東方六雄伝   作:紡ぐ者

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遅れまして、申し訳ございません。仕事が忙しかったのと、空き時間は殆ど、友人達と一緒にBF3にて戦場を彷徨っていました。長話は好きではないのでこれにて。それでは、第3話です。


3話

セレナの車窓から流れていく風景を眺めながら、目的地に着くまでに小腹が減った俺達は、道中、腹が減った時とかに食おうと思って取って置いていたダッシュボードの中にあるチョコレート味の携帯食料を全員に配り、封を切った携帯食料を片手で貪りながら、俺は渋面を晒して呟く。

 

「・・・可笑しい位に車がない・・・。嫌な予感がするな・・・」

 

「何だろうな、ここらへんで特に仕事が入っていた様子はないはずだが・・」

 

「キョウ、後ろにギターケースはあるよな?」

 

「ああ、あるぞ」

 

「じゃあ何かあっても問題はないな・・」

 

俺達の今生きている世界、この世界では全世界の経済崩壊により各企業の大規模ストライキ、更には国民の大規模デモが相次いで多発。紛糾する国民に積極的な支援を行う企業に、何も支援も行わない政府。その対応の違いにより、抑え切れなくなった各企業間と国民、政府側との軋轢により国家解体戦争が起こった。その際に、俺も政府側の兵士として戦争に参加した訳だが、あの戦争は酷かった。

 

何が正義で、何が正しいのか、何が悪いのか、何の為に戦っているのか?それすらも分からなくなる程の惨い戦争だった。戦争が終了してもう2年程経つが、治安は未だに良いと言いきれない。

 

その戦争当時の装備が、セレナの後ろに置いてあるギターケースに最低限度ながら収まっている。戦争は終了しても各国民の生活水準まで経済崩壊前に戻ったわけではない。故に、強盗や殺人、窃盗も戦争以降も未だに多く、今の法律によって自衛の権利が各個人に保障されている。勿論、それは武器の携帯所持や武装、武力行使の許可も含まれている。

 

よって、襲われたら気兼ねなく引き鉄を引いても良いって事だ。交戦規則(R.O.E)は撃たれたら撃ち返せ。って所か。

 

「一応、念の為だ。キョウ、ギターケースからM1911A1(コルト・ガバメント)と予備のマガジンを3本俺に渡してくれ、頼む」

 

「分かった。少し待て、私も嫌な予感がしてきた・・・薬室(チャンバー)に初弾は送り込んでおくか?」

 

「いや、そこまでは良い。一先ずはセーフティーを掛けた状態でいいから渡してくれ」

 

俺の要求に素早く行動を開始したキョウが、後ろにあるギターケースを軽がると手繰り寄せ、ジッパーを下に下ろしていく。その様子を後ろのガサゴソと物を漁る音で判断し、警戒しながら目的地へと更に車を走らせていく。

 

「なんだよ?銃なんか出して。また戦争でもするつもりか?相棒?おまえの股間のモッコリも抜くのか?」

 

「茶化すな。唯の用心だ。まぁ、何事もないとは思うがな。それと俺のはモッコリじゃねぇ。44マグナムだ」

 

「おい、その汚ぇニューナンブしまえよ」

 

「あぁん、ひどぅい」

 

「兄貴も帰って、へいどうぞ」

 

「アハハハハハ!」

 

「クスクス・・・」

 

車内の雰囲気が固く緊張し始めたのを見兼ねてマコトが冗談を交えつつ俺をからかい、ドヤ顔を晒しながらふざけきって返答する俺に、毒舌を含めた鋭いツッコミを入れるカイの何時もの様子に、表情が固まっていた他のメンバーの表情が柔らかくなり、自然と笑みが毀れ、雰囲気が先程の朗らかな様子へと戻っていく。

俺のマグナムがニューナンブと称されて、酷いと某パンツレスリングの兄貴的なふざけたボケで返すと、今度は冷静になったマコトに帰れと言われてしまった。

 

流石にそれはカチンと来た。これ、俺の車なんだがねぇ?それ忘れてないか?

 

「うるせぇ!終いにはお前だけ置き去りにしてやろうか?!」

 

「あ?!お前行き成り何キレてんの?!」

 

驚愕する相棒を余所に、キレた振りを実行して2人でギャイギャイと騒いでいる何時もの様子のお陰で、更に雰囲気が柔らかくなり今はもう、車内の空気は通常通りの雰囲気に戻っている。

 

「セイジ、弾と銃だ。受け取れ」

 

「ああ・・」

 

その雰囲気の中、ぬっと後方座席から伸びたキョウの手に握られたM1911A1を左手で受け取り、一目でセーフティーが掛かっているのかを確認し、履いているカーゴパンツの左ポケットへと即座にソレを押し込む。ひんやりとした銃身特有の冷たさを、ズボンの生地越しに太腿へ直に感じながら、再び伸ばされたキョウの手に握られた3本のマガジンを、カーゴパンツの左サイドポケットへと差込み礼を言う。

 

「すまないな」

 

「何、この程度の事で気にするな」

 

気にした様子が皆無のキョウの言葉に甘え、丁度、差し掛かった急なカーブをハンドルを巧みに操り、減速する事無く進行していた矢先、車道のど真ん中、正に目の前に突然、人型の『何か』が現れ

、セレナの進行上にボーっと立ち尽くしている。周りに生えている木から生じた木陰のせいか、後姿が良く見えず、どの様な服装かも分からないが、人らしき『何か』が立っていた。

避けてそのまま行こうにも、車道は狭く、避けよう物ならガードレールを突き破って崖の下に落ちるか、森林地帯に突っ込んで爆発炎上でデッドエンド。急ブレーキするしか手は残されていないと咄嗟に判断し、呆けている他のメンバーに怒鳴りながらハンドル握り締め、即座にブレーキを踏み込む。

 

「危ねぇ!ブレーキ踏む!かなり揺れるぞ!!!」

 

「うわっ!?」

 

「?!」

 

全員に心構えも対ショック体制を取る暇すら与えられなかったが、急ブレーキを掛け、祈る様に力強くブレーキを更に踏み込む。

 

「止まれよ、クソッタレ!!!」

 

悪態を吐きながら、必死に車体を横にずらしてドリフトの要領で止めようとも思ったが少しでも車体がずれればどっちみち横転や落下、爆発炎上の結果しか想像できなかった為、途中で止めるもスピードは余り緩まず、そのまま

 

 

 

 

――――ドン!!!!

 

 

 

 

車体が揺れる程の衝撃が俺達を襲い、座席に埋め付けられるかの様な衝撃の後、前方へと身を投げ出され、展開したエアバッグにそれぞれが顔面をぶつけながら、俺はいち早く、撥ね飛ばしてしまったソレへと目をやる。

重い肉塊を俎板へと、乱暴に置いたかの様な辺りに響く音を発して、その『何か』は宙を舞った。撥ねられたにも関わらず、羽の様にフワリと優雅に浮き上がったまま何秒か遊泳飛行を楽しんだ内に、無情にも冷たく固い地面へと叩きつけられた。

 

 

 

 

 




ブランクのせいか。中々、小説の本文を書く際に細かな描写に悩む・・・。なるべく早めに上げなければ忘れそうですね。
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