IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 予定では投稿は今日の深夜だったけど、なんか時間が空いたので頑張って執筆執筆ぅ!

 いよいよ(?)今回から一夏の矯正計画が発動します。いやー前話の感想に目を通してたら一夏イジメが酷いとの声もありまして。イジメまでしたつもりはないけど、これは一夏の矯正に少し話数をかけるかと思ったらネタが湯水のように湧いてきました。これはイケる! ふふふ、これなら弾との出会いへも不自然なく繋げる! ……はず!

 第3次Zは17話をクリアしたとこ。アクエリオンEVOLキタコレ! ……エレメント多すぎないか。主人公機がフル改造出来たので、次は紅蓮聖天八極式とウイングゼロを改造してくかな。


第29話 織斑さん矯正計画発動です

 ルリです。前回はお姉ちゃんがこれでもかというくらいに織斑さんをやっつけちゃいましたね。お互いに怪我は無かったみたいだからよかったけど、あれだけお姉ちゃんの攻撃を受けてほぼ無傷って……織斑さん頑丈すぎませんか。千冬姉さんや箒さんの攻撃で鍛えられたとかなのかな?

 とにかく、お姉ちゃんが色々と良い方向に吹っ切れたみたいで良かったです。さて、織斑さんの方はどうなっていくのか。それは神の味噌汁……なんちゃって。……何、オモイカネ。私だって冗談くらい言うもん。 ――――あ、すいません。じゃあ本編へどうぞ。

 

 

――――――――

 

 

――――side ルリ――――

 

「それじゃ鈴ちゃんの対抗戦優勝をお祝いして――――――」

「「「「「かんぱーいっ!!!」」」」」

 

 楯無さんの号令で、私達はジュースの入ったグラスを打ち付け合いました。

 織斑さんを圧倒的な強さで下したお姉ちゃんは、他のクラス代表をものともせずにあっという間に優勝しちゃいました。セシリアさんや簪さんが参加してたら勝負はどうなってたか分からないけど、今回はお姉ちゃんと織斑さんしか専用機持ちがいませんでしたから。

 クラス代表にはお姉ちゃんと同じ代表候補生も何人かいたみたいだけど、流石に訓練機と専用機じゃ勝負になりませんでした。やっぱりお姉ちゃんは凄いです。

 

 それで今は試合前にお姉ちゃんが言った通り、食堂でお姉ちゃんのお祝いパーティをしてる真っ最中。参加者は私、お姉ちゃん、簪さん、本音さんと、何故かまたいる楯無さん。生徒会の仕事は終わらせてきたって自信満々に言ってたけど、簪さんと本音さんの予想ではまた虚さんに押し付けたんじゃないかって事です……会長がこんなんで、生徒会って大丈夫?

 

「む! ルリちゃん何か今失礼な事を思わなかった?」

「思ってないです」

「そう? おっかしいなー……私の勘も鈍ったのかしら」

 

 失礼な事は思ってないですよ。ただの自然な疑問です。

 

「それにしてもりっちゃん強かったね~! こう、びしばしがおーん! って感じで~!」

「あたしを怪獣みたいに言わないで欲しいんだけど……」

「え~? りっちゃんとドラゴンで、リドラとかカッコよくない~?」

「誰がドラゴンよ誰が!」

「『龍の咆哮』…………」

「うっ……!」

 

 本音さんに言い返してたお姉ちゃんだけど、簪さんがポツリと呟いた一言に固まっちゃいました。

 そう言えば織斑さんへの最後の攻撃でそんな事叫んでましたね。

 

「あ、あれはその……その場のノリって言うか…………ね?」

「鈴ちゃん……」

「な、何よ簪……」

 

 簪さんに見つめられてお姉ちゃんはタジタジです。どうしたんだろ簪さん。

 私たちが不思議に思ってると、簪さんは目を輝かせてお姉ちゃんの両手を握りしめました。何で?

