのみんな。

 

 リーダーの天空侍斗牙さんをはじめ紅エイジさんに城琉菜さん、ミヅキ・立花、エィナさん、リィル・ゼラバイアさんの6人という大所帯である。

 

 斗牙さんは蒼い髪と瞳が特徴のお兄さんで言いたい事を言っちゃうタイプの人、それをフォローするのがシン兄と声が似ている赤い髪のエイジさん。

 

 琉菜さんは明るく活発なお姉さんで私の事をメッチャ撫でてくれた。

 

 ピンクがかった赤い髪のエィナさんはグランナイツのお世話をしているそうで、遠慮せずに何でも言ってくださいとありがたいお言葉が。

 

 クッキーが得意らしいので機会があったらリクエストしてみようと思う。

 

 ミヅキさんはすっごいお胸を持つセクシーなお姉様。

 

 グランナイツのお姉さん役だそうなので私も何かあったら頼りにしよう。

 

 さしあたっては例の計画の事を相談してみようかな。

 

 最後のリィルさんはなんとサンドマンさんの娘さんだそうだ。

 

 彼女も無口なタイプだそうだけど、私が親指を立てたら返してくれたのでノリはいいのかもしれない。

 

 こんな感じでグランナイツとの挨拶が終わると、次に来たのはシモンのアニキの仲間であるキタンさんとヨーコさんだ。

 

 キタンさんは威勢のいいお兄さんで、『こんな小さいのに戦って大丈夫かよ』と言いながら私の髪の毛をワシワシしてくれた。

 

 言葉遣いとは裏腹に撫で方は凄く優しかったし、妹さんもたくさんいるそうだから仲間想いのいい人なんだろう。

 

 ヤバくなったら逃げてこいって言ってたから、そんな時が来たら甘える事にしよう。

 

 一方のヨーコさんはミヅキさんに負けないくらいのすごいお胸のお姉さんだった。

 

 狙撃が得意な女傑さんだけど、同時に小学校の先生もしているとか。

 

 私がヨマコ先生って呼んだらビックリしてたっけ。

 

 笑顔で勉強を教えてあげようかって言ってくれたので、この世界の歴史とか教えてもらおうかなと思う。

 

 そして私の精神をドリドリ削ったゲッターチームの隼人さんと弁慶さん。

 

 弁慶さんはとっても気のいいおじさんで、パイルダー越しにインベーダーを見た私を『気持ち悪くなかったか?』『怖くなかったか?』とすごく心配してくれた。

 

 なんでも渓さんという娘さんがいるらしく、その関係で私の事を放っておけなかったのだって。

 

 心配させるのも申し訳ないので、ピョンピョン跳ねて元気をアピールしておきました。

 

 でもって竜馬さん以上の強面である隼人さん。

 

 顔自体は整ってるんだけど、傷のせいでヤの人にしか見えません。

 

 しかも彼を見ていると『目だ! 耳だ 鼻ぁッ!!』と言われた箇所をエグられたり『逃ィげんなよ』って顔の皮を剥がされたりするイメージがががが……

 

 半泣きでいかくのポーズを取ったのも仕方がないと、幼女は自己弁護するのであります。

 

 そんな私に興味を持ったのか、隼人さんも無言で見つめて来たので自然といつかのにらめっこのような体勢に。

 

 感じる怖さは竜馬さんを上回る強敵、だけど私だって泣き虫なお子ちゃまではない。

 

 なんとか一分耐える事ができたけど、そこからすぐにベソかきました。

 

 弁慶さんがレフェリーストップをかけてくれたので、私はシン兄の胸にダイブ。

 

 爆笑していた竜馬さんは隼人さんに殴られてました。

 

 そんな愉快な顔合わせが終わったあと、私達はサイド6というコロニーで物資の補給を行う事になった。

 

 地球圏最強の部隊と言えどメンバーは人間なのだから、食べ物や日用品などなどは必要になる。

 

 大半は補給担当に任せることになっているので、私達はパイロット仲間から聞いたリクエストを仕入れるのが役目だ。

 

 私としては新しい下着と子供はみがき粉、あとはお菓子を買うつもりである。

 

「ミユ、飴はいらんか?」

 

 一団の荷物持ち担当である弁慶おじさんの声に目を向ければ、そこには大きな棒付きのペロペロキャンディの屋台が。

 

