幼女が魔改造されたクマに乗って時獄と天獄を生き抜く話 作:アキ山
ネオジオンを出すとネタを多く考えねばならない。
普通に書くより何気にキツいかも……
面白いギャグ系SSを書ける他の作者様は尊敬します。
という訳で脳内BGMは変更してください。
逆襲のシャア サントラ COMBAT ×
こち亀BGM 〇
ブライト艦長の激を受けて、私達はアクシズへ向けて進軍する。
もの凄く締まらない始まりだったけど、この戦いが地球の運命を左右する事に変わりない。
なので結婚やご祝儀の事は脇に置いておいて、アクシズを止めることを第一に考えないとだよ!
『アムロ!』
『シャアッ!!』
そんな中、誰よりも早く刃を交えたのはアムロ大尉のνガンダムとシャアの乗る祝式・紅(なんでかハマーンさんから機体名が送られてきた)だった。
互いにスラスターを全開にして、抜き放ったビームサーベルをぶつけ合う。
正直な話、こんなにスピードをだして今のシャアが耐えられるのかと思ったけど、どうやら大丈夫みたいだ。
『二人の女から搾り取られる苦しみ、貴様も存分に思い知れ!!』
妙に怨嗟の籠った言葉と共に、鍔迫り合いをしていたビームの刃を押し込む祝式・紅。
けれど、アムロ大尉も負けてはいない。
『俺は貴様ほど女癖も悪くなければ、無責任に放置だってしちゃいないっ!!』
絶妙な操作で肩や背面のアポジモーターを吹かして祝式・紅の力を受け流すと、相手の体勢が崩れたところに後退しながらビームライフルを連続で放つ。
『チェーン・アギとベルトーチカ・イルマに二股を掛けている男が言う事か!』
それを百式よりも更に進化したウイングバインダーとスラスターをフル活用し、紙一重で回避するシャア。
そして桃色の弾幕を切り抜けると同時に、ライフルを三発放つ。
というか、アムロ大尉ってそんな人だったの!?
『そんなもの、いい男の知恵で乗り越えてみせる!!』
一射目を躱し、二射目をシールドで防ぎ、三射目を気合と共にビームサーベルで斬り払ってアムロ大尉は吼える。
『ならば今すぐ私にその英知を授けてくれ!!』
何故か懇願に近い声と共に、左手にもビームサーベルを引き抜いてシャアはνガンダムへ斬りかかる。
『エゴだよ、それは!!』
横薙ぎの一閃を背面宙返りで躱しながら、背中にマウントされたバズーカを発射するアムロ大尉。
『私がもたん時が来ているのだ!!』
対するシャアもバズーカの砲弾に左のビームサーベルを投擲武器のようにぶつけると、後ろへ下がったνガンダムへ追撃の飛び蹴りを放つ。
『泣くな、ボケ』
その蹴りをシールドで防いだアムロ大尉は、ビームサーベルを抜き放って再びシャアと斬り合いを始める。
二人の動きはもの凄いのに、言い合っている事がなんとも情けない。
『ミーちゃん、今のは忘れよう。爛れた大人の汚い会話だからね』
「……ん」
というか、アムロ大尉って二人の女の人と付き合っていたんだね。
正直なところ、ちょっぴりショックである。
ウチのエースとネオジオンの総帥が私情丸出しで喧嘩しているころ、別の場所でも激戦が繰り広げられていた。
『道を開けろ、ギュネイ! アクシズが地球に落ちればどれだけの人が死ぬか分からないお前じゃないだろ!!』
ウェイブライダーからMS形態へ変形したゼータが、加速そのままにビームライフルを放つ。
『アクシズ堕としは必要な事なんだ! クロノから地球連邦と言う防護を剥ぎ取る為にな!!』
それを紙一重で躱したヤクト・ドーガは、手にした盾から3発ビームを放ちながらファンネルを射出する。
『奴等を炙り出せるなら、罪もない人間が死んでもいいというのか!!』
二射を躱して三射目をシールドで防いだゼータは、その隙に背後を取ろうとしているファンネルを視線を向ける事無くビームサーベルで斬り落とした。
『俺達スペースノイドが地球からの干渉を断ち切る為だ! 多少の犠牲は仕方ない!!』
残ったファンネルでゼータを包囲して動きを封じたところへ、ライフルを放つヤクト・ドーガ。
『仕方ないだと!? そんな事を本気で言っているのか!!』
タイミング的に逃げられない必殺の一射、それをゼータは手にしたライフルを投げつける事で活路を見出す。
