幼女が魔改造されたクマに乗って時獄と天獄を生き抜く話   作:アキ山

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幼女とうちゅうかいじゅう

 激怒する酔っぱらいに絡まれてピンチなミユです。

 

『舐めた口をききやがって! あの時痛い目にあったのを忘れたのか!?』

 

 ドスの効いた脅しと共にギラリと目を光らせるジェミニア。

 

 うん、実に大人げない。

 

 けど、ここまで怒るという事はひーちゃん謹製の煽り文句は彼の図星か痛い所を衝いたという事だろう。

 

「……ひーちゃん、これでいい?」

 

『データを取る為にもうちょっと怒らせた方がいいんだけど……冷静さは失ってるみたいだし、これでいいよ!』

 

 それなら怖い思いをした甲斐があるというモノだ。

 

 けれど、これからどうしたらいいんだろうか?

 

 私がシミュレーターで訓練をしていたのはあくまでクマさん。

 

 ハロで戦った経験はない。

 

 まあ、実際に動かすのはひーちゃんだから私は助言とか索敵くらいしかできないんだけどね。

 

 さて、そんな風に考えていると思わぬところから動きがあった。

 

『ガドライト! お前の相手はこの俺だッ!!』

 

 ヒビキさんがジェニオンを駆ってガドライトへ突っ込んできたのだ。

 

『ミドガルズオルム! 最大出力だ!!』

 

 かく乱するようにジェミニアの周りを飛び回った後、距離を置いて鳴らした右の指から衝撃波を放つジェニオン。

 

『テメエなんざ眼中にねーんだよ、模造品ヤロウ!!』

 

 しかし、それを紙一重で躱したガドライトは一瞬で間合いを詰めると手にした剣でジェニオンの身体を袈裟斬りに斬りつけた。

 

『ぐああああああっ!?』

 

『イミテーションごときが本当のスフィア搭載機のジェミニアに勝てるかよ。図に乗ってんじゃねえぞ!』

 

 ところどころ火花を上げながらこちらへ吹き飛んでくるジェニオン。

 

「ヒビキさん!」

 

 収納していた手を伸ばして受け止めると、ダメージは相当深いようでジェニオンは元の姿に戻ってしまった。

 

『ジェネレーターやコクピット周りは大丈夫みたいだけど、これは戦えそうにないねぇ』

 

「……ヒビキさん、スズネせんせ、だいじょうぶ?」

 

『ありがとう、ミユちゃん。私もヒビキ君も無事よ』

 

 スズネ先生の声を聴いて一安心していると、ファさんのメタスがやって来てくれた。

 

 メタスは戦闘能力が低いけど、ダメージを受けた機体を後方へ連れて行ってくれたり、簡易の修理装置で応急処置をしてくれたりと縁の下の力持ちなのだ。

 

 彼女に任せておけば大丈夫だろう。

 

『ミユちゃん、ジェニオンは私に任せて』

 

「……おねがい」

 

 変形したメタスがけん引用アームで掴んだジェニオンをクォーターへ運んでいく。

 

 これでヒビキさん達は大丈夫だろう。

 

『さて、目障りなイミテーションも消えた事だし、今度はそこのクソガキを含めて君達にもお仕置きをしてやろう』

 

 アンナロッタの機体を退却させたガドライトは、そう言いながら展開しているZ-BLUEの中央へとジェミニアを移動させる。

 

『なにせジェミニスの力を甘く見てくれたんだ。隊長としては格の差って奴を見せとかないといかんとな』

 

『ありゃりゃ、ジェニオンを倒して冷静さを取り戻しちゃったみたいだね』

 

「……ん」

 

 余裕綽々といった感じに腕を組むジェミニアを見ながら、呆れたようにつぶやくひーちゃん。

 

 当てが外れた割にはこっちも残念そうに聞こえない。

 

 私達は見ての通りのローテンションだけど、他の面々はこんな事を言われて黙っているほど温厚じゃない。

 

『ずいぶんと舐めた事を言ってくれるじゃねえか』

 

『そりゃそうだろ。こんな辺境の星でお山の大将を気取ってる奴なんてベロベロに舐めてるさ』

 

 怒りを隠そうとしない竜馬さんにヘラヘラとした笑いが聞こえそうな声でそう答えるガドライト。

 

 そして言い終わると同時にジェミニアから膨大なエネルギーが立ち上る。

 

『なんてエネルギーだ!』

 

『あれが奴のスフィアの力か!?』

 

 スザクお兄さんとゼロが緊張を孕んだ声を上げる中、私の横にいるひーちゃんは顎に手を当てながらふむふむと頷いている。

 

『なるほど、あれが次元力かぁ。クマ吉が残していった予想出力に比べたら随分と低いね。やっぱり、あのおじちゃんのショックが効いてるのかな?』

 

「……だいじょうぶ?」

 

『心配ご無用、この程度ならどうとでもなるから! そんなワケで次に酔っぱらいが何か言ったらこのセリフお願いね』

 

 なんとも頼もしいと思ったら、またヒドい事を言わないといけないの!?

