IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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最近PCに触れる時間が減ってるので、2日かけて執筆する事が多くなって参りました。執筆速度が落ちてるのもありますけど。登場人物が増えてきたから、どうやって絡ませるかを悩んでるのです。セッシーの空気っぷりがヤバいけど、どうしたもんやら。同じクラスのセッシーよりも違うクラスの簪や鈴のが圧倒的に出番が多いとか……すまんセッシー。

感想でアンチ・ヘイトタグを付けた方が良いというのがあったので、一応付けました。原作アンチじゃないから別にいらないと思ったんだけど、難しいですな。“アンチ・ヘイトは箒のため”を追加したらタグの制限文字数がオーバーしたので、“主役はホシノ・ルリ”“作者はセコン党”の2つのタグを消しました。ここまで本編を書いたら、態々タグに書かなくても明らかだと思ったので。

書き忘れてたけど、クラスでのルリの席は廊下側から2列目の一番後ろ。ぶっちゃけるとのほほんさんの後ろでラウラの隣。アニメの座席表を捜したらのほほんさんの後ろはいるかいないか微妙みたいなんで、この作品ではいない事に。

今回の話は賛否両論あるかもです。


第36話 絶好調な本音さんと、金と銀の転校生

 え、わ、私……!? あらすじって言われても……あ、えと……さ、更識 簪です。今回は私がここに呼ばれちゃいました……何で私なの? 私よりお姉ちゃんや本音の方が……本音は前回呼ばれた? じゃあお姉ちゃんは……え、ルリちゃんと仲が良い順に呼んでる? じゃ、じゃあ私より本音の方がルリちゃんと仲が……同じくらい仲が良いから、クラスが一緒な方を先に呼んだだけ? そ、それならまぁ……あ! あ、あらすじ言わないと! えと、前回は女の子が男装してスパイに来るって話をしてたら、篠ノ之さんが織斑君に告白してて、でも織斑君は気が付いてなくて! それで話し合ったら本音が篠ノ之さんに教える事になりました! ……うぅ、全然あらすじになってない……え、締めに一言? あ、えと……今回も宜しくお願いします……。

 

 

――――――――

 

 

――――side 箒――――

 

 

「(どうしてこんな事に……)」

 

 一夏にトーナメントの約束を取りつけた翌朝。

 登校した私が聞いたのは、【トーナメントで優勝すれば一夏と付き合える】という噂だった。

 これはもしかしなくても、昨日の私と一夏の約束が原因か? という事は、私のあの告白が周囲に聞かれていたという事で……勢いに任せてあんな人目につく場所で言ったのは迂闊だった!

 しかし聞かれていたのはともかく、何故このような噂になってしまったのだ。一夏と約束をしたのは私だ! つまり、その、一夏と付き合えるのも私だけなのだぞ! それなのにこのような噂を広めて……全く度し難い!

 まぁ良い。いくら噂が広まろうと、私がトーナメントに優勝すれば良いだけの事だ。そうすれば一夏と――――。

 

「そんなしののんに、残念なお報せ~」

「ッ!?」

 

 考えに没頭していた私を引き戻したのは、いつの間にか隣に立っていた布仏の言葉だった。

 残念な報せとは、いったい何のことだ?

 

「布仏。突然何の事だ?」

「んーとね~……ちょっとお耳貸して~」

「む……」

 

 あまり聞かれたくない話という事か。

 言われた通りに耳を寄せると、布仏はとんでもない事を言い出した。

 

「しののん、昨日の晩におりむーに告白してたでしょ~」

「なっ!!?」

 

 それを聞いた瞬間、慌てて布仏から飛びのいた。な、何故布仏がそれを知っている!? まさか、広まっている噂は布仏の仕業か!

