IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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ナデシコのDVDをBGM(?)に執筆中。数年ぶりに視るナデシコはやっぱ最高やでぇ…!
ルリは束さんに育てられたからという理由で毒舌少な目にしてたけど、環境に慣れてきたという理由でもうちょいはっちゃけさせても良いかもしれぬ。今話で友人も出来る事だし、いい機会?


第10話 私の初めての友達

 ルリです。サブタイでバレバレですけど、今回で私にお友達が出来ちゃいます。どこまで私の事を話すか迷ったけど、別に隠す事でもないし訊かれたら答えちゃいます。話の勢いって大事だし、お母さんもそんな感じだし。じゃ、本編です。

 

 

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---side ルリ---

 

 整備室に着いたら、眼鏡をかけた知らない女の人がいました。まぁ私が知ってる人なんてクラスの人達以外は先生しかいないんだけど。

 もしかしてお邪魔かな?ちゃんと聞いときましょう。

 

「あの、ここ使ってもいいですか?」

「あ…ど、どうぞ……」

 

 許可も貰えたし、早速オモイカネを展開させます。そう言えばオモイカネを展開させるのって、IS学園では初めてかも。編入試験もパスでしたし。

 

『オモイカネ。調子はどう?』

『私はいつも通り。ルリこそ、慣れないとこで大変じゃない?変なお兄さんとお姉さんも出来たし』

『お母さんで慣れてるから大丈夫』

『束と比べたら誰でも大したことないよ…ところで、さっきから見られてるけど』

『え?』

 

 オモイカネに言われて隣を見ると、さっきの眼鏡の女の人がじーっとこっちを見てました。やっぱし迷惑だったのかな。

 

「やっぱり邪魔でしたか?」

「え? ううん、そうじゃなくて……さっきからそのISを見てるだけだから………何をしに来たのかな、って…整備しに来たんじゃないの…?」

「整備に来たんじゃないですから」

「じゃあ、何を?」

「この子とお話をしにです」

 

 そう言ってオモイカネを見上げます。

 

「この子って…もしかしてそのISの事? ISと話なんて出来るわけ…」

「私、話せますから」

「………え?」

「私はこのIS、オモイカネと話せます」

 

 私がオモイカネとお話が出来る事を伝えると、お姉さんは驚いて…そう言えばお名前を聞いてませんでした。

 

「あの、お名前を聞いていいですか?私は1年1組のホシノ・ルリです」

「あ……私は1年4組の更識 簪。貴女の事は本音から聞いたから…」

「本音さん?」

「うん。本音は私のじゅ…幼馴染だから…あの、それでホシノさん」

「ルリで良いですよ」

「え?えと…それじゃあ私も簪って呼んで。それでルリ…ちゃん。ISと話せるってどういう…?」

「そのままの意味です」

「確かにISコアには自意識があるって話だけど…話せるって、はっきりと?」

「いえ、はっきりと話せるのはオモイカネだけです。他のISは…感情が伝わるくらいかな?」

 

 お母さんのとこでオモイカネ以外のコアにも話しかけた事もあるけど、ぼんやりとしか話せませんでした。相性の問題かなーってお母さんは言ってたけど、実際はどうなんだろう。

 

「せ、専用機だけじゃなくても話せることは話せるんだ…どうしてそんな事が…?」

「そういう風に造られましたから」

「…………え?」

「私はISと意思疎通が出来るように造られたんです。未完成らしいですけど」

 

 

---side 簪---

 

 ただの好奇心だった。

 あの(・・)篠ノ之束博士の娘だっていう子が自分の専用機と向かい合ってたから、何をしてるんだろうって。 そんな軽い気持ちで訊いたら、返ってきたのは予想もしなかった…ううん、出来なかった言葉。

 

「造られ…た…?」

「はい。私は試験管ベビーですから。ISと意思疎通が出来るように、生体ナノマシンを抽入されてます。まだ研究途中だったらしくて、オモイカネ以外とは完全には話せませんけど」

「そんな…それって、篠ノ之博士が……?」

「違います。お母さんは私が居た研究所から、私を助けて娘にしてくれたんです。今から5年くらい前ですね」

「そうなんだ…」

 

 私は無神経な質問をした自分に苛立ちを隠せなかった。勝手な好奇心で、こんな小さな子に嫌な事を思い出させちゃうなんて…。

 

「優しいんですね」

「え…?」

「そんなに辛そうにしないで下さい。別に私は気にしてないから大丈夫です」

「気にしてないって…どうして…?」

「あまり覚えてないっていうのもありますけど。お母さんやオモイカネと一緒にいたら、そんな事どうでもよくなっちゃいました」

 

 どうでも…いい……?

