気づけばお気に入り数600、UAが50000超えしていた件。総文字数もいつの間にか100000超えしてた事に自分が一番驚いた。正直、執筆開始当初は10話くらいでエタるかもなーとか思ってました。皆さんの感想のお蔭であります。頑張って完結させるぞー。
ルリです。今回は最近出番が無かった人達が久しぶりに出てきます。と言っても少しだけですけど。なんかセシリアさんが絡ませにくくて困ってるみたいです。お兄さんへの好意もありませんし、私に対しての執着もそこまでありませんから。 じゃ、本編です。
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――――side ルリ――――
朝起きてすぐ、簪さんと本音さんから朝食のお誘いメールがありました。そう言えばお姉ちゃんと簪さんって、まだ会ってない? 折角の機会だし、お姉ちゃんも誘ってみようかな。
「お姉ちゃん。本音さんともう一人の友達が一緒に朝御飯を食べないかって誘われたんだけど……」
「あ、そうなの? 邪魔しちゃ悪いし、あたしはどうしよっかなー」
「えと、お姉ちゃんが良かったら一緒に行かない?」
「え、良いの? 本音はともかく、もう一人の友達ってあたしの知らない子でしょ?」
「そうだけど。そのもう一人の友達……簪さんって言うんだけど、簪さんは私の初めての友達だから、お姉ちゃんを紹介したいと思って……ダメ?」
私が不安気にお姉ちゃんを見上げると、お姉ちゃんは笑って頭を撫でてくれました。
「ルリにそう言われたら、お姉ちゃんが断るわけないじゃない! あたしもルリの初めての友達に会ってみたいしね」
「あ……ありがとうお姉ちゃん!」
お姉ちゃんと話してると、丁度部屋の扉を叩く音がしました。
「ルリちゃん。起きてる……?」
「るーるー御飯食べに行こ~」
「あ、はい。今行きます」
扉を開けると、そこには本音さんと簪さんと――――何故か楯無さんがいました。
「やっほールリちゃん!」
「…………何でいるんですか?」
「そこに簪ちゃんがいるからよ!」
楯無さんは無駄に眩しい笑顔で断言しました。開いた扇子には【姉妹愛】て書いてます……あの扇子って、ISの装備なのかな?
「……勝手に着いてきただけ」
「う……! い、良いじゃない! 一人でご飯食べるの寂しいんだもん!」
「るーるー。お嬢様も一緒で良い~?」
「はぁ……別に良いですけど。私のルームメイトも一緒で良いですか?」
「ん? ルリちゃんのルームメイトって確かこないだ編入してきた中国代表候補生の――――」
「あら、よく知ってるわね」
楯無さんが私のルームメイトが誰だったかを思い出そうとしてると、私の後ろからお姉ちゃんが答えました。
「初めまして。あたしが中国代表候補生でルリのルームメイト……っていうかお姉ちゃん代わりの凰 鈴音よ」
「お姉ちゃん……?」
「…………代わりじゃないです」
お姉ちゃんが代わりって言った事に、思わず反論しちゃいました。私のお姉ちゃんは一人だけです!
