IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 最近仕事が忙しくて、投稿は休みの日のみになりそうであります。ゲームする時間やSS漁る時間を削れば時間はいくらでもあるけど、早くペルソナQをクリアしないと俺屍2発売に間に合わんです。間に合うかなぁ。

 ネギまアンケートは4がダントツで多く、次に3ですね。纏めると電子の妖精を終わらせてから原作知識無しで書き直して欲しい。出来ればクウネルが師匠のままで、と。中々に難しい注文ですが、取り敢えずプロローグは浮かびました。3で決まるようなら、取り敢えずプロローグだけ挙げてみようかなぁ。まぁ、まだアンケート募集中だから1か2になるかもですが。


第40話 ラウラさんの人間関係

 織斑 千冬だ。前回はラウラが前置きをしていたようだが、思ったよりもまともな内容だったようだな。ドイツ軍に居た頃のアイツは全く余裕が無かったのだが、少し学園生活を体験しただけであそこまで柔らかくなるとはな。歩行訓練の指導ぶりを見た時は、思わず笑みが止まらなくなってしまったくらいに嬉しくなってしまったが……笑っていたのを誰かに見られてないだろうな。

 ラウラがあそこまで柔らかくなったのは、何と言ってもルリの存在が大きいだろう。似ているとは思っていたが、まさかあそこまで相性が良いとはな。ルリが居なければラウラは間違いなく一夏と問題を起こしていただろう事を考えると、ルリにはどれだけ感謝してもし足りん。あの堅物だったラウラの心を癒してくれるとは、流石は私の妹だ!

 ……ごほん。あー……ここで聞いた事は忘れろ。さっさと本編に行ってこい。

 

 

――――――――

 

 

――――side 鈴――――

 

 

 昼休み。アタシがラウラとの約束通りに1組に行くと、ラウラは待ちかねてたみたいで、すぐにルリと一緒にアタシのとこに来た。

 

「待っていたぞ鈴。では早速だが――――」

「ちょい待ち。何の話か知らないけど、まずはお昼御飯にしましょ。急ぎの話ってわけでもないんでしょ?」

「ふむ。確かに、補給は最優先でするべきだな。では学食に……いや、機密と言う程ではないが、あまり人が密集している場所で話すべき事ではないな」

 

 あまり人に聞かれたくない話って事? 何の話かしら。中国についての情報を教えろなんて馬鹿な事じゃ無いだろうけど……それ以外にラウラが興味を持つような情報なんて、何かあったっけ?

 

「じゃあラウラさん。学食でパンを買ってから屋上で一緒に食べませんか? 屋上なら食べながら話せると思いますし」

「……ふむ。時間のロスを最低限にするという意味でも、ルリの案が最善だろうな。鈴はそれで良いか?」

「ん~……今日は学食のラーメンの気分だったんだけど。代わりに2人が今日の晩御飯に付き合ってくれるなら、それで良いわよ」

「お姉ちゃんって、ラーメン好きだよね」

「うん。昔っからラーメン好きなのよ。自分で作っちゃうくらいにね。自分で言うのもアレだけど、アタシのラーメンはそこらの店より美味しいんだから!」

 

 一番の得意料理は酢豚なんだけどね……一夏との約束の為に猛練習したから。今思うと、何で一夏の好物ってわけでもないのに酢豚をチョイスしたんだろ。自分でも謎だわー。

 

「お姉ちゃん、ラーメン作れるの? 私、カップラーメンしか食べた事無いんだけど、どれくらい違うの?」

「私はラーメン自体を食べた事が無いな。時間のかかる食事は好かん」

「はぁっ!?」

 

 カップ麺しか食べた事が無いとか、ラーメン自体を食べた事が無いとか有り得ないでしょ!

 いや、2人とも日本食にも中国料理にも縁が無かったんだろうから、仕方ないのかもしれないけど!

 

「……決めた」

「「?」」

「あんた達2人に、本物のラーメンってもんを食べさせてあげるわ!!」

「「本物?」」

 

 2人揃って不思議そうに首を傾げてんじゃないわよ! 可愛いけど!

