僕の飼い主はティリス民!   作:c.m.

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12 ダンブルドアはホモ(公式設定)

 チェスを終えた次が最終舞台一歩手前、魔法薬を用いた論理パズルなのだが、この試練はスネイプ先生謹製なので、攻略本な本人に任せておけば全く問題ない。

 

 問題ないのに何故チャレンジするのかねハーマイオニーちゃん!?

 

 え? 知性を感じさせる楽しい問題? ちょっと何言ってるのか分かんないですねどうして死にはしないけど飲んだら固まって一回休みなお薬を「コラテラルダメージだから! 誰かがやらないといけないから!」って嬉々として飲もうとするの!?

 流石は勇猛果敢なグリフィンドール生だぜマジ頭おかしくね!? と言いたいが最高だぜハーマイオニー! 君なら間違いなくノースティリスでもやっていけると今確信した!!

 

「いや、ここに正解の魔法薬の予備があるから、無理に犠牲にならずとも」

「先生、ハーマイオニーの覚悟を見届けて上げて下さい!!」

 

 セブルス・スネイプは、正直グリフィンドール生とのジェネレーションギャップについていけないと天を仰いだ。

 あと、なんだかんだハリーもクソ野郎(ジェームズ)の遺伝子を引き継いでいることがちょっとショックだった。

 

 

     ◇

 

 

 ハーマイオニーは犠牲になったのだ。必要のない犠牲にな。

 そんなもう一体どんな顔をすればいいのか分からないスネイプは、ダンブルドアが課した最後の試練の扉を開ける……筈が扉を触れた瞬間に強制転移された。

 

「しまっ……ポッター!?」

「先生!?」

 

 流石のハリーもこれには困惑した。スネイプが居るからと*鑑定*の巻物の使用を怠ったのは落ち度だったし、相手を過小評価していたツケが回ったとも言える。

 なんであればスネイプの安全を最優先にすべく、手を掴んで一緒に転移することも考えたが。

 

「駄目だ! 校長の思惑に乗るのは癪だが、クィレルが通り道に居る二人を殺しかねん! 我が輩は自力で乗り切る! ポッターは二人を連れて引き返せ!」

 

 伝えるべきことを伝えてから消えるスネイプ。その瞳には必ず戻るという意思と、このような罠にかかった不甲斐ない自分への叱責。何よりもハリーたちを案じるその心には、彼なりの覚悟と善性に満ちたものだったことを、置き去られたハリーは感じ取った。

 

「先生、僕は貴方を心から尊敬します」

 

 だからこそ、先の言葉には従えない。ずっと前から決めていた。

 奴を、ヴォルデモートとその部下はこの手で必ず滅するのだと。

 それは他の誰かにも、飼い主にさえも任せてはいけない事だと意を固めていたからこそ、ハリーは一切の怯懦なく、最後の試練が待ち構える扉を潜った。

 

 

     ◇

 

 

 鎧兜に身を固め、飢えに目を血走らせるトロールとオークの群れ……地を埋め尽くすというほどではないにせよ、一個人を殺めるには十分に過ぎる戦力が禁じられた森の奥底に集い、迷い込んだ魔法使い……スネイプを殺め、血肉を貪らんと飢餓感と本能から雄たけびを上げた。

 

「ふむ。症状から察するに服従の呪文のみならず、興奮剤を使用していると見える」

 

 百鬼夜行の環の中心。絶体絶命と言える位置取りにあって、スネイプの表情に変化はなく、生命の危機にある生物特有の高揚もない。

 ハリーと出会い、改心し、晴れやかな心で笑顔を振りまいていた姿はなりを潜め、ダンブルドアの、そしてヴォルデモートの走狗として二重スパイとして活動していた時の、底冷えするような、それでいて空虚な瞳で本能に猛り狂う獣を見据えつつ、スネイプは静かに杖を抜く。

 

「悪いが諸君。今宵ばかりは加減は出来ぬ。教え子らが、我が輩を待っているのでな」

 

 人気のない森の中、闇の魔術をスネイプは解禁した。

 

 

     ◇

 

 

「おかしい……何故あれが無いのだ?」

 

 潜った扉の先、広大な広間には案の定クィレルの姿があったが、彼は響く足音に振り向くと、杖を構えるのでなく悠然と振り返って見せた。

 

