IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 第3次Zは13話が終了。主人公がまた地味に強化されたご様子。なんか今回、アニメーションが地味な気がする。第2次ZどころかWやUXの方が迫力あったような。UXは空魔無双楽しかったです。
 取り敢えず主人公機のフル改造完了。リディが加速持ちだからリゼルに乗せてペアにしてるけど、リディはいつ抜けるやら。他に加速持ちで主力になれるほど強くは無いキャラ仲間にならんかのー……あ、コスモクラッシャーで良いか。別にゴッドマーズと合体技があるわけでもないし。

 なんか前書きがスパロボ日記になってきた。今回は一夏フルボッコタイムです。悲鳴を上げろ! 豚のような!


第28話 神様にお祈りは済ませましたか

 ルリです。前回はとうとう……じゃないですね。また織斑さんがやらかしました。ただでさえ怒り状態だったお姉ちゃんが、怒りMAXになっちゃいました。勿論私もです。どうしてあの人はあんなに周りが見えないんだろ。箒さんとは違う意味で視野が狭すぎです。

 箒さんは周りを見ようともしてないけど、織斑さんは周りを見てるつもりで見えてないというか。どっちも周りが見えてないのは変わらないけど、自覚がない分織斑さんの方が性質が悪い気がします。

 なんか前書きなのに珍しく本編の真面目な話になっちゃいました。今回はいよいよ模擬戦です。じゃ、本編へ行ってきてください。

 

 

 

――――――――

 

 

――――side ルリ――――

 

 今日からはいよいよクラス対抗戦です。お姉ちゃんの祈り(?)が通じたのか、なんと1回戦からお姉ちゃんと織斑さんの試合です。対戦表を見た時のお姉ちゃんは、それはもう眩しいくらいの笑顔でした……目と声は全然笑ってなかったけど。

 

 私は前の織斑さんとセシリアさんの模擬戦の時と同じように、観客席で応援してます。ちなみに1番前の席です。私はどこでも良かったんですけど、観客席に来たら周りの皆さんが席を譲ってくれました。ひょっとして、背が低いから気を遣われたのかな? 小さくても良い事はありますね。

 千冬姉さんからは観測室で一緒に見ないかと誘われたけど、そこからじゃお姉ちゃんを応援できないから断りました。セシリアさんは色々な視点で見れるからと観測室で見るらしいですけど。

 

「りっちゃん大丈夫かな~?」

「大丈夫。鈴ちゃんなら織斑君なんかに負けないよ」

 

 一緒に見に来た本音さんと簪さんが、お姉ちゃんを応援してくれてます。楯無さんですか? 楯無さんならお偉方への挨拶で忙しいみたいです。この対抗戦には各国のお偉方が何人か見に来てますから。来月にはトーナメント戦があるらしいけど、その時は今日以上にお偉方が集まるみたいです……オモイカネを見せたら煩くなりそうで、考えてたら今から憂鬱です。

 

「あ~でもおりむーが負けたら学食のデザートが~……」

「あ、学食のデザートフリーパス券のこと?」

「うん~おりむーが勝ったら貰えるのに~! でも勝って欲しいのはりっちゃんだし~」

 

 本音さんが頭を抱えて唸っちゃいました。ぐぬぬぬ~って。そう言えば優勝したクラスの人はデザートのフリーパス券が貰えるんだっけ。あ、だからお姉ちゃんはあんな事を言ってたのかも。

 

「本音さん。お姉ちゃんが、優勝したら皆でお祝いしようって言ってました」

「お~! りっちゃんがフリーパスで奢ってくれるのかな~」

「フリーパスって、貰った本人以外でも使えるのかな?」

「駄目だったら皆でお金を出し合いましょう」

 

 お母さんがくれたお小遣いが結構あるし。前からあまりお金は使わなかったけど、IS学園に来てからは学食以外で全然お金使わないから結構溜まってます。

 

「そだね~。じゃあ皆でお祝いできるよう、張り切ってりっちゃんを応援しよう~! お~!」

「おー」

「お、おー……」

 

 本音さんが手を勢いよく挙げたから、私も一緒に挙げました。簪さんは恥ずかしいのか、俯きながら少しだけ手を挙げてました。簪さんは恥ずかしがり屋さんです。

 

 3人で対抗戦の後の事を話してると、お姉ちゃんと織斑さんがピットから出てきました。織斑さんはセシリアさんと箒さんに訓練相手をお願いして……箒さんは勝手に着いて行ってただけみたいだけど、それなりに訓練してたらしいです。お姉ちゃんに宣戦布告されて、流石に焦ったのかな。

