IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 1日開いただけなのに、なんか凄い久しぶりな気がする。やっぱ間はあけちゃダメですな。書く勢いが止まっちゃう。
 昨日は書く気力は無かったけど、読む気力はあったので色々なSSを読んでました。え、スパロボ? 全然やってねーです。なんかイマイチやる気が……いや、クリアはするけど。

 アンケートは4/16 18時の時点で1が9票、2が5票、3が1票です。これはもうシャルで確定かの。1が一番書きやすいとは言ったけど、その辺りは別に気にしないで下さいませ。明後日一杯が締切ですので、どうぞよしなに。


第31話 弾さんへの自己紹介です

 ルリです。前回は一夏さんがいきなり走り出したせいで酷い目にあいました。一夏さんが私のお兄さんを自称するから、お姉ちゃんが張り合って本当に大変です。千冬姉さんの時は別に何も言わなかったのに、一夏さんの時はなんでこんなに張り合うのかな。2人で普通にお話してる時は楽しそうなのに、私が絡んだらあの調子です。なんでだろ。

 それはさておき、今回も五反田食堂でのお話です。前回は到着しただけで、本当に顔見せで終わっちゃいましたし。 じゃ、本編です。

 

 

――――――――

 

 

――――side 五反田 弾――――

 

 爺ちゃんのお玉に沈黙させられた馬鹿2人は、今度はルリちゃんにどっちが兄姉に相応しいかを問い詰めた。まだ続けるのかよと思ったが、ルリちゃんは迷う素振りもなく鈴の方を選んで一夏が撃沈した。おーおー真っ白になっちまって……どんだけショックだったんだか。

 鈴は鈴でよっぽど嬉しかったのかルリちゃんを抱きしめて、顔から煙が出るんじゃないかってくらいの勢いで頬ずりし始めた。なんだこの状況。

 

「お姉ちゃん、熱いです」

「ふっふっふ……ルリに慕われるに値するのは一夏じゃなく、このあたしよッ!」

「くっそう鈴め……! いつかは俺もルリに“お兄ちゃん”って呼んでもらうからな!」

「ふん。出来るもんならやってみなさい!」

「……で、一夏に鈴よ。いつになったら俺はルリちゃんを紹介してもらえるんだ?」

 

 まだ論争の熱が燻ってるとこ悪いが、いい加減に説明して欲しくて2人に声をかけたら、同時に何を言ってるんだこいつって目で見てきやがった。え、何で俺がそんな目で見られるんだ? 

 

「何言ってんだよ弾。俺と鈴の妹だって紹介しただろ」

「これ以上無いくらい分かりやすい紹介じゃないの。少し見ないうちに鳥頭に磨きがかかったの?」

「あれを紹介とぬかすか! お前らとは人種からして違うじゃねえかッ!」

「「魂の妹だからな(よ)」」

 

 ……こいつらに聞いたのがそもそもの間違いだったか。

 

「……ルリちゃん。こいつらいっつもこうなのか?」

「最近はこんな感じです」

「アホ2人が迷惑をかけるなぁ……」

「慣れっこですから……今日のは流石に疲れちゃいましたけど」

 

 アホ2人とは違って真っ当な対応に、思わず目頭が熱くなってくるぜ……ん? ていうか、なんでルリちゃんみたいな小さい子がIS学園に通ってるんだ? さっき鈴のやつがルームメイトって言ってたから、IS学園に通ってる……んだよな? 飛び級でもしたんだろうか。

 本人に聞いた方が早いと思ってルリちゃんに質問しようとしたら、後ろから2つの手が俺の両肩を掴んできた。そりゃあもう凄い力で。恐る恐る後ろを振り向くと――――――そこに居たのは2匹の(シスコン)だった。

 

「「だ~ん~?」」

「な、なんでございましょうか!」

「俺達が話してる間に、随分ルリと仲良くなったみたいだなぁ」

「そ、そうか? これくらい普通だろ?」

「普通ねぇ……それよりも、なんでルリの事をいきなり名前で呼んでるのかしら?」

「いや、ルリちゃんに名前で良いって言われただけなんですけどぉ!?」

 

 ていうか、質問に答えるごとに肩を掴む力が強くなってるのは何故!?

 何でちょっとルリちゃんと話しただけで尋問されんの!? こいつら過保護ってレベルじゃねえ!

 

 どう答えればこの状況から逃げられるか必死で悩む俺を救ったのは、やっぱりというか爺ちゃんのお玉だった。一夏と鈴だけじゃなく、何でか俺まで喰らったけどな畜生!

