「編み物……ですか?」
「うん、編み物。咲夜なら出来るってお姉様が」
紅魔館のとある部屋。暖炉に灯った炎が
今、ソファーに腰掛ける私の目の前には、一応この館の主であるレミリア・スカーレットが妹君、フランドール・スカーレットその人がところなさげに座っていた。
「もちろん出来ますが……もしかして彼へのクリスマスプレゼントですか?」
「うん……忙しかったらいいよ」
素っ気ないながらも、こちらを気遣う言葉。
正直、このお願いは意外でも無かったし、お嬢様からもなるべく見守って、手助けするように言われている。
事の始まりは十数年前、こちらの世界……国と言うべきか? まあ、幻想郷という土地にやって来てから。
その始まりはとある地を掛けた大戦が始まった日であった。
吸血鬼を筆頭にした西洋の妖怪達による、幻想郷という楽園を掛けた戦争。
しかしながら、東洋の者達も粒揃い。
この幻想郷を作り上げた賢者である
結局西洋妖怪達は惨敗、敗残者達は殆どは消滅したりこの地を去りましたが、戦いに殆ど関与しなかった者達を含めて、極わずかな者達は住み着いてしまった。
その極わずかな、に含まれるのがこの紅魔館だ。
「……夜……咲夜? 大丈夫?」
妹様の心配そうな声に、思考の底に沈んでいた私はハッとして反応する。
「ええ、大丈夫です。幸いこの時期は暇が多い方ですので、クリスマスイブには間に合うよう、お教えしましょう」
そう言うと、妹様は昔では考えられない、子供のような笑顔をした。
ああ、恋や愛は、人をこのように変えるのだな。
そんな想いを抱きつつ、早速毛糸と編み棒を探しに物置へと向かった。
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アイツがこの館に来たのは何時だったか、確か咲夜がまだ子供の頃だったはずだ。
東洋妖怪と西洋妖怪の争いが一段落して、
そんな折にやってきたのがアイツだ。
最初は刺客だと思った。
ヴァンパイアハンターか、西洋妖怪の手の物か。
私がこの地の賢者に持ちかけた取引は、大戦を仕掛けようとする妖怪達の情報。それと引き換えに私達は安住の地を求めた。
そもそも、