 でも、いくら織斑さんにISの才能があっても本気のお姉ちゃんに勝てるわけないです――――頑張って、お姉ちゃん。

 

 

――――side 鈴――――

 

 

 アリーナの真ん中で、あたしと一夏は対峙した。

 へぇ……あたしやルリにあんだけ言われて少しは及び腰になってるかと思ったけど、あたしに勝つ気満々みたいね。目がギラついてるわ。

 

「よく逃げずに来たわね一夏。セシリアと訓練してたらしいけど、もしかしてあたしに勝つつもり?」

「当たり前だろ。鈴がそこまで怒る理由は知らんけど、俺に一方的にやられる趣味はない!」

 

 ……はぁ。ちょっと前のあたしだったら諦めない一夏がかっこいいとか思ってたんだろうけど、今だとムカつくだけね。怒られたら怒り返すって、ただの負けず嫌いのガキじゃない。

 それにしても、自分でも不思議なくらい一夏への恋心がどっか行っちゃったわね。はっきりとフラれたのもあるだろうけど、ルリと束さんに色々と吐き出して一夏への気持ちが恋じゃなくて憧れだったって、自覚しちゃったからかしら? 本当にあの2人には感謝してもしきれないわね……また束さんの事を“お母さん”って呼んであげようかな。

 

「あたしが怒る理由が分かんないって……まだそんな事言ってんのあんた。自分の言った事をちゃんと見直してんの?」

「そりゃ鈴にその……貧乳って言ったのは悪かったけどさ。それ以外は何も悪い事言って無いだろ」

「少しはぼかして言いなさいよ! ったく……鈍感がここまで性質悪いとは思わなかったわ。

 良いわ。ここまで言っても分かんないなら、この試合でたっぷり叩き込んであげるから!」

「上等だ!!」

 

 一夏のその言葉を合図に、あたし達は互いに武装を展開した。

 あれがルリの言ってた【白式】の【雪片弐式】ね。シールド貫通の【零落白夜】が発動したら蒼く光るらしいから、そうなったら要注意ね。もしかしたら【甲龍】の【双天牙月】でも受けきれないかもしんないし。

 けど、いくら機体が強くても乗ってるのが一夏じゃ――――。

 

「あたしと【甲龍・崩山】に勝てる訳ないでしょッ!!」

「んなッ!?」

 

 あたしが【瞬時加速】(イグニッション・ブースト)で一気に懐に飛び込むと、不意をつかれた一夏は驚愕の表情を浮かべた。その隙を逃さず、あたしは2刀に分けた双天牙月を連続で叩き込んでやった。

 あたしの急襲を受けて吹っ飛んだ一夏は、何でやられたのか分かってないみたいだった。ちょっと予想外の事をされただけで、いちいち固まってんじゃないわよ!

 

「単純なあんたの事だから、近接武器しかない自分に対しては離れて攻撃するだろうとか考えてたんだろうけどね。それくらいお見通しなのよ!」

「くそっ! その肩についてる砲台は飾りかよ!」

「そんなわけないでしょ。こっちがお望みなら――――見せてあげるわよッ!!」

 

 一夏が体勢を立て直す前に、お望み通り【龍咆】を叩き込んでやった。【崩山】の散弾龍咆から逃げられるなんて思わない事ね!

 そう思っていたら、龍咆連射で巻き起こった噴煙から一夏が飛び出してきた。へぇ、少しは雪片でガードしたのかしら? セシリアと引き分けたってのもあながちウソじゃないみたいね。

 

「あっぶねえ……! なんだよその砲撃。燃える弾を連射するなんて、えげつなさすぎるだろ!」

「これが【龍咆・崩山】よ。わざわざあんたの為に強化パッケージを申請してあげたんだから、感謝しなさい」

「そりゃ有難くて涙が出るね! どんだけ本気なんだよ……ったく」

「戦いに全力を尽くすのは当たり前でしょ」

 

 まぁ、一夏とのいざこざが無かったら【崩山】を申請まではしなかったと思うけど。

 

「で? このままじゃあんたに勝ち目なんか一切無いけどどうする?」

「……余裕のつもりかよ」

「余裕じゃないわよ。ただ、全力を出したあんたを叩きのめさないと気が済まないだけ」

「それを余裕って言うんだ――――よッッ!!」

 

 一夏はそう叫ぶと、一気にあたしに突っ込んできた。接近すれば龍咆を撃つ余裕なんかないと思った? でも――――。

 

 ガキィンッ!!

