IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 お久しぶりであります。休憩と言いましたが、正直に言えばエタる勢いでした。息抜きで書いたつもりのネギまが、逆効果になるとは予想外。原因は勢い任せにしすぎた事ですな。ネギまみたいなハッピーエンドが決まってる作品で、迂闊に原作知識有りにしたのが最大の失敗。原作知識無しなら勢い任せでもなんとかなったろうに……悩ましい。
 何はともあれ復活したので、また宜しくお願いします。更新ペースは少し落ちるかもですが。主に艦これのせいで。もうすぐ俺屍2も出るし、ペルソナQもまだ終わってないし、SS漁りもしたいし、時間がいくらあっても足りねー。


第39話 人に教えるって大変です

 ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ルリに頼まれてここに来たのだが……前回の経緯を語れば良いのだったな。前回行ったのは、シャルル・デュノアと共闘しての山田教諭との模擬戦だ。デュノアの技量にも驚かされたが、驚嘆すべきは2人がかりでも互角にしかならなかった山田教諭の技量だ。まさか私のワイヤーブレードを撃ち落とすとは、流石は教官の後輩という事だろう。

 だが勝てない相手と言う程ではない。私もだったが、デュノアも何か切り札を温存しているようだったし、時間があればデュノアとの連携練度も向上するだろう。山田教諭の戦術パターンもある程度は把握出来た。再戦の機会があれば、必ず勝利して見せよう!

 ふむ、前回の反省点と報告はこれで良いだろう……む、戦闘の話しかしてないだと? むぅ……あらすじとは難しいのだな。

 

 

――――――――

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 山田先生とラウラさん達との模擬戦が終わると、皆さんとても驚いていました。私やお姉ちゃんもです。ラウラさんとデュノアさんが巧く連携出来ていたのもですけど、それ以上に山田先生の実力にです。模擬戦前に地面に激突しかけてた先生があんなに強いなんて、誰も思いませんよね……ホント、何で墜落してきたんでしょう。山田先生の事だから、どこかに躓いたりしたのかな? 山田先生なら空中でも躓きそうです。

 と、ラウラさんが降りてきましたね。取りあえず労いに行きましょうか。

 

「お疲れ様ですラウラさん。惜しかったですね」

「ルリか。最後まで続けられなかった事を除けば、得難い経験をさせて貰った。ドイツでは代表候補以外に私より強い者はいなかったからな。正直戦うまでは山田教諭を侮っていたが、よもやあそこまでの技術を会得しているとは……教官がここにいるのは、人材発掘の目的もあるのだろうか?」

「うーん……どうなんでしょう? 一夏さんが来る前から勤めてたみたいですし、普通に日本政府からの通達というのが一番ありそうですけど」

 

 ドイツ軍での研修が終わってから、どうして千冬姉さんがIS学園で教鞭を取るようになったのかはいまいち分からないんですよね。1年間離れていた大切な弟とまた離れる理由となると、政府からの通達くらいしか思いつきませんけど。

 私の意見に納得したのか、ラウラさんは複雑そうな表情で頷きました。

 

「やはりそうか……教官には是非ともドイツ軍に戻って頂きたいのだが、政府からの通達には逆らえんな。しかし教官や山田教諭程の人材を埋もれさせておくとは、日本政府は一体何を考えているのだ?」

「引退したブリュンヒルデを手放さない為の処置だと思いますよ。元とは言え世界最強が他国に行ったりなんかしたら、色々と困るでしょうし。山田先生は本人が教師になりたかったらしいです」

「成程、自国の最大戦力に首輪を付けたという事か。俗物が……!」

 

 俗物って……凄い言い方ですね。否定はしませんけど。

 

「アンタ達仲良いわねー」

「あ、お姉ちゃん」

「む。中国代表候補生の凰 鈴音か。丁度いい、聞きたい事が……ん? お姉ちゃんだと?」

 

 ラウラさんと話してると、お姉ちゃんが話に入ってきました。

 お姉ちゃんはよく1組に来てるけど、そう言えばラウラさんとはまだ話したこと無かったっけ。

 

「ルリ、何故凰 鈴音をお姉ちゃんと呼んでいるのだ? お前に中国人との血縁関係があるとは思えんのだが……お姉ちゃんとは、自分より先に産まれた女の親族を指す言葉だろう?」

「何でと言われても……お姉ちゃんだからです」

「いちいちフルネームで呼ばないでよボーデヴィッヒ。名前が呼びにくいなら鈴で良いわ」

「そうか。では鈴と呼ばせてもらおう。私の事もラウラで良い。それで、何故鈴はルリに姉と呼ばれているのだ?」

「簡単に言ったら、アタシがルリのお姉ちゃん役だからね。アタシもルリを妹と思ってるし」

「ふむ……つまり、当人の許可があれば呼称は自由という事か?」

「ま、そういう事ね。それで、ラウラはアタシに聞きたい事があるの?」

「ああ。それは……」

 

『それでは今より、歩行訓練を始める! 織斑、オルコット、凰、デュノア、ラウラの専用機持ち5名は前に出ろ! ルリは一先ず、私のところに来てくれ!』

 

 ラウラさんがお姉ちゃんに話を切り出そうとしたところで、千冬姉さんの号令がありました。そう言えば授業中でしたね……話に夢中になって忘れるとこでした。けど、何で私だけ別に呼ばれたんだろう?

