実力=握力=花山最強   作:たーなひ

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誤字報告感想あざます。

マジで自分で展開考えるの難しい。キャラの話し方とかこんなんで良いんかめっちゃ不安なる。


二の拳

長ったるい入学式を終えて、ついに高校生活がスタートする。

 

中には新たに出来た友達とカフェやカラオケ、ショッピングに向かう生徒もいることだろう。

 

しかし、Cクラスだけはそうはならなかった。

 

 

バン!…と教卓を叩く音が響いた。

 

その音に帰り支度をしていた生徒達がピタリと動きを止めた。

 

 

「俺が王になる。文句があるやつはかかって来い」

 

 

その生徒、龍園翔は短くそう言った。

 

殆どの生徒は一瞬「何を言っているんだ」と思ったことだろう。だがそれよりも早く、一人の生徒が立ち上がった。

 

「何だァ?てめェ……」*1

 

「……名前は?」

 

「石崎大地だ」

 

「そうか石崎ーーー」

 

ガンッと鈍い音が鳴った。

誰かが不穏な雰囲気だ……と感じとるよりも早く、石崎の名前を確認した直後に拳を振るい石崎を殴り飛ばしたのだ。

 

「ッ…!テメェ!」

 

石崎が殴り掛かるが、龍園はいとも容易くそれを躱す。

 

突如始まった喧嘩にクラス全員が騒然となる中、喧嘩は激しさを増していく。

 

だがその攻防も徐々に一方的になっていき、最終的に地に伏せたのは………石崎だった。

 

 

「………他に文句がある奴はいるか?」

 

少し切れた唇を袖で拭いながらそう問いかける龍園。

 

半数ほどの生徒は喧嘩などしたこともない生徒だが、石崎が喧嘩慣れしていて強いことは分かった。それに勝った龍園もそれ以上に強いということも分かる。

 

純粋に恐怖したのだ。

人目を憚らず容赦無く殴りつける暴力的な性格に。喧嘩自慢を容易く倒すその強さに。

中には少し震えている女子もいる。

 

 

だが、希望があることに気付いた。

 

彼ならば、花山ならばなんとかしてくれるんじゃないか……と。

 

数人が花山に視線を向けるが、当の花山本人は腕を組んで俯いたままだ。

 

そもそも、彼らのその願望は破綻している。

龍園が凶暴な事はわかったが、花山が彼を倒したとしてもそれが解決に繋がるとは限らない……つまり花山がトップになったとして、龍園を倒すような奴がトップになったとして、その人物が龍園のような凶暴性を持ち合わせていないと誰が証明出来るというのだろうか。実際の所は杞憂なのだが、それを知る由もない彼らの願望は破綻していると言えるだろう。

 

とは言え、花山が動かないのは彼らの願望が破綻しているからというわけではない。

花山には人の上に立ちたいという野心は無いのだ。

故にこの“クラスリーダー決め”には興味が無い。

 

「…お前は良いのか?花山」

 

花山に動く気がない事を知って落胆していたが、龍園自身から花山に確認を取るとは思わなかった。もしかすると……なんて希望を抱いてしまうのは仕方がないだろう。

 

「好きにしな」

 

だが、その希望は花山自身の言葉によって裏切られることになる。

見掛け倒しか…と思われてしまうのも仕方がないだろう。

 

だが、龍園に抗う意志がある生徒がまだいた。

 

山田アルベルト。ハーフで花山に次ぐ巨漢である。

 

「次はお前か……」

 

「…………………」

 

アルベルトは黙ったままだが、剣呑な雰囲気は戦闘の意思を十分に示していた。

 

アルベルトは体格、筋肉量で大きく龍園を上回っており、アルベルトに比べていささか細身な龍園は不利に思える。

 

 

アルベルトが太い腕を振るい龍園に殴り掛かり、二度目の喧嘩がスタートした。

 

 

 

 

結果から言えば、龍園はアルベルトに負けた。

 