 3人で痛みに悶えてると、心配したルリちゃんが俺と鈴の赤くなった額を撫でてきてくれた。癒されるわぁ……撫でられなかった残り1人が凄い目で睨んできてるが、見ない事にした。ルリちゃんの傍に付いてたら襲ってはこれまい。多分。

 

 

――――――――

 

 

 ここで話してたらまたいつお玉が飛んでくるか分からんという事で、話の続きは俺の部屋でする事になった。少し散らかってるけど、ベッドに1人か2人か座れば大丈夫だろ。

 そう思ってたら部屋についた途端に鈴にベッドを占拠された。そういや中学の頃もよくこいつにベッドを取られてたよなぁ……その時と違うのは膝の上にルリちゃんを抱きかかえてる事だけど。ルリちゃんも嬉しそうだし、えらく仲が良いなこの2人……横で妬ましそうにしてる一夏(シスコン)はもう知らん。

 

「で? いい加減に説明してくれやしませんかねお二人さんよ。今日2人で遊びに来るとしか聞いてなかったのに、ルリちゃんみたいな小さい子を2人の妹とか言って連れてこられちゃ訳わからん」

「あ……すいません。迷惑でした?」

「弾……ルリを邪魔者扱いするとかいい度胸ね」

 

 俺の言葉にルリちゃんが少し落ち込んでしまい、言い方を間違えたかと思った途端に鈴がマジで人を殺せるんじゃないかって勢いで睨んできた。なんかルリちゃんの事になると沸点低すぎねえか!?

 

「ち、違う違う! そうじゃなくて、ルリちゃんが2人とどういう関係かちゃんと一から説明しろって言ってるだけだ! そもそもルリちゃんみたいな小さな子がIS学園に居る理由がもう分からん!」

「それなら最初からそう言いなさいよ。でも一からって言われても……」

「お姉ちゃん。私が説明する」

 

 鈴がどう言えばいいか悩んでると、ルリちゃんの方が説明してくれると言ってきた。礼儀正しいし、よくできた良い子だな。蘭にも少しは見習って欲しいくらいだぜ。

 

「改めて自己紹介します弾さん。名前はホシノ・ルリ。年齢は10歳ですけど、戸籍上は15歳です。IS学園に入学するために戸籍の年齢はそうなったんですけど」

「ちょっと待てぇ!!」

「え? 何か変なとこありました?」

 

 俺が何で止めたのが分からないのか、可愛く首を傾げるルリちゃん。

 一夏と鈴も不思議そうな顔してるけど、これってIS学園だとよくあんの!?

 

「いや、戸籍改竄しましたとか自然に言ってるけど、それ普通に犯罪じゃね!?」

「「「………………あ」」」

「誰も気付いてなかったのかよ!!」

「忘れてました」

「でも千冬姉が何も言わないんだから大丈夫だろ?」

「入学しちゃえば関係無いわよ……あ、ルリ! 戸籍では15歳だからって5年経ってもお酒とか煙草に手を出しちゃダメだからね!」

「何言ってんだ鈴! 何年経ってもダメに決まってるだろ!」

「気にするとこそこかよ!?」

 

 なんでこんなに呑気なのこいつら! バレたら捕まるとか心配しないのか?

 そんな俺の疑問が伝わったのか、ルリちゃんが自己紹介の続きついでに理由を話してくれた。

 

「バレる心配はないですし、万が一バレても問題ないです」

「へ? バレても大丈夫って?」

「改竄した本人には誰も手出しできませんから」

「……さっぱり分からん」

 

 バレても手が出せない相手って誰だ? 国とかか? でも、それだと最初からバレてるのと一緒だろうからバレないなんて言わないだろうし……分からん。

 一夏と鈴の方を見たらニヤニヤした笑顔で返されるし……ありゃ俺が驚くのを面白そうに待ち構えてんな。って事は、犯人は俺でも知ってる人って事か?

