タイトルがあんまり良いの思いつかんかったんやけどこんな感じでええかな?
男が歩いている。
男はただ歩いているだけだ。
なのに、彼の背中には多くの視線が集まっている。
道ゆく人が振り返るというわけではない……と言うよりも、人の進む方向が一方通行であるが故に歩いていれば普通に視界に入るという感じだ。
その視線は道を先に進むたびに増えていき、今では後ろを歩く“生徒”達の共通の話題として華を咲かせている。
『視線が増える』…つまり彼の背中を見る人が増えているということになるわけだが、何も彼が忙しなく歩いているというわけではない。むしろ悠然と、堂々と、悠々とした歩きである。なのに彼の背中を見つめる人が増えていくーー追い抜かれていく人が増えていくのは、彼の歩幅が原因だ。
歩幅が大きければ足を動かすスピードが同じでも歩くスピード自体は大きく差がつく。男子と女子を考えて貰えれば分かりやすいだろう。
だが、彼に追い抜かれるのは女子だけではない。男子すらもそのスピードに追い抜かれていく。つまり、それだけの体格があるというわけだ。
先程視線を集めていると言ったが、何もその体格だけが視線を集める原因ではない。
いや、体格もとても16歳とは思えないほどの身体つきではあるが、それよりも目を引くのはその身体に刻まれた無数の傷痕だ。
背中からだと顔は見えないがその下ーー袖から覗くその手には無数の疵があり、フツウではない経歴を思わせる。
だが、それは幸運だったのかもしれない。
彼の顔を正面から見た女子が、その“疵”を見て悲鳴をあげないとも限らないからだ。
そんな視線に気付きつつも、意に介することもなく歩き続ける男……いや、漢。
名を花山薫。人は、彼を『最強の喧嘩師』と呼ぶ。
時は去年、花山薫15歳、中学三年生の時にまで遡る。
「どうするんですかっ!!」
「………………」
「大将、言いましたよね!学校に行くって!キチンと勉強して、高校に行くって!!」
「………………」
「じゃあこれはなんなんですか!!」
花山薫を叱りつけている男ーー木崎ーーはバンッとテーブルに手を叩きつける。
そのテーブルには紙が置かれており、その紙には『通知表』と書いてある。
その裏には定期テストの点数が書かれた用紙もある。
「こんなんじゃ高校行けませんよ!!」
『こんなん』と言うのも、通知表に綴られた数字は体育を除いて5段階評価の中の2。
そしてテストの点数は25点を下回り、中には一桁すらもある。
このテストの成績で通知表に1がつかないのは、一重に授業に取り組む姿勢のおかげだろう。齢14歳にして組のトップを張るような生粋のヤクザではあるが、花山自体に凶暴性は無い。授業は真面目に受けるし、提出物だってキチンと出している。むしろ仁義を重んじている性格であるために人間性としての評価は非常に高い。
ただ……少し……そう、少し………頭が悪いのだ。
学業においてのアドバイザーを任せられているーーしかも花山本人からーー木崎としては、この非常に不味い状況を看過するわけにはいかない。
『高校にも行けない』と言った木崎であるが、実際のところ探せば行けるところはあるだろう。だが、『キチンと勉強して高校に行って卒業する』の“キチンと勉強”という部分を疎かにしている大将をこのまま放っておくのは非常に不味い。それもこれも花山本人が自分で言い出したことなのだから、花山本人の為に木崎は心を鬼にして叱り付けているのである。
「聞いてるんですか!大将!」
「…………………」
「ハァ……どうするんですか、このままじゃまともな高校に行けませんよ?」
「…………………」
当の花山本人にしてもぐうの音も出ない、一切反論の余地の無い木崎の言い分を黙って聞くしかなかった。
長い沈黙の後、木崎はおもむろに一つの資料を花山に手渡した。
「大将、どうぞ」
「これは………」
「自分なりに調べてみました。行ってみる気はありませんか?」
その資料は高校の資料。表紙には『東京都高度育成高等学校』と書かれている。
中身を見れば、その学校の詳細が書かれている。
日本政府が作り上げた、未来を支えていく若者を育成することを目的とした学校。進学率就職率共に100%を謳い、夢の実現のための最大限のサポートと施設が用意されているという。