 

「甲龍の真価は近距離戦にあるのよッ!」

「なっ!? なんてパワーだよ!」

 

 雪片を真正面から受け止められた事に、一夏は驚きを隠せなかった。【崩山】は龍咆の強化パッケージだけど、甲龍は元々パワータイプのISなのよ!

 鍔迫り合いを制したあたしは、一夏の腹を蹴り飛ばして間合いを取った。

 

「やべっ! またあの砲撃が……っ!」

「遠距離攻撃が龍咆しかないなんて、あたしは一言も言ってないわよ!」

 

 あたしは双天牙月を一つに連結すると、一夏に向けて全力でぶん投げた。

 

「はぁっ!? なんだよそれっ!」

 

 あたしの攻撃に面食らった一夏は、慌てて雪片を構えて双天牙月を受け止めようとした。けど、甲龍が投げた双天牙月をそんな甘い構えで受けれるわけがなかった。

 

「ぐぅ……っ!」

 

 高速で回転する双天牙月に、ガリガリと一夏のSEが削られていく。けど、まだまだあたしの攻撃は終わらないわよ!

 あたしはまた瞬時加速で一気に一夏に接近すると、双天牙月を2つに分けて連撃を叩き込んだ。

 

「く、くそっ!」

 

 最後の大振りの攻撃をなんとか防いだ一夏は、今度は自分から距離を取った。

 

「はぁ、はぁ……強すぎるだろ鈴……!」

「これが本気の代表候補生の実力よ。ISに乗って1ヶ月経ったかどうかくらいのあんたが、ちょっと訓練したくらいで追いつけるわけないでしょ。まさか油断したセシリアに偶然引き分けたから、頑張れば勝てない事はないとか思ってたんじゃないわよね?」

「うっ……」

「その様子だと図星みたいね。全く……あんたがセシリアに引き分けれたのはあっちが油断してたのもあるけど、一番はあんたの【白式】が遠距離専門のセシリアと相性が良かったお蔭」

「相性が良い? ルリは試合前に相性最悪って言ってたぞ」

「それはお互いによ。近づかないと何も出来ないあんたと、近づかれたら何もできないセシリア。両方相性悪いでしょ?」

「成程な……」

 

 一夏はあたしの言葉に、素直に感心したみたい。こういう素直さはこいつの良いところなんだけどね……こいつの場合、素直さが仇になる場面が多すぎるのよ。

 

「さて、そろそろ休憩は終わりよ一夏。もうあんたのSEは残り少ないだろうし――――覚悟は良いわね」

「へっ! 言っとくけど、そう簡単に負けるつもりはないからな。確かに俺は鈴より弱いけど、【白式】なら一発逆転の目はある!」

「噂の【零落白夜】ね。確かにあれが当たったら逆転もあるけど、そう簡単に当たると思う?」

「当たらないなら――――――当たるようにするんだよ!」

 

 そう叫ぶと、一夏はまた突っ込んできた。バカの一つ覚えね――――っ!?

 

「ぉぉぉぉぉぉおおおおおッッ!!」

「なっ! 【瞬時加速】(イグニッション・ブースト)!?」

 

 そのまま突っ込んでくると思ったら、一夏は瞬時加速で一気に自分の間合いまで飛び込んできた。

 まさか瞬時加速を使えるなんて……この時の為に温存してたっていうの!?

 

「【零落白夜】起動――――――――ッッ!!」

 

 一夏が叫ぶと、零落白夜を発動した雪片は蒼い光を纏いはじめた。そのまま振り下ろされた雪片はあたしに直撃――――――。

 

 

「当たると思った?」

「ッ!?」

 

 

 振り下ろされた雪片を、あたしは双天牙月で受け流していた。まともに受けれないなら、受け流せば良いのよ!

 

「まさか瞬時加速を使えるとは思わなかったから少し焦ったけど……いくら不意をついても真正面から来て当たるわけないでしょうが!」

「そ、そんな――――ぐっ!?」

 

 渾身の一撃を受け流されて呆然としている一夏を、双天牙月で全力で空中に打ち上げてやった。

 突然空中に打ち上げられて体勢を立て直せない一夏に向けて、あたしは4門の龍咆を全て構えた。

 

「龍の咆哮。避けられるものなら――――――――――――避けてみなさいッッ!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁあああ――――――――っっ!!?」

 

 一斉に発射された、数えきれない程の火炎弾をまともに受けた一夏は、そのままアリーナの地面に墜落していった。

 