『なに!?』
『命はこの宇宙を支える力だ! お前も俺達と共に戦ったのなら分かるはずだ!!』
爆炎を隠れ蓑に間合いを詰めると、ゼータはハイパーメガランチャーから生えたビームサーベルで斬りかかる。
『だとしても! 俺はこの作戦を成功させる!! そして総帥の後を継ぐんだ!!』
頭上から降ってくる光刃をビームサーベルで防ぎつつ、ギュネイさんは吼えた。
『貴様! そんな野心を!!』
『違う!!』
ギュネイさんの言葉に怒りを露わにするカミーユさんだったけど、それ以上の気合を込めてヤクト・ドーガはゼータのビームサーベルを弾き返した。
『あの人はもうボロボロだ! 社会的にも肉体や精神的にもな!! だからせめてネオ・ジオンくらいは俺が背負ってやらねえと大佐は潰れちまうだろうが!!』
そうして間合いを取ると再びファンネルのオールレンジ攻撃でゼータへ襲いかかるヤクト・ドーガ。
『お前はクワトロ大尉の事を……!!』
『カミーユ! お前を倒して俺は大佐を超える! あの人を楽にする為に!!』
うーん、これは私……というか他の誰も手を出すべきじゃない気がする。
そんな訳でこっちはアクシズを止めることに集中しよう。
とはいえ、相手はこれだけおっきい隕石だ。
止めるにはどうしたものか?
フィフスより大きいから押し返すのも簡単じゃないし、ここは陰蜂を造った時みたいにハロのパワーアップパーツにしちゃうか、壊しちゃうのが確実かな。
【巫女よ、それはならぬ】
ひーちゃんへどっちにするか相談しようとすると、頭の中に荘厳な声が響いた。
「……かみさま?」
【あの石ころを破壊すれば、汝等の望む時の牢獄破りは破綻することになろう。今は機を待つのだ】
「……ありがと」
なるほど、アクシズには私の知らない何かがあるようだ。
『ミーちゃん、どうしたの?』
「……かみさま、アクシズをこわしちゃだめって」
『UGセルで改造するのも駄目なの?』
ひーちゃんの問いかけに私は首を縦に振る。
となると、押しとどめている内に移動装置を壊すってことになっちゃうな。
そんな事を考えていると、私の前に大きな影が現れる。
ベージュ色の十字型に似た形で顔にはタコさんみたいな口が付いたモビルスーツ……ううん、モビルアーマーだ。
「……クェスおねえさん」
この気配、アレに乗っているのはクェスお姉さんで間違いないだろう。
『ねぇ、ミユだったよね』
私の予想はただしかったようで、通信モニターにツインテールの水色っぽい髪の毛が特徴なクェスお姉さんの顔が映る。
「……なに?」
『アクシズに手を出すのちょっと待ってくれる? なんか総帥も考えがあるみたいなんだよね』
むこうは今のところ戦う意志は薄いみたいで、こんな事を提案してきた。
「……たたかわなくていいの?」
『……ウチの連中、ギュネイやレズンのオバさん以外みんなビビッちゃってるんだよね』
そんなクェスお姉さんの言葉を肯定するかのように、ネオジオンの無線を傍受しているスピーカーから彼等の会話が聞こえてくる。
『お前等何をしている! 迎撃命令は出ているんだぞ! さっさと突撃しな!!』
『ふざけんな! またあの魔神や化け物蜂に地獄を見せられてぇのか!!』
『そうだそうだ! なにが地雷になったのかも分かんねぇんだぞ!!』
『俺には生まれたばかりの娘がいるんだ! こんな所で死んでたまるか!!』
青い塗装のギラ・ドーガに乗った茶髪のちょっとキツめなオバさんが皆に発破を掛けているけど、ネオジオンの兵隊さん達はビビッて前に出ようとしない。
けれど、そんな彼等に関係なくスーパーロボット達は突っ込んでくるわけで……
『うわぁぁぁぁぁぁっ!? 不動明王だぁぁ!!』
『ハマーン宰相のファンネルを物ともしない化け物だぞ! ギラ・ドーガで勝てるわけがねぇ!!』
『お慈悲~! お慈悲~!!』
『えっと……こういう場合はどうしたらいいんだ?』
戸惑うタケルさん達をそっちのけで、ネオジオンの兵士たちはギラ・ドーガを駆って逃げ惑っている。
『あのさ、これっていいの? ネオジオン的にヤバいでしょ』
『う~ん。でもギラ・ドーガでスーパーロボに戦えって死んで来いって言うのと同じだし』