私が頬を膨らませてそっぽを向いてると、お姉ちゃんがまた私の頭を撫でてきました。なんか、おねえちゃんと一緒にいる時はしょっちゅう撫でられてる気が……嫌じゃないけど。
「あーはいはい。あたしが悪かったわよルリ」
「……もう代わりなんて言わないでね」
「りょーかい!」
私とお姉ちゃんが仲直りしてると、簪さん達が微笑ましい物を見る目で見てました。何ですかその目。
「……2人は仲良しなんだね」
「るーるーとりっちゃんだからねー」
「良いわねー……私も簪ちゃんとそれくらい仲よくしたいんだけど」
「充分仲が良い方だと思うけど」
「じゃあ頭撫でてもいい!?」
「駄目」
「…………あれー?」
…………楯無さんは相変わらずみたいです。
「ほら。話は後にして食堂に行きましょ。早くしないと席が埋まっちゃうわよ」
「お~! じゃあ早く行こ~」
こうして私達は5人で食堂に行きました。
――――――――
「じゃあ凰さんに改めて自己紹介しとくわね。私は更識 楯無。そこにいる簪ちゃんの姉で、IS学園の現生徒会長よ」
「……えと、妹の更識 簪……です」
「かんちゃん付きのメイドの布仏 本音だよ~」
「へぇ……楯無さんは生徒会長なの。あ、あたしの事は鈴で良いわよ。こっちも名前で呼ばせてもらってるし。簪も鈴で良いからね!」
「あらそう? じゃあお言葉に甘えて、宜しくね鈴ちゃん」
「あ……えと……宜しく、鈴ちゃん」
「宜しくね。……ところで本音がメイドって、本気で?」
あ、おねえちゃんもそこが気になったんだ。
「一応マジよ。メイドとしての仕事は全然してないけど」
「む~……ちゃんとお仕事やってるもん~」
「いっつも簪ちゃんより遅く起きて、最近は部屋まで起こしに来てもらってるのに?」
「……な、なんのことかな~?」
「簪ちゃん情報よ」
「ひ、酷いよかんちゃん~!幼馴染を売るなんて~!」
「本音はもう少し早く起きるべき」
「あぁ。いつもの本音なのね」
お姉ちゃんは安心したように息を吐きました。正直私も同じ気持ちです。
皆で笑いながら朝御飯を食べてると、楯無さんが思い出したように言い出しました。
「ところで本音ちゃんから聞いたんだけど、昨日織斑君と一悶着あったって?」
「う゛…………!」
「一悶着?」
……もう別の学年まで伝わっちゃってましたか。校内唯一の男子に関わる事だから伝達が早いのかな。
「嫌な事なら無理にとは言わないけど、出来れば何があったか教えてくれない? もし問題になりそうなら対処しないといけないし」
「…………大したことじゃないわよ。あたしがルリや本音に手伝ってもらって一夏に告白……みたいなのを言ったんだけど、あのバカは気付きもしなかったってだけ」
「告白に気付かなかったって……」
「……ちなみに何て言ったの?」
「『毎日あたしの作った酢豚を食べてくれる?』って言ったら、『食費が浮くな』って返されたわ」
「「………………」」
初めて聞いた楯無さんと簪さんは、絶句してしまいました。まったく……! 今思い出しても腹が立ちます!
「それは……んー……今まで告白なんかされた事なかったから気づかなかったんじゃない?」
「中学の頃、あいつが告白された回数はあたしが知ってるだけで2ケタ以上よ」
「そ、それで織斑君はどうしたの……?」
「全部気づかずにスルーしたわ」
「「「「………………」」」」
10人以上からの告白を全部気づかなかったって……それもう病気じゃないんですか?
「中には『好きです!』って直接言った子も何人かいたんだけどね……『何が好きなんだ?』って返されて泣いて帰って行ったわ」
「…………わざとじゃないのよね?」
「だと良かったんだけどねー。そんなんだから、あたしは約束したり色々と作戦を立てたりしてようやく告白したんだけど……結果は御覧の有様よ。あいつはあたしの事なんか何とも思ってなかったってわけ」
「で、でも気付かなかっただけならまだ……」
「少しでも気になってる女の子が顔を真っ赤にして『毎日私の作った酢豚を食べて』って言ってきて、何の反応もしない男なんていると思う?」
「…………ごめん」
「……いいのよ…………もう、いいの」
お姉ちゃんは自嘲的な笑みを浮かべて落ち込んでしまいました。ふ、雰囲気が暗いです……。
「ほ、ほら早く食べないと~! もう予鈴が鳴っちゃうよ~!」
「あー……そうね。さっさと食べて行きましょうか」
「……そうだね」
ナイスです本音さん。少し暗い雰囲気がマシになりました。
全く……ここにいなくても迷惑な人です。
――――side 一夏――――
「うーん……」
昨日から鈴とルリが怒った理由を考えてるけど、さっぱり分からん。酢豚を食べて欲しいって言うから、OKしただけなんだけどなぁ……何が悪かったんだ? 箒に聞いてみても『自分で考えろ』って言われたし。女子にしか分からないような事なのか?