 

『1分だ』

 

『なにっ!?』

 

『1分だけ付き合ってやる。それだけあれば、お前さん達が井の中の蛙だって事を思い知らせて、口の悪いガキを躾けるのには十分だろうさ』

 

 ガドライトの言葉に皆が怒りを露にする中、私は深々とため息を吐いた。

 

 あぁ……こんなの言いたくないなぁ。

 

「……あんまりつよいことば、えと…つかわないほうがいい」

 

『なんだと?』

 

「……よわくみえるぞ、まけいぬ」

 

『~~~ッッ! ぶっ殺す!!』 

 

 だから怒るの早いよ!?

 

『さすがミーちゃん! 酔っぱらいなんかより全然煽るの上手いね!』

 

 これ、ひーちゃんが用意したカンペが原因だからね!

 

『でも、お蔭で動きが単調になったでしょ?』

 

「……あ」

 

 そう、怒りに囚われたジェミニアの動きは最初に戦った時やシミュレーターに比べて、はるかに分かりやすいのだ。

 

 しかも殺気と一緒にガドライトの思念も駄々洩れなので、奴がやろうとしている行動だって手に取るように見えてくる。

 

『さっすがミーちゃん! こっちのシミュレーターを集計したデータと合わせたら的中率95%以上だよ!』

 

 私を褒めながらジェミニアの斬撃をヒョイヒョイ避けるひーちゃん。

 

 ジェミニアの倍以上はあるハロの巨体でも近接攻撃が当たらない事が、ガドライトの動きを読んでいる何よりの証明だろう。

 

『ミーちゃん。あのにっぽんぽんって、凄い策略家なんだよね』

 

「……ん」

 

 たしか奇跡を起こす男とか言われてるんだってさ。

 

『だったらジェミニアのデータを送っちゃおう! それとみんなにアイツの思念って送れる?』 

 

「……サイコフレーム、ある?」

 

『もちろん! GN粒子やラムダドライバも揃ってるよ!』

 

 たしかGNなんとかって刹那さんのガンダムに乗ってる奴だっけ。

 

 だったら刹那さん達にも手伝ってもらおう。

 

 そう思い立つと通信用のウインドウに刹那さんの顔が浮かび上がる。

 

『どうした、ミユ?』

 

「……みんなにミユのかんじたことおくる。てつだって」

 

『今のダブルオーではトランザムバーストは長時間維持できん』

 

「……1ぷんでいい」

 

 あくまでガドライト対策なので、むこうが退くと言ったからにはそれ以上は必要ないよね。

 

『わかった』

 

 これで用意は整った。

 

 それじゃあ操縦はひーちゃんに任せて、私はサイコミュを通してガドライトの思念を皆に中継することにしよう。

 

 目を閉じて意識を集中させるとコクピットの中に赤いほのかな光があふれ出る。

 

 戦い目的で使ったら赤、分かり合う時に使ったら緑。

 

 これっていったいどんな仕組みなのかな?

 

『来たか、トランザムバースト!』

 

 ハロから放たれた赤い光をダブルオーの緑の粒子がZ-BLUE全体へ広げていく。

 

『これは……』

 

『ミユなのか?』 

 

 みんなに私のイメージが伝わったのを感じた。

 

 これで準備は完了だ。

 

「……ひーちゃん、できた」

 

『うん。それじゃあ、次は相手の動きを鈍らせちゃおう』

 

『何をしたのかは知らねえが、地球人の技術なんざ子供だましなんだよ!!』

 

 何度斬りかかっても躱される事に業を煮やしたのだろう、ジェミニアは右手を大きく引き絞ると一直線に手にした切っ先を突き出してくる。

 

「……できるの?」

 

『もちろん! 特別弾頭A・B発射!』

 

 けれどそんな突きも宙返りしながら後方へ跳ぶハロを捉える事はできず、置き土産とばかりに発射した4発の鉄杭へと襲い掛かる。

 

 突き出した剣を引く間もないジェミニアは咄嗟にバリアを張るものの、杭の先端はそれを食い破り防壁の内側に小さなミサイルを次々と吐き出した

 

 着弾と同時に銀色の煙に包まれるジェミニア。

 

 けれど、それを振り払って出てきた紫紺の身体には傷一つない。

 

『そんなこけおどしが通用すると思ってんのかよ!』

 

『もちろん! ところで私達だけを見てていいのかな?』

 

 ひーちゃんのその言葉と同時に振り上げたジェミニアの手首、そして肩の装甲に火花とビームが弾ける。

 

『なっ!?』

 

 ガドライトの驚愕のセリフと共に首を巡らせるジェミニアにつられると、そこには硝煙とエネルギーの残滓が銃口に残る狙撃銃を構えたガーンズバックと青いメサイアの姿が。

 