 そう思い布仏を睨みつけるが、睨まれた当人はいつもの調子でゆっくりと首を横に振った。

 

「噂を広めたのは私じゃないよ~。私はおりむーと付き合いたいとか全然思ってないし~」

「……なら、いったい誰が噂を?」

「あれだけ騒いでたら、近くにいた人みんなに聞こえてるよ~。誰が犯人とかじゃなくて、噂が広まってるうちに変わっちゃっただけだと思うよ~」

「……そこまで大きな声だったか?」

「私は最初は部屋にいたけど、騒いでるのは聞こえたよ~」

「そうか……」

 

 部屋の中にいた布仏にまで聞こえてたとしたら、下手をしなくても大多数の人間に聞かれていたという事か……昨晩の考え無しに叫んだ自分を殴り飛ばしてやりたい気分だ。

 

「落ち込んでるみたいだけど、今のが悪いお報せじゃないよ~」

「……何だと?」

 

 思わず頭を抱えてしまった私に、布仏はまだ別に厄介事があると言ってきた。今のが悪い報せではないとすると、その報せとはいったい何の事だ? 昨晩の話とは関係ない事だろうか。

 

「これを聞いたら、しののんはすっごく驚いちゃうと思うけど、落ち着いて聞いてね~」

「そこまでの事か?」

「うん~」

 

 そう言った布仏はいつもの穏やかな表情ではなく、とても真剣な目つきになっていた。布仏がそこまで言うとは……一体どれだけの事なんだ。

 私はごくりと唾を呑み込み、布仏に向かい合った。どのような報せでも動じはしないという気概を込めて。

 だが、布仏の言った報せは、完全に私の予想を超えていた。

 

「しののんの告白だけどね――――――――おりむー全然気づいてないよ~」

「…………は?」

 

 一夏が、私の告白に――――。

 

「気づいて……ない?」

「うん。あれはどう見ても気付いてないよ~。しののんが行っちゃった後、おりむー首を傾げながら部屋に戻っちゃったし~。多分買い物か何かに付き合ってって事だと思ってるんじゃないかな~」

「そんな……」

 

 ……まさか直接言っても気付かないとは。あれは私の精一杯の告白だったんだぞ! あれで気付いて貰えなかったら、私はどうすれば良いんだ!?

 

「でも良かったね~」

「……良かったとは、何がだ?」

 

 一夏の鈍感ぶりに頭を悩ませていると、布仏が意味の解らん事を言ってきた。何が良かったのだ? まさか私の告白が上手くいかずに済んで良かったという事か……? いや、布仏はそこまで意地の悪い性格では無いと思う。では、いったい何の事だ?

 

「しののんの告白が通じなくてだよ~。もし通じてたら、絶対フラれてたもん~」

「な…………ッ!!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、私は椅子を倒しながら立ち上がっていた。クラスで雑談に興じていたクラスメート達が、何事かと私達の方を見ているのに気付いたが、私はそれどころではなかった。絶対に断られていただと!? 何故布仏にそんな事が分かるのだ!!

 殺意を込めて布仏を睨みつけると、布仏は一瞬やってしまったというような顔になったが、すぐに真剣な瞳で見つめ返してきた。その瞳を見て、私は思わず怯んでしまった。何だその目は……私が悪いとでも言いたいのか!?

 

「まだ先生が来るまで時間あるし~……しののんが気になるんなら、屋上でお話する~?」

「……望むところだ」

「おっけ~。そいじゃあ行こっか~」

 

 そう言うと布仏はさっさと教室を出て行ったので、私は慌てて追いかけた。何故私が一夏にフラれると思ったのか、ハッキリと聞かせてもらうぞ……!

 

 

――――――――

 

 

 屋上に着くと、布仏は手すりにもたれかかって私を待っていた。

 布仏は一見いつも通りのんびりとした表情だったが、目が全く笑っていなかった。何故布仏がそのような顔をする? 私は布仏にそんな顔をされる覚えは無いし、そもそも無礼な事を言ったのは布仏の方だろう!

 

「さぁ、聞かせてもらうぞ布仏。何故私が一夏にフラれるなどと思ったのか!」

「ん~……別に良いけど。その前に聞いても良い~?」

「……何をだ」

「何でしののんは、おりむーが告白を受け入れてくれると思ったの~?」

「……え」

 

 布仏の質問に、私はすぐには何も言えなかった。何で告白を受け入れてもらえると思ったか……だと?