 馬鹿にするなと言いたいところであるが、この幼女ボディはとっても正直である。

 

「……いる」

 

 私の感情に反してあっさりとおねだりしてしまった。

  

「よし、だったら買ってきてやろう。お前等はどうだ?」 

 

「えっと……いいです」

 

「いらないわ。いったい何歳だと思ってんのよ」

 

「私はいる」

 

 買い出しメンバーであるチルドレン三人の言葉を聞くと弁慶さんは飴を買いに行ってくれた。

 

「エコヒイキ、あんたあんなガキ臭いものがいいの?」

 

「ミユが欲しがっているもの」

 

「綾波って本当にミユちゃんが好きだよね」

 

 呆れ気味に問いを投げるアスカお姉さんに苦笑いのシンジお兄さん。

 

 ちなみにレイお姉さんは後ろから抱きしめるように私のお腹をプニプニしております。

 

 今日はひーちゃんドレスなので、クマさんスーツよりくすぐったい。

 

「アンタねぇ、いい加減この子を愛玩動物扱いするの止めなさいよ」

 

 おお、アスカお姉さんがまともな事を言った!

 

 他の皆は何故か生温かく見守るだけだったから、これはありがたいぞ!

 

「なぜ?」

 

「コイツは人間なの! に・ん・げ・ん!! いくらガキでもネコ扱いしたら失礼でしょうが!!」

 

「問題ないわ。ねぇ?」

 

 そこで私に振るとかキチクすぎやしませんかねぇ!

 

 たしかに猫扱いには思う所はあるけど、レイお姉さんと触れ合うのは嫌いじゃないんだよ。

 

 ここで嫌だって言ったら距離を置かれそうだしなぁ……

 

「年上からそんな風に振られて嫌だなんて言えるか! とにかく離れなさい!!」

 

 そう一喝するとアスカお姉さんはレイお姉さんを私から引き離した。

 

 うん、また今度触ってもいいから物欲しそうに指を咥えないでくれるかな?

 

 子供のオモチャを取ったみたいで罪悪感が半端ないです。

 

「式波ってさ、なんだかんだ言いながらミユちゃんの事気にかけてるよね」

 

「当たり前でしょ」

 

 アスカお姉さんは少し不機嫌そうにしながらもシンジお兄さんの言葉を認める。

 

「権力と武力を持ったヤバい変態に狙われた子供なんて、見捨てたら寝覚めが悪いじゃない」

 

「ヤバい変態ってシャアの事だよね。でもあの人って本当にそうなのかな?」

 

「なに言ってんのよ。アイツは少しでもニュータイプの素質がある女の子なら、ホイホイ食っちまう筋金入りのロリコンだって軍じゃ有名なんだから」

 

「でも、あの酷いイメージを送ったのってフルフロンタルでしょ?」

 

「アイツはシャアの影武者じゃない。バレない様に同じ変態を選んだに決まってるわ」

 

 アスカお姉さんの言葉に納得いかなそうに首をかしげるシンジお兄さん。

 

 私もその辺は何とも言えない。

 

 というか、もうあの人達には関わりたくないんだよね。

 

 まあそんな事は言ってられないんだけどさ。

 

「どうした、難しい顔をして。ほら、飴だ」

 

「……ありがと」

 

 戻って来た弁慶さんが差し出した飴を受け取った私は包みを開けてペロリと舐める。 

 

 うん、甘い。

 

 この身体になって甘いモノが一段と好きになったせいか、この舌が蕩ける味を感じていると嫌な事がスポーンと抜けるんだ。

 

 上機嫌でペロペロ舐めながら歩いていると、トレンチコートを着て金髪にサングラスを掛けたお姉さんとすれ違った。

 

 気を付けたつもりだったんだけど、彼女が引いていたキャリーバックに引っ掛かった私はその場で尻餅を付いてしまった。

 

 なんとかキャンディは守ったものの、その代わりにお尻をモロに打ってしまったので思わず涙が……

 

「ごめんなさい、怪我はなくて?」

 

 そう言って伸ばしてくるお姉さんの手を素直に掴むと頭の中にビジョンが走った。

 

 このお姉さん、ニュータイプだ。

 

「……あるていしあ?」

 

「お嬢さん、少しお話いいかしら? 主にシャア・アズナブルが貴方に行った事について」

 