 

「どうでもいいって…自分の生まれなのに…?」

「はい。造られた人間でも私は私ですから」

「私は、私…」

 

 何で…何でそんな風に思えるの?私よりもずっと小さいのに…。

 

「…ルリちゃんは強いんだね」

「強い…ですか?」

「うん、強いよ。私は……そんな風に考えられないから」

「…何かあったんですか?」

「……私は…」

 

-------------

 

 気が付いたら私は、ルリちゃんに溜めこんでいた事を吐き出してた。こんな事、本音にも言ったこと無かったのに……ルリちゃんは私が話している間、黙って聞いててくれた。

 

「だから私は…証明したいの。私はお姉ちゃんのお荷物なんかじゃ…無能なんかじゃないって…!」

「………」

「でも…無理だった。お姉ちゃんは一人でISを完成させたけど、私には出来る気がしない…やっぱり私は無能…なのかな……」

 

 そう口に出した途端、目から涙が溢れ出して止まらくなった。もう…もう私は…!

 手で涙を拭ってると、頬に可愛らしいハンカチが押し当てられた。

 

「ルリ…ちゃん……」

「これ使ってください簪さん」

「ごめ…んね……!こんな…年上なのに……みっともなくて…」

「なんでみっともないんですか?」

「え……だって…こんなに泣いちゃったし…」

「落ち込んで泣くのなんか当たり前だと思いますけど」

「でも……ルリちゃんより年上なのに…」

「大丈夫ですよ。お母さんなんかもっと泣いてましたし」

「…え?」

 

 あの篠ノ之博士が…!?

 

「本当ですよ。あの時は私もお母さんと一緒に泣いちゃいました」

「そ、そうなんだ…」

「天才のお母さんも泣く事があるんだから、誰でも泣く時は泣いちゃいます」

「…ありがとう……!」

 

 ルリちゃんの言葉に嬉しくなった私は、また涙が止まらなくなってしまった。いくらルリちゃんが大丈夫って言ってくれても、やっぱり少し恥ずかしい…。

 

「うん、もう大丈夫…。ありがとうルリちゃん」

「私は何もしてないです」

「そんな事ない。私の話を聞いてくれる人なんて、今までいなかったから…ルリちゃんが黙って聞いてくれて、凄く嬉しかった」

「誰も?本音さんと幼馴染なんじゃ」

「本音は…更識の人間だから……信用できなくて…」

「本音さんはそんな人じゃないと思いますけど」

「うん、分かってる…ただ、私が意地を張ってるだけなの…」

「意地…よく分かんないです。一度、本音さんと話してみませんか?」

「でも……今までずっと避けてたし、今更…」

「本音さんならきっと大丈夫ですよ。優しい人ですから」

 

 ルリちゃんは、本音の事をよく見てるんだな…ちょっと羨ましい。

 

「うん……分かった。本音と話してみる」

「頑張ってください簪さん」

「えっと、その…ルリちゃんにお願いがあるんだけど……その時はルリちゃんも一緒に来てもらっていいかな…?」

「私が?」

「うん…。情けないけど、一人で会うのはまだ怖いから…」

「……私で力になれるなら、良いですよ」

 

 ルリちゃんはそう言って、優しく笑ってくれた。

 

「あ、ありがとうルリちゃん…!」

「これくらいならいつでも言って下さい。…あの、私からも一つ良いですか?」

「うん。どうしたの…?」

「その簪さんの専用機の開発…私も手伝っていいですか」

「……え?」

 

 

---side ルリ---

 

 私が専用機の開発を手伝いたいって言ったら、簪さんは凄くびっくりしてます。

 