 

「ルリはカップ麺しか知らなくて、ラウラに至ってはラーメンを食べた事自体がないなんて……絶対に人生損してるわ! あたしが全力で2人にラーメンを作ってあげるから、覚悟しときなさい!」

「お姉ちゃんの料理……楽しみです」

「い、いや私は……」

「言っとくけど拒否権は無いわよラウラ。そうね……IS学園の店じゃ材料が揃わないかもしれないから、次の休みに買い物に行きましょ。その日の晩に、アタシ特製ラーメンを御馳走してあげるから!」

「む、むぅ……了解した」

 

 よし、これで言質は取ったわね。ふっふっふ……久々に腕がなるわ!

 

「ところで、早く学食に行かなくて良いんですか?」

「「あ」」

 

 ……ラーメンの話に夢中で、時間が経つのを忘れてたわ。

 

 

――――屋上――――

 

 

「学食でパンを買ったのって初めてだったけど、結構種類あったわねー」

「IS学園は日本人の比率が多いとは言え、世界中から生徒が集まるからな。故に、多国の料理があるのだろう。パンの種類も然りだ」

「あー、そういう事ね。ラウラが買ったのって、ドイツのパンなの?」

「ああ、プンパーニッケルと言ってな。焼き上げるのに時間がかかるのだが、学食にあるとは思わなかった」

「ドイツのパンって言うと、やっぱりライ麦パンですか?」

「ドイツのパン全てがライ麦を使用している訳ではないが、これはそうだな。粗挽きのライ麦粉のみを使用したパンらしい。食べやすいので、私が好んで食べるパンの1つだ」

「へぇー。ラウラって結構パンには詳しいのね」

「自国のパンだからな。ある程度知っているのは当然だろう?」

 

 そんなもんかしら? 自分の国の食べ物だからって、ライ麦をどれだけ使ってるかなんてあまり知られてないと思うんだけど。

 

「それで、ラウラさんがお姉ちゃんに聞きたかった事って何ですか?」

「ああ、それは……食べ終えてから話した方が良いのではないか? 日本人は食事中のマナーに厳しいと聞いているが」

「別にそこまで気にしなくて良いでしょ。そもそもアタシ達って、3人とも日本人じゃないし」

「ですね。よっぽど真剣な話なら別ですけど」

「……私としては大事な事なのだが、客観的に考えると別にそこまで重たい話では無いな」

「じゃあ良いんじゃない? 答えられる事なら何でも聞いてくれて良いわよ」

「了解した。鈴に聞きたい事と言うのは――――」

 

 ラウラがアタシに質問しようとした途端、ラウラの目つきが急に鋭くなった。ラウラとしては大事な事だって言ったけど、何を聞く気?

 あまりにラウラが真剣な表情だったから思わず身構えたけど、その口から出たのは予想外の質問だった。

 

「――――織斑一夏についてだ」

 

 

――――side ラウラ――――

 

 

 鈴に織斑一夏の実力について訊くと、ルリも鈴も私の方を見て固まってしまった。何か変な事を言ってしまっただろうか? そこまでの機密情報では無いと思うのだが。

 

「い、一夏について知りたいって……」

「ああ。織斑一夏の実r……」

「ダメですラウラさん」

「何?」

 

 何故ルリが織斑一夏について訊くのを止めるのだ? ルリに不利益は無い筈だが。

 

「お姉ちゃんに一夏さんの事を聞くのは正しいです。幼馴染ですから。でも、一夏さんだけは止めた方が……」

「何故だルリ。私が織斑一夏について知る事を止める理由があるのか?」

「アタシも一夏だけは止めた方が良いと思うわ」

「鈴までか……」

 

 2人ともが織斑一夏の実力を知るのを止めるとは……国か教官に止められているのか?