あんまりな様子にひーちゃんが問いかけると、クェスお姉さんは困った顔でこう言った。
うん、敵として向かい合ったら怖いもんね、ゴッドマーズ。
けれど、ネオジオン軍全ての人達の戦意が折れたわけじゃなかった。
『うおおおおおおおおっ!!』
若いお姉さんが上げる裂ぱくの気合と共に、黄色と薄紅色のギラドーガがスーパーロボット軍団へ突っ込んでいくのが見えたのだ。
『あの妙な色のギラ・ドーガ! もしかして!!』
中の人を知っているのだろう、モニターに映る二つの流星にクェスお姉さんの表情が引きつる。
よほどのエースパイロットなのか、それとも彼女達の事を心配しているのか。
私も固唾を呑んでみていたのだが、心の中にあった心配は通信機から飛び込んできた会話でスパッと吹っ飛んでしまった。
混沌の始まりはトライダーへ突っ込んでいった薄紅のギラ・ドーガ。
『アクシズを止めないといけないんだ! 邪魔をするなら『結婚を前提にお付き合いしてください!!』───えぇ!?』
衝撃の告白にワッ太君が呆気に取られた隙を突いて、ギラドーガはトライダーへ抱き着く。
両の手足を巻き付けてガッチリとホールドするその様はコアラのようだ。
『うわ……これって国際共通チャンネルだよ』
ドン引きするひーちゃんを置き去りに、トンデモ告白劇は続いていく。
『け…結婚って、俺達初対面だよ、お姉さん!』
『大丈夫! お互いの事はこれから知って行けばいいわ!!』
『でも敵同士じゃん!』
『今辞表を出したからモーマンタイ!! これで私はフリーのMS乗りよ!!』
『こりゃあっ! 社長に色仕掛けなど、この柿小路の目が黒い内は許しませんぞ!!』
『お嬢さん、それは無茶ってもんだ。せめて社長が高校を出るまで待ってくれ』
これはさすがに聞き捨てならなかったのだろう。
トライダーの元にカッ飛んで来たシャトルで柿小路専務や厚井のおじさんがクレームを付けている。
そしてネオジオンのお姉さんが行った奇行に反対の声を上げるのは、竹尾ゼネラルカンパニーの人達だけじゃなかった。
『リリネット少尉! 貴様、正気か!!』
『相手は小学生だぞ! それは流石にアカンやろ!!』
『やめろ! やめろぉ!! 世間には全裸ショックの汚名がまだ残ってるんだぞ!! ロリショタ・コンプリートは人倫的にアウトすぎる!!』
『それをやったらネオジオンの評判が地盤沈下して、マジで誰も表を歩けなくなるぞ!!』
同僚や所属している戦艦の艦長さん、さらには上司らしきオジサンまで必死に呼びかける中、リリネットって呼ばれたお姉さんはヘルメットを取るとピンク色の長い髪をなびかせてこう返した。
『だが、それがいい』
彼女が浮かべていたのは、それはもう清々しい笑顔でした。
『小学生でありながら! 小学生でありながら!! 一企業を背負うという逸材!!! しかもスーパーロボット乗り!! 法を犯してでも取りに行く価値は十二分よ!!』
ドヤ顔で語るリリネットお姉さんに、絶望の顔で閉口する同僚の人達。
あとモニターに映るクェスお姉さんの顔は、ゴミ捨て場のGを見た時みたいだった。
だがしかし、ネオジオンの奇行はこれだけでは留まらない。
そう、愛の狩人は一人ではなかったのだ。
倫理的にアウトな所業がなされているのと同時刻、バルディオスにも黄色のギラ・ドーガがしがみ付いていた。
『そこの角刈りな殿方! どうか私とお付き合いくださいな!!』
『お…俺!? マリンやオリバーじゃなくてか!?』
『ええ! その屈強な身体に男っぷりが香る角刈りに彫りの深い顔!! まさに私の理想!! 顔がいいだけでヒョロい総帥なんかより、よっぽど魅力的だわ!! 私、イセリア・バーネットっていいます!!』
『リリネット少尉! イセリア少尉!! 貴様ら裏切るつもりか!?』
さすがにこの暴挙を見過ごすことはできなかったのだろう、ハマーンさんがプレッシャーを背に二人へ食って掛かる。
けれど、彼女達はハマーンさんにも劣らぬ気迫で顔で言い返す。
『ハマーン宰相! 戦場で婚姻発表した貴方に言われたくはない!!』
『貴方が総帥をハメたように、私も愛を勝ち取るのよ!!』
『ぐっ!?』