この学校の最も大きな特徴としては、入学したら外部との連絡が一切取れなくなるということだろう。寮に入り、学校の敷地から出ることすら許されなくなる。その代わりと言ってはなんだが、敷地内にはスーパーやカラオケ、カフェなど、生徒が不自由なく暮らせるような設備が整っている。
ついでに、学費が無料というのも素晴らしい点だ。
一通り読み終えた花山は顔を上げる。
「………木崎、聞きてぇことがある」
「はい」
木崎は何が聞きたいかを理解しているような表情で花山の言葉を待つ。
「外部との接触が二度と出来ねぇってことは……」
「そうです。大将には一人で行って頂きます」
「いや………」
「本気で学業を頑張るなら、一人で、自力で頑張った方が良いに決まってるでしょう?」
「それは……そうだが………」
なにやら歯切れが悪い。
花山の様子を見るに、一人での生活に不満があるような感じでは無さそうだ。
「俺が居なくて…やっていけるのか?」
なるほど…と木崎は理解する。
きっとハナから、こっちの方を心配していたのだろう。
花山は優しい。仁義、義理人情、それが花山の信念を形作っている。
組は家族だ。そしてその大将であれば父……彼ら家族を守る必要がある。そんな彼らを第一に心配するのは、仕方のないことだろう。
そんな心配症な大将の問いに、木崎は自信を持って答える。
「大丈夫です。3年ぐらい大将が居なくても、なんとかやっていけます」
「だが……」
「大将」
花山の言葉を木崎は強い口調で遮る。
「俺たちの事は……信用出来ませんか?」
「…………!」
これが決め手となり、花山は東京都高度育成高等学校への入学を決めた。
それから数ヶ月、次の年の4月。
東京都高度育成高等学校の門の前に、黒塗りの高級車が止まっていた。
花山薫を送りに来た、木崎達数人である。当初は門の前に花山組総出で花道を作ろうとしていたのだが、堅気の学校の前に自分らが集まるのは不味いということもあって、門の前への送迎は少人数になった。
「それでは大将、三年間頑張って下さい」
「あぁ。任せたぞ」
「はい!」
「もし何か俺の手を借りなければならない事があったら……海側に花火を打ち上げろ。すぐ行く」
「………!…はい!」
「…………じゃあ、行ってくる」
深々と頭を下げる木崎達に見送られ、花山薫は東京都高度育成高等学校の門を潜ったのだった。
木崎の口調こんなもんで良いんかな?もう殆ど出る予定無いからどっちでも良いんやけどさ。
一先ずプロローグを書いたんですけど、早速重要な問題が発生しています。
それは、花山のクラスです。
色々考察してみたんですけど、結局決まらなかったんで一緒に考えてくれる方がいてくれると嬉しいです。
まず王道を征くDクラス。
花山の家庭の事情()と圧倒的な身体能力の反面、九九すらも怪しい頭を考えればDクラスでも別に不思議では無い。
色々書きやすいし、安定ではある。
ただ問題なのが、花山まで入ってしまうとDクラスの戦力がバケモンになってしまうこと。武闘派が集まったはずのCクラスがただのバカの集まりになっちゃう。
続いてCクラス。
武闘派クラスではあるから花山がいるのは不自然ではないし、むしろ自然ですらある。
ただ問題なのが、最初の定期テストで生き残れるのかどうか。Dクラスなら肝が座った堀北がなんとかしそうやけど、Cクラスの頭脳担当金田が花山相手に勉強を教えれるかと聞かれると疑問。だってなんか花山、間違ってるのになんか意地張るし、そんなん金田が押し勝てる訳ない。あとは龍園とかは教えなさそうやし論外。ひよりは花山を机に向かわせるだけのパワーが無さそう。
Bクラスは、Bクラスのウリの“総合力の高さ”を持ち合わせてない花山が入ってるのはどうなんかな…って思った。
ただ、一之瀬なら花山相手でもしっかりコミュニケーションを取れるし、クラス総出で教える事も出来そうやからCクラスと違ってその点は大丈夫そう。
Aクラスは、一番ありそうやけど無さそうなクラス。
頭が悪くてもAクラスにまで上がれる程の超人的な身体能力はあるけど、Bクラスと同様頭が残念過ぎるからクラス全体の特色とはそぐわない。
ただ、坂柳なら花山を引っ張れるだけの度胸も頭脳もあるから、その辺の相性自体は悪くない。
問題があるとすれば、筋肉キャラが葛城さんと被ってしまうことぐらい。あ、あと武闘家キャラがが鬼頭と被るか…?いや、花山は“武”じゃないから大丈夫か。
他の視点からの意見を欲してる感じなんで、意見とか考察だけでも良いんで感想でくれると嬉しいです。
後は普通の感想と、評価お待ちしてます。