 

「あの決め台詞。すっごくカッコ良かった!」

「…………へ?」

「【龍咆】だから龍の咆哮って凄く上手いと思うの! 【崩山】の龍咆は火炎弾だから、余計に龍って言葉がぴったしだったし!」

「え? あ…………そ、そう?」

「私も【打鉄弐式】の武装であんな決め台詞を言ってみたいんだけど、どんなのが良いかな? 【山嵐】だったら『山の轟きを聞け!』とかかな! ううん、そんなんじゃまだまだ甘いよね! ねえ鈴ちゃん。どんなのが――――」

「ちょ、ちょっと簪! お願いだから落ち着いて!」

「「「………………」」」

 

 ……簪さんが壊れちゃいました。

 

「あの……楯無さん、本音さん。これはどういう?」

「あー……実は簪ちゃんって、ロボットアニメが大好きなのよ」

「それとこの状態と、どういう関係が?」

「つまり~りっちゃんのあの決め台詞がロボットアニメの主人公みたいでカッコよかったから、かんちゃんのスイッチが入っちゃったんだよ~」

「なるほ……ど?」

「しばらくしたら落ち着くから、今はそっとしといてあげて」

「そうですか」

 

 簪さんの意外な一面を見ちゃいました。ロボットアニメかぁ……見た事無いけど、簪さんがそこまで好きなものなら今度見せてもらおうかな。

 

『止めた方がいいよールリ』

『何で?』

『あれは修羅の道……一度入れば二度とまともな道へは戻って来れぬ!』

『オモイカネは見た事あるの?』

『グレンラガンとか大好物です!』

『…………』

 

 お母さんにお願いしてコアに取り込んで視てたんだろうなぁ。

 

『だ、だって面白すぎるんだもん! ルリは止めた方が良いよ。あれは一度見たら止められなくなるから!』

『簪さんに厳選して貰えば大丈夫』

 

 そこまで言われたら、私も興味があるし。

 

『むぅ……なら大丈夫……なのかな? な、なら時間はしっかり決めて見る事! 分かった?』

『好き勝手に観てるオモイカネに言われたくない』

『おふぅ』

 

 オモイカネを言いくるめるのに成功しました。今度簪さんの部屋に遊びに行って借りてみよ。

 ふと簪さんの方を見ると、ちゃんと戻って来れたみたいで顔を真っ赤にしてお姉ちゃんに謝ってました。

 

「ご、ごめんね鈴ちゃん。私、こういう話になるとつい歯止めが……」

「別に良いわよ。あたしもそういうのは嫌いじゃないし」

「本当!?」

「はいはい。また今度ゆっくり聞くから、今は落ち着いてねー」

「うぅ……わ、分かりました」

「その時は私も良いですか?」

「え、ルリちゃん?」

 

 私も一緒に話を聞きたいと言うと、簪さんとお姉ちゃんは驚いて私を見ました。

 

「簪さんがそんなに好きなものなら、私も見てみたいです。オモイカネも好きみたいだし」

「オモイカネが?」

「ていうかオモイカネって、本当にISなの? 束さんやルリの話を聞いてると、人間にしか思えないんだけど」

「それはまぁ……オモイカネだし。それで簪さん、私も一緒で良いですか?」

「う、うん! 勿論!」

 

簪さんは嬉しそうに私とお姉ちゃんの手を握りしめました。ここまで嬉しそうな簪さんは初めて見るかも。本当にロボットアニメが好きなんですね。

 

「良かったわね簪ちゃん……」

「かんちゃん一緒に見てくれる人がいないって寂しがってたもんね~」

「本音ちゃんは見てあげないの?」

「何回か一緒に見たんだけど、どうしても途中で寝ちゃって~。そしたら呼ばれなくなっちゃった~」

「本音ちゃんらしいわねぇ」

「にへへ~。あ、りっちゃん~もっとデザート頼んで~」

「またぁ? いくらフリーパスだからって頼みすぎよ本音」

「いーじゃん~こんな時じゃないと私はフリーパスの恩恵にあやかれないんだし~」

「はぁ……これで最後だからね!」

「わ~い!」

「……鈴ちゃんお母さんみたいね」

「こんなでっかい子供はいらないわよ!」

 

 本音さん、どれだけ食べてるんですか……大皿3皿分くらいは食べてると思うんだけど。

 

 そうやって5人で楽しくお祝いをしてたら、意外なお客さんがやって来ました。

 

「あー……ちょっと良いか?」

「ん?」

「あ~おりむーだ~」

「あら、いらっしゃい一夏君」

「「…………」」

 

 声を掛けてきたのは織斑さんでした。思わず簪さんと2人で睨んじゃったけど、一体何の用でしょう。

 

 

――――side 鈴――――

 

 あの対抗戦の後から姿を見せなかった一夏が、何の用かあたし達のところにやって来た。

 なんか真剣な表情だけど、何の話だろ。もしかしてまだあたしの告白に気付かなかったのを気にしてるのかしら? あたしはもう本当に気にしてないんだけど。

 

