実力=握力=花山最強   作:たーなひ

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握撃有識者ニキ、刃牙人外軍団考察ニキ、刃牙世界医者レベル考察ニキ、協力感謝致します。
このSSに“ギャグ”タグをつけておいて良かったなと思いました。だってもし治っても「ギャグだから!」って言い訳出来るもん。
頭潰されて2日後には復活してそう……(小並感)


五の拳

 

四月も終わりに近づき、残すところ一週間程となった頃の放課後の教室。

 

「どうでした?今日の小テスト」

 

椎名が花山と石崎に問いかけた。

 

『小テスト』というのは三時間目の数学の授業でやらされたテストの事で、数学のテストではなく主要五科目のテストといった感じだった。

その内容は殆どが中学生レベルの問題ばかりで、態々小テストでかくにんする必要のない難易度のものばかりだった。

 

「半分ぐらいは解けたぜ?」

 

「殆ど中学生の時に習うような問題ばかりだったと思うんですけど……」

 

「うるせぇよ。中学ん頃は全く勉強してなかったから仕方ねぇじゃねぇか」

 

そう。実はこの石崎、まじめに授業を受けており、中学の頃と比べて飛躍的に学力が上昇していた。

 

その理由は花山にある。

 

まず花山が真面目に授業を受けていること。

花山は遅刻も私語も居眠りもせずに黙々と授業を受けているというのに、唯一の舎弟である自分が授業を疎かにしていれば花山の名に傷が付く。

 

さらに、授業を真面目に受けているということは、必然的に花山の学力もそこそこ高いということになる。

先程と同様の理由だが、花山がどれだけ頭が良くとも、舎弟である自分がバカだと舐められる。

 

故に、今の石崎は石崎史上最も学力が高い石崎となっているのである。

 

 

「花山くんはどうでしたか?」

 

「…………………………」

 

会話の矛先を向けられた花山は、ズレてもいない眼鏡を触りながら、覚悟を決める。

 

「花山くん?」

 

「……………実はーー」

 

「ーー何言ってんだよ椎名。あんなに真面目に授業受けて予習までちゃんとやってる花山さんが全然出来なかったはずないだろ」

 

「それもそうですね」

 

「………いや」

 

「そうですよねぇ?花山さん」

 

「……………………………あぁ。もちろんだ」

 

「「おぉー……」」

 

……言えない。半分も分からなかったなんて……言えない。

 

 

 

「よぉ花山、随分楽しそうじゃねぇか」

 

彼らの会話に水を差すーー花山にとってはある意味助け舟だがーー声。

 

「んだよ龍園、花山さんになんか用か?」

 

「テメェに用はねぇよ。雑魚はすっこんでろ」

 

「んだとテメェ!」

 

龍園の煽りに怒り心頭と言った様子で龍園に近づく石崎だったが、その歩みは一人の生徒によって阻まれる。

 

「……………」

 

「お前……アルベルト!」

 

入学初日に石崎と同じように龍園に歯向かって行った男、山田アルベルトが石崎の前に立ちはだかったからだ。

 

「なんで邪魔すんだよ!オイ!どけよ!」

 

石崎の声に全く動きを見せないアルベルト。

梃子でも動かないつもりのようだ。

 

「………アルベルト、やれ」

 

「…!…石崎くん!」

 

椎名がいち早く龍園の言葉の真意に気付くが、もう遅い。

既にアルベルトは攻撃体勢に入っていた。

 

そして無防備な石崎の顔面にアルベルトの大きな拳が突き刺さり、机を巻き込みながら吹き飛ばされる。

 

「キャァァァ!!」

 

突然の喧嘩に女子から叫び声が上がった。

 

「だから言ったろ、すっこんでろって。……とは言え、少しやり過ぎだアルベルト。せめて傷が見えない腹にしておけ」

 

「………」

 

こくりと頷くアルベルト。

 

「大丈夫ですか?石崎くん!」

 

「っ…あぁ、なんとかな……」

 

椎名が吹き飛ばされた石崎の元へ駆け寄る。

常人なら気を失っていたであろう一撃だったが、喧嘩慣れしている石崎は気を失わずに済んでいた。

 

「どうしてアルベルトくんが………」

 

当初は龍園に歯向かって拳を振るっていたから荒々しい性格なのかと思っていたが、実際には温厚な性格であることがこの三週間で分かった。

見た目に似合わずそれほど喧嘩好きでは無く、比較的優しい性格の持ち主であることも。

そんな彼がこんなふうに理不尽に暴力を振るうというのはこの三週間見てきた限りでは初めての事で、これまでの印象からは大きく外れる行動だ。

 