 私がすぐに答えを出せないのを見ると、布仏は畳み掛けるように問いかけてきた。

 

「しののんは告白の時、“優勝したら付き合ってもらう”って言ってたよね~。何で優勝したらおりむーに拒否権は無いみたいな言い方なのかな~?」

「そ、それは……」

「もしかして、女の子から告白したら男の子は受けるのが当たり前とか思ってる~?」

「ち、違う! そんな事は思ってない!」

「違う~? じゃあ何であんな言い方なのかな~」

「それは……わ、私が幼馴染だから……」

「……ん~? 理由になってないと思うんだけど~。幼馴染ならしののんを受け入れて当然なの~?」

「ち、ちが……」

「だからしののんはいっつもおりむーに命令してるのかな~」

「め、命令なぞ一夏にした事はない!」

「ん~……じゃあ言い直すね。何でしののんはおりむーが“自分の思い通りに動くのが当たり前”みたいにしてるの~?」

「え……」

 

 そう問われた時、私は何も言えなくなった。

 私が一夏を思い通りにしようとしてる……そんな事は無いと大声で言い返したかったが、何故か私の口は声を出してくれなかった。

 自分の顔色が青くなっていくのを感じたが、それでも布仏の追及は止まなかった。

 

「私も見てたけど、セッシーと戦う前におりむーはるーるーにISについて教えてってお願いしてたよね~。なんであの時しののんが断ったの~?」

「あ、あれは……一夏は剣を習っていたから、それを伸ばした方が良いと……」

「ISの戦いだよ~? 身体を鍛えるのが意味ないなんて言わないけど、ISについてなーんにも知らないおりむーに必要なのは、普通に考えてもISの知識だって分かってたよね~?」

「う……」

「しののんに出来ない事でおりむーに頼りにされたるーるーが気に入らなかった~?」

「……ッ!」

「しののんが誰を嫌いになっても仕方ないかもだけど~。それをまだちっちゃいるーるーや関係ないおりむーに押し付けちゃダメだよ~」

「……」

「しかもおりむーが剣道を止めちゃったって聞いたら、いきなし怒って無理やり練習に付き合わせたよね~。お家の事で仕方なく止めたっておりむーはちゃんと言ったのに、どーして怒ったの~?」

「それ……は……」

「ぜーんぶ、おりむーが自分の思い通りにしなかったから、だよね~」

「………………!」

 

 図星だと思った。

 あの時私は、自分の出来ない事で一夏に頼られるホシノに大人げなく嫉妬し、勝手に剣道を止めた一夏に理不尽に怒った。一夏が私以外を頼りにしたから。一夏が私の期待に応えてくれなかったから。思い返せば、私は確かに一夏が自分の思う通りに動かない事に怒っていた。

 オルコットと引き分けた時も、私が鍛えたのだから勝って当たり前だと思っていたのかもしれん。だから一夏を理不尽に怒った……ホシノからの助言が無ければ、一夏は一次移行すら出来ずに負けていただろうにも関わらずに。

 顔色が青を通り越して白くなっていただろう私をよそに、布仏は話題をここに来た本題に戻した。

 

「そんな感じで自分のする事をいつも理由もなく怒ってくる人からの告白は、いくら色々と鈍感なおりむーでも流石に受けないと思うんだけど~。しののんはどう思う~? 告白が通じてたら、どうなってたかな~」

「…………お前の……言う通り……だと思う」

 

 私には、それ以外何も言えなかった。

 否定したかったが、そう言われるだけの事を私はしていたのだから。

 

「……なぁ布仏」

「ん~?」

「私はこれからどうすれば良い……?」

「……」

「一夏に自分の理想を押し付けていたのは認める。それでも私は一夏が好きなんだ……! だが、今までの私では一夏は振り向いてくれないのだろう? なら、私はどう一夏に接すれば良いんだ! 教えてくれ布仏!」

 

 必死だった。このままでは一夏が私から離れていってしまう。そう思うだけで、私は気が狂いそうになる。家族と離れ、姉には嫌悪感しか持てない私にとって、一夏が私の全てなんだ!

 縋り付くように問いかける私を、布仏は困ったような顔で見ていた。

 

「前も言ったけど、しののんはまず思った事をしっかり言わないとダメだよ~。しののんいっつも怒ってばかりなんだもん。怒るにしても理由をちゃんと言わないと、ただの嫌な人だよ~」

「ぐ……っ」

 

 嫌な人か……自覚はあるが、そうハッキリ言われると堪えるな……。

 

「まずはそこから始めなよ~。じゃあ、もうせんせーが来るころだから教室に戻ろっか~」

「……分かった。世話をかけてすまないな布仏」

「良いって事よ~! 私も少し言い過ぎたし、ゴメンね~」

「気にしなくて良い。言われて当然だったからな」

「そっか~。あ、私の事は“本音”で良いよ~」

「そ、そうか。では私の事も箒で……」

「しののんで~」

「……むぅ」

 

 そんな話をしながら、私は本音と2人並んで教室へと戻った。

 教室に入った途端にクラス中から驚いたような目で見られたのが気になるが、何かあったのだろうか?