「それで? 何の用よ一夏。パーティに参加したいの?」

「それも楽しそうだけど、別の用事だ。鈴の友達が揃ってる時に話したかったからな。……ところで、その更識さんに似ている人は誰なんだ?」

「あら、私の事知らないの? 織斑一夏君。おねーさん悲しいわー」

 

 楯無さんは泣き真似をしながら【しょっく】って達筆に書かれた扇子を広げた。あの扇子ってISの装備だと思うんだけど、技術の無駄遣いよねー。ルリのオモイカネも似たような気もするけど。

 

「え? えーと……悪い、思い出せん。どこかで会ってたのか?」

「会ってたというか、見ているというか」

「どういう事だ?」

 

 悩む一夏を、面白そうににやけながら見る楯無さん。この人って普段は弄られ役だけど、束さんと同じ人種よねー。完全に一夏で遊んでるわ。

 

「はぁ……楯無さん。意地悪はそのくらいにしといて。入学式の事を言ってるんだろうけど、一夏の事だからどうせ緊張でがっちがちになってて覚えてないわよ」

「あら、残念」

「入学式……?」

「紹介するわね一夏。この人は私達の友達で、簪のお姉ちゃん。そして【IS学園生徒会長】の更識 楯無さんよ」

「よろしくねー」

「……へ? 生徒会長!?」

 

 驚いてる驚いてる。そりゃ生徒会長がこんなとこで自分の知り合いと一緒にパーティしてたら驚くわよねー。

 あ、楯無さんの扇子に【ストレス解消】とか書かれてるわ。完全に楯無さんに狙われたわね一夏……ご愁傷様。

 

「まさか更識さんのお姉さんが生徒会長とか思わなかったぞ……」

「あら一夏君。わざわざ更識さんのお姉さんだなんて呼ばなくても、私の事は遠慮せずに『たっちゃん先輩』って呼んでくれて良いのよー」

「呼べるか!」

「ちぇー。じゃあ楯無さんで良いわよ。これから簪ちゃん共々宜しくね。一夏君」

「あ、えと……宜しくお願いします」

「……私は宜しくする気無いから」

「まぁまぁ簪ちゃん。取りあえず名前呼びくらいは許してあげたら? 紛らわしいし」

「…………………………………………分かった。簪って呼んでもいい」

「すっごい間があったんですけど!?」

 

 早速楯無さんに弄られてるわね一夏。楯無さんが楽しそうで何よりだわ……って、結局一夏は何の用なのよ。

 

「一夏。何か用事があったんじゃないの?」

「へ? あ、ああそうだった。鈴達に頼みたいことがあるんだよ」

「あたし達って事は、ルリや簪達にも?」

「ああ。出来れば頼みたい」

 

 あたしやルリ個人じゃなくて、あたし達全員に頼みたい事? 何だろう。

 皆で首を傾げてると、一夏は両手を合わせてあたし達に頼み込んできた。

 

「頼む! 俺の鈍感を直すのに協力してくれ!」

「「「「「……………………は?」」」」」

 

 ……どゆ事?

 …………はっ! あまりにも予想外の頼み事だったから、少し意識が飛んでた!

 

「あーと……取りあえず、その訳わかんない頼み事をする理由を教えなさいよ」

「…………対抗戦の後、鈴が言っただろ。俺の鈍感が沢山の女子を泣かせてきたって」

「言ったけど、それがどうしてこういう事になるのよ」

「あれから何日か考えてたんだけどさ。中学の頃、何人か俺に『好きです』って言ってきた子がいたの知ってるよな」

「うん」

「あの時は何が好きなんだろうとしか思ってなかったけど、鈴が言ってたのはもしかしなくてもあの子達の事か?」

「そうよ。他にもいるけどね」

「やっぱしかぁ……あれって告白だったんだな……」

 

 一夏はあたしに答えを聞くと、額を押さえて天井を見上げた。あんだけ言ったら流石の一夏も気付いたみたいね。

 

「弾や数馬にも鈍感とか朴念仁とかしょっちゅう言われてたけど、冗談としか思ってなかったんだよ。あいつらも俺がどんだけ鈍感か知ってたんだな」

「当たり前でしょ。あんたが鈍感なのを知らないのはあんただけよ」

「そう! それなんだよ!」

「わっ!? な、何よ急に大声出して!」

「あ、悪い」

「まったくもう……少しは落ち着きなさいよ」

 

 こうと決めたら一直線なのは相変わらずね。少しは落ち着いて周りを見て欲しいんだけど……

って、それに関してはあたしも一夏の事言えないわね。

 