 あれこれ悩んでると、ルリちゃんが正解を教えてくれた。

 

「私の戸籍を改竄したのは篠ノ之 束博士です」

「……は?」

「ついでに言っちゃうと、私は束お母さんの義理の娘です」

「…………はぁぁ!?」

 

 篠ノ之博士って……うぇ!? ISを開発したあの篠ノ之博士だよな!? それでルリちゃんが博士の義理の娘!? ……ダメだ。もう意味が分からん。

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 私がお母さんの娘だから捕まる心配はないって言いたかっただけなんだけど、弾さんは凄くびっくりしたみたいです。ついでで言ったからかな。

 お姉ちゃんと一夏さんは頭を抱えてる弾さんを、面白そうに眺めてます。

 

「マジで?」

「「「マジ(です)」」」

「さいですか……ま、まぁ一夏も知り合いとか言ってたしな! 別に驚く事じゃないよな!」

「声が引き攣ってんぞ弾」

「うるせー!」

 

 弾さんは無理やり納得したみたいです。これでこんなに驚くんだったら、生まれとかの事は言わない方がいいのかな。

 そう思ってたところに、一夏さんから答えにくい質問がきました。

 

「そういやルリって、どこで束さんと会ったんだ?」

「え……」

「5歳で束さんに娘にしてもらうより前の事は殆ど覚えてないとか最初に言ってたけど、少しは覚えてるんだろ?」

「それは……」

 

 どうしよう……別に隠すような事じゃないと思うけど、2人に言っても大丈夫かな。話したらもしかしたら怖がられたりするかも……それは少し嫌です。

 少し不安に思ってると、当の弾さんが一夏さんを止めてくれました。

 

「おい一夏。詳しい事情は知らねえけど、答えにくい事かもしれないのに聞くなって。ルリちゃんもちょっと難しい顔になってるだろ!」

「へ? でも鈴は知ってるみたいだし……」

「お前はともかく、さっき会ったばかりの俺にそんな深い話まで出来る訳ないだろーが」

「そんなもんか?」

「何も考えてないお前と、見るからに繊細なルリちゃんを一緒にすんな!」

「弾さん……」

 

 弾さんは私を本気で心配してくれてるみたいです。さっき会ったばかりのよく分からない子供相手に……優しい人です。

 私を抱きかかえてくれてるお姉ちゃんの方を見ると、凄く優しく笑って強めに抱きしめてくれました。

 

「お姉ちゃん……」

「心配しなくても、あいつらならルリを避けたりしないわよ」

「……そうかな」

「そうよ。ていうか、あたしの時は何か聞く前に自分から言ってきたじゃない。何で今はそんなに不安がってるのよ」

「え?」

 

 そう言えばお姉ちゃんの時は、勢いで全部話してたような……何で今はこんなに不安なんだろ。

 悩んでると、お姉ちゃんが笑って私の頭に手を置いてきました。

 

「もしかしたらルリも成長したって事かもねー」

「成長?」

「そ。ほら、あたしの時は自分の事を未完成品とか言って自分を道具扱いしてたじゃない?」

「……今はもう言わないもん」

「それよそれ」

「それ?」

「あの時あたしが怒ってから、ルリは自分が1人の人間だって自覚し始めたんじゃない?」

「……そうかも。けど、それとどういう関係があるの?」

「分かんない?」

「……うん」

 

 素直に分からないって言うと、お姉ちゃんはクスクスと笑いはじめました……意地悪です。

 

「簡単よ。友達に嫌われたくないなんて、人間なら当たり前に思う事でしょ?」

「あ」

「むしろあの頃のルリが変だったのよ。普通初対面の相手に自分の秘密をあんなペラペラ話さないわよ。まぁ、そのお蔭でルリのお姉ちゃんになれたんだから文句はないんだけどね」

「むぅ……」

 

 そんなにはっきり言わなくても良いのに。

 私が少し頬を膨らませてると、お姉ちゃんは私の頭を優しく撫ではじめました……ズルいです。

 

「あいつらに言うかどうかはルリに任せるけど、一夏と弾なら驚きはするだろうけど避けたりなんかしないと思うわよ」

「……お姉ちゃんがこうしててくれるなら、言ってみる」

「ん。任しときなさい!」

「うん。ありがとうお姉ちゃん」

 

 お姉ちゃんにお礼を言うと、2人で話してる一夏さんと弾さんに声をかけました。

 

「あの、私の事話します」

「……ルリ、大丈夫か?」

「話しにくい事なら言わなくていいんだぜ?」

「……ううん、大丈夫です。心配してくれてありがとうございます」

 

 2人とも心配そうに言ってくれました。うん、きっと大丈夫。

 私が話す事を決めると、2人は真剣な表情で私と向き合ってくれました。

 

「一夏さんには殆ど覚えてないって言いましたけど、正確には覚えてないというより覚える事が無いって言った方が近いんです」

「覚える事が無い?」

「はい。物心ついてからお母さんに会うまで、ずっと実験しかしてませんでしたから」

「実験って……どういう事だ?」

「私、試験管ベビーですから。ISとの意思疎通の為に造られた人間なんです」

「「なっ……!」」

 

 私の生まれを言うと、2人とも驚愕の表情を浮かべました……嫌われないでしょうか。

 私が不安に思ってるのが伝わったのか、お姉ちゃんがさっきより強く抱きしめてくれました。

 2人の様子を見ると、2人とも肩を震わせて……どうしたんだろう?