体格差を鑑みればある意味当然の結果だと言えるだろう。

 

「……なるほどな。確かに喧嘩じゃお前には勝てねぇ」

 

顔を腫らしながらも龍園は口を開く。

 

「…………」

 

「だが暴力ってのは何も喧嘩だけじゃねぇ。今日の喧嘩じゃお前に負けたが、最後に勝つのは俺様だ」

 

このセリフだけを聞けば、誰もが単なる負け惜しみだと思うだろう。敗北者が何を言っているんだと思うだろう。

 

しかし、誰一人として龍園の言葉を笑う事が出来なかった。

つい今しがたボコボコにされたばかりだというのに凶悪な笑みを絶やさないからだ。まるで喧嘩で負けることに対する恐怖を……いや、恐怖そのものを忘れているかのようにすら思える。

 

 

 

 

龍園が去った後の教室は重苦しい雰囲気が漂っていた。

 

これまでの学校生活で目の前で喧嘩を眺めたことなど無かった生徒にとっては怒涛の数十分だっただろう。

 

誰もが顔色を伺いながら誰かが動き出すのを待っていたのだが、椎名ひよりという少女が教室を出たのを皮切りに、Cクラスの生徒達は帰路について行ったのだった。

 

 

 

 

 

さて。

 

既に殆どの生徒は教室を出て行ったが、二人の生徒がまだ教室に残っていた。

 

その生徒は花山薫、そして石崎大地。

 

花山が残っている理由は、石崎が自分に視線を向けているからだ。

無視して帰ることも出来たが、何せ入学初日だ。

花山とて友達が要らないと思っているわけではない。出来ることなら友達の一人や二人作ろうと思っているから、自分に用があると思われる彼が声を掛けてくるのを待ってみたのだ。

 

教室に残ったのが彼ら二人になってから数分後。

長い時間声を掛けるのを躊躇っていたようだが、ようやく石崎が声を上げた。

 

「……なぁ」

 

先程龍園に突っ掛かっていった時のような強気な声音ではなく、こちらを伺うような声音だ。

 

「お前……いや、アンタ……『花山薫』って、あの『花山薫』なのか?」

 

「……『あの』ってのは……『どの』だ?」

 

「や、やっぱり!“日本最強の喧嘩師”の『花山薫』なんだ……ですか!?」

 

何を以って『やっぱり』と繋がるのかは分からないが、否定しなかっただけでも十分だったらしい。

 

ふぅ〜…と花山は深い息を吐き出してから答える。

 

「まァ……そりゃあ俺のことだな」

 

「うおー!スゲー!本物の花山薫だ!あ、握手してください!」

 

「ん……」

 

関東で不良をやっていれば中学生でも『花山薫』の名前ぐらいは聞いたことがあるレベルの有名人である。

石崎にとって見ればまさに雲の上の存在。それこそアイドルのようなものだ。

 

対する花山だが、こういう事は特段驚くような事でもない。

花山自身もそこそこ有名であることは知っているし、見た事が無いような奴に頭をへこへこされる事もあれば、覚えのない恨みを買って殺し屋が差し向けられるなんてのは良くあることだ。

 

「お、俺!石崎大地って言います!」

 

「さっきのを聞いてたからわかってる」

 

「あの俺!花山さんのことスゲェ尊敬してます!」

 

「ん……」

 

とは言え、花山もここまで露骨に『自分、リスペクトしてます!』という感情を向けられるというのは随分久しぶりに感じていた。

どちらかといえば自分の事を恐れているような人間の方が多いし、ここまで露骨なアピールをされた記憶は久しくなかったのだ。

 

「あの、早速なんですが……お願いがあるんです!」

 

「…言ってみろ」

 

大きく息を吸って、声を張り上げた。

 

 

「俺を舎弟にしてください!!」

 

 

 

当時の心境を、彼自身はこう語る。

 

「あの日の事か……多分、俺一生忘れねぇよ」

 

「最初によ、あの人が花山薫って名乗った時から何となくそんな気はしてたんだ」

 

