IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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本編前にルリの前置きを入れてみました。友人曰く、その方がルリらしいんじゃねとのことなんで。
前置きでのルリはメタ発言をする事もありますが、スルーの方向で。所謂楽屋裏という奴だ!


第1話 お母さんからのお願い

 皆さんどうも。前回いきなりお母さんが出来たホシノ・ルリです。

 私は研究所に来る前の記憶が無いから分らないですけど、普通のお母さんってあんなに騒がしいんですか?……まぁ、嫌いじゃないから良いんですけど。

 では、今回も宜しくお願いします。

 

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---side ルリ---

 

 お母さんが私を…いえ、オモイカネもいますから私達ですね。私達を娘にしてからもう5年が経ちました。私も少しは成長しましたが、まだまだ子供です。と言っても、実際は何歳なのか分りませんけど。もしこの体型で成人してたりしてたら…うん、分ってるオモイカネ。大丈夫。そんな事はあり得ないです。私はまだ成長期です。5年前から10cmくらいしか身長が伸びてませんけど、希望は捨てません。……流石にお母さんくらいになりたいというのは無理だと思うけど。

 

「るーちゃんは小さくてかわいいからそのままで良いんだよ~」

 

 とか考えてたら、お母さんが後ろから抱きついてきました。ていうか自然に心を読まないで下さい。

 

「ふっふ~ん。お母さんにはるーちゃんが何を悩んでいるかくらい、まるっとズバッとお見通しなんだよ!」

 

 むぅ……理解されて悔しいような嬉しいようなです。

 

「それよりもるーちゃん。ちょっとテレビ点けてみてよ」

「何かあったんですか?」

「それは見てのお楽しみ~」

 

 お母さんに言われるままにテレビを点けてみると、そこにはどこかで見たような男性…青年と言っていい年齢でしょうか。青年が映っていました。

 そして画面上のテロップを見て、私は思わず自分の目を疑いました。

 

『世界初! 男性のIS装者発見! 織斑一夏さん!』

 

「……………えーっと…」

「あははは!るーちゃんすっごい驚いてるね~レア顔だよレア顔」

 

 お母さんが何か言いながら私を撮ってますけど、それどころじゃないです。

 

「あの、お母さん。どういう事ですか?」

「見ての通りだよ?」

「そうじゃなくて。あの人って、お母さんが前に見せてくれた写真に写ってた、お母さんの親友の…」

「うん。ちーちゃんの弟のいっくんだね」

「……なんでそのいっくんさんが、ISを動かしてるんです?」

 

 ジト目でお母さんを見つめます。お母さんが何かやらかしたに違いないです。

 

「るーちゃん酷いっ!お母さんを疑ってるんだね!?」

「疑ってないですよ」

「るーちゃん……やっぱりお母さんのことを……!」

「確信してます」

「るーちゃん…………!(号泣」

 

 何を当たり前の事を。この5年間だけで色々とやらかしてるのに、疑いようがないです。

 

「うぅ……私のるーちゃんがどんどん黒く……」

「誰の影響ですかと。それで?」

「うん、まぁやったんだけどね♪」

「はぁ…………」

 

 結局やってるんじゃないですか全く………。

 

「それでね。実はるーちゃんにお願いがあるんだ~」

「お願い?」

「うん!」

 

 お母さんが満面の笑みでお願いですか……なんでしょう、嫌な予感しかしません。

 

「ぱんぱかぱ~ん!なんとるーちゃんには【IS学園】に通ってもらいま~す!」

「………………」

 

 嫌な予感って、どうして外れないんでしょうね。

 

「あれあれ?るーちゃん反応薄くない?」

「驚きを通り越しちゃっただけです。IS学園って高等学校ですよね?私、まだ子供ですよ」

「だいじょぶだいじょぶ。お母さんがちゃちゃっと戸籍を作って16歳にしといたから。いっくんと同い歳だよ!」

「用意が良いですね…」

 

 見た目で絶対に疑われると思うんですけど。

 

「ちーちゃんにもお願いしといたし、入学しちゃえば大丈夫だよ。もし何かあったらお母さんが色々やっとくしね~」

「色々の内容は聞かないでおきます…。それで、何で私がIS学園に行くんですか?」

 

 もう色々と諦めた方が良さげです。抵抗しても意味ないでしょうし。

 

「うん、それなんだけどね。るーちゃんにはいっくんをサポートしてあげて欲しいんだ」

「サポート?」

「いっくんは世界唯一の男性装者だからね。ちーちゃんも居るし、IS学園が今のいっくんには一番安全なのは間違いないんだけど、それでもハッキングとかハニートラップとかしてくる馬鹿どもは多いと思うんだよね」

「まぁ、確かにそうですけど…(心配するならISに乗せなければよかったのに)」

「いっくんをISに乗せたのも、一応理由があるんだよ」

「理由…ですか?」

 

 小声で言ったのに聞こえてましたか。あのウサ耳のお蔭だったりするんでしょうか?