そんな椎名の疑問の声に龍園は愉快そうに答えた。

 

「コイツは俺に屈したのさ。俺の“暴力”にな」

 

アルベルトは俺に屈した。だからアルベルトは俺に従っている。

そう龍園は言っているのだ。

 

「嘘つけ!アルベルトがお前に負ける訳がねぇ!」

 

石崎には自信があった。

入学式の時の龍園との喧嘩と今のアルベルトのパンチから考えれば、龍園がアルベルトとの体格差をひっくり返す事が出来るとは思えない。

事実入学式の時に龍園は一度負けているのだから。

 

だがそれを龍園は愉快そうな笑みを浮かべながら否定する。

 

「言っただろ?喧嘩だけが“暴力”じゃねぇって」

 

なるほど……と椎名は理解した。

どんな手段を使ったのかは分からないが、入学式の時に言った言葉の通り喧嘩以外の暴力を使ってアルベルトに勝利したという事なのだろう。

 

「さぁ、どうするよ花山。手下が一人やられちまったぜ?」

 

愉快そうに笑う龍園。

事態を静観していた花山だったが、ついに腰を上げた。

 

それを見ていた生徒ーー金田ーーが、ハッと思い出したように叫んだ。

 

「せ、先生を!先生を呼びましょう!」

 

入学式の時は全く動かなかったが、今なら動ける。有り体に言えば少しだけ慣れたのだ。

 

花山が暴れ出せば、龍園もアルベルトも無事には済まないだろう。思い出すのは背中に刻まれた傷痕と刺青………下手をすれば殺されてしまうかもしれない。

それを止める術を持つ生徒はこの教室には居ない。となると頼れるとすれば教師のみである。

 

そう考えた金田だったが、その目論見は二人の生徒によって潰える事となる。

 

「小宮に近藤!?」

 

「悪りぃが、事が済むまで大人しく待ってて貰うぜ」

 

そう言ったのは二つあるうちの一つの出入口を塞ぐ小宮。

もう一つには近藤が立っており、これで出入口は完全に塞がれた。

 

「頼むからどいてくれ!」

 

「どかねぇよ。諦めな」

 

一人の男子生徒が懇願するがとりつく島も無く却下される。

 

 

「……さて、これで舞台は整ったな。どうする?花山」

 

「は、花山さん…!」

 

心配そうな声を出す石崎に、花山は眼鏡を外して放り投げる。

 

「……大地、コレ預かってな」

 

「……!ウス!」

 

眼鏡を石崎に渡してアルベルトに向かい合う花山はすっかり臨戦体勢に見える。

 

「……………やれ」

 

「Yes,my boss」

 

グワッとアルベルトの巨大な拳が引き寄せられ、花山の顔面に向けて振るわれたーーー。

 

 

 

当時の様子を近藤はこう語った。

 

「俺と小宮はホラ、普通に龍園さんに負けた訳ですからアルベルトの強さはあんまり知らないんですけどね」

 

「龍園さんは普通に強かったですよ。ボッコボコにされましたし」

 

「その龍園さんより強いってんだから、アルベルトだって相当な化け物の筈ですよ」

 

「まぁ、あのガタイですしね……」

 

「花山さんですか?まぁ、背中のアレを見たら強いってことぐらいは分かりますよね。もちろんガタイもそうですけど」

 

「で、アルベルトのパンチを顔面にモロに受けた訳なんですけど…………」

 

『……………………』

 

「まっっったく動かなかったんです。みじろぎ一つしてませんでしたね」

 

「いや、アレは絶対全力のパンチでしたよ」

 

「石崎の時よりもスピードがあったようにも見えましたし」

 

「みんな『は?』って顔してました」

 

「そりゃそうでしょ。アルベルトのパンチを顔面にモロに食らってみじろぎ一つしないヤツがいるとは思わないですもん」

 

「そっからですか?」

 

「滅多打ちですよ」

 

「あ、いや、アルベルトが花山さんを……です」

 

「殴って、蹴って、叩いてをガムシャラに繰り返してましたね」

 

「薄々分かってたんじゃないですかね?一度攻撃を止めたら次は向こうの番だって」

 

「対する花山さんは、ポケットに手を突っ込んだまんま直立不動でした」

 

「ずっとですよ?」

 

「アルベルトの方もずっと殴ったりしてれば攻撃側にもスタミナ切れが来る訳ですよ」

 

『…ゼー…ハァ……ゼー…ハァ………』

 

