比企谷八幡と船見結衣の会話   作:風吹18号

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「ひさしぶり、比企谷くん。待たせちゃったかな?ごめんね」

 

「いや、さっき来たところだから大丈夫だ。まだ十五分も前なのに、船見も来るのが早いな」

 

「この前も待たせちゃったからね。結局また遅れちゃったけど」

 

「集合時間より早いからまったく問題ないけどな——それにしても、その、だな、きょうも似合ってるな、服。いつも以上に似合ってる気がする」

 

「ふふ、ありがとう。私服でスカートはめったに履かないけど、今日は着てみたの。褒めてくれてうれしいな」

 

「フレアスカートっていうのかな。上品で女の子らしいと思う。ああ、気持ち悪くてごめん」

 

「ううん、うれしいよ。妹さんにアドバイスされたの?」

 

「服の褒め方もそうだけど、エスコートの仕方までレクチャーされたよ。完全にデートと思い込んでやがる——でも、似合ってるのはほんとうだからな」

 

「えへへ、ありがと。きょう行くミニシアターはここから電車で三〇分くらいかかるけど、大丈夫かな?」

 

「まったく問題ないぞ。きょうはどんな映画を観るんだ?」

 

「着いてからのおたのしみということで。なにを観るかいろいろ悩んだけど、比企谷くんがすきそうな映画かな」

 

「それはたのしみだな」

 

「期待しすぎないでね。持ち上げておいて、期待値以下だったときに申し訳ないから」

 

「了解」

 

* * *

 

「ふぅ、着いたね。比企谷くん、ありがとうね」

 

「どうしたんだ?」

 

「車内であえて話しかけないでくれたでしょ。わたしが自分の話を他人に聞かれることが苦手だから。気を遣ってくれてありがとうね」

 

「まあ、電車のなかで話すのは多少迷惑だし、そもそも三〇分も会話を続けられる自信がなかったからな」

 

「それでもありがとう」

 

「船見はよくお礼を言ってくれるな。どういたしまして——それで、ここがミニシアターか。ほんとに街のなかにポツンとあるんだな」

 

「ワクワクしてきたよ。上映時間から逆算してここまで来たから、ちょうど良い時間だ。さあ、なかに入ろう——」

 

* * *

 

「おお、今日観るのは邦画か。しかもこれ結構昔に流行った映画だよな」

 

「比企谷くん、邦画の方がよく観てるから、この映画が良いと思ってね。あ、もしかして観たことある?」

 

「いや、観たことないぞ。ちょうど気になっていた映画だ」

 

「良かった。学生二枚お願いします——」

 

「これくらい払わせてくれ」

 

「いやいや、自分の分は自分で払うのが、自然にできた私たちのルールでしょ。映画のチケットくらい払えるから大丈夫だよ」

 

「船見が良いならそれで良いんだが——まあ、この前作ってくれたコーヒーとクッキーのお礼はいつかさせてくれよ」

 

「律儀だね、了解——さあ、映画を観ようか」

 

* * *

 

「——ミニシアターって、良いな」

 

「だよねだよね!なんというか、映画館自体は小さいのに、なんだか贅沢をした気分になれたよね」

 

「そうそう。小さい分、客の数も少ないし、より集中して映画を観られることができたよな。映画自体も面白かったし、ミニシアターの醍醐味が知れて良かった。ありがとうな、船見」

 

「わたしもたのしかったな。また機会があれば一緒に観に行かない?」

 

 

「もちろん——さて、午前中に映画を観終わったわけだが、これからのことを考えていなかったな。どうしようか?」

 

「とりあえずお昼ごはんにしよっか」

 

「そうするか。どこにしよう——」

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