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 箒さんと本音さんが2人で普通に帰ってきたのを見て、クラス中がビックリしてました。いや、だってまるで決闘にいくみたいなノリでしたし。本音さんがあんなピリピリした感じになれるのもビックリでした。今までずっとほんわかした姿しか見てなかったですから。

 何があったのか気になったので、自分の席に座った本音さんにこっそり聞いてみました。席が近くて助かります。

 

「本音さん。箒さんと何かあったんですか?」

「昨日決まった通りに、しののんに告白が上手くいってないよーって教えただけだよ~」

「あぁ、それであんなに箒さんが怒ってたんですか。でも、何で態々出て行ったり?」

「んっふっふ~。それはしののんとの秘密なのだ~!」

「……? そうですか」

 

 箒さんが告白が上手くいかなかった事を聞いてどうするかが気になったけど、本音さんの様子を見る限りでは悪いようにはならなかったみたいです。心なしか、箒さんの方もスッキリしたような顔ですし……あれ、一夏さんと目が合ったらいつも通りに目を逸らしちゃいましたね。結局どうする事にしたんだろう。

 

 私が首を傾げてると、チャイムが鳴ると同時に千冬姉さんと山田先生が教室に入ってきました。なんだか山田先生が疲れてるみたいだけど、何かあったのかな?

 

「チャイムは鳴り終わったぞ。さっさと席に座れ!」

「皆さんおはようございます。あのですね、今日はSHRの前にお知らせがあります」

 

 お知らせと聞いて、クラス中がざわめき出しました。このタイミングでお知らせって、もしかしなくても来ちゃいました?

 

『みたいだねー。廊下に2人いるよ』

『やっぱり。ドイツからの編入生について情報は?』

『名前はラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツ代表候補生で、軍の部隊長らしいよ』

『軍隊……怖い人じゃないといいけど』

 

 オモイカネに情報を聞いてると、千冬姉さんの一喝でクラスが一瞬で静かになりました。

 

「実はですね、このクラスに編入生がやって来ました! しかも2人もです! ……部屋割り決めるの大変でしたぁ……」

「山田先生。生徒の前で世知辛い事を言わないで下さい」

「ひゃぅ!? す、すいません織斑先生! そ、それじゃあ2人とも、入ってきてくださーい!」

 

 山田先生の合図で教室に入って来たのは、“男子の制服を着た金髪の女子”と“左目に眼帯をした銀髪の小柄な女子”でした。周囲からは『何で男子の制服?』『え、もしかして2人目の男性装者?』『あの銀髪の子って、なんだかルリちゃんに似てない?』みたいな声が聞こえてきました。私と似てるのかな?

 そんな感じで騒がしかった教室だけど、再び千冬姉さんの一喝で黙らされました。耳が痛いです……。

 

「2人とも、自己紹介をしろ」

「あ、はい! フランス代表候補生の“シャルル・デュノア”です。一応“2人目の男性IS装者”という事になってます。こちらにボクと同じ境遇の方がいるという事で編入する事になりました。宜しくお願いしますね」

 

 そう爽やかな笑顔で自己紹介したシャルルさんは……あれで男装のつもりなんでしょうか。男子の制服を着た女子にしか見えないんですけど。喉仏も無いし、肩幅も無いですし、顔つきも綺麗すぎますし。せめて肩パットで誤魔化すくらいはして欲しいとこです。

 私の訝しげな視線に気付いたのか、千冬姉さんは苦笑いしながらこっちを見てきました。見て見ぬふりですね分かります。あんなお粗末な男装で来るくらいなら、ボロを出すのも早そうですね……本当に、デュノア社は何を考えてるんだろ。あれじゃあ何も知らなくても見抜かれちゃうんじゃ――――。

 

「き…………」

「あ」

 

 なんか嫌な予感がしたので、慌てて耳を塞ぎました。本音さんも気付いたのか、同じように耳を塞ぎました。

 

