電子の妖精がメインのつもりなので、夕映の方にかかりきりにならんよう気をつけよう。
うっす! 一夏の親友の五反田 弾だ! IS学園は一夏以外は女しかいないって聞いてたけど、なんか中学の頃と比べたらマシに見えるんだが。まだ一夏に告白した女の子もいないし、そもそも一夏にマジで惚れてるのが幼馴染だって言う篠ノ之 箒さんだけなんだろ? ひょっとしてアイドルみたいに思われてるんじゃないだろうな一夏のヤツ。それは羨ましいような、そうでもないような。またルリちゃんや鈴に、一夏が学園でどんな感じか聞いてみるか。
やべ、もう時間か。あらすじ言ってねえけど、まあいっか。それじゃあ今回も宜しく頼むぜ!
――――――――
――――side ルリ――――
ラウラさんとは席が隣という事もあって、本音さんと一緒によくお話しをするようになりました。何故か一夏さんの事をよく睨んでるけど、理由は聞いてません。色々と訳がありそうなんで。流石に直接的な問題になるようなら考えますけど。
一夏さん以外のクラスの人達との仲は概ね良好みたいです。というか、何故か私とセット扱いで可愛がられてます。皆さん曰く『姉妹にしか見えない』との事だけど、それがどうしてセットで撫でられる事になるのやら。
ラウラさんは最初は凛とした態度で断ってたけど、クラスの皆さんの有無を言わさない勢いに耐え切れず、最近では半ば諦めたみたいでされるがまま。たまにお姉ちゃんや楯無さんも混じってるのは、気のせいだと思いたいです。
デュノアさんとはあまり関わってません。というか、関わる暇が無いと言うか。一夏さんは同じ境遇の“男”というのが本当に嬉しかったみたいで、何をするにもデュノアさんと一緒にしようとしてます。あまりに積極的なので、本来なら近寄る側であった筈のデュノアさんの方が戸惑ってたり。クラスの何人かが、2人の仲の良い様子を見て興奮してたけど、あれって何だろう。本音さんに聞いてもお姉ちゃんに聞いても教えてくれないから、気になってます。
さて、今日はこれから2組との合同授業です。お姉ちゃんと一緒に授業を受けるのは初めてなので、ちょっと柄にもなくわくわくしちゃってます。
「ではこれより1組、2組の合同授業を始める……ん? おいデュノア。織斑はどうした」
あれ? そう言えばいませんね。教室を出る時に上の学年の皆さんに囲まれてたけど、そのまま捕まっちゃったのかな。でもデュノアさんがいるなら違うかも。
「あの、一夏ならもうすぐ……」
「すいません! 遅れました!!」
ドゴスッ!
「いってぇ~!!」
「何故遅れた」
「いや、何でかシャルルと一緒に女子たちに囲まれて……」
「では何故デュノアは遅れていない?」
「シャルルのヤツ、すっげぇ着替えるのが早くて」
ゴスゥッ!!
「~~~ッッ!!」
「お前が遅いのだ馬鹿者が。どうしても間に合わんのなら、予め制服の下にISスーツを着ておけ」
「お、おぉ……その手があったか……」
「これで遅れる理由は無くなったな。次に遅刻すれば……分かるな?」
「イエスマム!」
千冬姉さんの威圧に対し、一夏さんは綺麗な敬礼で返しました。何でかラウラさんが少し感心したみたいなんだけど……何で今ので好感度が上がるのやら。軍人の性ってやつかも?
「では全員揃ったところで授業を始める。本日のIS授業はまず、見本として専用機持ちに模擬戦をやってもらう。そうだな……オルコット、凰、前に出ろ」
「え、あたし?」
「
「うーん……あたしはあまりやりたくないんだけど。他国の代表候補生に手の内を見せすぎるのも癪だし」
「そうですわね……鈴さんのおっしゃる通りかもしれません。
確かに、セシリアさんの言う通りですね。2人のデータは前の試合である程度ばれてますけど、デュノアさんとラウラさんの実力は未知数ですから。
「ふむ……確かに道理だな。ではデュノアとボーデヴィッヒは前に出ろ!」
「は、はい!」
「ハッ! 了解です教か……織斑先生!!」
思わず教官と呼びそうになったラウラさんだけど、千冬姉さんに一睨みされて慌てて言い直しました。
「織斑先生。私はシャルル・デュノアと模擬戦を行えば宜しいのですか?」
「いや違う。お前らの相手は――――――」
「どどどどいてくださぁぁぁぁぁぁ――――――――い!!」
「「「え?」」」
上空から切羽詰った叫び声が聞こえてきたので、皆さん揃って声の方に目を向けました。
目を向けた先には――――こちらに向けて急降下してくる山田先生がいました。ううん、あれはもう急降下と言うか落下かも……何で真っ直ぐ私の方に?