『【白式】のSEが0になった事を確認――――勝者、凰 鈴音!!』

「「「「ワァァァァァァァアアアアーーーーーーーッッ!!!」」」」

 

 一夏が墜落して少しするとあたしの勝利を宣言するアナウンスがあり、それと同時にもの凄い歓声がアリーナ中に響いた。

 ふと観客席の方を見ると、一番前の席でルリ達が嬉しそうに手を振ってくれていた。あんなに嬉しそうに喜んでくれて……あたしは本当に素敵な妹と友達を持ったわね。

 あたしはルリ達に軽く手を振り返した後、倒れている一夏のとこに行った。

 

「いっててて……あれなら勝てると思ったんだけどなぁ」

「……元気みたいね」

「お、鈴か」

 

 気絶くらいはしてるかと思ったんだけど、一夏は思いのほか元気だった。少しは威力を押さえたけど、あんだけ龍咆を撃ち込んだのに……相変わらず無駄に丈夫ね。

 

「さっきも言ったけど、真正面から不意をついても代表候補生相手だと意味ないわよ」

「ああ、身に染みたよ。もっとセシリアに鍛えて貰わないとな……鈴、次は勝つからな!」

「ふん! 何回やっても同じよ!」

「言ったな? 次は目に物見せてやるからな!」

 

 一夏はどこか嬉しそうに、あたしに宣言してきた。……こういう真っ直ぐなとこにあたしは憧れたのよね。けど、あの時みたいにドキドキはしない。やっぱしあたしは本当は一夏が好きじゃなかったんだ。そう思ったら、胸の内のずっともやもやしてたのが無くなったみたいにスッキリした。

 

「あー……すっごいスッキリした!」

「そりゃあんだけボコボコにしたらすっきりするでしょうよ!」

「ん? ああ、違う違う。確かにそれもあるけど、それとは別の話よ。ずっと悩んでたのが解決してすっきりしたのよ」

「悩んでたこと?」

「そうよ。一夏、まだあたしが怒ってた理由を知りたい?」

「へ? そりゃ意味も分からず怒られてたんだから、知りたいと言えば知りたいけど……もう良いのか?」

「別に良いわよ。悩みが解決したって言ったでしょ」

 

 あたしは一息つくと、真っ直ぐ一夏の目を見て言った。

 

「あの『毎日あたしの作った酢豚を食べて欲しい』って約束ね。あんたはそのまま受け取ったみたいだけど――――あれ、あたしなりのプロポーズだったの」

「…………………へ?」

「日本では男が女にプロポーズする時、『毎日俺の為に味噌汁を作ってくれ』って言う事があるんでしょ? それをあたしなりにアレンジした告白だったのよ」

「え、あ…………え?」

 

 一夏は何を言われたか理解できないみたいに、頭を傾げてばかりだった。

 

「あんたねぇ……女の子が顔を真っ赤にして言ったんだから、少しはそうかもとか思いなさいよ。 で、あんたがこれっぽっちも反応しなかったからあたしをなんとも思ってないのが解って、あの時は泣いて飛び出したの。で、それをこれっぽっちも分かってなかったあんたに憤慨したってのがルリが怒った理由。これで満足?」

「…………………」

「……あたしの事はもう気にしなくていいわよ。ルリ達に色々話してるうちに、あんたの事は好きじゃなくて憧れてただけなんだって自覚したから。

 でもね一夏。あんたのその鈍感が中学の頃から沢山の女の子を傷つけてたってのだけは自覚しなさいよ。心当たりあるでしょ? 言っとくけど、あたしが知ってるだけで、あんたは10人以上の女の子の告白を気付かないうちに断ってるからね」

「…………悪い鈴。少し……考えさせてくれ」

「…………うん。自分が今まで何をしてたか、ゆっくり反省してきなさい」

「……ああ」

 

 一夏は少しは自覚したのか、暗い顔をしてピットに帰っていった。これで少しはあいつの鈍感も直るといいんだけどね。

 さて、まだ明日からも試合はあるし。今日は自分の気持ちにケリを付けたご褒美にルリにうんと甘えちゃおうかしらね!




ほい。こうして一夏は鈴に物理的にも精神的にもぼっこぼこにされました。
鈴の最後の技は【超ヒロイン戦記】での台詞と技をちょっと拝借してアレンジ。
さてさて。これで一夏の鈍感は少しはマシになるかしらー? 次話が終わったらアンケートを取る予定。

次話投稿は明日の深夜予定であります。
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