「遅かったな、ポッター。あの扉は『お前以外』を飛ばすようにしていたが、誰が一緒に来た? マクゴナガルならば殺せるが、スネイプは無理だろうな。

 あれは死喰い人(デスイーター)でも指折りだと『ご主人様』は仰られていた。手を下すなら、私が直々に相手をせねばなるまい」

 

 聞いてもいないことを喋ってくれてどうもとハリーは無言で肩を竦めた。お約束の悪役ムーブの最中に問答無用でぶっ殺してもいいが、先程の独り言からして、クィレルがお目当ての物を得ていないことは承知していたので、相手の思惑に乗ってやる。

 

 相手が嬉々と盗んだ物を、横から奪うのは冒険者の嗜みでおじゃる!

 なんて本音を隠しつつ会話パートスタート。

 

「僕が、先生が居ることに驚かない理由は聞かないんですね」

「それはそうだろう。入学初日、君は私を見て額の傷に触った。ダンブルドアも私を警戒していた。セブルスに関しては……信用と警戒が半々だった。

 彼はご主人様に目をかけられるほど優秀な死喰い人(デスイーター)だが、同時にご主人様が直接指示を出さない限りはスパイとしてダンブルドアに服従し続けるのでな。

 それが最優先事項だとは言え、融通が利かないのも困りものだ」

 

 普段であれば吃音で上手く聞き取れない口調の、何時何処でもおどおどとした調子のクィレルは、一切の恐怖や不安など表情になく、己の力と自信に満ち満ちた表情でハリーに得意げに語って見せた。

 

「出来ればセブルスとは早々に協力を取り付けたかったが、やはりダンブルドアは曲者でね。セブルスの背後には常に奴の影があった。

 重用されていると言えば聞こえは良いが……何処かしらでご主人様との繋がりが見えたのやもしれん。これは由々しき事態だ。私がこうしてペラペラと喋っているのはね、ハリー。セブルスには死んで貰わなくてはならんからだ。

 それに、君が懐くようイメージを変えて接触したのだろうと最初は思っていたが、どうにも君に情が移り過ぎているのは明らかだ。ご主人様からも許可を頂いた。今のセブルスは信用に値しないとね」

 

 そりゃあまぁ、ああも見事に一四歳特有の病気から脱却したら陰キャサークルからは追放だろう。むしろ大人になったことを喜ぶべきだぞお前らと違ってスネイプはまともになったのだ。それはさておき、そろそろ本題に入って欲しい。

 具体的には、その口ぶりからして復活したのであろうトム君の情報プリーズ。

 

「さて、ハリー。これを見たまえ。君が叫び狂うほどに魅了されたみぞの鏡。これが、私の欲する『石』を見つける鍵なのだ」

 

 鏡の枠をこつこつと叩きつつ、ハリーの視線を鏡に誘導させる。対するクィレルは、軽い口調に反して何処までも忌々しいと言わんばかりの視線であった。

 

「私にはこの鏡に、ご主人様に『石』を差し出している姿が映っている。しかし、『石』は手の中にない。大方、何らかの条件付けがしてあるのだろう……たとえば、そう。闇の魔術など修めていない、無垢な者にしか握れない、とか」

 

 口角を吊り上げながら、クィレルはハリーを手招いた。抵抗する事も可能だろうが、それは無意味だと、従わねば殺すだけだと雄弁に視線が語っていた。

 ハリーもまた、ここでクィレルを殺すには十分過ぎるほどの理由がある。しかし、クィレルが欲する『石』とは十中八九ハグリッドがグリンゴッツからホグワーツに持ち帰った『賢者の石』のことだろう。

 ハリーが★賢者の石を鑑定した際の情報は、次の通りである。

 

 ★賢者の石(残り5回)

 ・それはニコラス・フラメルによって作成された。

 ・それは使用する事が出来る。

 ・それは金塊を生み出すことが出来る。

 ・それは生命力を回復させることが出来る。

 

 ぶっちゃけ、コレクション用途以外では全く食指が動かないアイテムだった。

 回数制限が無いか、時間経過で残り回数が回復するのなら駆け出し冒険者には有用かもしれないが、少なくともハリーには必要ないし、飼い主にしたって固定アーティファクト専門の豪華な内装の倉庫にぶち込んで放置するだろう。