『オモイカネ!』
『りょーかい!』
慌ててオモイカネを展開した私は、こちらに向かって落ちてくる山田先生の元へ飛びだし、勢いを殺すようにして抱きかかえました。
これはオモイカネの計算あっての芸当なので、私一人では抱えた勢いで一緒に落ちるのが関の山だと思う。と、今はそれより山田先生です。
「山田先生、大丈夫ですか?」
「え? あ……ほ、ホシノさん!? は、はい! 大丈夫です!!」
「なら良かったです」
「はぅ……10歳の子に助けられる私って……」
……何で赤くなりながら落ち込んでるんだろ。というか、山田先生に私の実年齢が10歳だって教えたっけ? 千冬姉さんから聞いたのかな。
「ゴホン! 山田先生。いい加減ルリから離れて下さい」
「あ、はい! ごごごめんねホシノさん! 重かったよね!」
「いえ、ISを展開してたので別にそれほどでも」
「はぁ……デュノア。ボーデヴィッヒ。お前らの相手はこの山田先生だ」
凄い勢いで私に謝ってくる山田先生。こんな調子でデュノアさんとラウラさんの2人を一緒に相手なんて出来るのかな。
ふとラウラさんを見ると、何でか驚いたみたいに私と千冬姉さんを交互に見てます。どうしたんだろう。
「ラウラさん。どうかしました?」
「う、うむ……聞き間違いかもしれんが。教官は今、お前の事を名前で呼ばなかったか?」
「え? あ、はい。そうですね」
「……私はボーデヴィッヒと呼ばれていたな」
「そうですね」
「……むぅ」
何故かラウラさんが意気消沈してしちゃいました。もしかして、私だけ千冬姉さんに名前で呼ばれたから? ……よし。
「織斑先生」
「む? どうしたルリ」
「私の事はホシノって呼んで下さい」
「ッッ!!?」
……何でそんな絶望したような顔を。そこまでショックなのかな。
「ル、ルリ? お姉ちゃんが何か気に障る事をしてしまったか!?」
「そうじゃないですけど」
「では何故だ!?」
「……ちょっと耳を貸して下さい」
私が言うと、すぐに耳を私の口元に寄せる千冬姉さん。私以外にもこれくらい素直だったら良いのに。
「(ラウラさんが私だけ名前で呼んでもらったので、寂しがってます)」
「(ッ!)」
「(ですので、私も名字呼びにするかラウラさんも名前呼びにするか、どっちかにして下さい)」
「(そうか、ラウラが……しかし2人だけ名前で呼べば、贔屓に思われないか?)」
「(私を名前呼びしてるじゃないですか)」
「(それはお前がまだ子供だからだ。暗黙の了解というやつだな)」
「(うちのクラスなら大丈夫ですよ。皆ラウラさんの事を可愛がってますから)」
「(そうなのか? ……よし。ならラウラの事も名前で呼ぶとするか)」
「(ホントですか?)」
「(ああ。気を遣わせて済まないなルリ。良ければこれからもラウラの事を気にかけてやってくれ)」
「(任せて下さい)」
私が承諾すると、千冬姉さんは嬉しそうに私の頭を撫でました。ラウラさんの事を気にかけてるみたいだけど、ドイツで何かあったのかな。
取りあえず言いたいことは言ったし、ラウラさんのところに戻りましょう。
「ルリ。教官と何を話していたのだ?」
「良い事ですよ」
「?」
「すぐに分かりますよ。それより山田先生との模擬戦の準備をしないで良いんですか?」
「む、そうだな。では行ってくる」
そう言うと、ラウラさんは既に並んでいるデュノアさんのところへ行きました。
それにしても、山田先生ってどれくらい強いんだろう? IS学園の教師をするくらいだから、代表候補生クラスではあると思うけど。
「ねぇルリ」
「ん。どうしたのお姉ちゃん」
「……そのウサミミ、何?」
「あ」
オモイカネを展開したままなの忘れちゃってました。
「あたしの気のせいじゃないなら、束さんのウサミミと色違いに見えるんだけど?」
「うん。IS学園に来る前に、お母さんが改造したみたい」
「はぁ……まったく束さんは」
「お姉ちゃんもやってもらう?」
「バッ……! し、しないわよ!!」
真っ赤になって断られちゃいました。照れてるのか、本気で嫌がってるのか。まぁ実際にやったら中国が何か言ってくるかもだし。あ、でもお母さんみたいにウサミミカチューシャ単品で造って貰えば。
「あたしは絶対に付けないからね!」
「……何で考えてる事が分かったの?」
「さっきのルリ。束さんがろくでもない事を考えてる時と同じ目をしてたもの」
「むぅ……あれ? そう言えばお姉ちゃん。何でお母さんの事を“束さん”って呼んでるの?」
前にお母さんと話した時は“束母さん”って呼んでたのに。
私が首を傾げてると、お姉ちゃんに溜息をつかれました。何で?