「【打鉄弐式】の開発を…?」

「はい。私も手伝いたいんです」

「でも…私は一人でやらないと……」

「それなんですけど。簪さんのお姉さんって、本当に一人でISを完成させたんですか?」

「そう聞いたけど…」

「それ、違うと思います」

「…どういうこと?」

「一人でISを完成させるなんて、いくら何でも学生が短期間で出来る事じゃないです。やれたのは原案提出と、簡単なプログラミングくらいじゃないかなと」

「そんな…でも……」

「お母さんだって開発の時はサポート用の整備ロボを使ってたし、私もよく手伝ってました」

「篠ノ之博士が…?」

 

 よく変な物を作ろうとしてたし、私が見てないと何をするか分からなかったし。

 

「簪さんにわざと違う事を教えたのか、間違って伝わったのかは分かりませんけど。簪さんのお姉さんも本当に一人だったわけじゃないと思います」

「……」

「だから、その…私が簪さんを手伝っても大丈夫です」

「…どうして?」

「?」

「どうしてルリちゃんは、今日初めて会ったばかりの私を手伝おうとしてくれるの?」

「…その子のお願いです」

「え…?」

 

 私が指した先には簪さんの専用機【打鉄弐式】がありました。

 

「【打鉄弐式】…?」

「はい。簪さんとお話してる間、ずっとその子から伝わってきてたんです」

「伝わってきたって…?」

「簪さんを心配する気持ちが、です」

「私を…心配?」

「廃棄寸前だった自分を助けてくれたからって、その子は凄く簪さんに感謝してます。だから、自分のせいで簪さんが辛そうにしてるのが嫌だって。誰か助けてあげて欲しいって言ってます」

「……【打鉄弐式】が…私を……」

「だから私は簪さんを手伝います。その子のお願いを聞いてあげたいし…私も簪さんが辛そうなのは嫌ですから」

 

 嫌だって言っても手伝っちゃいます。

 

「……良い…のかな……」

「?」

「私は…誰かを頼っても…良いのかな……?」

「…私なんかで良かったら喜んで、です」

「うん…うん……!」

 

 簪さんが泣きながら私に抱き着いてきました。…抱き返そうとしたけど、手が背中に回り切りません。

 そのまま簪さんが泣き止むまで、私達は抱き合ってました。

 

-----------

 

 泣き止んだ簪さんは、真っ直ぐ私の目を見て言いました。

 

「ルリちゃん…お願い。この子を…【打鉄弐式】を完成させるのを手伝って…!」

「はい。任せて下さい」

「うん…ありがとう!」

 

 そう私が笑いかけると、簪さんも眩しいくらいの笑顔で応えてくれました。 すごく嬉しいです。

 

「それで…あの、ルリちゃんにもう一つだけお願いがあるんだけど……」

「何ですか?」

「その…あの……」

「?」

 

 簪さんが何か言いづらそうにこっちを見てます。どうしたんだろう?

 不思議に思ってると、簪さんは覚悟を決めた顔で手を出してきました。

 

「…ルリちゃん。私と…友達になって下さい!」

「…友達?」

「うん。私は、ルリちゃんと友達になりたい…!」

「え、えっと…」

 

 友達?友達って、どうすればいいの?

 

『オモイカネ。どうすればいいの?』

『友達になればいいじゃない。ルリも簪の事は好きなんでしょ』

『簪さんの事は良い人だと思ってるけど。友達って、どうすればなれるの?』

『握手したら良いんだよ。ほら、簪が待ってるよ』

 

 前を向くと、簪さんが不安そうにこっちを見てました。

 そんな簪さんを見てると、私はいつの間にか手を握り返してました。これで良いのかな?

 

「えと、私は友達なんて初めてなんですけど…お願いします」

「あ……うん!宜しくねルリちゃん…!」

 

 簪さんは本当に嬉しそうに笑ってくれて、気が付いたら私も一緒に笑ってました。

 私の、初めての友達…。これから宜しくお願いしますね、簪さん。




なんとか書けた…大事な簪との出会いだから、凄い悩みました。
悩んだ割にはこのクオリティの低さ。泣けるでぇ…!
ルリの対応が大人すぎたかな。ルリは子供らしく大人っぽくをイメージしてるんだけど。難しいわー。
次回からは原作回帰。せ、セシリアを忘れてなんかないんだからね!6話くらい出番ないけど!
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