「「「「「「キャァァァァァァァアアアアア―――――――――――――――ッッッッッ!!!」」」」」」

「2人目の男子!」

「織斑君とは違う、線の細い守ってあげたくなる系!」

「いや、これは王子様系よ!」

「何言ってるの! 普段は情けないけどいざという時には頼りになる先輩系でしょう!」

「織シャル……いや、ここは敢えてのシャル織ッ!」

「誰か薄い本を書ける者はいるかーッ!」

「ここにいるぞッ!!」

 

 ……大声を上げるまでは予想してたけど、ここまで騒ぐのはビックリです。織シャルとか薄い本って何だろ?

 

『ルリにはまだ早い!』

『むぅ……』

 

 またオモイカネに止められました。大人向けの話なんだろうけど、気になります。もう何年かしたら教えてくれるのかな。

 

「静まらんか馬鹿者共がッッ!! 織斑の時と言い、男子が来たからと言って騒ぎすぎだ!!」

 

 千冬姉さん3度目の叫びです。お疲れ様です。

 

「まったく……デュノアの席はそこの空いている席だ。織斑の隣だから、男同士分からない事があれば織斑に聞くといい」

「分かりました」

 

 そう言ってデュノアさんは、一夏さんの隣の席に座りました。また爽やかな笑顔で挨拶してますけど……あれって素なのかな。

 

「じゃあ2人目の方。自己紹介をお願いしますね」

「…………」

「あ、あのー……」

「……ラウラ。自己紹介をしろ」

「ハッ! 了解です教官!」

 

 ボーデヴィッヒさんは山田先生の言う事には全く反応しなかったのに、千冬姉さんの言う事はすぐに聞きました。軍人さんらしく、綺麗な敬礼をしながらですけど。というか、教官ってなんでしょう?

 

「……ラウラ。私はもう教官ではない。私の事は“織斑先生”と呼べ」

「……ハッ。分かりました織斑先生」

 

 そう言うと、ボーデヴィッヒさんは一歩前に出て自己紹介を始めました。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツ代表候補生。以上」

「……あ、あのー……それだけですか?」

「他に言う事は無い」

「はぁ……。ラウラ、お前の席は最後列の真ん中だ。さっさと座れ」

「ハッ!」

 

 あまりにも短い自己紹介に山田先生が涙目で質問したけど、あっさり切られました。なんだか怖そうな人ですね……隣の席みたいだけど、上手くやれるかな? 少し不安に思ってると、当のボーデヴィッヒさんと目が合っちゃいました。自分の席を確認しようと思ったんでしょうか。

 

「な…………お、お前はッ!?」

「……え?」

 

 目が合った瞬間、何でかボーデヴィッヒさんに物凄い驚かれました。どこかで会った事あったのかな? 私は会った覚えは無いんですけど……何でそんな“有り得ないもの”を見たみたいな顔なんでしょう。

 ボーデヴィッヒさんは何故か一夏さんを睨んだ後、真っ直ぐに私の方にやって来ました。

 

「……貴様、何者だ?」

「何者と言われても……私はホシノ・ルリです」

「…………」

 

 なんでこんなに見つめられてるんでしょう……怒ってるとか、そういうのじゃ無いみたいだけど。

 

「……放課後、話がある。時間はあるか」

「大丈夫ですけど」

「了解した。時間が来ればこちらから声をかける」

 

 ボーデヴィッヒさんはそう言うと、教卓の方に視線を戻しました。

 何か大事な話みたいだけど、何の話だろう?




箒への説教だけで平均文字数に達したけど、これ以上シャル&ラウラの登場を遅らせるのもあれなので普段より少し長くなりました。

恋愛事には容赦ないのほほんさんでした。ていうか、一夏の鈍感と同じくらいに箒の傍若無人っぷりに地味に怒ってました。もう止めて! 箒のライフはもう0よ! まぁ、これくらい言わないと箒には伝わらんと思ったので。しかしのほほんさんにSEKKYOU属性が追加されてしまったなぁ。
SEKKYOUされても一夏に依存してる事には気づいてない箒だけど、どうなるやら。変わったようで根っこは変わってません。そりゃちょっと図星を刺されただけで変われるんなら苦労はしませんということで。
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