お姉さんを拾いました   作:へたくそ

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これにはワケが……

「お邪魔します」

 

「はい、どうぞ。まず天野さんはシャワーを浴びてきてください。服は僕のを貸しますので。洗濯機の横に洗剤あるので、洗濯機も使ってもらって大丈夫ですよ」

 

「何から何までありがとう。そう言えば上野くんのご両親は??」

 

「俺の親は考古学者で、世界中を飛び回ってるんですよ」

 

 

 

護の親が世界を股に掛ける考古学者。

そう聞くと陽菜乃は少し考える様に、親指と人差し指に顎を置くようにする。

 

 

 

「考古学者??もしかして、あの有名な上野夫妻??」

 

「あ、天野さんも知ってるんですね」

 

「勿論よ。その手の話は結構好きなの。とは言っても自分では調べないし、テレビで見るだけだけど」

 

 

 

陽菜乃は少し照れ笑いしながら言う。

濡れているのもあってどこか色っぽく見える。

これは護の理性が危ない。それにこのままでは本当に風邪を引いてしまうのでシャワーを催促する。

 

 

 

「それ聞いたらウチの親も喜びますよ。それより早くシャワーしないと風邪引きますよ?」

 

「そうね、それじゃお借りするわ」

 

 

 

陽菜乃がシャワーに入った事を確認すると、護は除湿を掛ける。

それと陽菜乃の着替えとタオルを持っていく。

 

 

 

 

「天野さん。ここに着替えとタオル置いておきますね」

 

「分かったわ。ありがとうね」

 

「それじゃ俺はリビングにいるので、何かあれば呼んでください」

 

 

 

護はリビングに戻るといつもの様にテレビを付けて、ソファに座り本を読む。

目は良いとは言えない為、家では眼鏡をしている。

読む本は固定はされてはいないが、親から定期的に送られてくる歴史に関する本を呼んでいる。

これは護の親が執筆している本であり、内容も高校生でも分かりやすい様になっている為、読んでいて楽しい。

 

 

 

10分ほど経つと、陽菜乃がリビングに入ってきた。

着替えのパーカーも少し大きいが、許容範囲内だろう。

 

 

 

「シャワー貸してくれてありがとう。服も貸してくれて助かったわ」

 

「いえ、そのサイズしかなくてすみません。」

 

「そんな事ないわよ。それにこういう服も新鮮だし。確か、彼パーカーって言うんだっけ?」

 

 

 

陽菜乃が少しおどけて笑う。

陽菜乃はかなり美人で話してみると、かなり親しみやすい。

それに年上という事もあり、やはり色気を感じてしまう。

 

 

 

「それは俺と天野さんが恋人ならの話ですよ」

 

「ふふ、それもそうね。そう言えば眼鏡を掛けているのね。さっきまではコンタクトしてたの?」

 

「いえ、コンタクトはしてませんよ。目は悪くないので。でも基本家では眼鏡を掛けてます」

 

「そうなの。隣、いいかしら?」

 

「はい、どうぞ」

 

 

 

陽菜乃は護の隣座ると、護の読んでいる本が気になるのか、顔を覗かせてくる。

 

 

 

「これは父さんの書いた歴史の本ですよ。天野さんも読んでみますか?」

 

「私は大丈夫よ。本はあまり得意じゃなくて」

 

「そうですか。あ、そうだ。こんな物で申し訳ないですけど、これどうぞ」

 

 

 

護はキッチンへ向かう。すると、上の棚からカロリーメ○トを取り出し渡す。

 

 

 

「ありがとう。もうお腹ペコペコで」

 

「お財布も落としたんですか?」

 

「会社に忘れてきちゃって」

 

「それって大丈夫なんですか?」

 

「中にはお金もカードも入ってないから。免許証もケータイのカバーに入れてたし」

 

 

 

 

そう言うとカバーから自分の免許を見せてきた。

大事な物は持っているので少しほっとした。

すると陽菜乃は「それはそうと」と免許証をしまいながら話し始める。

 

 

 

「上野くん。まさかとは思うけど、君こんな物しか食べてないなんて言わないわよね?」

 

「まさか、ちゃんと食べてますよ?」

 

「ふ〜ん?」

 

「な、なんですか?」

 

 

 

 

ここで護は嘘をついた。

何故なら陽菜乃の言う通り、護の食事は朝は10秒でエネルギーをチャージできるという魔法のゼリー。昼は購買のパン。夜はカップラーメンか、さっき出てきたカロリーメ○ト。

まぁそこはバレはしないだろうと思っていた。

しかし

 

 

 

「それにしてはさっきの袋にカロリーメ○トが沢山入っていたけど?」

 

「非常食ですよ。俺って結構心配性なんです」

 

 

 

 

よし、これで何とか凌げれるはず。

そう思っていた護の希望は呆気なく散る。

 

 

「それじゃ少し冷蔵庫の中身、見せて貰ってもいいかしら?」

 

「な、なぜ…?」

 

「ちょっと気になるだけ。ちゃんとご飯食べてるかどうかは冷蔵庫を見れば大体分かるわよ?それにさっきチラッとキッチン見たけど、まな板とか見えなかったし」

 

 

 

まずい…。そんな所まで見られていたのか。

確かに浴室からリビングには入る時、キッチンは入口のすぐよこにある。

まかさ、キッチンを見られるなんて思いもしなかった。

それに、あんな冷蔵庫、他所様に見せられたものではない。

 

 

 

 

「見せれないのかしら?」

 

「い、いえ…。そういう訳じゃ」

 

 

「なら見てもいいかしら?

 

「ぐっ…ど、どうぞ」

 

「そう?それじゃ失礼して」

 

 

 

陽菜乃は冷蔵庫を開ける。何となく料理はしないのだろうとは思っていた。

まぁ高校生の一人暮らし、それに仕送りのお金も多いらしいので弁当などを買っていると思っていた。

しかし、冷蔵庫を開けて、目に入ってきたのは

 

 

 

「上野くん」

 

「は、はい」

 

「少しお話ししようか?」

 

 

 

陽菜乃は、大量の10秒エネルギーチャージゼリーをバックに、護に悪魔の提案を持ちかけたのだった

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