「——だいぶ全体の計画ができてきたね」
「……うん。もうちょっと練ったら、あとは行くだけなんだが……その前になぁ」
「?どうしたの?」
「小町経由と言いつつも、両親には連絡しないといけないから、ちょっとな……——その、異性のどころか友人自体一人もいなかった俺が、ほんとうのともだちと二人で出かけるって話したら、あれやこれや詰問されそうな予感しかしなくてな」
「な、なるほど……?」
「結衣はなんて言うつもりなんだ?親御さんに」
「私はもう電話で伝えたよ」
「……え?」
「いやぁ、たのしみすぎてね、フライング気味に友達と釣りに行く予定なんだぁってお母さんに先に話しちゃった」
「……そそそうか、なるほどなぁ……『ともだち』と行くって伝えただけだもんな——うん、大丈夫、なにも問題がないな」
「仲の良い『異性のともだち』と計画練って行くんだって話したよ」
「……ほ、ほほう。なるほどなぁ……お、親御さんはそれでなんておっしゃってまし……?」
「前々から八幡くんの話は電話でよくしてたから、その、うん……オールオッケーだって。たのしんできてって」
「あっうん。さ、さいですか……なるほどなぁ……」
「は、八幡くん。さっきから『なるほどなぁ……』って連呼してるように思えるけど……」
「……すまん、ちょっと疲れてるのかもしれん。なんかあたまがフワフワする……」
「あ、そっそうだよね。八幡くん寝不足なわけだし——ほんとごめんっ!そんなときにいろいろ喋らせちゃって!気が利かなくてごめんね……」
「い、いや、違うんだ。なんだかよくわからない感情が入り混じって、不思議な気持ちで、眠いだけなんだ。つまり眠い、うん。問題がない」
「八幡くん……きょうはおうちで休も?やっぱり疲れてると思うよ……」
「……かもな。いろいろと、こころの内を暴露して話を聞いてもらったり、なにやら結衣の親御さんに俺の存在が……いや、なんでもないんだ。——そうだな、結衣。きょうはごめん。ちょい家に帰って寝てあたまを休めるわ」
「うん……ごめんね、ほんとに」
「結衣はなんにも悪くない。……その、結衣が俺に言ってくれたことと同じように、結衣と出会ってから、結衣は俺に良い影響をたくさん与えつづけてくれている。だから——ありがとう」
「えっ……」
「まだあたまがクラクラする……じゃあ、会計して解散するか。すまんな、きょうは」
「う、ううん——その、送らなくて大丈夫?」
「ああ」
* * *
「お大事にね……八幡くん」
「おう、せんきゅ。帰ったらすぐ風呂入って寝るわ」
「うん……」
「次いつ会うかとか、釣りの細部の計画とかは、また連絡して決めよう——寝不足は俺のせいだし……その、寝不足だけではない理由みたいなのがありそうでな……まあ、ぜんぶ俺の過失だ。結衣が呵責を感じなくていい。だから……また会おう」
「……うんっ!またね!気をつけて!」