『こりゃあすごいな。まるで鴨撃ちだ』

 

『シミュレーション通りに動くうえにミユちゃんの共感能力で相手の思考は丸裸。これで外したらスナイパー廃業だな』

 

 感嘆の声を上げるクルツさんに苦笑いが見えるようなミシェルさんの言葉。

 

 そんな彼等に気を取られたガドライトへ間髪を容れずに降り注いだのはミサイルの豪雨だ。

 

『スカルリーダーより各機へ! 奴の動きは訓練通りだ! 何時ものようにアツアツのシャワーをくれてやれ!』 

 

『了解!』

 

『パイロットは酒が抜けていないようだからな、目が覚めるまでいくらでも浴びせてやるさ!!』

 

『ほろ酔いくらいなら迎え酒も悪くないけど、アル中は別だからね!』

 

 オズマ隊長を筆頭にアルトさん、クランさん。

 

 そして別方向にはミサイルランチャーを肩に担いだマオ姐さんの機体までいる。

 

『ザコ共が調子に乗りやがって……! クソッ! ジェミニアの反応が鈍い! それにどうしてDフォルトが作動しない!?』

 

 そう吐き捨ててガドライトは幾何学な軌道を取って離脱しようとするけど、そんなジェミニアの胴体や顔へ向けて針の穴を通すようなビームや弾丸が叩き込まれる。

 

『モビルスーツ、AT各機は奴の足を止めろ! 特機が来るまで釘付けにするんだ!!』    

 

『了解です、アムロさん!』

 

『フェイントをかけても無駄だ! シミュレーターで何度お前の動きを見てたと思っている!!』

 

『カツ。これは訓練じゃない』

 

『そうだ、これは実戦なんだ! 失敗はできない!!』

 

 リ・ガズィカスタムと二機のZⅡ、そしてスコープドックとユニコーンが次々と射撃を浴びせる中、防御を固めるジェミニアの頭上から膨大なエネルギーを伴った2条のビームが降り注ぐ。

 

『ゼロ、奴の行動予測の精度を上げろ』

 

『これはチャンスだ。エタニティ・フラット阻止の為にも奴を叩くぞ!』

 

 ゼクスさんの激励によって放たれるウイングゼロとトールギスⅢの第二射。

 

『舐めるなよ、弱小種族が!』

 

 それを紙一重で躱したジェミニアは、打ち終わりを狙って光粒子ブラストを放とうと両手を向ける。

 

 しかしそれも顔面に食い込んだ空飛ぶ鉄拳によって阻まれてしまう。

 

『そっちこそ地球人を甘く見過ぎだ、この野郎!』

 

 啖呵を切りながら撃ち出した右腕を戻すマジンガー、そしてその後ろからは紅色に透ける翼を広げた紅蓮が飛び出してくる。

 

『弾けろ、ジェミニス!』 

 

『いやなこった! テメエこそ開きになりな!』

 

 突き出された特別製の右腕を紙一重で躱して、カレンお姉さんに向かってアッパースイングで剣を振り上げるジェミニア。

 

『させるかぁ!!』

 

 けれど間一髪で割り込んできた初号機のATフィールドとナイフが紅蓮を両断しようとする刃を防ぐ。

 

『綾波、式波!』

 

『了解』

 

『わかってるわよ!』

 

 シンジお兄さんの合図で放たれる零号機の狙撃銃と弐号機の電磁洋弓の矢。

 

 それがジェミニアの頭部を揺らすのと同時に初号機が離れると、入れ替わるようにダイガードが懐へと飛び込んでくる。

 

『捕まえた! 青山君!』

 

『フライホイール出力全開! やれ、赤木!』 

 

『おおおおりゃああああっ!!』

 

 気合一閃、ダイガードの腕から突き出された鉄杭はジェミニアの左腕の付け根を貫いた。

 

 杭が抜けると同時にだらりと力なく垂れ下がる腕、ダイガードが離れると次に突撃してくるのは葵お姉さんと忍さんの二体のダンクーガだ。

 

『第二新東京市での借り、返してやるわ!』

 

『俺達を舐めた事、後悔しやがれ!』

 

『『断空剣!!』』

 

 振り下ろされた2本の剣によって身体を×の字に切り裂かれるジェミニア。

 

 うん、これだったら勝てるかもだよ!