「鈴に言われて今まで俺が何人か女の子を泣かせてたのは分かったけどさ。それでも全員じゃないんだろ?」

「うん。さっきも言った通り」

「なんだけど、はっきり『好き』って言ってくれた子以外はいくら思い返しても全然心当たりがなくてさ。こういうとこが鈍感って言われる理由だと思うんだけどよ……正直、自分じゃ直せる気がしない!」

「威張っていう事か!」

「それで鈴達に協力して欲しいんだよ。その……鈴だったら一番俺のどこがダメかよく分かるだろ? ルリ達も鈴を通じて俺の事はよく分かってるだろうし」

「それは……まあ、ね」

 

 そりゃあ一夏にアタックしまくってた一人の女子としても一夏の幼馴染としても、一夏の事はよく知ってるつもりだけど。

 

「それで? 具体的にあたし達にどうして欲しいのよ」

「いや、だから何か方法を一緒に考えて欲しいと思っての頼みだよ」

「…………だそうだけど、皆はどう思う? あたしは協力してもいいと思うけど」

 

 あたしは振り向いて、ルリ達に意見を聞いた。

 

「私は別に良いよ~なんか面白そうだし~」

「私も良いわよー。暇な時だけで良かったらだけど」

「本音と楯無さんは賛成、と。ルリと簪は?」

 

 ルリと簪は一夏に直接怒ってるし、断るかしら。

 

「私は……別に、協力しても良い」

「え、良いの? 簪」

「うん……。織斑君の鈍感は何とかしないと、鈴ちゃんみたいな女の子が増えるのは可哀想、だし」

「……すまん。ありがとうな簪さん」

「……貴方の為じゃないから、気にしないでいい」

 

 残ったのはルリだけだけど、どうするのかしら。

 そう思ってルリの方を見ると、何か考えていたルリは真っ直ぐに一夏の方を見た。

 

「織斑さん。一つだけ聞いて良いですか」

「ん? おう、良いぞルリ」

「何で鈍感を直したいんですか? 別に今まで通りでも、貴方自身は困らないのに」

 

 鈍感を直したい理由? そう言えば一夏も言ってなかったわね。

 一夏は軽く驚いたけど、すぐに真剣な目でルリを見つめ返した。

 

「そんなの決まってるだろ」

「……」

「俺のせいで誰かが泣くなんて我慢できないからだ」

「……それだけですか?」

「おう!」

 

 ……一夏らしい答えね。

 しばらく見つめ合ってた2人だけど、やがて根負けしたのかルリが一つ息を吐いて目を逸らした。

 

「分かりました。私も協力します」

「ルリ!」

「…………一夏さん(・・・・)がそこまで真剣なら仕方ないです。お姉ちゃんも協力するし、私だけ意地を張れないです。まだ子供ですけど、そのくらい弁えてます」

「そっかそっか! ありがとうなルリ……ん? 今、一夏さんって呼ばなかったか?」

「……お姉ちゃんが許してるから、私も許してあげます。まだお兄ちゃん呼びはしませんけど」

「………………」

「な、なんですか一夏さん。そんな目で見て「ルリィィィィィィィィィッッ!!」ふわっ!?」

 

 ルリに一夏さん呼びに戻して貰えたのがよっぽど嬉しかったのか、一夏はルリを抱きしめて……っておい。

 

「あたしの妹に何してんのよ! この変態がぁぁぁぁぁっ!!」

「そげぶっ!?」

「お姉ちゃん!」

 

 あたしの渾身のソバットを受けた一夏は、机をなぎ倒して本音達の方に飛んで行った。あ、本音が追い打ちしてる……あの子ってあんなにアグレッシブだったっけ?

 一夏の魔の手から助け出したルリを抱きしめると、ルリは本当にビックリしたみたいであたしを強く抱き返してきた。ったく……いくら嬉しかったからっていきなり抱き着くなんて、何考えてんのよ!

 

 それにしても一夏の鈍感の矯正かぁ……正直あたし達だけじゃ荷が重いわね。次の休みに弾のとこに相談に行こうかしら。久しぶりにアイツや蘭とも話したいし。

 よし!そうと決めたら早速明日にでも外出届を出しにいかないとね!




やったねルリちゃん! 弾との出会いフラグが立ったよ!
そして始まる一夏矯正計画。どうなることやら。
前々から言ってた通り、活動報告で一夏ヒロインについてのアンケートを取りますのでよしなに。

次の投稿は……明日の昼間か明後日の深夜。多分明後日。
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