「あのねぇルリ……こんな人の目があるところで束さんを束母さんなんて呼んだら、大騒ぎになるでしょ?」
「あ」
そう言われてみれば。千冬姉さんなんか大騒ぎしちゃうかも。
私はこういう、周りの目を気にする事が出来てないですね。気を付けないと。
『束の影響だろうから仕方ないよー』
『そうなんだけど。このままにしてたらいつか痛い目に合うかも』
直した方が良い事は直すべき。直さなくても良い事は直さないけど。
お姉ちゃんと話してたら、千冬姉さんの号令がありました。山田先生の方の準備が整ったみたいで、今は上空に待機してます。
「それでは“ラウラ”、デュノアの両名も位置につけ!」
「分かりました」
「ハッ! …………? あ、あの……教官?」
「……どうした“ラウラ”。早くデュノアの後を追え」
「………………ッ! 了解!!」
名前で呼ばれた事に気付いたラウラさんが恐る恐る千冬姉さんに問いかけたけど、当の本人は照れくさいのか、そっぽを向いて指示をだしました。千冬姉さんは恥ずかしがり屋です。
名前で呼ばれたラウラさんは心の底からに嬉しそうに、上空へ上がりました。本当に千冬姉さんが好きみたい……あ、私が千冬姉さんに言ったのに気付かれたっぽい。こっちに向かって頭を下げてきてます。
――――side シャルル・デュノア――――
うーん……出来れば一夏や他の代表候補生のデータを取りたかったんだけど、こうなったら仕方ないね。切り札を見せない程度に頑張ろう!
相方はドイツの代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒさん。軍事大国ドイツの候補生だから実力は折り紙つきなんだろうけど、連携とかしてくれるかな?
『宜しくねボーデヴィッヒさん』
『ふん……精々私の足を引っ張らないようにするんだな』
『あはは……手厳しいね。でもボクだって代表候補生なんだから、足手纏いになるつもりはないよ!』
『ほう? 貴様は織斑一夏とは違って見所があるようだな。何か策でもあるのか?』
やれるという意思を見せると、ボーデヴィッヒさんのボクを見る目が明らかに変わった。やっぱし軍人らしく、強い人には敬意を払うタイプみたいだね。折角あっちから歩み寄ってくれたんだし、少しは頼りになるところを見せようかな。
『うーん……策って程じゃないけど。山田先生の機体はデュノア社の第二世代IS【ラファール・リヴァイヴ】だよね。あれはボクの専用機【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ】の原型だから、どんな手を使ってくるかは少しは予想できるよ』
『そうか。貴様はデュノア社の……そういう事ならば、作戦は貴様に任せる。私の【シュヴァルツェア・レーゲン】は中距離戦を得手としているが、近、遠距離も不得手という程ではない。精々私を巧く使ってみせろ!!』
『え、えぇっ!?』
ボーデヴィッヒさんはそう言うと、一直線に山田先生に向かって突撃して行っちゃった……な、何を考えてるの――――!? そんな中距離戦が得意とだけ言われても困るよ!!
