「ここで集合の筈なんだがな・・・」
俺の名はセイジ。紅いレザージャケットを羽織り、中は黒のTシャツ。下は緑色のポケットが多いカーゴパンツ。年は22になった。しがない青年だ。顔は・・・まぁ、それなりだろう。
今、俺は買って未だ二年しか経ってない黒いセレナの運転席にて煙草を吹かしながら、遊ぶ約束をした待ち人である五人が来るのを今か今かと待っている。
街中の喧騒の中、愛車を止めて人目を気にせず、煙草を吸っているが、人々の俺に対して送ってくる突き刺さる様な視線は正直に言えば辛い。
集合場所を街中にした俺も確かに悪い。30分以上早く集合場所に着いたのも、確かに俺が悪い。
(だが、流石に早く着過ぎたかねぇ・・・?)
煙草を半ば程まで吸い、何度目になるか分からない肺に溜まった紫煙を吐き出しながら、長時間の運転により凝り固まった肩を片方ずつ、グルグルと回しながら首を傾け、ゴキゴキと骨を鳴らしながら座ったまま背筋を伸ばし、伸びをして疲れを抜こうと軽く動く。
「ふあぁっ・・」
「あー・・すまん、お前がセイジ・・・か?」
「んぉ?ああ、俺がセイジだ。あんたは・・・カイか?」
ついつい出た欠伸を噛み殺さずに、目尻から出た涙を自身の着ている紅いレザージャケットの袖で乱暴にゴシゴシと拭っていると横から若い青年に声を掛けられ、そちらの方向に振り返る。
そこには、黒いジャケットを着込み、中には青いロングTシャツ。下は紺色のGパンを履いた優しげな雰囲気を放つ青年がセレナの開けた窓に腕を掛け、此方の名を尋ねてきた。その為、偽る必要もない俺は、そうだと肯定した後、青年に向けて此方も名を尋ねてみる。
「ああ、俺がカイだ。直接会うのは始めましてだな。セイジ」
「おう、宜しくな」
互いに窓越しに握手をして、俺は助手席に乗るようにカイに促してカイはソレに頷き素直に反対側の助手席ドアを開け、中に入る。
「やっぱセレナ広いな」
「ああ、ローンだが新品で買って良かったぜ。意外とパワーもあるぜ?」
「オートマか?」
「ああ、それしかなかったからな。あればマニュアルを買いたかったが・・」
少々、いや、かなり残念だったが・・・ないものは仕方ない。フィルターギリギリまで吸った煙草をドリンクホルダーに設置した灰皿に押し付け、火を消して再びカイと言葉を交わす。
「待つか」
「そうだな」
~青年待機中~
「よーし、野郎共。全員揃ったな?」
「ああ」
「だねぇ」
「ですね」
「・・・コクッ」
「おう、相棒。で、何処に行くんだ」
「決まってるだろ?幻想郷を探す。これに尽きるだろ」
「だよなww」
全員が愛車に乗り込んだのを確認した俺は、シートベルトを付けながら後部座席より身を乗り出して楽しげに俺と会話する男、マコトにニヤリと笑いながら返答する。すると、奴も語尾に草を生やす様な、さも楽しげな感じで笑いながら後部座席へと引っ込む。
「んじゃ・・・聞くまでもねぇが、行くか・・・っ!」
「「「「「おう!/はい/ええ/行こうぜ!/・・・」」」」」
各々の思い描く様な返事に俺は頷き、キーを回して車のエンジンを掛け、アクセルを力強く踏みしめて想いを馳せた地へと、たどり着くはず等ないが・・・それでも一時の良い暇潰しにはなる程度の気持ちで、仲間との楽しい時間を想像し、笑みを深くしながら加速する愛車と仲間達と共に暇潰しのドライブへと出発した。
「オッシャ!!まずは剃刀ドリフトォ!!」
「やめてぇぇぇっ!?」
だからまずは愛車で道行く道をブッ飛ばして走るのもありだよな?
~青年爆走中~