「あ、おっはよールリちゃん!」
「おはようルリちゃん」
「おはようございます。癒子さん、さゆかさん」
「ッ!」
ルリが来た!
昨日はもう関わるなって怒られちまったけど、あれじゃ納得出来ん! こうなったら怒られる覚悟で直接ルリに聞いて――――。
そう思って立とうとした瞬間。俺はルリと一緒に教室に入ってきた人物と目が合ってしまった。
「………………ッ!」
「………………ん~?」
その人物――――布仏さんと目が合った瞬間、身体の震えが止まらなくなった。
や、ヤバい! 何がかは分からないが、とにかくヤバい! なんか布仏さんの後ろから黒いのが見える気がする!
何とか目を逸らすと、さっきまでの空気が無かったかのように落ち着いた。……布仏さんが落ち着くまで、ルリには話しかけれそうにないなぁ……。
――――side ルリ――――
一瞬織斑さんと目が合った気がしましたけど、何があったのか慌てて目を逸らされました。どうしたんだろう? ……まぁいっか。
――――――――
昼休みです。昼もお姉ちゃんや簪さんと食べる約束をしたけど、こっちからお姉ちゃんを迎えに行った方がいいかな。
そう思ってたら、意外な人から声をかけられました。
「ルリさん。良ければ昼食をご一緒しませんか?」
「セシリアさん?」
どうしたんだろう。今までセシリアさんから誘われたことはなかったんですけど。
不思議に思ってるのが伝わったのか、セシリアさんは少しバツが悪そうに理由を言ってくれました。
「その、昨日の事がありましたでしょう? ですから、ルリさんが落ち込んでないか少し心配になったので……差し出がましかったでしょうか」
「セシリアさん……」
私を心配してくれての事だと聞いて、思わずビックリしちゃいました。あまり周りの事は気にしない人だと思ってたんですけど、意外と面倒見が良いみたいです。
折角心配してくれたんだし、断るのもあれですね。
「ありがとうございます。先に約束してる友達がいるんですけど、一緒でも良いならお願いしても良い……ですか?」
「ええ、大丈夫ですわ」
セシリアさんは柔らかく笑いながら承諾してくれました。セシリアさんへの第一印象は修正した方が良いですね。ちょっと熱くなり易いだけで、普通に良い人です。
セシリアさんと話してると、いいタイミングでお姉ちゃんが来てくれました。
「ルリー。昼御飯食べに行きましょ……って、その子も友達?」
「え、私は……その……」
セシリアさんがこちらをちらちら見ながら、どう答えればいいか迷ってるみたいです。
……私から言っても怒られないかな。
「その……私はセシリアさんとも友達になりたいと思ってます」
「……ッ! ほ、本当ですのルリさん!?」
そう言うと、セシリアさんは凄い勢いで私の両手を握ってきました。
「は、はい。セシリアさんが良ければですけど」
「断るわけありませんわッ! これから宜しくお願い致しますわルリさん!」
「えっと……もう良い?」
セシリアさんと友情(?)を深めてると、お姉ちゃんが少し呆れたように声をかけてきました。
「あら、申し訳ありません。貴女はルリさんのお知り合いですの?」
「あたしはルリのルームメイトよ。名前は凰 鈴音。鈴で良いわよ」
「申し遅れましたわ。私はイギリス代表候補生のセシリア・オルコットと申します。私の事もセシリアと呼んで下さいな。宜しくお願いしますわ鈴さん」
「へぇ。一夏と引き分けた代表候補生って、もしかしてセシリア?」
「う……ルリさんから聞きましたの? あの時は油断が過ぎたとは言え、代表候補生として恥ずべき戦いをしてしまいましたわ」
セシリアさんは苦虫を噛み潰したように言いました。織斑さんを好敵手認定したと言っても、やっぱし悔しかったんですね。