 どうやらトム君は、あんな石っころに頼らないとヤバいぐらいの傷を負っていると見た。これはぶっ殺すのが楽そうだ。瀕死状態なら何もしなくてもサンドバッグに吊るせるかもしれない。つまりは楽しい拷問のお時間である。

 

「さぁ、ポッター。何が見えるかを言え」

 

 ハリー鏡の前に立ち、そして、あるがままを答えた。

 

「僕が……」

 

 続けろ、とクィレルは頷き。

 

「僕が両手両足に拘束具が付いたバニーガール姿で跪きつつ、玉座に座ってる飼い主に首輪のチェーンを引っ張られてアヒンアヒン言ってる! すっごい恍惚の表情で……!」

「嘘つくんじゃねえこのクソガキャあ……!! ていうかおめえ一体どういう生活してたんだよマジで!?」

 

 何一つ嘘は言ってないんだよなぁ……。

 あ。あのウサギの尻尾、お尻に直接入ってんのね、抜けた途端イったぞ鏡のハリー君。で、そのまま高いハイヒールで不安定なまま立たされて強引に……なんだよこれ、まだハリー君はそんなプレイしたことないぞ羨ましい!

 ローブの下にバニーガールとか超マニアックだなノースティリス戻ったら早速体験しなきゃ!

 

「あ。今飼い主が編み上げタイツびりって破った。後ろからチェーン引っ張られてるから海老ぞりになってるけど、すっごいトロ顔晒してる……ねえ、これから本番始まりそうなんだけど実況した方がいい? ハリー君的には羞恥プレイだけど、ちょっと先の展開が気になってもみたり」

「え……本当に見えてんの? ちょっと気になってきたぞおい自分ロリショタ趣味はないけどそのシチュエーションは興奮するわ。てか、よくよく考えたらダンブルドアがホモってのは有名だし、そっちの趣味があるのも納得だわ」

 

 まじかよ生徒の妄想AV垂れ流しとか、あいつマジ校長辞めた方がよくね? とハリーが内心突っ込んだ直後。

 

「クィレル……俺様が直に話す……! お前では埒が明かん!!」

 

 唐突にターバンから怒りの激おこボイスが広間に響き渡り、クィレルの首がガクンと折れ、瞳は白目を剥いている。完全に意識が飛んだ状態だ。

 

「……ハリー・ポッター」

 

 久しいな、とターバンの奥から別人の顔が覗いた。クィレルの後頭部には白蝋めいた肌と、蛇のような鼻腔の顔……紛れもないヴォルデモートその人が、この歳まで生きていればこれぐらいの老いだっただろうと思わせる顔で存在していた。

 

「この有様を見ろ、誰かの体を借りて初めて形になることができる程の、弱い姿をな……だが、それさえ命の水さえあれば覆る。あれには肉体を復活させるだけの力があるのだ」

「あっそ。ところでさぁ、ヴォルデモート。つまり今のお前は、クィレルの身体を乗っ取ってる訳で、一応の身体があるってことだよね?」

「然り、然り。未だ全盛の肉体には至らねど、我が知は健在。そして、クィレルは凡百の輩なれど、肉としての役割を持つ。我が秘奥、闇の魔術を直にその身に受けて今と同じ口ぶりが出来るか見ものだな、ポッター」

 

 呵々と笑いながら、ゆらりとヴォルデモートは杖を抜く。と、同時にハリーは笑った。それはもうすこぶる上機嫌に。

 

「そうかそうか、それは良い事を聞いた。ところでさぁ、この世界の人間の血肉が欲しいのは僕の飼い主も一緒なんだよ。それでさ。僕はね、ヴォルデモート。

 白状するとダンブルドアとかいうジジイを狙っていたんだな、これが。だってあいつこの世界じゃ最高の魔法使いだし、地球出身なら誰でも良いって言ったって、やっぱりそれなりの格じゃないと飼い主と合成するには力不足じゃん? でもさ」

 

 お前みたいな悪人でも、知識だけは最高なんだよなぁと笑う。それはもうとことん邪悪に、そして豪快に。

 

「え……?」

 

「安心してくれヴォルデモート! いや、トム君! 正直肉体がないんじゃあ合成しても地球用の抗体できないからって候補から外してたけど、今のお前なら最高だわ!」

 

 ダンブルドアが死ぬのを待つまでもねぇ! お手軽に肉体ゲットだぜ!!

