IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 投稿は明日の夜になるかもと言ったが、早く弾を書きたかったので夜勤前に執筆。
 ヒャア! 我慢できねえ! 弾だぁ!

 アンケートは4/14の12時の時点で1が6票、2が4票であります。4は無いと思ってたけど、3も無いですなー。この調子なら王道でシャルがヒロインになりそうだけど、まだ2票差だしどうなるやら。シャルヒロインが書きやすそうだなーとは言いましたけど、別に気にしないでいいですよー。

 第3次Zは19話をクリア。18、19話と嫌なステージが続いたわ。18話は暴走したブラックオックスを撃墜されちゃダメで、19話は第6使徒に加えてアブダクターと機械獣が真逆の場所に出て来て制限ターン過ぎたら強制クリアだし……全滅させるの超大変だった。


第30話 おいでませ五反田食堂、です

 ルリです。前回は一夏さんが私たちに鈍感矯正の手伝いをお願いしてきました。真剣だったから引き受けたけど、よく考えたら自分の鈍感が泣かせた相手の最たる相手のお姉ちゃんに協力してほしいって、よく言えましたよね。まあ一夏さんの事だから一番頼りになりそうってだけでお姉ちゃんを選んだんでしょうけど……そういうとこが鈍感って言いたいです。

 まぁ、それもこれから矯正していけばいいです。お姉ちゃんがあれだけやっても直ってないものが、そう簡単に治る……もとい直るとは思えないけど。頭叩いたら直ったりしないかな?

 じゃ、本編です。

 

 

――――――――

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 先日の一夏さん矯正計画の発動から初めてのお休みの日。

 今日はお姉ちゃんが相談したい相手がいるとの事で、私とお姉ちゃん、一夏さんの3人でその人に会いに行ってるとこです。簪さんや本音さんも行きたかったみたいだけど、いきなり大勢で押しかけても相談にならないということで、今回は面識のあるお姉ちゃんと一夏さんだけになりました。

 え、私ですか? 私を1人で留守番なんかさせられないっていうお姉ちゃんと一夏さんの強い要望で強制連行です。お姉ちゃんが来るまでは一人部屋だったんだけど……まぁいっか。心配してくれるのはやっぱし嬉しいし……でも。

 

「ルリ、大丈夫か? 電車に酔ったりしてないか? 喉は渇いてないか? 腹減ってないか?」

「ちょっと一夏! あんたルリに構いすぎよ! そんなに一気に言ったらルリも困るでしょうが! ほらルリ、こっちおいで。窓際の方が外の景色がよく見えるわよー」

「あ、ズルいぞ鈴! 4人がけの席なんだから、別にルリがこっちでも良いだろ!」

「あんたみたいな急に抱き着く変態の傍に、ルリを置いとけるわけないでしょ! このシスコン!」

「誰が変態でシスコンだ!」

「…………バカばっか」

 

 電車に乗った時からずっと2人はこんな調子です。心配してくれるのは良いけど、ちょっと過保護すぎます。それにしても、一夏さんってここまで私に執心してたっけ?

 

『呼び方を“織斑さん”から“一夏さん”に戻して貰えた反動だと思うよ』

『ホント? それなら織斑さんのままの方が良かったかな』

『それもそれで面倒だったと思うけど。まぁ、どっちにしろ手遅れだね』

『そうだね……お兄さん呼びだけはしないようにしよう』

『それが懸命だね。お兄さん呼びなんかしたら、24時間傍から離れなくなるかも』

 

 ……絶対に冗談でもお兄さんとか呼ばないように気を付けよう。

 

 お姉ちゃんと一夏さんの騒がしい親権争い(?)は、通りすがりのお婆さんに『あらあら、仲の良い兄妹ね。でもお兄ちゃんとお姉ちゃんばかり仲よくしてると、妹さんが拗ねちゃうわよ』って優しく言われるまで続きました。

 その後はどっちが1番上かでまた騒がしくなっちゃったけど、一夏さんの『鈴みたいなちっちゃい姉貴がいるか』って一言に憤慨したお姉ちゃんの一撃で、一夏さんは沈黙しました。沈黙と言うより撃沈だけど。これは鈍感……とは違いますね。ただの仲の良い幼馴染のじゃれ合いです。

 

『気絶するようなじゃれ合いってあるの?』

『え、違うの?』

『……まぁ、この2人ならあるよね』

『ですね』

 

 そのまま目的の駅に着くまで、一夏さんは気絶したままでした。対抗戦の時は龍咆をあれだけ受けても気絶しなかったのに。白式の防御力が凄いのか、お姉ちゃんの素手の攻撃が凄いのか、どっちだろ?