 

「あちゃー……タイミング悪いわね。話の続きは昼休みで良い?」

「良いだろう。合流場所はどうする?」

「アタシが1組まで呼びに行くわ。ルリもラウラも1組なんだから、その方が良いでしょ?」

「了解した。授業終了後、教室で待機しておく」

「それじゃ、さっさと並びましょ。千冬さんに怒られたくないしね」

「む。何故教官を名前呼びに……それも昼休みに聞かせてもらうぞ」

 

 2人は話し終わると、千冬姉さんの前に整列しに行きました。私も早く千冬姉さんのところに行かないと。

 

「専用機持ち達には一般生徒の指導をしてもらう……好き勝手に並ぶなよ貴様ら! 並びは名前順だ!」

 

 指導と言った途端に沢山の人が動き出そうとしたけど、千冬姉さんに先手を打たれて残念そうに並び直しました。誰のところに行こうとしたんだろう。一夏さんとデュノアさんかな?

 

「やったー! 織斑君の班だ! 今ほど自分の名字に感謝した事は無いわ!」

「セシリアかー……あんまり難しくしないでね?」

「宜しくね凰さん。織斑君やルリちゃんの面白い話を教えてくれたら嬉しいなー」

「来た! 金髪美青年来た! これで今年1年は戦えるわ!!」

「ボーデヴィッヒさん、宜しくお願いします!」

 

 ……何か、デュノアさんのところに行った人達の目がギラついてるような。大丈夫かな?

 

『大丈夫じゃない。大問題だ』

『洒落にならないから止めて』

 

 オモイカネがまた変な事を言い出したけど、気にしません。

 それで、私は何をすればいいんだろう?

 

「千冬ね……織斑先生。私は何をすればいいんですか?」

「ああ。ルリは専用機持ちで技量が高いとは言え、まだ子供だからな。人に何かを教えるのは慣れていないだろう? なので、今回は誰かの補佐をしてもらおうと思ってな。誰の補佐をするかは、ルリが好きに選んでくれて良い」

 

 そういう事ですか。確かに私に何かを教えた経験は無いですし、私みたいな子供に教えられるのは嫌がる人もいるでしょうしね。流石千冬姉さんです。

 

『ルリに教えられるのを嫌がる人なんか、一人しかいないと思うけどねー』

『そうかな?』

 

 その間違いなく嫌うだろう人に対してはスルーです。分かり切ってますから。その人は……一夏さんの班にいますね。一夏さんの補佐には行かないようにしよう。

 セシリアさんは私が補佐する必要も無いし、デュノアさんの所は……邪魔しちゃ悪いですし。行くならお姉ちゃんかラウラさんのとこですけど……お姉ちゃんなら大丈夫だろうし、ラウラさんのとこに行こうかな。なんだかラウラさんって放っとけませんし、千冬姉さんにも頼まれてるし。

 

「じゃあ織斑先生。私はラウラさんのとこに行ってきます」

「ん? 意外だな。凰の所に行くかと思ったが……私がラウラを頼むと言ったからか? それなら今くらいは気にしなくても良いぞ」

「いえ、それも少しはありますけど。私が行きたいと思ったからです」

 

 私が自分で決めて行く事を伝えると、千冬姉さんは少し驚いたみたいですが、すぐに嬉しそうな顔で私の頭を撫でてきました。

 

「そうか……なら、ラウラを宜しく頼むぞルリ」

「はい。任せて下さい」

「ああ、任せた。しかし外見が似てるからかもしれんが、まるで妹を心配する姉みたいだな。年齢的には逆なのだろうが」

「……えと、行ってきます」

 

 千冬姉さんが変なことを言ったから、どう反応すればいいか困りました。

 けど、私がラウラさんのお姉ちゃんですか……良いかも。でもラウラさんは年上だし、流石に無理ですね。ちょっと残念です。

 

 

――――――――

 

 ラウラさんの班と合流すると、ラウラさんも含めて皆さん困ってるみたいでした。訓練用のラファール・リヴァイヴは運んできたみたいだけど、どうしたんだろう?