 

 

     ◇

 

 

 かくして一瞬で決着はついた。全盛期のヴォルデモートならばいい線行ったと思うが、かつてハリー君を乗っ取った時と同様に弱体化した状態ならば負ける筈も無し。

 戦闘シーンはバッサリカットである。

 ちなみに最後の決め手はモンスターボールというポケットなモンスターを捕まえるのに使えそうなアイテムを使用した。

 支配の杖ならば楽なのだが、あれを使ったらトム君インストール状態のクィレルがそのまま残るので、周囲の説明が面倒臭い。

 その点モンスターボールならば、ボールに閉じ込めた後で四次元ポケットに収納すれば誰にも見つからずにノースティリスまで移送できる。完全犯罪は見事に達成。クィレルはなんか母親の加護を受けた傷から放たれた光で消滅したことにしておこうそうしよう。

 額からビームとか絵面を想像するだけで噴き出しそうだが、そういうことになった。

 

 そして肝心の賢者の石だが、なんといつの間にかハリーのローブの中に入っていた。★みぞの鏡には、いつの間にかポケットをまさぐっているハリーの姿が映っている。服装はバニーガールのままだが、既に拘束は受けていない。事後かな?

 

「うーん。このメインイベントを逃した感」

 

 続きは自分の手で体験しろという事だろうか? 確かにそれはそれで待ち遠しいが、とりあえず賢者の石も確保したし、★みぞの鏡もハリーの姿を映さなくなったので用はない。

 とっとと二人を連れて戻るとしよう……と思ったら、スネイプがやって来てくれた。

 どうやらロンとハーマイオニーも、スネイプが応援に呼んだマクゴナガルとマダム・ポンフリーが回収してくれたらしい。

 

 もう全部スネイプ先生一人で良いんじゃないかな?

 

 

     ◇

 

 

 四階から無事に脱出した後、当然だがハリー達は大目玉を食らった。ハリー達に試練を与える為だったと知らないマクゴナガルやポンフリーからすれば、余りに危険な行為だったので当然だろう。ちなみに元凶のダンブルドアはと言えばだ。

 

「急なロンドン行きには怪しいと思っておったが、一杯食わされてしまったのう。先生方や、どうかハリー達を責めんでおくれ。彼らが居なければ『石』はクィレルの手に渡っておったかもしれんでな」

 

 抜けしゃあしゃあと、こんなことを宣いやがった。とりあえずハリーは減点なぞ知った事かとドロップキックをかまそうとしたが、透明になって逃げられた。

 やはりそこいらの人間と同じ速度七〇の蹴りでは駄目だったが、まあ本気でぶち込む気はなかったので、ここまでとする。

 でだ。姿を消したままのダンブルドアに、最後の仕掛けについての答え合わせを問うた。「賢者の石は、どうやったらその手に掴めるのですか?」と。

 

「それは実に嬉しい質問じゃ。あの『石』は、見つけたい者が手に出来る。使いたい者ではなくてな」

 

 ああ成程とハリーは得心した。確かにハリーにしてもこれを用いる気は更々なく、飼い主に上げても肝心の飼い主は使わない。いやまぁ、飼い主ならハリーが勝ち取ったんだから記念に取っておきなさいと言うだろう。何だかんだ、身内にはだだ甘なのが飼い主なのだから。

 

「じゃからハリー。使う気はないのじゃから、返して?」

「……ダンブルドア先生? まさか、僕が盗んだとでも?」

 

 抜けしゃあしゃあとこの糞餓鬼…………!!

 

 と、ダンブルドアはこめかみに青筋を立てた。誰がどう考えても盗んだのはハリーである。他に容疑者などいない。スネイプ辺りも怪しいが、ハリーが傷を負ったときに使用しそうだから外れる。よって、この戦力未知数な糞餓鬼以外有り得ないのだ。証拠はないが。

 

「グリフィンドールに五〇〇点ぐらいは」

「いや知りませんってば」

「特別功労賞だけじゃなくて、国から叙勲申請を」

「だから分かんないですってば」

 

「…………」

「…………」

 

「のう、ハリー。ぶっちゃけ儂でも所在が掴めんのは異常過ぎると思うんじゃが、マジで何処に隠したんじゃ……?」

「跡形もなく消滅したんじゃありません?」

 

 ダンブルドアはにっこりと笑った。ただし、笑顔とは本来攻撃的なものであることを忘れてはならない。

 

