東方六雄伝   作:紡ぐ者

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メトロのグレポン楽しい。メトロはポンポン戦車がないって?私がポンポン戦車だ・・・・


4話

「ぐっ・・・!」

 

視界を妨げるエアバッグを無理やり腕で下へと押しやり、視界を確保。十数メートル先に人型の『何か』を視界に収めつつ、後方で俺と同じ様にエアバッグを押し退けたり、頭を振ってる全員に声を掛ける。

 

「全員無事か?」

 

「ああ、大丈夫だぜ。相棒の頭にお星様が見える意外はな」

 

「こんな時にふざけてる場合かよ・・。いつつ・・・・」

 

頭をブルブルと横に振りながら、相変わらずのふざけた様子ながら元気な様子のマコトに、カイがぶつくさと文句を言いながら、額を押さえ、眉間に皺を寄せながらのろのろと起き上がっている様子をバックミラー越しに視認しながら、苦笑いを浮かべ、

 

「こいつぁ、重傷だな。誰かメディック呼んでやれ・・・撥ねた奴の様子を見てくる」

 

何時も通りの軽口を返し、外に出て撥ねてしまった野郎の様子を見て来る事を全員に伝え、グワングワンと頭の中で鳴る鐘の音を煩わしく感じつつ、それを振り払うべく自分も頭を振りながら、全員の無事を確認した後に直ぐ様、左手に先程ポケットへと押し込んだM1911A1のグリップを引っ掴み、感触を確かめた後、セレナのドアコックへと手を伸ばし、ふらつく体のまま車外へと出るべく体を座席から起き上がらせる。

 

撥ね飛ばした『何か』を確認するために、力任せに開けたドアから一時的に狂った平衡感覚を頼りに

ドアから足を伸ばして地面を踏みしめた途端、崩れ落ちる様に脱力した肉体に内心舌打ちして、苦悶の表情を浮かべながら、車外へと出た俺はM1911A1のセーフティーレバーを押し込み、持ち手を右手に持ち替えてスライドを引き、初弾を薬室内に装填。これで撃てる準備は完了し、上手く力の入らない右腕でソレをぶらぶらと力なく持ちながら撥ね飛ばした『何か』に向けてふらふらと歩み寄って行く。

 

「あぁ・・クソッタレ。買ったばかりの新車がもう凹んで傷物かよ・・・Fack・・」

 

チラリと見た我が愛車の黒光りしていた美しいボディーは見るも無残に凹み、イカしてた外装は今は如何見ても戦死直前の新兵の様な有様だ。思わず、口から零れ落ちた皮肉と、湧き上る怒りの感情から漏れ出た悪態を盛大に吐きながら、徐々に回復してきた平衡感覚がまともに歩行する事を漸く許してくれた頃、此方に背を向けて横に倒れこんでいるその『何か』に視線を奪われる。

 

「んだ。こりゃ・・・?着ぐるみ・・・?な筈ねぇわな。この質感だと・・。嫌な予感がしてきたぜ」

 

路上に横たわっている服すら着ていない黒い肌で全裸の人型の『何か』。人間にしては、体格がかなり大柄で、背中側しか見えていないが、見る限りでは骨格も一般人に比べたら明らかに強靭なソレの肉体と、かなり減速したとは言え、車に撥ねられたと言うのに微塵もダメージを受けた様子が見られない『何か』に呆気にとられながら、ジリジリと首筋に奔りだした嫌な予感が当たってきたぞとでも言うかの様な痺れる様な感覚に嫌な既視感を覚え、完全に回復した肉体と本能の警鐘に従い、即座にM1911A1を以前力なく横たわっている『何か』へと両腕でシッカリとM1911A1を構え、躊躇いもなく向ける。

 

M1911A1の改良されたアイアンサイト越しに見つめている背中は依然として動く気配はないものの、注意深くソレへと、両腕で構えたM1911A1を突き付けながら、俺は足を素早く動かし、そいつの間近へと寄る。

 

「・・・・下手な真似したら撃つ。これは警告ではない。事前申告だ」

 

横たわる『何か』に当初、息があったら救助しなくてはとすら思っていたが、今ではその考えすら浮び上がっては来ない。コレは危険だ。得体が知れないが、漠然と理解は出来る。

冷徹とも思わせる様な声音でソレに向けて警告を告げ、照準をソイツの頭に合わせる。

 

 

だが、嫌な予感が胸の内をのたくる様に動き回り、首筋は痛みを伴う程、ジリジリと焼け焦げる様な感覚を絶え間なく送り、焦燥感を俺に与えてくる。

 

この嫌な既視感には覚えがある。嫌、有り過ぎる位だ。この嫌な既視感の正体。それは・・・

 

 

 

 

 

 

【俺が戦場で追い詰められた時と同じ感覚だ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウ”アァァァァァァッ!!!!!!」

 

「っ!?」

 

ピクリとすらも動かなかった『何か』から獣の威嚇する様な盛大な叫び声に思わず竦み上がり、動揺してしまった事によって生じた隙に、すかさず『何か』はガバリとその体格からは考えられない様な俊敏さで撥ねる様に起き上がると、即座に此方に振り向き、俺へと覆い被さってきた。

 

その俊敏さに更に驚愕しながらも、今まで実戦で培ってきた感覚と反射の域へと達した反応が、俺へと向かって来た『何か』へと、外れてしまったM1911A1の照準を一瞬で胸元へと持っていく。

アイアンサイト越しに見えた『何か』の顔は人間の形を残しながらも、理性を感じさせぬ濁った暗い瞳を血走らせ、その顔は猛獣の様な獰猛さを隠しきれずに犬歯を剥き出しにして、俺を殺さんとばかりに大口を開けて此方へと襲い掛かってくるその様は人の形をしていながら人と呼べぬものだった。

 

向かって来たソイツは両腕を振りかぶり、俺へと殺意を漲らせ、今正に殴りかかろうと力を込めた瞬間だったのだろう、その時には『俺はもう行動を終了していた。』

 

 

 

 

 

――――パァン!パァン!パァン!!

 

 

 

 

俺は構えたM1911A1のトリガーを3度連続で引き、その直後に訪れる3回の反動を手馴れた手付きで完璧に受け流し、油断なく再び銃口を突き付ける。遠くまで鳴り響く乾いた3発の銃声と共に放たれた弾丸は寸分違わず『何か』の胸部を貫く。

勢いを殺せず、俺へと凭れ掛かって来た『何か』はマン・ストッピングパワーが高い45ACP弾の直撃を三度も急所に受け、グッタリと脱力した常態で俺へと凭れ掛かったままゴプリと口からどす黒い血液を吐き出す。

 

それでも尚、殺意を宿らせたその瞳は俺を殺さんとばかりに睨みつけ、力なく震える片手を掲げ、俺へと殴りかかろうとしている。俺はそれを冷めた目で見ながらM1911A1の銃口を相手の胸部へと押し付け、トリガーを二度引く。

 

 

 

―――パァン!パァン!

 

 

 

零距離で放たれた銃弾に『何か』の体は凭れ掛かった俺の体から浮かび上がる様に、銃撃の衝撃で二度大きく跳ね、今度こそ完璧に息絶え、口から盛大に吐血してその濁った瞳から生気の光が失われた。

 

俺は死体を乱暴に路上へと投げ出し、溜息を1つ吐き出して、ポツリと独り言の様に死んだソイツへと告げた。

 

「・・・・許せとは言わない。事前に行った筈だ。下手な真似をしたら撃つ、とな・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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