 

 

「よくやった。防御機構を殺されている奴は離脱するつもりだな……シンは左から奴に追撃を掛けろ。奴の武装は大剣と腕部のビーム砲のみ、ノットパニッシャーで左手が死んでいる今なら反撃が来る可能性は低い。キラは援護射撃を頼む」

 

 漆黒のナイトメア蜃気楼の中でゼロは先ほどから未来予測のように伝わるガドライトの意志を基として、矢継ぎ早にZ-BLUEへ指示を出していた。

 

「しかしよくもここまでの情報を集めたものだ」

 

 コクピットのサブモニターを走るのはジェミニアの機体データと行動パターン。

 

 装甲材の強度と弱点から内部構造、パイロットインターフェイスシステムや武装の効果範囲にカタログスペック上の威力などなど。

 

 動力源を除く全てと言っていい程の情報に加えて、地球最強クラスのパイロット達が蓄積した万を超える回数の模擬戦によって解析されたモーションパターンまで揃っている。

 

 そのうえ地球圏最高クラスのニュータイプがパイロットの想念を引き摺り出すオマケつきだ。

 

 ポーカーで例えるなら相手のカードが透けて見える状態でゲームをしているような物である。

 

『ゼロ』

 

 フリーダムのドラグーンが乱れ舞う中、オーバーデスティニーのフォトンナックルを腹部に受けるジェミニアを目で追っていたゼロは、親友からの通信にドルイドシステムを制御する手を止める

 

「なんだ、スザク?」 

 

『これはいったいどんな絡繰りなんだ? いくら君の先読みの精度でも相手は今まで姿を見せなかったジェミニスの首魁だ。ここまで一方的に抑え込めるとは思えない』

 

「先ほどミユから通信が来てな。そこにあの機体の情報があったんだ。それもスフィア以外の全てが記載されたな」

 

『そんなモノどうやって……』

 

「以前日本で交戦した際、奴の右腕を得る機会があったらしい。このデータはそれら二つを徹底的に解析した成果らしい」

 

『そんな事があったのか。ならこれはチャンスだ』

 

「ああ。こちらを単騎で相手に出来ると意気込んで現れたキングが丸裸だったんだ。ここでチェックを掛けないなど愚の骨頂」

 

 そう告げると紫紺の瞳に剣呑な光を灯してゼロは口角を吊り上げる。

 

「気を引き締めろスザク! ここでジェミニスを討つ!!」

 

『了解だ!』

 

 翡翠色のエナジーウイングを広げてジェミニアに斬りかかるランスロットに信頼の視線を向けたゼロは、彼の持つМVSの赤い刃が胸板を横一文字に切り裂くのを見て取ると離脱支援の為に蜃気楼の拡散相転移砲を放つ。

 

「───ハニービーか、この解析能力は使える。このような協力者が付いているなら、なおのこと彼女の身柄を他の勢力に奪われるワケにはいかんな」

 

 ランスロットの離脱とほぼ同じタイミングで次々とジェミニアへ降り注ぐ紫紺の光線を見ながらゼロはスッと目を細めた。

 

 一方のガドライトは自身を襲う不条理とも言える状況にジェミニアのコクピットの中で歯噛みしていた。

 

『クソッタレ、どうなっている! 念動操作機構がイカレたのか!?』

 

 ジェミニアはジェミナイドが持つ念動力を基にした思考操作に近いものだ。

 

 それ故に他の操作系よりも容易かつ正確に人機一体を成し遂げる事が可能であり、ジェミニスが誇るコマンドアーツもそれによって真価を発揮している。

 

 しかし今のジェミニアはその恩恵が著しく失われている。

 

 操作効率は平時の半減……いや4割程度まで落ち込んでいるだろう。

 

『トライダー・ルアー! いくぞ、正太郎!』

 

『うん! 鉄人、トライダーと力を合わせるんだ!!』

 

 腹部を襲った強烈な一撃から体勢を立て直せば、今度は子供が操縦するロボットが釣竿にブリキ人形を括りつけて振り回している。

 

「ガキ共が、馬鹿にするな!」

 

 ふざけていると思って無事な右手を掲げて光粒子ブラストを放とうとするジェミニア。

 

 しかし右手に収束したエネルギーが弾けるより早く、巨大な釣り竿から鉄人が発射される。

 

『一本釣りフライングキックだ!』

 

「ぐおっ!?」

 

 右足を鏃に一本の矢となった鉄人はジェミニアの顔面へ足跡を刻み、二体のスーパーロボットの力を受けたジェミニアは縦回転しながら後方へと弾き飛ばされる。

 

『隼人! 弁慶! 手ぇ貸せ!! ヤロウにはデカい借りがあるんだ!!』

 

『フッ……お前に目をつけられるとは、奴も付いていないな』

 

『たしかにな。だが、アイツは今回の黒幕なんだ、少々痛い目を見せても誰も文句は言わんさ!』

 

 そしてZ-BLUEの中でも特に苛烈な男がその隙を逃す訳がない。

 

『まずは俺からだ! チェンジ! ゲッター2!!』

 

 三機のゲットマシンは真ジャガー号を先頭に合体すると、白を基調としたシャープなフォルムを誇る真ゲッター2へと一瞬で変形を遂げる。

 

『───音速を超えた戦いを見せてやる!』 

 

 そしてゲッター2は瞬く間にジェミニアの懐へ飛び込むと、右手のドリルを唸らせて次々にその身を切り刻んでいく。

 

 その動きはまさに神速。

 