「話しかけてみて分かったんだよ。やっぱりあの花山薫だ!…って」

 

「本物の花山薫だと思ったらスゲェ嬉しくてさ……。最初にしてもらった握手……今でも手が覚えてる。でっけぇ手だったなぁ…」

 

「花山さんってさ、あん時の俺からすれば本当に次元の違う存在だったんだよ」

 

「まさか会えるなんて思いもしなかったしな」

 

「俺も不良やってるわけだからさ、『花山薫』の下につくなんてのは一種の夢だったんだよ」

 

「そん時思ったんだ。『その夢を叶えられる瞬間は今しかねぇ!』って」

 

「緊張?そりゃしたに決まってるじゃねぇか。でも断られたらどうしようとか、そうゆうのはあんま考えなかったな」

 

「え?いやいや、確信があったとかそんなんじゃなくて。そんな事を考える前に口が動いてたって感じだな」

 

「それでよ!花山さん、『好きにしな』って言ってくれたんだよ!」

 

「いや〜あん時はスゲー嬉しかったなぁ…。今でも人生で一番嬉しかった瞬間だと思うぜ?」

 

「…その後?ちょっと話しながらそんまま帰ったよ」

 

「何を話したのかって?えーっとな……あ、そう。あの日、龍園さんがクラスを仕切るみたいに言ってただろ?『なんで花山さんは龍園さんを止めなかったんですか?』って聞いたんだった」

 

「花山さんの答え?めちゃめちゃシンプルだったよ。『ガラじゃねぇ』って」

 

「そん時俺は『普通は一番強い奴が頭張るんじゃねぇのか?』って思ってたんだけど、今になって考えたら花山さんはこの学校の特色を見抜いてたのかも知れねぇな」

 

「え?そんなわけないって?いやいや、たしかにあの人そんなに勉強ができるわけじゃ無いけど、龍園さんだってそこまで勉強出来るわけじゃ……」

 

「あの時は花山さんが九九すら怪しかったって?いやいや、そんなわけないだろ。俺でも出来るんだぜ?」

 

「……………え、マジ?」

 

「え、ホントにあの人九九が怪しかったのか?」

 

「マジか……………」

 

「ま、まあいいや。で、何の話してたっけ……」

 

「あ、そうそう、どういう話をしてたのかって話だったな」

 

「後は花山さんの伝説について聞いたりしたぐらいだったかな、確か」

 

「例えば?そうだな…“トランプの束を指で引きちぎる”とか“エンジンを拳1発で破壊した”とか“敵の本拠地に単身乗り込んで壊滅させた”とかだな」

 

「それがよ全部ホントだったみたいだぜ?」

 

「嘘?いやいや、あの人は絶対嘘つかねぇよ」

 

「あぁ、絶対だ。命を掛けてもいい」

 

「あの人は真面目だからな。優しいし。あの人ほど誠実な人見た事ねぇよ」

 

「あん時話したのはそんぐらいだったかな……」

 

「……で、そう!最後によ!今でも人生で2番目に嬉しかったことがあったんだよ!」

 

「俺舎弟になったからよ、花山さんの部屋まで荷物持って行ったんだよ」

 

「部屋まで送って、俺も自分の部屋に帰ろうとした時によ…」

 

『じゃあな……大地』

 

「って言ってくれたんだよ…………」

 

「いや、もう、なんつーの?…すげぇ嬉しかった」

 

「部屋に帰ったら涙出てきたしな。感極まるってヤツ?」

 

「それで、この人に一生ついて行こうって思ったね」

 

*1
石崎、キレた!




これでまず石崎は攻略出来たね♡

口調これで合ってる?花山口数少なすぎて難しいわ。

ヒロインは誰?

  • 清純派龍園ちゃん
  • 黒ギャル系アルベルトちゃん
  • ツンデレ石崎ちゃん
  • ハゲ系葛城ちゃん
  • クール系綾小路ちゃん
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