 サングラスをズラした美人さんの浮かべる凄みがあり過ぎる笑みに、私はコクコクと頷く事しかできなかった。

 

 

 

 

 美人さんが怒るととっても怖いと知った幼女です。

 

 あの後、お姉さんことセイラ・マスさんに喫茶店へ誘われた私は、弁慶さん達を巻き込んで例の惨劇の事を洗いざらい話す事となってしまった。

 

 マイノット基地の時にいなかった弁慶さんは『なんだそれは!?』と怒ってくれたんだけど、それよりもコップを三回も握り潰したセイラさんの怒りが凄まじくて……

 

 何故か慰謝料がどうのという話になりかけたので慌てて止めたけど、そんな話は子供にすべきじゃないと思います。

 

 あと弁慶さんは私のお父さんではありません。

 

 まあ、例の計画で足りなかった物の伝手ができたのは収穫だったかな。

 

 さて、買い出しも終わってZ-BLUEは地球に降りる事になったんだけど、ここでもお邪魔虫がやってきた。

 

 なんの因果か分からないけど、襲撃を掛けてきたのは青のギラドーガを隊長としたネオジオンだったのだ。

 

 ジェフリー艦長の停戦交渉もむなしく戦端は開かれてしまったんだけど、これっていいのかなぁ……

 

『なんだい、この化け物染みた射程と手数は!?』

 

『レズン大尉……うわああああああっ!?』

 

 乱れ飛ぶ赤や青に黄色のビーム弾に加えて、その間を縫うように奔る鉄杭のような特殊弾頭。

 

『変態の手下はミーちゃんに近づくな!』

 

 ハロで宇宙に出た途端、ひーちゃんは雨あられと弾幕を張りまくり、ネオジオンの人達はそれを躱し切る事が出来ずに次々と撃墜されているのだ。

 

 ひーちゃんがコクピットを狙ってないからいいけど、何ともコメントに困る状況である。

 

『ミユ、本当にお前が動かしているのか?』

 

「……ミユはてきをみつけてるだけ」

 

 少し引きつった声で問いかけてくる弁慶さんにそう返していると、直感センサーがこっちに近づく気配を察知した。

 

 程なくして現れたのは4機のジェガンと、2機の丸いグラスみたいな目に西洋の鎧みたいなデザインの一回り小さい灰色のモビルスーツ。

 

『おお、連邦の援軍か!』

 

『あれはスラオシャ・カンパニーが開発した新型のデナン・ゲーだ!』

 

 速く地球に降りなきゃなので援軍は嬉しいんだけど、あの機体から感じるこの気配って……

 

『ナイス援軍って喜んでる場合じゃないか……』

 

『これでは戦火が広がるだけだ』

 

 喜ぶダグザ中佐やネェルアーガマのクルーの声を他所に、困ったと言わんばかりの桂さんとオズマ隊長。

 

 真っ先に手を出してしまった私としては二人の言葉がグサグサ刺さるんだけど、そんな事を言ってる場合じゃない。

 

「……あのひとたち、『いがみあえ』ののろいかかってる」

 

 私の警告と同時に『Z-BLUEは……我々の敵だ!』とこちらへ向かって武器を撃ってくる連邦の機体。

 

『ミユのいう事は本当らしいな!』

 

『各機、連邦軍も警戒を密にしろ! 迎撃の際は極力コクピットに当てるな!!』

 

『ジェミニスの襲来にも気を払うんだ! 奴等が潜んでいる可能性が高い!!』

 

 舌打ちをするアルトさんの後に続いてブライト艦長、アムロ大尉からの指示が飛ぶ。

 

 不幸中の幸いなのは、ネオジオンはひーちゃんの弾幕で釘付けにされている事か。

 

 モビルスーツとヴァルキリーを中心に皆が迎撃を始める中、私はひーちゃんと一緒に……あ、隊長機が壊れた。

 

 ネオジオンの機体を全部やっつけて直感レーダーでも死人がいない事にホッとしていると、おかわりと言うようにネオジオンの増援が現れた。

 

『また増援!』

 

『ジェミニスがいるかもしれないのに、こんな戦いを続けていたら……』

 

 ラー・カイラムから出たブライトさんの息子さんの声に歯噛みするカツさん。

 

『それでもやるしかないんだ!』

 