 

「織斑一夏について知る事は、そこまで危険を伴うのか?」

「いや、別にそういう訳じゃないんだけど……深みにハマったら危ないというか」

「深み? 奴には裏の顔があるという事か?」

「いえ、そういう訳でもなくて……ただ、好きになればなるほど苦労するというか」

「好意を持つ? 誰がだ?」

「誰って……ラウラが一夏を好きだから知りたいんでしょ?」

「私が? 何故そうなる。私が奴に抱く感情は敵意のみだ」

「「え?」」

 

 私がそう言うと、2人とも固まってしまった。何故そのように思ったのだ。

 

「えっと……改めて聞くわね。ラウラはアタシに何を聞きたかったの?」

「織斑一夏の実力についてだ。鈴は奴とトーナメントで戦ったのだろう? その時の事を聞きたかったのだが」

「じゃあラウラさんが知りたかったのは一夏さんの実力だけで、一夏さん本人の事は……」

「先程も言ったが、奴には敵意しか覚えん」

「……じゃあ、アタシ達の早とちり?」

「みたいですね」

「「はぁ~~~~~~~……」」

 

 織斑一夏には敵意しか覚えないと改めて伝えると、2人は心底安心したように大きく溜息を吐いた。奴を好きになるなど有り得んが、何があればここまで警戒されるのだ?

 

「織斑一夏は、そこまで人格に問題があるのか?」

「いや、普通に良いヤツよ。でも、一部の女子にとっては大問題ね」

「どういう事だ?」

「一夏を好きじゃないなら大丈夫よ。で、何でラウラは一夏の事が嫌いなのよ。一夏の実力を知りたいっていうのと関係あるの?」

「ふん! そんなものは決まっている。奴が教官の経歴に泥を塗ったからだッ!!」

 

 そうだ。教官がモンド・グロッソ連覇を逃したのは、織斑一夏がむざむざと誘拐されたからだ! なのに当の本人は教官の立場も考えず、間抜け面を晒して呑気に過ごしている。これで嫌わずにいられるか!

 

「千冬姉さんの経歴に泥って、一夏さんは何をやったんですか?」

「ラウラ……もしかしてアンタ、一夏が誘拐された事を言ってるんじゃないでしょうね」

「誘拐……?」

「そうだ! 奴が間抜けにも誘拐されたせいで、教官は大会連覇を逃し、ブリュンヒルデを引退することになったのだ!」

「それは一夏のせいじゃなくて、アイツを誘拐した奴等のせいでしょ!」

「それくらいは私も分かっている! だが、織斑一夏が自分の立場を弁えずに護衛の1つも付けなかったのが原因の1つなのは違いあるまい!」

「それは一夏じゃなくて、日本政府が手配する事じゃない! 責任を追及するなら、一夏じゃなくてそっちでしょ!?」

「ぐっ……!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい2人とも! 私にも説明してください!」

 

 鈴と睨み合っていると、横からルリが口を挟んできた。ルリはあの事件について知らないのか?

 

「あー……じゃあ、アタシが知ってる範囲で教えてあげる。ラウラは途中で口を挟まないでね」

「……良いだろう」

 

 私が許可すると、鈴はルリにあの事件について語り出した。鈴なら私が把握していない事についても知っているだろうし、丁度良いだろう。

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 お姉ちゃんから一夏さんの誘拐事件について訊き終わると、私もラウラさんもすぐには動けませんでした。一夏さんと千冬姉さんにそんな事があったなんて、思いもしませんでした。

 

「そんな事があったんですか……」

「それがだいたい2年くらい前の話よ。アタシが中国に帰る1年近く前ね。自分が誘拐されたせいで千冬さんがドイツに行ったって知った時の一夏は、そりゃもう酷い落ち込みようたわ。アタシや弾で必死に元気づけたけど、完全に立ち直るまで半年近くかかったもの」

「……ふん」

 

 ラウラさんはそれを聞くと、不機嫌そうに鼻を鳴らしました。でも、さっきよりは怒ってないように見えます。一夏さんも苦しんでたってお姉ちゃんに聞いて、何か思うところがあったのかな?

