前話は鈴と束さんの独壇場だったけど、あの二人があんなに相性良いとは思わなんだ。書いてたら勝手にキャラが動く動くw
色々とネタを考えてたら日常ネタばかり思いついてしまう不思議。クラス対抗戦まで10話以上かかっちゃいそうな予感。もとい悪寒。
ルリです。なんか私が寝てる間に色々あったみたいですね。オモイカネが言ってたけど、お姉ちゃんのツッコミが荒ぶってたとか。お姉ちゃんにオモイカネの声が聞こえてたら過労死しちゃいそうですね。聞こえてなくて良かったです。 なんですけど、なんか最近オモイカネが変な方に成長してて、『声が届かないなら文字を届ければ良いじゃない!』とか言い出して…皆さんの携帯にメールとかしないか心配です。 じゃ、本編です。
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―――side ルリ―――
朝になって私が起きると、もうお姉ちゃんも起きてました。起きてたと言っても、同じ布団の中にいましたけど…あれ、昨夜はたしかお姉ちゃんがシャワーを浴びてる間に寝ちゃったような。私が寝ててもちゃんとお願いを守ってくれたんだ…お姉ちゃんは優しいです。
「あの、おはようござ…おはようお姉ちゃん」
「おはようルリ。よく寝れた?」
「うん。凄くよく寝れた」
「ふふっ…そりゃそうよね」
「?」
何でそう思ったんでしょう?
不思議に思ってたら、お姉ちゃんがニヤニヤ笑いながら理由を教えてくれました。
「気持ちよさそうな顔で一晩中あたしの手を握ってたのに、ぐっすり寝れてないわけないものねー?」
「……?」
言われて手元を見ると、しっかりとお姉ちゃんの手を握ってました。そっか、私が手を握ってたからお姉ちゃんは布団から出れなかったんだ…………え?
「…一晩中?」
「うん。シャワーから上がったらルリがもう寝てたみたいだったから顔を覗いたら、急に手を握ってきてねー。声をかけても幸せそうに笑うだけで全っ然離してくんなかったのよ」
「……………うぅー……」
は、恥ずかしい…!今までも何回か照れる事はあったけど、これは格別恥ずかしいです…!何ですか一晩中手を握って笑ってるって。子供を通り越して赤ちゃんじゃないですか…流石に赤ちゃん扱いは嫌です。
顔を真っ赤にして布団に潜り込んだ私を、お姉ちゃんは声を上げて笑いながら撫でてくれました。撫でられるのは嬉しいけど、笑わないで欲しいです……。そう思って布団から顔だけ出して睨むと、益々笑われました。もう!
「うぅー…お姉ちゃん、笑いすぎ…」
「あはははっ! ゴメンゴメン。ルリの反応がいちいち可愛いからさー」
「…むぅ」
「ふふっ。ルリのその拗ね方って束さんそっくりね」
「え?」
何でお姉ちゃんがお母さんが拗ねる時の事なんか知ってるんだろう?
気になって聞いてみると、お姉ちゃんは苦笑いしながら昨夜の事を教えてくれた。
「それがルリと一緒に寝ようと思ったら、いきなり束さんがTVに映ってね。アホな事ばっかり言うからツッコみまくってたら、不本意ながら仲良くなっちゃったの。りっちゃんりっちゃんって、もう煩いったらなかったわ」
「お母さんが初対面であだ名を?」
お母さんがいきなりあだ名を呼ぶなんて、何があったんだろう。楯無さんでも最初はあんな対応だったのに。
「出てきていきなりあだ名呼びだったわよ。ルリのお姉ちゃんだからあたしも娘扱いみたい」
「うーん…それでもあだ名呼びは珍しいです。私の友達もまだ名前呼びだし」
「んー…まぁその辺りは束さんに直接聞いてみて。あたしから言う事じゃないだろうし」
「…? うん、分かった」
お姉ちゃんは何か聞いたみたいだけど、お母さんに聞いた方がいいならそうしようかな。
「そう言えば、お姉ちゃんは今日はどうするの?もう今日から授業を受けるの?」
「ん~…実は本当は今日編入だったのよね。だから今日手続して、授業は明日からなの」
あぁ、そう言えばお姉さんがそう言ってました。お姉ちゃんが来たから忘れてましたね。お姉さんが言うには、お姉ちゃんはお兄さんを追いかけてきたらしいけど、本当でしょうか。
「お姉ちゃんはお兄さんを追いかけてきたって本当?」
「お兄さん?誰よそれ」
「織斑 一夏さん」
名前を出すと、お姉ちゃんは思い切り咽ちゃいました。これは本当みたいです。
「げほっ、ごほっ…な、なんでルリが一夏をお兄さんなんて呼んでんのよ!いや、それよりもあたしは一夏を追いかけてなんか無いわよ!誰から聞いたの!?」
「お姉さ…織斑 千冬さんが言ってた」