 連邦の新型機を赤い波動で戦闘不能にしたカレンの姉さんが叱咤激励をしていると、C.C.オババ様がクスリと笑った。

 

『そう熱くなるな、カレン。頼もしい味方が来たぞ』

 

 そんなオババ様の声に増援の方へ意識を向けると、地球の方から紅蓮の物に似た青い翼を広げた一機の白い機体が現れた。

 

『ランスロット! スザク!!』

 

 あれにはブリュッセルであった茶髪のお兄さんが乗っているようだ。

 

 けど、彼が現れたのはネオジオン増援部隊のすぐ近く。

 

 このままだと袋叩きにされてしまう。

 

 なんとか援護をひーちゃんにお願いしようとしている内に、案の定包囲されてしまうランスロットという機体。

 

 だけど彼がやられる事はなかった。

 

 そう動く増援部隊を一望できる場所に現れた黒い機体が、乱反射する紫のビームで敵を一網打尽してしまったからだ。

 

 この気配は間違いない。

 

 いつぞやに会った美人さんの皇帝にして、残念過ぎる衣装を着けた怪しい仮面の男!

 

「にっぽんぽん!」

 

『ゼロと呼んでくれたまえ!』

 

 ごめんよ、幼女ボディがこっちを気に入ってしまったみたいだ。

 

 直すように努力はするんで間違ったら許してね。

 

『プフッ……なかなか素敵な呼び名じゃないか。いいセンスをしているな、クソガキ』

 

「……オババさま」

 

『ぶっふぉっ!?』

 

 私の呼び方に上機嫌で通信を繋げて来たオババ様だったけど、私が彼女を呼んだ途端に今度はゼロが噴き出し始めた。 

 

『お……お前こそ素晴らしいではないか! その呼び名なら魔女としての箔も十分だぞ!!』

 

『黙れ、童貞が。お前には笑っている暇など無いだろう。あと小娘、お前はこれが終わったらほっぺたを十分間引っ張ってやる!』

 

 理不尽だよッ!?

 

『ゴホンッ! 相変わらずの手並みだな。感謝する、ゼロ』

 

『ジェフリー艦長、まだ戦いは終わっていない』

 

「……ジェフリーかんちょ、ジェミニスくる」

 

『そう言う事だ。さあ、姿を現すがいい!』

 

 ゼロの一喝によってアンナロッタを始めとして姿を現すジェミニスの軍勢。

 

 というか今回もガドライトがいないけど、やっぱり東方のおじちゃんに殴られ過ぎたのかな?

 

『気付かれていたか』

 

『伊達にお前達を追っていたわけではないさ』

 

『地球とコロニーの争いを引き起こしたお前達をここで討つ!』

 

 アンナロッタの言葉にゼロは冷静にスザクさんは闘志を漲らせて言葉を放つ。

 

『だが私達に怒りの矛先を向けるのは筋違いだな。たしかに戦いの火蓋を切ったのは私達だが、実際に争っているのはお前達地球人だ』

 

 二人の敵意を受けながら何とも自分勝手な言い草を返すアンナロッタ。

 

 というか、他人を洗脳した時点で100%むこうが悪いと思うんだけどなぁ。

 

『我々のしたことは貴様等の滅びを少しだけ早めてやったに過ぎない』 

 

『黙れ!』

 

 アンナロッタの言葉にクォーターから飛び出した一機の機体、それはヒビキさんの駆るジェニオンだった。

 

『お前は…お前達は! 死んでいった人達の前で、そんな事が言えるのかよ!』

 

 機体全体から怒りの念を発しながら双頭の槍でアンナロッタに斬りかかるジェニオン。

 

 だが突撃するだけの一撃を食らうほど彼女も甘くは無いようで、光粒子のサーベルを展開して迫り来る刃を受け流してしまう。

 

『子供が知ったような口をきいてくれる。だが、これが我々の任務だ』 

 

『……漁夫の利を狙うような奴が言えた事かよ!』

 

『どういう理由で地球を狙ってるかは知らないが、自分達の力が足りないからって卑怯な手を使いやがって!』

 

『お前達の野望……ここで終わらせる!』

 

 アルトさん、甲児お兄さん、タケルさんの言葉に闘志を漲らせるZ-BLUEのみんな。

 

『出来る物ならやってみるがいい! 吼えるだけで勝てると思うなよ!!』 

 

