比企谷八幡と船見結衣の会話   作:風吹18号

38 / 40


「——いやぁ、ひさしぶりに八幡が熱弁してる姿を見たかもしれない。ふふっ」

 

「恥ずかしい……」

 

「マックスコーヒーをアピールする八幡を思い出したよ」

 

「更に恥ずかしい……」

 

「ミラノ風ドリアを力説する八幡と重なって見えたよ」

 

「なおのこと恥ずかしい……ってなにかお互いこの会話たのしんでないか」

 

「わたしはいつでも八幡との会話をたのしんでるよ」

 

「俺もだけどさ」

 

「んんっ!……そこは『かてて加えて恥ずかしい……』と言うところだよ」

 

「難しいことば知ってるなぁ……結衣はえらい」

 

「恥ずかしい……」

 

「つーかその歳でおいしいコーヒーを淹れられて映画も詳しいとか才女なのか?」

 

「層一層恥ずかしい……」

 

「その上勤勉で知識も豊富ときた。才色兼備の権化なのか?」

 

「なおなお恥ずか………え?」

 

「ん?」

 

「………」

 

「………あっ………」

 

「………」

 

「………嘘は言ってない」

 

「………八幡顔真っ赤」

 

「結衣もな………」

 

「………こ、ここ暑いしそろそろ外出よっか」

 

「おう………」

 

* * *

 

「朝に映画観たからまだまだ外は明るいね」

 

「そうだな、むしろ店内の方が涼しかったかもしれん」

 

「でもさっきそこを暑くさせたのは誰だったかな……?」

 

「なんのことだろうか、さっぱりわからん……——さ、さて、この後どうする?」

 

「とぼけ方がうまくなったね八幡……んー、そこまで考えてなかったや、ごめんね」

 

「腹は減ってるか?」

 

「いや、そんなにかな。朝いっぱい食べたし。八幡は?」

 

「俺もそこまでは。……じゃあ、そのだな………——服、買いに行くの付き合ってくれないか?」

 

「え?」

 

「そんなに意外だったか……小町にいろいろコーディネートやなんやらを教えてもらっているんだが、どうにもまず服が足りなくてな……一着なら買えそうだから、トップスだけでも結衣に見繕ってもらえないかと思って」

 

「わ、わたしでいいの?それこそ小町ちゃんに見てもらった方が……」

 

「それも手だが、そもそも結衣と遊ぶためのコーディネートなんだから、結衣に服を選んでもらうのが順当だと思ってな」

 

「………へへっ、こそばゆいですな」

 

「………そこはまた『恥ずかしい……』で始まるループでは?」

 

「は、八幡っ!」

 

「す、すまん!ちょい魔が差してからかってしまった!」

 

「もう………ちょっと怒ってしまったので、罰として八幡にもわたしの服を見繕ってもらおうかな」

 

「え?」

 

「わたしと同じ反応とは……わたしも八幡と遊ぶためにコーディネートしたいから、一着選んでほしいな。………ダメ?」

 

「ダ、ダメではないんだが……俺、センスないぞ?」

 

「センスは関係ないよ。だって八幡といるための服だから、八幡が良いと思うものがわたしたちの『正解』でしょ?」

 

「……わかった。自信はないけど頑張るわ。……しかしなぁ」

 

「?」

 

「ぜんぜん罰ではないんだが、これ……むしろ結衣の服を選べるとかめちゃくちゃうれしいけど………」

 

「………」

 

「結衣?」

 

「………は」

 

「は?」

 

「恥ずかしいぃ……」

 

「えっ!……結局このループに陥る運命だったのか……?ゆ、結衣が本気で照れるタイミングがわからない………——」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。