 

「ラウラさん。どうかしたんですか?」

「ルリか。教か……織斑先生に呼ばれていたのではなかったか?」

「補佐したい人を補佐して来いって言われたので、ラウラさんのところに来たんです」

「……ん? それで何故鈴ではなく私のところに? ルリが一番仲が良いのは鈴だろう」

「何故と言われると困りますけど……私が来たいと思ったから来たんです」

「…………そうか……感謝する」

 

 ラウラさんはそう言うと、少し照れくさそうにお礼を言ってくれました。喜んでくれたなら、来たかいがありましたね。

 

「それで、何で訓練が進んでないんですか?」

「うむ……どう指導すれば良いかが分からなくてな」

「指導が分からないって……軍では部下に指導してないんですか?」

「軍で指導するのは軍人だからな。だが、今から指導するのは軍人ではないだろう? だから、どのような指導をすれば良いか悩んでしまってな」

「私はいつも通りにすれば良いって言ってるんだけど~……らうらんが『織斑先生に任された任務を疎かには出来ない』って聞かなくて~」

「本音さん、ラウラさんの班だったんですか」

 

 それにしても、ラウラさんは真面目すぎですね。頑固とは違いますけど、実直すぎるというか……とにかく、補佐としての仕事を始めましょうか。

 

「ラウラさん。軍では新兵さんにどうやって指導してるんですか?」

「最低限の指導だけ行い、その後は実際に動かさせているな」

「それでいいじゃないですか」

「む、だが……」

「まずはやってみないと何も分かりませんよ。ラウラさんだってそう思っているから、新兵さんに最初は実際に動かさせているんでは?」

「それは……確かにそうだな」

 

 やっと踏ん切りがついたみたいですね。次は教えてもらう側ですけど……。

 

「本音さん。最初はお願いできますか? 本音さんなら基礎がしっかりしてるから、教えやすいと思いますし」

「おっけ~!」

「じゃあラウラさん。最初は本音さんに指導してみて下さい」

「了解した。ではまず……ISの搭乗方法は分かるか? なら……」

 

 ……あれ?

 

「よし、フィッティングは上手くできたな。次は立ち上がりを……うむ、スムーズに出来ているな。新兵には中々ISを自分の一部と認識できない者もいるのだが、布仏はよく出来ている。歩行の仕方は分かるか? 難しく考えるな。立ち上がりと基本は変わらん。ISを自分の身体と思えば出来る筈だ」

 

 ……予想以上に丁寧なんですけど。もっと厳しくいくと思ってたのに……いえ、今の方が良いと思うけど。何だか軍でのラウラさんの評価が気になってきました。指導が温すぎるとか言われてませんよね?

 

 

――――――――

 

 

「よし、これで全員終わったな。皆予想よりも優秀だった。だが、これに驕るな! 驕りは失敗に繋がる! この成功に驕らず励めば、貴様らは必ず優秀なIS乗りに成れるだろう! 精々励むが良い!!」

「「「はい!」」」

「良い返事だ! では解散ッ!」

「「「有難うございましたッ!!」」」

 

 …………私の補佐、全然要りませんでしたね。ていうか、何で優しく教えていた筈なのに皆さん軍人というか、体育会系のノリになってるんでしょう。ラウラさんの人徳?

 

「お疲れ様ですラウラさん」

「ああ。お前の助言のお蔭で助かった。感謝する、ルリ」

「いえ、私は最初に言っただけですから。後は全部ラウラさんの実力です」

「うんうん。すっごい分かりやすかったよ~」

「そうか?」

 

 本当に凄かったですから。他の班の皆さんも呆然としながら見てましたし。千冬姉さんなんか、すっごく嬉しそうに笑ってましたしね。ラウラさんは指導に夢中で気付いてないと思いますけど。

 

「……教官はここでこうして新兵を育てているのだな」

「ラウラさん?」

 

 なんだかラウラさんが落ち込んでるみたいですけど、千冬姉さんがどうかしたのかな?

 

「いや、教官がどうしてここで教鞭を執っているのか……少し理解できたような気がしてな」

「ラウラさん……」

「……教官がドイツ軍に戻られることは、もう無いかもしれないな」

 

 そう自嘲するように呟いたラウラさんは、誇らしいような寂しいような、何とも言えない表情でした……何か私がラウラさんにしてあげれる事はないでしょうか。




 今回はあらすじ以外は全てルリ視点になりました。久々なので、ルリ視点以外に切り替えるタイミングが分からんかったんです……! 会話中に人数を増やすのも難しいなぁ。前も上手く書けてたとは言えないけど。

 ラウラのルリに対する好感度も結構上がってますが、何故かそれ以上にルリのラウラに対する好感度が地味にそれ以上だったり。ところでのほほんさんのラウラの呼び方って、ラウラウで良かったっけ?鈴とラウラの愛称がいまいち分からんのです。鈴の愛称は勝手に決めたけど。

 ラウラが常識人すぎる気もするけど、ルリに癒された結果という事で。ダメカナ?

 活動報告の方でもう1つの作品についてアンケートをしてるので、良ければ投票してください。
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