案の定、山田先生は冷静に銃を構えると、正確にボーデヴィッヒさんを撃ち――――。
『『えっ!?』』
声を上げたのは、ボクと山田先生だった。
だって、ボーデヴィッヒさんに当たる筈だった弾丸が、当たる前に止まったんだから。
あれってまさか【AIC】!? もう実用化されてたなんて……!
『何をしているデュノア! さっさと指示を出せ!!』
『ッ!! や、山田先生は多分、機動力を活かした射撃型! ラファール使いはそのタイプが多いから、山田先生も多分そのタイプ!! 僕が中距離から牽制するから、ボーデヴィッヒさんは近距離寄りでお願い!!』
『了解だ!!』
『え、ええ~!? 何で初対面でこんなに連携が取れるんですか――――ッッ!?』
ボクが重機関銃【デザート・フォックス】で山田先生を牽制しながら、ボーデヴィッヒさんが6本のワイヤーブレードで全方位から攻撃していく。
けど、山田先生も流石IS学園教師と言うべきか。ボク達の攻勢のせいか攻撃に転じる事こそ無いけど、デザート・フォックスの銃撃をさけながら、まさかワイヤーブレードの先端を狙って撃ち落としていくなんて……! ボーデヴィッヒさんも相手の予想以上の技量に、驚きを隠せないみたいだった。これじゃあいつまで経っても決着が……あまり武装を晒したくなかったけど、こうなったら――――。
『そこまで!! 模擬戦は時間切れの引分だ。3人とも降りてこい!』
『『『え?』』』
別の武装を展開しようとした時、織斑先生から時間切れの声がかかった。隣を見るとボーデヴィッヒさんも何かしようとしてたのか、量子が両肩に集まりかけてた。もしかして、ボク達が本気を出そうとしてたのが分かって止めたのかな? ISのハイパーセンサーも無しに戦況を見極めるなんて、流石は元ブリュンヒルデって事かな。
『はぁ~……助かりました。お二人とも凄いですね! とても初めての連携とは思えませんでした!』
『そんな。あれはボーデヴィッヒさんがボクの指示をちゃんと聞いてくれただけですよ。それより山田先生の方が凄いじゃないですか! ワイヤーブレードの先端を撃ち落とすなんか、ボクじゃ絶対に無理です』
『そ、そんな事ないですよ~! あれくらいならデュノア君もすぐに出来るようになりますって!』
『そうですか?』
『はい! じゃあ私は先に降りるんで、お2人はゆっくり降りてきて下さいね~』
山田先生はそう言うと、急降下して降りて行った。うわぁ……地表すれすれで止まったみたい。あんなに凄い技術を持ってるのに、何で最初は落下してきたんだろ。本番に弱いタイプなのかな?
『おい』
『え? どうしたのボーデヴィッヒさん』
『貴様……いや、デュノア。お前の指揮は中々だった。あれなら軍に入っても充分に通じるだろう』
『へ? あ、あはは……それは喜んでも良いのかな』
『当然だ。デュノアにその気があるなら、卒業後にドイツ軍に来ると良い。私が推薦してやるぞ』
『うぇっ!?』
ぐ、軍!? 何でいきなりそんな話に!?
『焦る必要は無い。選択肢の一つとして、頭に入れておけば良い』
『う、うん……』
『ではな。私は先に降りる』
言いたい事を言うと、ボーデヴィッヒさんは地上に降りて行った。
卒業後かぁ……ボクはこの学園を卒業出来るのかな? 出来たら……出来たら良いなぁ。
一夏にやまやの乳は揉ませません。ラッキースケベの相手は箒とシャルだけで充分! あ、箒は後で制裁が来るからラッキーじゃないな。
やまやの相手は鈴&セッシーではなく、まさかのシャル&ラウラ。理由は、ラウラが鈴とセッシーをボコるイベントを無くす予定だからです。あのイベントが無いとシャル&ラウラのスペックが不明のままタッグマッチになっちゃいますけえ。
地の文でのルリの台詞をを夕映みたいな口調にしないようにと意識したら、敬語率が減ってしまった。でもこの方がルリらしいかな?
ちなみに『』内の台詞は通信機器越しの台詞です。テレビや電話越しの台詞とか、ISのオープンチャンネルやプライベートチャンネルまで。オモイカネの台詞はプライベートチャンネル扱い。