「そこでようやく花山さんが動き出すんです」

 

「…と言っても一瞬ですけどね」

 

「蹴りでしたね。足の裏で顔面を前蹴り」

 

「そしたらアルベルトが吹っ飛んだんですよ。しかもアルベルトが石崎を殴った時以上に」

 

「机を巻き込みながら吹っ飛んで行ってたんで、もし机が無かったら壁まで行ってたんじゃないですかね?」

 

「アルベルトですか?多分伸びてましたよ」

 

「鼻血出したまんまピクリとも動かなかったんで」

 

「仰向けに倒れ込んでるアルベルトの所まで行って顔を覗き込んで、伸びてるのを確認した後龍園さんの方へ振り返りました」

 

「そこで龍園さんも攻撃を仕掛けた訳なんですが……」

 

「まぁ、ワンパンでした」

 

「いや、言い方が悪いですね。アルベルトですらもワンパンだったんだからそういう言い方をしたらいけませんよね」

 

「こっちも蹴りでした。アルベルトの時は顔面だったんですけど、龍園さんの時は腹でした」

 

「そんで龍園さんの所に近づいて、こう言ったんです」

 

 

『まだやるかい?』

 

『ゲホッ!!……ガ……つ、強えな……』

 

『………………』

 

『確かに…テメェは強え。化け物の中の化け物だ。喧嘩じゃ勝ち目はねぇ』

 

『………………』

 

『だがションベンしてる時はどうだ?クソしてる時は?どこにいようが、どんな時でも隙を見つけて仕掛けてやる』

 

『………………』

 

『最後に勝つのは俺だ。どんな卑怯な手を使おうともな』

 

『……………それなら』

 

 

「そう言って、ブレザーを開いたんですよ」

 

「こっちからは見えなかったです。というか、龍園さん以外は多分誰も見えてなかったと思いますよ?」

 

「龍園さんですか?見た事ない顔してました」

 

『お……い……。なんだ、そりゃあ…………』

 

『学生との喧嘩の為に、持って来た』

 

『…………は?』

 

『貸してやるから、好きな物を言いな』

 

『…………』

 

「ポカーンとしてましたね。今でもあんな顔見たことありませんよ」

 

『………クッ………ククク……』

 

「突然龍園さんが笑い始めたんですよ。いえ、今までの愉快そうな感じじゃなくて、絞り出した笑い声……みたいな」

 

「それで、次の言葉に俺は心底驚きましたね」

 

『……俺の負けだ』

 

「いや、ホンットにビビリましたよ。あのアルベルト相手に何度喧嘩で負けても決して敗北を認めなかったあの龍園さんが、敗北を認めたんです」

 

『………なるほどな。初めから化け物だとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。……クク、あぁ…そうだな………怖え……な』

 

「何というか、妙に晴れやかというか、スッキリしたような顔でした」

 

『それでどうする?俺を負かして、テメェはどうする?俺に代わって王にでもなる気か?』

 

『…やらねぇよ』

 

『あ?』

 

『ガラじゃねぇ』

 

『……じゃあ誰がやるってんだ?』

 

『そういうのはお前がやりゃあいい』

 

『……何?』

 

『…力を貸して欲しけりゃ、いつでも呼びな』

 

『…………は?え、は?』

 

『大地、ひより、帰るぜ』

 

『ハイッ!!』

 

『あ、はい』

 

「龍園さんも呆けてましたけど、俺も呆けてたんですよ」

 

「一連の出来事が濃すぎてね」

 

「それで扉を塞いでた俺の前に花山さんが来たのに気付いた時は『死んだ』と思いましたね」

 

『ほら、どいてやんな。みんなが通れねぇ』

 

『…あ、ウス!』

 

「だからそう言われた時に、思わず返事しちゃいました。誰一人通すなって指示だったんですけど、しょうがないですよね」

 

「そのあとですか?職員室に行く!って騒いでた奴も、皆真っ直ぐ部屋に帰りましたよ。普通に」

 

「そう、まるで何事も無かったかのようでした」

 




それっぽく書けてる?
わかりにくかったりおかしい点あったら教えてね。

花山と石崎どっちが喋ってるか分からなくなる所があるってメッセージを頂いてるんですけど、どうなんでしょう?
自分はそこそこ書き分けてるつもりなんですけど、もし分かりにくいようなら何かしらの対策は取りたいと思います、

花山と石崎どっちが話してるか

  • 分かりやすい
  • 特に支障は無いから普通って感じ
  • ちょっと分かりにくい
  • かなり分かりにくい
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