 

「ほら、ISって女性しか乗れないでしょ? お母さんも頑張って研究してるんだけど、中々上手くいかなくてね。でもいっくんだけはISに乗れるんだ。るーちゃんは【白騎士事件】は知ってる?」

 

 白騎士事件…日本の首相官邸に向かって飛んできた無数のミサイルを謎のIS【白騎士】が全て墜としたという、ISが世界に浸透する原因となった事件ですね。

 

「そうそれ。その世界初のISである【白騎士】を動かしてたのが、何を隠そうちーちゃんなんだよ。ついでに言うと、ミサイルを撃ったのは私」

「…………え゛」

 

 またとんでもない事をさらっと言われたような……。

 

「ISを世界に認めて貰いたくってやった自作自演だったんだけどね…あ、ちーちゃんがもし失敗しても大丈夫なように、ミサイルは不発になるようにしてたからね。けどまさか白騎士のコアがちーちゃんの遺伝子を覚えちゃうなんて、予想外にも程があったよ。しかもコアネットワークを通じて全部のISコアに広めちゃったから、ISはちーちゃんと同じ性別の【女】にしか乗れなくなっちゃったんだ。いっくんがISに乗れるのは、ちーちゃんと遺伝子が似てるから」

「………」

「それでね。いっくんがたまたまIS学園の入試試験場にいたのを見つけて、これはいっくんに頑張ってもらおうって思ってISのところまで誘導しちゃった」

「どうしてですか?」

「いっくんには悪いと思ったんだけどね。1人でも男がISに乗る事で、今の女尊男卑の世界を少しでも揺るがして欲しかったから。いっくんが頑張ってくれてる間に、束さんがISを正式に男でも乗れるように出来たら万々歳なハッピーエンドってやつなんだよ!」

 

 ………お母さん……。

 

「もしかしてお母さん。今の女尊男卑になった世界に責任を感じてます?」

「…………うん」

「ISは元々、宇宙に行きたいっていうお母さんの夢の結晶なんですよね」

「そうだけど…」

「だったらそんなのお母さんだけのせいじゃないです!確かにやり方は間違ったかもしれませんけど、そもそもお母さんはISを戦争のために造ったんじゃないんでしょう!?」

「るーちゃん……」

「お母さんの宇宙に行きたいっていう夢に見向きもしないで、みんなISの武力ばっかり見て!そんな自分勝手な世界に、お母さんが責任を感じる必要なんて無いです!」

 

 お母さんが辛そうにしているのが、どうしようもなく悔しくて、どうしようもなく悲しくて……思わず叫んでしまいました。冷静になると少し恥ずかしいです……。

 

「う゛…………」

「う?」

「う゛わ゛ぁぁ~~~~~~~~ん゛!!る゛~~~ぢゃ~~~~~~~ん!!!」

「ぇ、ひゃっ!?」

「あ゛り゛がどぉ~~~~!る゛~~ぢゃ~~~~~~~ん!!」

「お母さん、くるじ……!」

 

 涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしたお母さんが、思いっきり抱きしめてきました。ちょ、首がしまってます……!

 

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 十分ほど泣き続けて、ようやくお母さんは泣き止んでくれました。今は満面の笑顔です。

 

「本当にありがとうね、るーちゃん!」

「別に何もしてないです」

「んっふっふ~るーちゃんは照れ屋さんですなぁ」

「頬を突かないで下さい」

 

 全くお母さんは…………元気になってくれて良かったです。

 

「それで話を戻すんだけど、るーちゃんにはIS学園に入学して欲しいんだ。理由はいっくんが心配だからサポートして欲しいっていうのもあるけど、もう1つ…いや、一応2つかな」

「2つですか?」

「うん。1つはるーちゃんに外の世界を知って欲しいから。るーちゃんって、買い物以外では全然外に出ないでしょ?」

「別に出かける必要もないですし、必要とも思いませんし」

「うん。流石は束さんの娘だね!束さんも同じだよ!」

 

 ですよね。

 

「でもね。そんなお母さんでもちーちゃんっていう親友がいるんだ」

「…………」

「だからね。るーちゃんにもオーちゃん以外に沢山の…じゃなくていいや。少なくて良いから、友達を見つけて欲しいの」

「オモイカネ以外の友達……でも……」

 

 私がここから出たら、お母さんが一人ぼっちに…。

 

「お母さんならだいじょ~ぶ!天才束さんだよ?いつでもるーちゃんと話せるし、会いたくなったらすぐに飛んでいくもん。束さんは何物にも縛られないのだ!」

 

 …これ以上はお母さんに失礼ですね。

 

「分りました。私、IS学園に行きます」

「うん!いい返事だねるーちゃん!」

「それで、もう1つの理由は何ですか?」

「あ、そうそう。IS学園にね、お母さんの妹の箒ちゃんも今年から入学するんだ」

「あぁ。お母さんが何度か話してくれた…」

「うん、その箒ちゃん。箒ちゃんはすっごく可愛いんだけど、お母さん以上に不器用さんでね~。いっくんとは別の意味で心配なの」

 

 お母さんにそこまで言われるって……。

 

「む、るーちゃん何か失礼な事を考えなかった?」

「何でもないです」

「本当かな~…まぁいっか。とにかく箒ちゃんがIS学園で上手くやれてるかどうか、少しで良いから気にかけて欲しいの」

「少しですか?友達になって欲しいとかじゃ」

「あ~…多分るーちゃんと箒ちゃんって、凄く相性悪いと思うんだよね」

「……そうですか」

 

 うん。遠くから見守るだけにしましょう。

 学校か……どんな感じなんでしょう。お母さんに恥ずかしくないよう、頑張るしかないですね。




当小説の束さんは、超善人で親ばかです。クロエなんていなかったんや。
ついでにルリはマザコン気味です。幼少時からルリの傍に素敵(?)な大人がいたら、これくらい依存しちゃうと思うんですよね。
ちなみにルリの年齢は12歳くらいの設定。→11歳に修正。
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