 隼人が口にした音速を超えたという言葉に偽り無しである。

 

『ドリル! ハリケェェェェン!!』

 

 もはや視認できないレベルの動きでジェミニアの装甲を削り取っていた隼人は、相手の右腕に風穴を開けるとすれ違いざまにゲットマシンへと分離する。

 

『次は俺に任せろ! チェンジ! ゲッター3!!』

 

 超音速で放り出されたにも拘わらず一糸乱れぬ動きで合体を終えれば、今度は戦車のような下半身と頑強な上半身を持つ真ゲッター3が現れる。

 

 そしてゲッター2の連続攻撃の勢いを殺し切れないジェミニアをグローブのような手で捕まえれば、長く伸びた腕を螺旋状に回転させて巨大な竜巻を創り上げる。

 

『直伝! 大雪山おろしぃぃぃっ!!』

 

 竜巻の中心でその圧倒的な圧力によって穴が開いた右腕は半ばから千切れ跳び、全身から軋みを上げるジェミニア。

 

 そんな敵機をゲッター3は仕上げとばかりに自慢の剛腕で高々と放り投げる。

 

 だが、彼等の猛攻はこの程度では終わらない。

 

 何故なら深紅の機体を駆る真打が控えているからだ。

 

『オープン・ゲット!!』

 

 相手をブン投げるのとほぼ同時に再び分離した3機のゲットマシン。

 

『チェェェンジ! ゲッター1!!』

 

 それはきりもみ回転しながら宇宙空間を吹き飛ぶジェミニアを通り越し、進行方向の先で合体を行う。

  

 そして現れたのは悪魔の羽を持つ深紅の鬼、真ゲッター1だ。

 

『よう、クソッタレ。最初の時といいパラダイムシティの時といい、随分とコケにしてくれたな』

 

 凄絶な笑みを浮かべながら、肩から飛び出した巨大な戦斧を振りかぶるゲッター1

 

『ずっと待っていたんだぜ。そのフザけた面に刃金をぶち込む時をよぉ』

 

『テメェ……ッ!?』

 

 まるで竜馬が乗り移ったかのように凶相を浮かべるゲッター1にガドライトが息を呑んだ瞬間───

 

『おおおりゃああああああっ!!』 

 

 横一文字に振り抜かれた剛刃がジェミニアの顔を真っ二つに切り裂いた。

 

 この宙域全体に響き渡るかという程の轟音を立てて吹き飛ぶジェミニア。

 

 体勢を整えてその紫紺の巨体が踏みとどまったのは、奇しくも彼が最初にZ-BLUEを相手にすると挑発した場所だった。

 

 

 戦闘が開始されて一分足らず。

 

 刹那さんのGN粒子が薄れ始めた頃、私達はズタボロになったジェミニアを追い詰める事が出来た。

 

『……ご立派、ご立派。ここまでやるとは、甘く見ていたのは俺の方だったよ』

 

 深々とため息を吐いた後、相変わらずの気の抜けた声でそう言うガドライト。

 

 何にも感じてない風だけど私にはわかる。

 

 アレはかなり頭に来ている。

 

 だって最初の溜息は自分の中に溜まった怒りを吐き出す為の物だし。

 

『だが、まだまだだ』

 

 そして次の瞬間、ジェミニアから吹き荒れる膨大なエネルギー。

 

『き…機体が……』

 

『再生されていく。奴のスフィアを使いこなす手腕はユーサー・インサラウムを上回るか!』

 

 キラさんやロジャーさんの言う通り、ジェミニアは自身のエネルギーを受けてその身の傷をドンドン修復している。

 

『ふむふむ、なるほど~。これがスフィアの本領ってわけか。最初の時よりは出力も上がって安定もしてる。でも、この辺があの機体の限界ってところだね。数値もクマ吉が残したカタログスペックとそう変わりないし』

 

 私の横でそれを見ていたひーちゃんは、まるで実験動物を見るかのようにジェミニアの各種データを取っている。

 

「……ひーちゃん、おどろいてない」

 

『あの機体に自己修復機能が付いてるのは知ってたからね~。あ、ミーちゃんは勘違いしないでね。あの酔っぱらい、実は余裕ないから』

 

「……どゆこと?」

 

『今のエネルギーがジェミニアが出せるスフィアの限界なんだよ。逆に言えば全力全開で自己修復を動かさないといけないほどダメージを与えたって事だね。酔っぱらいの大物ムーヴはそれを隠す為の物だと思うよ』

 

 という事は、このまま攻め続けたらジェミニアも参ってくるワケか!