「ぶふぅ――――っ!?」
お姉ちゃんは余計に咽ちゃいました。背中を擦ってたら大丈夫かな。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「ぇほぇほっ…だ、大丈夫よルリ。ありがとう……それより説明してくんない?何で一夏や千冬さんをお兄さんお姉さんなんて呼んでんのよ」
「えと、編入した日の休み時間にお兄さ…一夏さんが話しかけてきて。今までお母さんとしか話したことがないって言ったら、『今日から俺がルリのお兄さんだ!』って。何回か断ろうとしたんだけど、有無を言わせない勢いだったから諦めたの。千冬さんは、一夏さんをお兄さん呼びするならその方が良いかなって聞いたら是非って言われたから」
理由を説明すると、お姉ちゃんはすっごく深い溜息をついた。お兄さんって昔からあんなのだったのかな。
「はぁ……バッカじゃないの一夏。アイツひょっとしてロリコンだったの?いや、シスコンを拗らせただけか。まさかあの千冬さんまでお姉さん呼びを強要するとか…あの姉弟って妹に飢えてたのかしら」
「お姉ちゃんはお兄さんとお姉さんといつ知り合ったの?」
「ルリ。あたしの前ではあの二人を名前で呼んでもらっても良い?すっごい違和感!」
「分かった」
お姉ちゃんとお姉さんとお兄さんがいたら分かりにくいよね。名前呼びにしたいけど、また騒ぎそうだし…どうしよう。
「ありがと。えーと、あたしは小学5年生の最初…今のルリくらいの頃に一夏の学校に転校してね。一夏と遊んだりしてるうちに千冬さんとも顔見知りになったの」
「えっと、じゃあ今から5~6年前?」
「そうね、だいたいそれくらい。けどあたしは家の都合で中学2年の終わりに中国に帰る事になっちゃってね。だから一夏とは1年と少しぶりの再会になるってわけ」
「そうなんだ。5~6年前に会ったのなら、箒さんとは入れ違いです…だね」
箒さんの名前を出すと、お姉ちゃんと目元がピクッと動きました…あれ、もしかして知らなかった?
「ルリ。箒って確か一夏がたまに言ってた最初の幼馴染よね…何でルリが知ってるの?一夏から話を聞いただけ?」
「箒さんなら私と一夏さんと同じ1組だけど。あと、一夏さんとはルームメイト」
「るっ!ルームメイトですって!?」
説明すると、お姉ちゃんの顔が凄い事になってきました。…好きな人が女の人と一緒の部屋だったら当たり前、かな?
「そ、その部屋割りってアイツから希望したの?」
「ううん。一夏さんも驚いてたから知らなかったみたい。多分千冬さんが知人同士で気を利かせたとかだと思う」
「千冬さん…なんてことを…っ!こうなったら千冬さんに直談判して一夏を一人部屋にしてもらわないと!」
「一人部屋は今は無いって。私はお姉ちゃんが来るまで一人部屋だったけど」
「むぅ…じゃあ千冬さんと一緒の部屋でも」
「弟贔屓に見られる可能性があるからダメって」
実際は千冬さんが部屋を見られたくないからだと思うけど。
「あーもうっ!じゃあどうすればいいのよ!もう一人くらい男子いないの!?」
「無茶言わないでお姉ちゃん。心配しなくても、箒さんなら大丈夫だと思う」
「…それは箒って子が一夏に惚れる事は無いってこと?」
「ううん。箒さんはどう見ても一夏さんが大好き」
「超危険人物じゃないのッ!」
その通りではあるんだけど、箒さんはそういう意味では大丈夫。一夏さんの命は危ないかもだけど。
「一夏が大好きなのに問題ないって、どういう事なの?」
「だって、アプローチの仕方が凄いから。照れ隠しに一夏さんを木刀で殺しかけたことあるし…その時は一夏さんは私の部屋に逃げ込んできてた」
「何してんのその子!?あたしでもカッとなって殴るくらいはあっても、そこまでしないわよ!」
「そう言われても、それが箒さんなの。他にもISの特訓だって放課後一夏さんに無理やり剣道させたり、代表候補生に引き分けた一夏さんを正座させて説教したり」
箒さんの話をすればするほど、お姉ちゃんはどんどん微妙な顔になっていった。恋敵がそんなんじゃ、どうすればいいか分かんないですよね。
「えぇー…何なの箒って子。それもう不器用とか照れ隠しとか言うレベルじゃないわよ」
「だから、一夏さんが箒さんと何かある事はないと思う」
「うん、有り得ないわね。一夏がぶたれて喜ぶ変態でもない限りは」
「流石にそれは。試合の後なんか一夏さんも結構怒ってたし」
「そりゃいくらお人よしなアイツでも、そこまでされたら怒るわよ。ていうか代表候補生と引き分けたってホント?」