『お前はっ!』

 

『やめておけ、ヒビキ。この手の女に理屈は通じんよ』

 

 激昂しかけるヒビキさんを止めたのは、酷く雰囲気が違うスズネ先生の声。

 

 だけど感じる気配はいつもの先生とは全然違う。

 

 これだとまるで別人みたいだ。

 

『スズネ先生』

 

『敗北の屈辱ってのを骨の髄まで叩き込んでやれ』

 

『貴様ごときに出来るか、それが?』

 

 彼女のまるで嘲笑うような言いように挑発を返すアンナロッタ。

 

『やってみせる! 誰かの勝手な理屈で理不尽に奪われる命……もうそんなものは真っ平だ!!』

 

 それにヒビキさんが闘志を漲らせて答えた瞬間、ジェニオンに変化が起きた。

 

 なんと機体の各所が変形して一回り巨大になったのだ。

 

 というか、あの姿ってジェミニアそっくりなんですけど……

 

『な……なんだこれは?』

 

 戸惑うヒビキさんを他所に、ジェミニスの面々から憎悪の念が立ち上る。

 

 これって確実にジェミニアをパクられたとおもったからですよねー。

 

『なんだ、そのイミテーションは! 貴様、我々を馬鹿にしているのか!?』

 

 アンナロッタの怒声と共に一斉に銃口を向けられるジェニオン。

 

 ヤバい、機体の変化に驚いていた所為でヒビキさんの反応が追い付いてない!

 

『ミーちゃん、こんな時はコレだよ!』

 

 どうしたものかと思っていたら、ひーちゃんがディスプレイの一角に文字を浮かび上がらせた。

 

 これを言えってことかな?

 

「と…と……とらんす、あむ?」

 

 ワリと自信が無いままにつたない英語の知識で読んでみると、次の瞬間には赤い粒子をたなびかせながら周囲の景色がものすごい速度で動き始めた。

 

『おい刹那! あれってまさか!?』

 

『トランザム……だと?』

 

 ロックオンさん達の驚きを置き去りに弾丸のようにカッ飛ぶハロ。

 

『行くよ、ミーちゃん! 速度も弾数も弾速も! 何時もの三倍だ!!』

 

「……おお」

 

 一瞬でジェミニス陣営の中央に突っ込むと、ひーちゃんは彼等を時に弾き飛ばし、時には轢き潰しながら弾幕をまき散らす。

 

『な…なんだコイツは!?』

 

『弾で…弾で前が見えない!?』

 

『それになんて速さ……バワッ!?』

 

『あ……赤い彗星……ぐわぁ!?』

 

 

 

 その呼び名はヤメロォ!! 

 

 あっという間に無人機も有人機もスクラップになっちゃったんだけど、これっていいのかなぁ。

 

『バカな、ジェミニスの精鋭たちが!?』

 

 ハロが繰り広げる暴虐に驚きの声を上げるアンナロッタだったけど、そこに緑の光弾を先頭に身の丈ほどの巨大なバズーカみたいな兵器を持ったジェニオンが突っ込んでくる。

 

 そして気を取られていたアンナロッタは初弾を皮切りに体当たりから砲身での殴打、さらには大型砲の零距離射撃まで全てを食らってしまう。

 

『チィィっ! これはどういう事だ!?』

 

『アンナロッタ・ストールズ! ここで決着をつけるぞ!!』

 

『私は……死ぬわけにはいかない!』

 

 砕けた装甲の破片や内部機関の部品をまき散らしながらもジェニオンから距離を取ろうとするアンナロッタ。

 

 その執念の叫びに私は記憶の彼方に追いやっていた事を思い出した。

 

 そうだよ! この人って妊娠中だったじゃん!

 

 どうしよう!?

 

 前は助けたのに今回は見捨てるっていうのは、お腹の子に申し訳ないし……

 

 かと言ってここで無理に止めたらヒビキさん達が危ないし……

 

 うんうんと悩んでいると、アンナロッタの逃げる先に見知った気配が現れた。

 

 空間を歪ませて現れたのはオーブの時と同じくジェミニア。

 

 修理を受けたのだろう、東方のおじちゃんにやられた傷は何処にもない。

 

『ガドライト!』

 

『よう、ヒビキ。そんな機体まで用意しているとは、ちょっとばかりオイタすぎるぜ』

 

 アンナロッタを庇うように立つジェミニアを前にしても、ヒビキさんは構わずに光弾を放つ。

 

 だけど、放たれたそれらはジェミニアの周りを覆うバリアによって全て弾かれてしまった。

 

『そんじゃ真贋の差を教えてやるよ、イミテーション・ボーイ』

 

 例の巨剣を手に初手が弾かれた事で戸惑いを見せるジェニオンへ襲い掛かるジェミニア。

 

 悪いけどそれをさせる訳にはいかない!