 

『お蔭でこっちも謎だった動力回りのデータが全部分かったし、念動力操作を阻害するナノマシンに解析用を混ぜたのは大正解だったね!』

 

「……ひーちゃん、すごい」

 

『もっと褒めてもいいんだよ、ミーちゃん!』

 

 尊敬の念を込めてホログラフを撫でると上機嫌に胸を張るひーちゃん。

 

 こんな友達を持てて私は本当に幸運だ。

 

『ん……コイツはヤバいか?』

 

 そんな事を考えていると、ガドライトの呟きに続いて背中に氷の塊を入れられたみたいな悪寒が襲って来た。

 

「……ッ!?」

 

『どうしたの、ミーちゃん!?』

 

「……わるいもの、くる」

 

 私がそう返すと同時に歪みだす周りの景色。

 

『次元境界線の歪曲を確認! 時空振動が起きます!!』

 

『このタイミングで!?』

 

 キャシーさんとボビーさんの会話とほぼ同時に歪んだ景色に走る亀裂。

 

 そして次の瞬間、その中から見た事のない生き物が姿を現した。

 

 モビルスーツと変わらない大きさの緑の虫や、お尻の部分に噴出孔のような物が付いたピンクの円錐みたいな姿をした謎の生物。

 

 それを見た瞬間に感じたのは人類……ううん、知的生命体を抹殺せんとする純粋すぎる破壊の意志。

 

「うう……」

 

『ミーちゃん、アイツ等を正面から感じたらダメ! アレは人類種の天敵、理解しようとしたらミーちゃんが壊れちゃう!!』

 

 そう言いながら、ひーちゃんは皆の近くに現れた緑虫をダインスレイヴで狙い撃ちにする。

 

『ハロの管制人格『陽蜂』からZ-BLUE各機へ! 奴等は人類の敵だよ! 迎撃態勢を整えて!!』

 

『そうだ 奴等は果てなき破壊の化身』 

 

『俺の勘が言ってやがる! 奴等は今までの敵より数段ヤバい!!』

 

 ゼロと竜馬さんが同意した事で状況について行けなかった他の皆も武器を構え始める。

 

 でも突然近くに奴等が現れた所為で、態勢というか陣形は滅茶苦茶だ。

 

 なにより母艦が奴等の群れの目の前にいるのはヤバい。

 

『その通り。まさに災厄の襲来って奴だ』 

 

 私達が慌てる中、ただ一人ガドライトだけは余裕綽々で笑っている。

 

『ガドライト・メオンサム! あれはなんだ!?』 

 

『答える義理は無いよ。なにせ奴等が来るなんて俺にとっても想定外だ』

 

 ロジャーさんの焦りを含んだ問いかけをヘラヘラと笑いながら跳ね除けるガドライト。

 

『ああ、これだけは教えてやるよ。奴等は宇宙怪獣、いわゆるバアルって奴だ』

 

 そう言い残して去って行くジェミニア。

 

 ひーちゃんは舌打ちをしていたけど、私としては去り際に酷い事を言わされないかと警戒していたので一安心だ。

 

 それよりも今は宇宙怪獣とやらを何とかしないといけない。

 

『バアル……人類の天敵』

 

『コイツを見せる為にアドベントは俺達を宇宙へ上げたのか!?』

 

 気圧されたようなシンジさんの呟きとシモンのアニキの叫びが聞こえる。

 

『きやがるぜ!』 

 

 そしてキタンさんの声を合図とするかのように、Z-BLUE陣営の真っただ中に転移してきた緑虫達が動きを開始した。

 

 部隊の中に現れた奴はある程度ひーちゃんが間引いてくれたから大きな被害は無いけど、それでも全部を倒せたわけじゃない。

 

 本体が迫るクォーター達の援護は手が回っていない。

 

 こうなったら───

 

「……ひーちゃん、おふねまもる」

 

『了解だよ!』 

 

 私の声に応えて部隊後方へ加速するハロ。

 

 こちらが着いた時にはドラゴンズハイブとクォーターを中心にして、各艦が宇宙怪獣の群れに砲撃を放っているところだった。

 

 そのお陰で奴等の進行速度は鈍っているけど、それでもこのままだと皆が飲みこまれるのは時間の問題だった。

 

『緑の虫型は墜とせてるけど、ピンクの尖ってる奴は砲撃に耐えてるね。どうする?』

 

「……あかくてはやいの、つかえる?」

 

『うん、まだ疑似太陽炉は4基あるし』

 

「……あそこにとびこんで、かきまわす」

 

『オッケー、まかせて! 対集団戦は大の得意だから』

 

 よし、そうと決まればモタモタしている時間はない。

 

 母艦にはエコーズのみんなやカナメさん達が乗っているのだ。

 

 絶対に護らないと!

 

『ミユ、何をしている!?』

 

『無茶をするな、戻れ!』

 

『ミユちゃん、行っちゃダメよ!!』

 

 ブライト艦長、ジェフリー艦長、そしてスメラギさんが制止の声をかけてくるけど、申し訳ないがそれを聞くわけにはいかない。

 

 シン兄達が持ち直すまで時間を稼ぐのだ!

 

「……いく。とらんすあむ!」

 

『トランザムだよ、ミーちゃん』

 

 そうとも言う!!