「うん。相手のセシリアさんが油断してたのと、私が情報を集めて作戦を立てた事とかもあるけど、それでも一夏さんは素人とは思えないくらいだった」
私が一夏さんの試合がどれだけ規格外かを説明すると、お姉ちゃんは凄く嬉しそうに笑った。やっぱし好きな人が凄かったら嬉しいみたい。
「ふぅーん…一夏も中々やるじゃない! どういや何で素人の一夏が代表候補生と戦うなんてことになったの?」
「クラス代表を決める時にちょっと揉めて…代表を決めるために模擬戦をしたの」
「そうなんだ。それで、引分ならどっちがクラス代表になったの?まさか2人ともなんて事はないでしょ」
「代表なら一夏さんになりまし…なったよ。セシリアさんが好敵手にはもっと経験を積んで強くなってもらわないと困るって」
「そっか。…そのセシリアって子は一夏に惚れてない?」
「うん。セシリアさんは一夏さんを好敵手としてしか見てない。良くて親友だと思う」
「そかそか。つまり今、アイツの周りに女の影は無いって事ね!」
「ファンみたいな人はたくさんいるけど」
「そんなの箒って子よりも心配ないわよ。中学の頃も似たような子は沢山いたけど、一夏は気付いてすらいなかったし」
あぁ…一夏さんはやっぱし昔から朴念仁なんですね。
「よっし!それじゃあまずは一夏とのインパクトのある再会から考えましょうか!」
「インパクト?」
「そう!1年会わなかった幼馴染がいきなり現れたら嫌でも印象に残るでしょ?そしたらあの朴念仁相手でも少しは意識するわよ。それに約束もあるし…」
「約束って?」
「な、何でもないわよ!」
お姉ちゃんは慌てて両手を振って流しました。何か大事な約束があるのかな。
「そうね…一夏がクラス代表なら対抗戦にも出るわよね。じゃああたしもクラス代表になって宣戦布告ってのはどう?幸いというか、あたしは2組に転入だからルリ達とは別クラスだし」
「うーん…あの一夏さんだと『そうなのかー』で済ましちゃいそうな」
「うっ、確かに…でも代表にはなった方が良いわね。代表候補生が舐められちゃ国の権威に関わるし、あたしの実力は見せとかないと」
「そうで…そうだね。2組の人達も、代表候補生なら代表を譲ってくれると思うし」
「でしょ! けど、結局どうやって会おうかしら。普通に会うのはなぁ…」
「そうだね…」
二人で頭を悩ませてると、私の携帯が鳴りました。メールが来たみたいです。
差出人は…さゆかさん?どうしたんだろ。
「メール?」
「うん。クラスの友達からみたい…って、これは」
「どしたの?」
「明日の放課後に一夏さんがクラス代表になったお祝いをクラスでしないかって」
「へぇ、お祝い会なんかやるんだ…それって料理とかも出したりする?」
「ううん。お菓子やオードブルを買ってくるみたい」
「ん~…料理を出すんなら、あたしがこっそり参加して作ろうかと思ったんだけど」
「何で料理を?」
お姉ちゃんに聞くと、照れくさそうに話してくれました。
「その、美味しい料理を作って『これ誰が作ったんだ?』みたいに一夏が聞いた時に出ていけば、インパクトあるんじゃないかなって思ったのよ」
「おぉー…」
「な、何よ!これでも料理は結構自信があるんだから!」
お姉ちゃん、真っ赤になっちゃってます。でも良い作戦だよね…さゆかさん達に相談してみようかな。
「お姉ちゃん。クラスの人に料理を出していいか相談してみようか?」
「え、良いの?」
「クラスの人達次第だけど。お姉ちゃんの作戦なら良いと思う」
「そ、そうかな~…じゃあルリ、メールで聞いてみてもらえる?OKなら明日昼休みにでも挨拶に行くわ。昼休みなら一夏は食堂にでも行くでしょうし」
「分かった。もし行かなかったら私が連れ出す」
「じゃあお願いねルリ!」
「任せて」
さゆかさんに提案してみたら、1品くらいならオードブルに紛れ込ませたら大丈夫だと思うって返ってきました。お姉ちゃんに伝えると、最高の酢豚を作るって気合を入れてました。酢豚に何かあるのかな?
「そういえばお姉ちゃんって一夏さんが好きなの?」
「今更ッ!?」
聞いたら真っ赤になって好きだって言いいました。私に言ったんじゃないのに、なんか照れます。
うーむ。いつもに増して地の文が短いような。気を付けよう。
酢豚の約束フラグを立てとく。いつ回収するかどうかは一夏次第。
次話は明日の似たような時間になると思います。
なんかルリがTOGのソフィみたいになってきた気が。ちなみにグレイセスは一番好きなテイルズ。