さっきのやらかしがある為に言葉に詰まるハマーンさん。
その時、私は感じたのだ。
彼女のお腹から小さいながらも確かな生命の鼓動を。
……これってジェミニスにいたアンナロッタと同じだ。
それに気が付いた私はすぐに祝式へ通信を繋いだ。
「……ハマーンさん、たたかっちゃダメ」
『なんだと?』
「……おなかにあかちゃんいるひと、たたかっちゃダメ」
眉をひそめるハマーンさんに私は大事な事なので要件を二度伝える。
二度目は他の人も気が付くように皆に聞こえる形でだ。
その瞬間、戦場にいた全ての機体が一瞬動きを止めた。
『ハマーンが妊娠……だと?』
呆然とした声でシャアがつぶやく。
それを聞いたハマーンさんは、今までの威厳をまったく感じさせない笑顔で彼にこう言った。
『シャア。男の子なら名前はアフランシなんてどうだ?』
そんな言葉が引き金になって、アクシズ周辺を更なるカオスが襲う。
『シャアのプレッシャーが……消えた?』
アムロ大尉の言葉に通信モニターへ目を向けると、シャアは完全に白目を向いていた。
『あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(カシュッ! ゴッゴッゴッゴッ! ゲフゥッッッ!!!!!!!』
『ちょっ!? スメラギさん! 作戦中にビールは駄目ですよ!!』
『女として二周くらい周回で差を付けられたからって……いでぇっ!?』
絶叫と共にどこからともなく取り出したビール(ミニ樽缶)を一気に煽り、フェルトお姉さんの心配をよそに余計なことを言ったラッセさんへ空になった缶をぶつけるスメラギさん
『リツコ! エヴァの陽電子砲をこの兵器に改造して! 今すぐに!!』
『さ…サテライトキャノン!? いったい何をするつもりなの、ミサト!!』
『どう見ても超合金Z級の喪女のくせに女の幸せを手に入れたアイツを月に代わってお仕置きするのよ!!』
またしても荒ぶるZ-BLUEのお姉さま方。
子供ができるのはおめでたいことなのに、どうしてこうなるのか?
幼女には分かりません。
それはそれとして、皆が呆けている今がチャンスだ。
アクシズの後ろに付いているブースターを壊したら私達の勝ちだよ!
「……ミウ、にぃに」
『姉さま?』
『どうした、ミユ?』
「……いまのうち。アクシズのブースター、こわす」
『あ!』
『そ…そうだな!』
唖然としていた二人に声をかけて、私達は再びアクシズの核ノズルを目指す。
『く…黒丸だぁ!!』
『蜂だ! 蜂が来るぞ!!』
『お…お助けェェェェ!!』
迎撃があると思ったんだけど、ハロの姿を見るとネオジオンの兵士達は我先にと逃げてしまった。
『フィフスの時に暴れすぎちゃったかな?』
「……ん」
これはこれで好都合!
うん、怖がられても悲しくなんてないんだからな!
そうして核ノズルに辿り着いた私達が壊す為に照準を合わせた時だった。
「ひぅぅっ!?」
ハイメガドッズキャノンの発射をイメージしようとした瞬間、嫌な気配と共に背筋にぞわぞわってした感覚が奔ったのだ。
『ミーちゃん?』
『どうしました、姉さま?』
思わず出た声と私と意識の共振があったミウから心配の声を掛けられる。
けど、私にはそれに応える余裕は無かった。
「フロンタル、きた」
そう、私の天敵が現れたからだ。
その言葉と共にカメラをアクシズの北東に向けると、そこには紅いキュベレイと緑で3本のかぎ爪が付いた腕を持つMSを筆頭に、8機のギラ・ズールがこちらへ向かっているのが映った。
『苦戦しているようですな総帥、そしてハマーン宰相。我々も手を貸しましょう』
『任務を放棄して逃亡した輩がどのツラを下げて現れたのだ、フル・フロンタル』
ネオジオンへ通信を送るフロンタルの顔を見て、ハマーンさんはもの凄く嫌そうに顔をしかめる。
うん、その気持ちはよくわかるよ!
『フル・フロンタルは死にましたよ。貴方の愛する総帥がそうやった』
『ほう、ならば貴様は何者だ?』
フロンタルの返した皮肉に嘲笑を浮かべるハマーンさん。
その問いかけに変態はあのアゴい笑顔でこう言った。
『私の名前は────』
『
フロンタル「プルプルプルプルプル~!(池田秀一)」