 

 思いっきり言い間違えた割にしっかりと作動するパワーアップ。

 

 またしても赤い光に包まれたハロは、とんでもスピードで宇宙怪獣の群れの中へ飛び込んでいく。

 

『それじゃあ行くよ、ミーちゃん! まずは挨拶代わり!』

 

「……ダインスレイヴ・ふぐさし、はっしゃ」

 

 カッチンから伝わる私の意志によってパラダイムシティで使った鉄杭の嵐が再び吹き荒れる。

 

 目にも止まらぬ速さで撃ち出された超合金O製の特別弾頭は、緑虫を次々に串刺しにしてその数を減らす。

 

「……まだまだいっぱい」

 

『それじゃあ手数には手数だ! ハロビット連続射出!!』

 

 ひーちゃんの声で側頭部のカバーが開き、中からモビルスーツサイズのハロが次々と飛び出して来る。

 

 その数実に30機。

 

 操作の大半はオートメーション化しているみたいだけど、普通のビットみたいに私の意志もしっかりと繋がってるみたいだ。

 

 全身から弾幕を放ちながら宇宙怪獣の群れを食い千切っていくハロ。

 

 奴等も何とか私達に飛び掛かろうとしているけど、絶えず吐き出す弾幕の厚さから近寄る事も出来ずに火球へと変わっていく。

 

「……うえからくる」

 

『了解、対艦ミサイル発射!』

 

 ハロの頭頂部の装甲が展開して次々と放たれる太いミサイル。

 

 けれどその大きさからか、緑虫達はその攻撃を容易く躱してしまう。

 

『ありゃ、外れちゃった』

 

「…………これでいい」

 

 奴等が回避行動から体勢を立て直した瞬間、私はミサイルの進行方向にいたビットに意識を繋げる。

 

 即座に口を開いてビームを放つビット達。

 

 その狙いは宇宙怪獣……ではなくそのすぐ後ろを飛ぶ対艦ミサイルだ。

 

 その一発が薄桃色の閃光に討ち抜かれて爆発すれば、広範囲に広がる爆風に巻き込まれた他のミサイルたちも次々に誘爆していく。

 

 そうして宇宙に咲いた紅蓮の華は私達に近づいていた緑虫の一団全てをその舌で平らげてみせた。

 

『ミーちゃん、やるぅ!』

 

「……これぞ、きちくてんパりゅう」

 

 ファンネルを囮にして実弾を浴びせてくるときもあれば、バズーカの弾倉やミサイルをビームで撃って誘爆させたりすることもある。

 

 戦場で使える物はすべて使って死角から相手を思い切りぶん殴る、それがあの流派の極意なのだ。

 

 とはいえ、緑虫の数がさっきからあまり減っているように感じない。 

 

 かなりの数をやっつけたはずなのに、これはいったいどういう事か? 

 

『ミーちゃん、あれ見て!』  

 

 奴等の後方から飛んで来る謎の光弾を躱しながら考えていた私に、ひーちゃんはディスプレイの一部を拡大してくれた。

 

 目を向ければなんとピンクのとんがり型宇宙怪獣が、身体の穴から緑虫を大量に吐き出しているじゃないか。

 

 あれだけポンポン出してたら、そりゃあ減らないよ!

 

「……じりひん」 

 

『どうする? トランザムの残り時間も少ないし、いったん退く?』

 

 ひーちゃんの提案に私はしばし悩む。

 

 あのとんがりを倒せればいいんだけど、見るとハロの三倍くらい大きいんだよね。

 

「……あのとんがり、たおせる?」

 

 私の意志を受けてモニターの一部に映っていたとんがりがアップになる。

 

『大きさは500mくらいか……。ちょっと溜めがいるけど、この位なら全然大丈夫だよ!』 

 

 OK、だったらその溜める時間は私が稼いでみせよう。

 

「……おねがい」

 

『はいは~い! それじゃあ大技いくよ~!!』

   

 今まで動き回っていたハロはピタリと止まるとその口を大きく開ける。

 

 そしてハロの前面に展開する力場……これってラムダドライバ?

 

『フィールドバレル展開完了。エネルギー充填率…80…90』

 

 着々と進むひーちゃんが準備だけど、その間にも寄って来る緑虫。

 

 それをハロ・ビットを操りながら次々と叩き落していく。

 

 というか、あのビット達手にドリルなんて仕込んでたんだね。

 

 もしかして本体にもあのドリドリってついてるのだろうか?

 

『エネルギー充填完了! ミーちゃん、いつでもいけるよ!』

 

 そんな事を考えている間にひーちゃんの準備が終わっていた。

 

「……ありがと、ひーちゃん。それじゃ、はっしゃ」

 

『りょーかい! ハイメガ・ドッズキャノン、発射ぁっ!!』

 

 ひーちゃんのノリのいい声と共に周囲をピンク色に染めながら発射される巨大なビーム。

 

 それは弾丸のようにきりもみ回転をしながらとんがりの先端へ食らいつくと、苦も無くその身体を縦に貫通して後ろにいる緑虫の群れを飲みこみながら宇宙の闇へと消えていった。

 

 うん、すっごい威力!!

