「——やあ、
「——おう。すまんな待たせて」
「大丈夫だよ。私も五分くらい前に来たばかりだから」
「そうか、良かった。……それにしてもひさびさだな。一ヶ月ぶりくらいか?」
「ほんとだ。よく考えたらそうだね……あまり頻繁に会いすぎるのもお互い大変だろうし、これくらいの頻度がちょうど良いかもしれないね」
「だな。どっちもそこまで口達者じゃないし、毎日会うようじゃ、話すこともなくなるだろうしな」
「ふふっ。たしかに」
「しかし、会うときはいつもここだが、
「良いの良いの。ここのカフェ、気に入ってるから。お客さんも少ないし、なによりほかの席との間隔が広い。——わたし、他人に自分の話を聞かれるのがあまりすきじゃないから」
「……そか。なら良いんだ。——それじゃなにか頼むとするか。もう頼むもん決めてあるか?」
「うんっ。わたしはブレンドコーヒーとモンブラン」
「モンブランか、良いな。俺もそれにしよう——すみません。ブレンドとモンブランを二つずつ、お願いします」
* * *
「——さて、なにから話そうか」
「ふふっ。会うたびに開口一番それ言うよね」
「く、口下手だからコミュニケーションのはじめかたが得意じゃないんだ、許してくれ」
「わかるわかる。わたしも会話の口火の切りかたがぜんぜんわからないんだよね。いっつも困っちゃう」
「まあ、互いにおしゃべりとは正反対だからな。——とにもかくにもだ。その、最近はどうだ?……学校とか、ごらく部とやらとかは」
「比企谷くん、なんだかお父さんみたいだね。——学校はいつもどおりかなぁ。勉強はもとから嫌いじゃないし、運動も苦手ではないからね」
「陸上部に勧誘されるだけの運動神経をもってして、運動は苦手ではないと」
「か、からかわないでよ。まあ、運動は得意な分野もあるにはあるけど、オールラウンダーってわけでもないから」
「からかったつもりはなかったんだがな……なるほどなぁ。それで、ごらく部とやらは?」
「うんっ、とってもたのしいよ。わたしにはもったいないくらいにはね。みんな良いこだし、あっちから話しかけてくれるから、寡黙な自分にとってはうれしいね」
「ふむ……じゃあ、この一ヶ月、元気にやってたわけだ」
「ふふふっ。ほんと、単身赴任先から帰ってきたお父さんみたいだよ」
「からかうなからかうな……まあ、たしかに自分でもお父さんみたいな尋ねかただったとは思うけどな……」
「——それで、比企谷くんは?」
「ん?」
「比企谷くんはこの一ヶ月、どうだったの?学校とか、奉仕部とやらとか」
「そうだなぁ——」