 

『はいはーい、対Dフォルト及び光粒子弾頭装填完了! ダインスレイヴ発射ぁっ!!』

 

 私の意志を汲んでひーちゃんが対ジェミニス用の弾頭に切り替えた杭を発射する。

 

 衝撃波を伴ってとんでもない速度で宙を駆けるそれは、襲い掛かろうとしていたジェミニアの顔の前を通り過ぎる形で遥か虚空へと消えていった。

 

 ふむ、当たらなかったけどヒビキさんを守れたからよかったのかな?

 

『おいおい、相変わらず危ねえ嬢ちゃんだな。けどいいのか? 今回はあの妖怪ジジイはいないんだぜ』

 

 上手く興味を引く事が出来たらしく、ヒビキさんからこちらに標的を切り替えるガドライト。

 

『ミーちゃん! ミーちゃん! こう言ったらいいよ!!』

 

 さてどう返そうかと悩んでいたところ、ひーちゃんから提案があった。

 

 え……ほんとにこれを言わなきゃダメ?

 

『うん! あの街でおじちゃんも言ってたでしょ、アイツは怒らせたら力のバランスを崩すって!!』

 

 そういえば、そんな事を言っていた記憶がある。

 

 とても気が進まないけど仕方ないか。

 

「……なまみのにんげんあいてにロボットもちだしたあげく、あれだけボコボコにされたのに、おおものヅラででてきて、はずかしくないんですか?」

 

『なんだとこのガキャァァァッ!!』

 

 ちょっと怒り過ぎじゃないかなっ!?       




IFMAP 幼女が曇った世界・またはカイエンがコロンビアポーズを取るルート

―――――――――

出現敵ユニット

オーバーデスティニー シン・アスカ(殺意天元突破)

エンシェントAQ トワノ・ミカゲ(殺意天元突破)

         息子(幼女の遺伝子を無断使用して作成)

ハロ(陰) 陽蜂(殺意天元突破)

マジンガーZERO infinity クソコテ様(ヘルモード)

ザ・ビースト 幼女(人間不信)

―――――――――

ステージ・ギミック)

共感能力(極)幼女撃墜まで自軍のひらめき・必中無効

ゴラーゴン クソコテ様撃墜まで命中率30%以上の敵の攻撃は必ず命中し、命中率70%以下の自軍の攻撃は必ず回避される

無限の光子力 幼女撃墜までマジンガーは毎戦闘後にEN30%回復・毎敵ターンにHP50%回復

愛の翼 ミカゲもしくは幼女撃墜まで敵ターン初めに敵全ユニットへ集中・加速が掛かる


―――――――


攻略法)

・兎にも角にも幼女を倒さないと話にならない。

・ただし幼女を倒すとマジンガーには魂・必中・鉄壁、ミカゲに狙撃・集中・熱血、シンに魂・必中・加速 陽蜂に加速・突撃・必中が掛かる。

・この状態でブレストインフェルノ(M)ふぐ刺し(M)や洗濯機(M)をかまされると部隊が壊滅する恐れがあるので注意。

・地味にキツいのはゴラーゴンの効果と愛の翼。この二つが合わさるとアムロくらいしかシンに攻撃が当てる可能性がある味方がいなくなる

・あと幼女に戦力を集中させすぎて真・月光蝶で大打撃を受ける可能性もあるのでそこも注意

・とにかく1ターン目で精神コマンドを駆使して気力を上げまくり、最大火力を幼女にぶつけるしかない。これを失敗するとUGセルの効果でドンドン回復していくのでじり貧になる

・クリアするには主力ユニットのフル改造必須。それでもリアル系はハロやマジンガーの攻撃を食らうとほぼ一撃で落ちる。

・どうしても勝てない場合はカイエンを恨みましょう

   
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