「んー……まぁルリが作戦も考えてたみたいだし、ある程度は仕方ないわよ。負けたわけじゃないんだから、次に勝てば良いじゃない!」
「鈴さん……。そうですわね、一度の引き分けで沈んでいては、これから先も代表候補生としてやっていけませんもの! 次は私が圧勝してみせますわ!」
「そうそう! その意気よセシリア! ……まぁその前にあたしがぼっこぼこにする予定だけど」
お姉ちゃんはそう呟くと、織斑さんの方を鋭く睨みました。
織斑さんもこっちを見てたのか、目が合っちゃいましたね。
「り、鈴? 俺をぼっこぼこにするって……どういう事だよ」
「そのまんまの意味よ。あんたには色々と思うとこがあるからね……クラス対抗戦で今までの色々な思いを込めてぎったんぎったんにしてやるわ!」
「色々って何だよ! ていうか、お前2組の代表になったのか!?」
「そうよ。今朝代表の子にお願いしてみたら快く譲ってくれたわ」
「マジかよ……」
織斑さんは対抗戦が不安になったのか、頭を抱えちゃいました。もっと困ればいいんです。
お姉ちゃんが織斑さんに宣戦布告してると、織斑先生が教室に入ってきました。
「おい凰。対抗戦に向けて気合を入れるのは良いが、あまり問題を起こすなよ」
「ち、千冬さん!?」
「千冬姉!?」
「織斑先生だ馬鹿者共が――――まぁ今は昼休みだから構わんか。ルリ、昼食はもう食べたのか?」
「あ、お姉さ……千冬さん。これから食べに行くところです」
織斑さんのお兄さん呼びを止めたのに、千冬さんだけお姉さん呼びは駄目ですよね。
そう思って名前で呼んだんだけど、千冬さんは目を見開いて固まっちゃいました。
「る、ルリ……? 何故お姉ちゃんを名前で呼ぶんだ?」
「え、えっと……織斑さんをお兄さん呼びするのを止めたのに千冬さんをお姉さんって呼ぶのは駄目かなと。お姉ちゃんと間違えちゃいそうですし」
「お姉ちゃんとは凰の事か? いや、今はそれより……何故一夏を『織斑さん』と呼んでいる?」
千冬さんがそう言った瞬間、織斑さんの肩がビクッと跳ねました。まぁ、私の知ったこっちゃないです。
「織斑さんがお姉ちゃんを泣かしたからです。お姉ちゃんを泣かす人なんか、名字で充分です」
「ちょ、ルリ!?」
「……………………………………………ほぅ」
私の言葉を聞いた瞬間、千冬さんは織斑さんを音も無く捕らえました。いつ動いたんでしょう。
「一夏。お前はいつから婦女子を泣かせるような男になったんだ?」
「い、いや! それは不可抗力というか、俺にも何で鈴が泣いたか分かんないっていうか」
「黙れ。言い訳は無用だ」
「…………はい」
おぉー。ああいうのを蛇に睨まれた蛙って言うんですね。
千冬さんは織斑さんの襟を掴むと、引きずり始めました。
「どうやら私の育て方が悪かったようだ。これは一刻も早く躾けねば」
「ちょ! どこに連れていく気だよ千冬姉!」
「アリーナに決まってるだろう。私もたまには運動せんとな」
「それ運動で済まないだろ!?」
「気にするな。お前は黙って立っていれば良い――――――お前のせいでルリにお姉さんと呼ばれなくなった恨みを発散させてもらう」
「今なんか言ったよな!? 明らかに私怨だろ!」
「気のせいだ。さっさと逝くぞ」
「ちょ、字が違…イヤァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアッッ!!」
叫び声を残して織斑さんは千冬さんに攫われていきました。
ご愁傷様です。
『こういう時はざまぁって言えば良いよ!』
『ざまぁ? ざまぁ見ろの略?』
『そうそう』
「『ざまぁ』」
……なんか、言ったら少しスッキリしました。
なんか日常を書いてたらえらく長くなった。
次は多分明日の深夜。