 

「……くまびーむとどっちがすごい?」

 

『クマ吉のアレには出力だと負けちゃうけど、こっちはハイメガキャノンをドッズライフルの原理でドリル状に回転させて貫通力を増しているからね、単体相手の威力はこっちの方が上だよ! IフィールドもDフォルトも貫けるんだから!!』

 

「……おお」

 

 くまびーむはヤバそうだから一回も撃ってないけど、周りに被害が行かない事を考えると私としてはひーちゃんビームの方が好みかな。

 

 こうして緑虫を量産するとんがりを倒したワケだけど、実はあと二匹いるんだよね。

 

 ひーちゃんビームを連発すれば何とかなるかもだけど、彼女にこれ以上負担を掛けるのはなぁ……

 

『バスタァァァァビィィィムッ!!』

 

 そんな事を考えていると、女の子にしてはとんでもなく気合が入ってる掛け声を伴ったビームが緑虫の一団を薙ぎ払った。

 

 何事かと見てみれば、ハロよりデッカい謎のロボットが腕組みしながら飛んできているじゃないか!

 

『あなた、大丈夫?』

 

 通信を開くとモニターに映ったのは藍色のハチマキをした18歳くらいの日本人のお姉さん。

 

 この黒くてゴツいロボットとはイメージ的に合わないんですが……

 

「……だれ?」 

 

『えぇっ! こども!?』

 

 なんか久々の反応だけど、今はそんな事を言ってる場合じゃないと思う。

 

『ミユ、よく頑張った! 後は俺達に任せてくれ!』

 

 そしてシン兄を先頭に次々と合流するZ-BLUEのメンバー。

 

 うん、これなら下がっても大丈夫だろう。

 

『ミーちゃん、どうする?』

 

「……あとはおまかせ」

 

 みんなのお手伝いをしたい気持ちはもちろんある。

 

 けれど高速モードは時間切れみたいだし、なにより私の体力がもたない。

 

 乙女的にはキモい生き物と戦うのは心身ともにキツいのだ。

 

 そんな訳でラー・カイラムへ通信をポチッとな。

 

『どうした、ミユ?』

 

「……こうたい。かえっていい?」

 

『わかった。それと戻ったらまた説教だ』

 

 何故だっ!?

 

『そんなショックそうな顔をしてもダメだ。まったく、一人で敵の中に突っ込むなんてなにを考えている!』

 

「……おふね、あぶなかった」

 

『それでもだ。その機体なら我々と並んで遠距離から狙い撃てただろう』

 

 それを言われると返す言葉が無い。

 

『あのねー、このハロはああいう多対一で真価を発揮する機体なの! だから私達が引っ掻き回すのが一番効率が良かったんだよ!』

 

『だとしても子供に無茶をさせる理由にはならん! こんな事をするならソイツも封印するぞ!!』

 

 ひーちゃんが庇ってくれたけど、それもブライト艦長は一喝で退けてしまった。

 

 うん、これは素直に謝った方がいいな。

 

「……ごめんなさい」

 

『それは顔を合わせた時に言いなさい。葛城大尉やオットー中佐も待ってるからな、早く帰ってこい』

 

 うぬぬ……ものすごく帰りたくない。

 

 でもそういう訳にはいかないよね。

 

 仕方がない、ここは覚悟を決めてお説教されよう。

 

 いざとなれば日本人が示す誠意の極み、土下座があるさ!




カイエンさんの今日の悪夢

 アクエリオンゲパルト(一人乗り)で宇宙を進んでいると、突然空間がグニャリと歪んだ。

 何事かと警戒を強めるカイエン。

 そんな中、眼前で渦を巻く空間の深淵から巨大な影が現れる。

『こっちのみーずはあーまいぞー(身体が弾ける光子力)』

 獰猛な笑みと共に黒鉄の腕を伸ばすのは原初にして終焉の魔神。

『こっちのみーずはあーまいぞー(ゲッター線100%・コマンダー武蔵生絞り)』

 もう一方は飽くなき進化を続ける宇宙を滅ぼす機械のバケモノ。

「うわああああああああっ!?」

 頼りの綱だったゲパルトも藁人形のようにバラバラにされ、カイエンは彼等の手に落ちた。

 そして黄金と翡翠の液体を飲まされ、闇に落ちるように意識を失うカイエン。

 次に目を覚ますと、彼はセミ人間になっていた。

 絶望、憤怒、慟哭、哀切。

 心の中で渦巻く様々な感情を喉が裂ける程に叫んだあと、彼は決意した。

「ゲッター線と光子力は滅ぼさねばならない」

 ………………夢だった。

 カイエンさん、今日もSAN値チェックです。
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