 

――――side 鈴――――

 

 駅に着いたあたし達は気絶してた一夏を叩き起こして、目的の場所に向かった。うーん……あたしのこのすぐに手がでちゃう癖は何とかしたいわね。一夏以外には別にそんな事ないんだけど、何でかしら。流石に気絶させるのはやりすぎたし、反省しないとね。

 

「お姉ちゃんと一夏さんの友達の家ってどこなの?」

「駅からそんなに離れてないわよ」

「なんか弾に会うのも久しぶりだなー。IS学園に入学して2ヶ月くらいしか経ってないのに、凄い昔みたいな感じだ」

「そりゃあんだけ濃い毎日を送ってたら、そうも思うわよ。あたしなんか1年以上ぶりよ」

「それもそうだな。あ、そう言えば鈴の親父さん達はどうしたんだよ。まだ中国にいるのか?」

「…………」

「お姉ちゃん……」

 

 一夏の言葉に思わず足が止まったあたしを、ルリが心配そうに見上げてきた。そう言えばルリと束さんには対抗戦の前に話したけど、一夏にはあたしが中国に帰った理由を言ってなかったわね。

 

「鈴?」

「んー……まだあたしが中国に帰った理由って言ってなかったわよね」

「あぁ。家庭の事情としか聞いてないけど」

「あたしの両親、離婚したのよ。それでお母さんの実家にある中国に引き取られたの」

「え……」

「お父さんとは離婚してから1回も会えてないわ。連絡先も教えてくれなかったし……日本にいるとは思うんだけどね」

 

 あたしが少し落ち込んじゃったのが伝わったのか、ルリがあたしの手を握ってくれた。そんなに心配しなくても、ルリと束さんに聞いてもらってたからあたしは大丈夫よ。

 

「そうだったのか……悪い鈴。言いにくい事を聞いちまって」

「知らなかったんだから仕方ないでしょ。別に気にしてないわよ」

「……なんか鈴、変わったか?」

 

 あたしが気にしてない事を伝えると、一夏は少し驚いたみたいに言ってきた。変わったって何の事かしら……1年前から背は殆ど伸びてないんだけど。嫌味? 嫌味なのかしら?

 あたしの目つきが鋭くなったのに気付いたのか、一夏は慌てて弁明してきた。

 

「あ、違う違う! 悪い意味じゃなくて! 中学の頃の鈴だったら、こういう話をしたらもっと落ち込んでたと思うからさ。なんか落ち着きが出てきたというか……いや、すぐに手がでるのは変わらんか。うーん……自分で言ってなんだけど、よく分からん」

「何よそれ。でもそうね……あたしが落ち着いたように見えるなら、それはこの可愛い妹のお蔭よ。色々と弱音を聞いたりしてもらっちゃってるからね」

「わぷっ」

 

 あたしが頭を撫でると、ルリは驚きながらも嬉しそうに握った手をもっと強く握ってきた。ルリがいなかったら、多分あたしは今でも一夏に恋してたと勘違いしてたんだろうなぁ……本当にルリにはどれだけ助けられたか分かんないわ。

 

「そっか。俺からもありがとうなルリ。鈴を元気づけてくれて」

「別に……私の方がもっとお姉ちゃんに助けられてますし」

「いやいや。ルリがいなかったら鈴なんかもっと暴走してただろうからな」

「うるっさいわね……あんたはあたしのお父さんか!」

「鈴みたいな生意気な娘はいらねー」

「なんですってぇ!」

「あ、待ってお姉ちゃん」

 

 アホな事を言って逃げ出した一夏を、あたしとルリは慌てて追いかけた。一夏への恋は終わったけど、やっぱしこいつとこうしてバカやるのは楽しいわね。これからは一夏の“友達”として、楽しくやっていけそうだわ。

 

 

――――――――

 

 一夏を追いかけてたら、いつの間にか目的地の五反田食堂に着いていた。あいつ、ちゃんと道を考えて走ってたのね。

 ふと手を繋いでいたルリの方を見ると、顔を少し赤くして息を切らしてた。少し早く走りすぎたかしら。一夏もルリの体力を考えてなかった事に気付いたみたいで、慌ててあたし達の方に走ってきた。

 

「ゴメンねルリ。大丈夫?」

「はぁ……はぁ……こ、これくらいなら少し休めば大丈夫」

「悪いルリ! ついいつもの調子で走ってた!」

「それ、より……早く、入りませんか……座りたいです……」

「そ、そうね! 行くわよ一夏!」

「おう!」

 

 顔を見合わせたあたし達は、慌てて五反田食堂の扉を開いた。ここに来るのは本当に久しぶりね。

 

「すいませーん! 弾いるかー!?」

「うるせぇっ! 静かに入って来やがれっ!!」

「おぶっ!?」

 

 一夏が大声をあげて弾を呼んだ途端、厨房の方から凄い勢いでお玉が飛んできて一夏に直撃した。しまったー! 慌てて忘れちゃってたけど、ここで騒がしくするのはご法度だった……!