 

「あ、あの……」

「何だよそれっ! 実験の為に造られたって、人の命を何だと思ってやがる!!」

「ひゃぅっ!?」

 

 どうしたのかと声を掛けようとすると、一夏さんが突然大声を出すから驚いて変な声が出ちゃいました。弾さんの方を見ると、声こそ出してないけど一夏さんと同じくらい険しい顔になってます。

 え、何で2人がこんなに怒ってるんだろう?

 

「あの、何でそんなに怒ってるんですか?」

「何でって……怒るに決まってるだろ!! こんな話を聞いて、怒らない男がいるわけねえっ!」

「あぁ。一夏に同感だ……! 出来るなら今すぐそんな研究をしてる奴等をぶっとばしてやりてえ!」

「あ、その……その研究所は、お母さんが私を助けてくれた時にお母さんが潰したから……」

 

 もう研究所が無い事を伝えても、2人の怒りは収まらないみたいです。今まで話した人は皆受け入れてくれたけど、こんな反応は初めてです。私の生まれはどう思ってるんだろ。

 

「あの……気持ち悪くないんですか? 私、普通の生まれじゃないんですけど」

 

 恐る恐る聞くと、2人とも不思議そうに聞き返してきました。

 

「は? なんでそんな風に思うんだよルリ」

「え、だって……」

「生まれがどうでも、ルリちゃんはルリちゃんだろ?」

「あ……」

 

 私は私って……前に自分で言った言葉だけど……何でこんなに胸が暖かくなるんだろう。

 弾さんの言葉に呆けてると、お姉ちゃんが私を膝から降ろして、笑いながらハンカチで顔を拭いてくれました。いつの間にか泣いちゃってたみたいです。

 

「だから大丈夫って言ったでしょ。ホント、ルリは泣き虫ねぇ」

「だって……」

「ど、どうしたルリ! 何で泣いてるんだ!?」

「もしかして、なんか言わない方が良い事を言っちゃったか……?」

 

 後ろを振り向くと、一夏さんと弾さんが心配そうに私の顔を覗き込んでました。

 弾さんが自分が何か言ってしまったかと申し訳なさそうに言ったので、私は慌てて首を横に振りました。

 

「ち、違……ます………嬉しか、ただけ、です……!」

 

 涙が止まらなくて、上手く喋れないです……なんとか涙を止めようと必死に涙を拭ってると、大きな手が私の頭に乗せられました。

 

「弾……さん?」

「あー……なんで泣いたのかはよく分かんないけどさ。無理に泣き止むよりは全部出した方がその……スッキリすると思うぞ」

「……!」

 

 弾さんの優しい言葉に、感極まった私は思わず弾さんに抱き着きました。

 弾さんはいきなり抱き着いた私に驚いたみたいだけど、そのまま頭を撫でてくれました。

 

「ありがとう……ござ……ます……」

「あぁほら、無理して喋るなって」

「うー……」

「「…………」」

 

 弾さんはそのまま私が泣き止むまでそうしてくれました……私が泣き止んで離れたら、お姉ちゃんと一夏さんに部屋の外に連れてかれちゃったけど、どうしたんだろ。




 色々なSSを呼んだ後だと、自分の文才と構成力の無さを実感するなぁ。色々考えてはいるんだけど。一夏は激しく怒るけど、弾は静かに怒るイメージ。

 一夏矯正計画の話の前に弾へのルリ紹介だけで終わっちゃった不思議。
ダイジェストで流せる設定じゃなかったからねえ……弾がただのモブ友人扱いならそれでも良かったけど。

 ルリは束の娘というのは世界中が周知の事実だけど、試験管ベビーというのは実は殆ど知られてなかったり。今知ってるのはルリと束以外だと鈴、千冬、簪、本音、楯無と更識の幹部クラスの何人かくらいです。今回の話で一夏と弾が追加。

次回は明日の深夜か明後日の夕方予定です。まだまだ続くよ五反田食堂編。
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