「グリフィンドール、五〇〇点減点じゃあ……!!」

「はいそれでこの件は解決でフィニッシュですねー」

 

 ぶっちゃけハリー一人で一〇〇〇点ぐらい稼いでいるから全く苦にならないし、そもそもハリーは寮杯なんぞ欠片も興味ねーのである。むしろ最下位だって構わない。

 糞が!! とダンブルドアは唾吐きつつ、真面目な顔に戻って口を開く。

 

「言っておくが、賢者の石の力には限りがある……それを知っておるからこそ、あの『石』を君の保護者に使うという選択肢を持たなかったのではないかね?」

 

 だから、何故ハリーには価値を持たない『石』に固執するのだとダンブルドアは問い。

 

「だから僕は知りませーん、無罪でーす……っと自己主張したところで、客観論ですけど、そういうのを欲しがるのって、メダルとかトロフィー飾る感覚なんじゃないです? 『これが自分の冒険の証で足跡だ』みたいな」

 

 だったら勲章でも貰っておけと言いたくなったが、暖簾に腕押しだろう。くれぐれも悪用はするなよと釘を刺して、ダンブルドアは完全にその場から姿を消した。

 

 

     ◇

 

 

 その後、本当に★賢者の石を盗んでないんだよなというマクゴナガル達からの追及をのらりくらりと躱し、スネイプ謹製の真実薬すら根性で跳ね除けてノースティリスに帰還したハリーは、飼い主の血肉とすべく手始めにクィレルとトム君を合成。

 流石に弱っていたのかハリーの時と違い一発で成功し、クィレルはトム君の知識をインした状態で死なないようノースティリスの『盗賊団の術師』とも掛け合わせた。

 

 結果。

 

「ザッケンナコラー! スッゾコラー! てめぇヴォルデモート! よくも私の全世界売春満喫ツアー最後のルーマニアで最高の女に出会って人生の絶頂だったってのに取り憑きやがって!

 一体何処に鼻なし禿の幽霊に取り憑かれるシチュに需要があんだよクソボケェ!

 爆乳JKに生まれ変わって出直すか美少女化した後で右手に宿って実体化すんだよそんで甘いラブコメとか体験させろよマジで!

 しっかしこれでようやく自由だぜひゃっほい! ざまぁ! 禿ざまあ! もう二度と出会うこたぁねえだろうし、お前の知識を持った何不自由ない今のクィレル様なら余裕だろうがなぁ! 次会ったらフルボッコだドン!」

 

 やっべえ。なんかすっげぇ殺すには惜しいキャラだぞこいつ。ノースティリスでも実に楽しく愉快にやっていけそうなバイタリティとメンタル構造である。

 いっそ冒険者として融通してやってもいいかもしれない。

 

「マジですか!? うへへありがとうごぜぇます旦那様! わたくし、クィレルと申します! ぶっちゃけ貴方様に勝てるとか微塵にも思っておりませんので、何卒、何卒ご慈悲を賜りたく存じます靴とか舐めますんでレロレロレロレロ!」

 

 どうやらそれなりに年季の入った盗賊団の術師を素材にしたせいで、ガッツリ飼い主のやべえ力量も理解しているっぽい。

 もういっそ下僕が増えたと思ってもいいんじゃないかな? と、飼い主とハリーはアイコンタクト。

 

 結果。

 

「え? やっぱ自分が一番だし? いやー惜しい人を亡くしたなーでもしょうがないだってあいつ好みのロリショタじゃねえもん」

 

 こ れ だ よ。

 

 自分本位のティリス民に慈悲とか期待すべきじゃあないって? うん。知ってた。

 

「ていうか、あのクィレルとかいうのマジで小悪党の外道だったんやなって。ハリー、例のグリンゴッツとマグル? の銀行にインコグニート使って今度行こうか? あいつ『服従の魔法』でたんまりどっちの世界の金も貯め込んでやがった」

「マジかよ最低だなクィレル! よっし、そんなお金は恵まれない人(自分と飼い主)の為に使われるべきだよね! いやー自分達の善良さが恨めしいですわー無垢すぎる自分に感動の涙流しそうですわー。さーて、早速銀行行こう! 今すぐに!」

 

 仲良く立てられる二人の親指。このあと滅茶苦茶預金をおろした。

 




一応次回で最終回です(唐突)
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