 お玉を投げてきたのは五反田 厳(ごたんだ げん)さん。弾とその妹である蘭のお祖父さんで、頑固一徹という言葉が良く似合うこの食堂の支配者。昔は怒らせてどれだけ叩かれたことか……!

 

「す、すいません厳さん! 騒がしくして! けど、ちょっとこの子を休ませて欲しいんです!」

「あぁ? 誰かと思ったら一夏のガキと鈴の嬢ちゃんじゃねえか。中国に帰ったって聞いてたが、帰ってきたのか」

「いって~……! 相変わらず容赦ないなぁ厳さん」

「はい、お久しぶりです! そ、それより席は空いてますか!?」

「あぁ、丁度奥の席が空いたとこだ。この子ってのはそのちっこい嬢ちゃんか? すぐに水を持って行かせるから、座って待っとけ。おい弾! いつまでも楽器なんざ弾いてないで、さっさと手伝いに来い!」

 

 あたし達が厳さんに言われた席にルリを連れて行っていると、二階から厳さんに呼ばれた弾が下りてきた。ちゃんと電話で今くらいの時間に行くって連絡してたのに、何してたんだか。

 

「なんだよ爺ちゃん。今いい感じに弾けてたのに……って一夏と鈴じゃねえか! もう来てたのか!」

「おう。なんか久しぶりだな弾」

「久しぶりね弾。けど今くらいの時間に来るって、ちゃんと連絡したでしょ?」

「悪い悪い。ベースを弾いてたら時間を忘れててよ」

 

 弾と再会の挨拶をしてたら、厨房の厳さんが声を上げた。

 

「んな挨拶は後で良いから、さっさと水を席に持ってけ! ちっこい嬢ちゃんが倒れたらどうする!」

「お、おう! って、ちっこい嬢ちゃん?」

「早くしろ!」

「はいはい、分かったって!」

 

 厳さんに言われた弾は慌てて水をテーブルまで持ってくると、そのまま一夏の隣の席に座った。お店の手伝いしなくて大丈夫なのかしら。

 って、今は弾よりルリの事よ。さっきよりは少し落ち着いたみたいだけど、まだ顔が少し赤いわね。

 

「ルリ、大丈夫? ほら、水を飲んじゃいなさい。大分楽になるから」

「あ、ありがとうお姉ちゃん……んくっ、んくっ」

「あ、そんなに慌てて飲むなよルリ! 急いで飲んだら胃に悪いぞ!」

「……何だこれ?」

 

 水を一気に飲んだルリはまだ少し息は荒かったけど、顔の赤みは引いて大分落ち着いたみたい。

 さて、目の前で固まってる弾に紹介しようかしら。

 

「紹介するわね弾。あたしの妹で寮でのルームメイトのホシノ・ルリよ」

「俺のクラスメートで妹でもある」

「はぁ? 誰があんたの妹よ。まだルリにお兄さん呼びされてないくせに」

「最初はお兄さん呼びだったし、千冬姉は姉さん呼びされてるんだから弟の俺が兄さんでも別に良いだろ!」

「良いわけあるか!」

「「ぐぬぬぬぬぬぬ…………!」」

「いやいやいやいや何言ってんのお前ら!?」

「「弾は黙ってろ(て)!」」

 

 弾が何か言ってるけど、今はそれどころじゃないのよ!

 一夏みたいな朴念神にルリは渡さないんだから!

 

「……もう勝手にしてくれ」

「この水、美味しいです」

「ん。おかわりいるか?」

「あ、お願いします」

「あいよー」

 

 この後、厳さんのお玉が飛んでくるまであたしと一夏の争いは続いた。




ちょっといつもより短めだけど、キリがいいので今日はこのくらいで。平均文字数は超えてるし問題ないさね……10話くらいまでは3000字くらいが平均だったのに、気づいたら5000字以上がデフォになってた件。何故だ。

いよいよ登場した弾であります。ルリは酸欠でダウンしてるけど、次話では復活してるので。
今まで織斑さん呼びだったのが許されて、一夏のルリへの好感度がMAX。これがシスコンに目覚めた者の力……兄気! 鈴も一夏に触発されて、普段より過保護になっとりますw

次話は明日の晩か明後日の夕方であります。明日は気力ないだろうから、多分明後日……フラグじゃないよー。
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