 

「ラウラ。あんたに一夏の気持ちを分かれなんて言えないけど、千冬さんを悲しませたりしたくないなら恨んだりするのは止めときなさいよ」

「…………教官が悲しむのは、織斑一夏が傷つくからか?」

「アンタの為でもあるわよ」

「……何?」

 

 お姉ちゃんがそう言うと、ラウラさんは不思議そうに聞き返しました。

 

「さっきの授業でラウラが指導してた時、千冬さんすっごい嬉しそうに笑ってたもの。授業中でも名前で呼ばれてるのはアンタとルリだけだし、相当大事に思われてるんじゃないの?」

「教官が、私を大事に……?」

「だから、自分にとって大事な2人が争ってたら、千冬さんも悲しむの。分かった?」

 

 大事な人同士が争ってたら悲しむ、ですか……お母さんもそうなのかな。私も箒さんと少しは仲良く出来たら良いんですけど……どうにかならないでしょうか。

 お姉ちゃんの言葉を聞いたラウラさんは、まだ納得できないのか俯いてしまいました。

 

「……鈴の言いたい事は理解した。教官が本当に私を大事に思ってくれるというなら、私も教官を悲しませたくはない。だが……」

「納得は出来ないって?」

「ああ。1年以上憎んできた相手だ。すぐには織斑一夏を認める事は出来ない」

「だと思ったわよ。じゃあ、そんなラウラに良い解決法を教えてあげるわ!」

「良い解決法?」

「そ。篠ノ之束直伝の良い方法。アタシもそれでスッキリしたんだから、効果は保障するわよ」

「お姉ちゃん、もしかして……」

「あ、ルリには分かっちゃった?」

「うん」

 

 分からいでかです。お姉ちゃんが一夏さんにした事で、お母さんに教えて貰った事なんてアレしかないです。

 

「2人だけで納得されても困るのだが。その解決法とは何なのだ?」

「ふっふっふ……それはね?」

「それはですね」

 

「「殴り愛!」」

 

「…………………は?」

 

 あ、ラウラさんが唖然としちゃいました。まぁ、いきなり殴り愛なんて言われても困りますよね。ラウラさんに一夏さんに対する愛は無いですし。

 

「要するにあれよ。身体でぶつかれば分かりあえる!」

「……それは冗談の類か? 篠ノ之束博士がそのような事を言うとは思えんが」

「本当ですよラウラさん。お母さんは意外と感情派なんです」

「そ、そうなのか。……もしや、鈴がクラス対抗戦で織斑一夏を蹂躙したのは」

「うん。束さんの助言通り、思いっきりボコボコにしてやったわ! あの時はスッキリしたわー」

「お姉ちゃん、爽やかに良い笑顔で言わないで」

「ふむ……篠ノ之博士が示唆し、実際に行った鈴が絶賛する作戦か……」

 

 あ、なんかラウラさんが乗り気になってきてます。これはもう一声ですね。

 

「ラウラさん。もうすぐ学年トーナメントがあるらしいですよ」

「あー。そう言えばそういうのもあったわね、丁度いいじゃない。そこで一夏をボコボコにしちゃえばスッキリするわよ。あ、勿論試合の範囲内でだからね?」

「……そうだな。試合でなら教官に迷惑もかからんだろう」

「じゃあ……」

 

 顔を上げて私達を見つめるラウラさんの眼は、さっきまでと違ってとても真っ直ぐな眼でした。これなら大丈夫かな?

 

「鈴とルリにここまで言われては、私もそれに応えてみせるしかないだろう。学年トーナメントで、私は織斑一夏を真っ向から打ち倒し、この感情に決着をつけてみせる!」

「ふっふーん。良い目になったじゃないラウラ。でも一夏より先に私と当たって負けても、文句は言わないでよ?」

「ふん。私を誰だと思っている。誰が相手でも勝つに決まっているだろう」

「おー、言ってくれるじゃない。今からトーナメントが楽しみね!」

 

 お姉ちゃんとラウラさんはまた睨み合い始めたけど、今度はさっきみたいな険悪な雰囲気じゃなくて、2人とも笑顔でした。

 ……一夏さんがあっさり他の人に負けたらどうするんだろうって言うのは、言わない方が良いよね。




 中々の難産でした。これで何とかラウラ暴走フラグはへし折れたかな? VTシステムは別だけど。
 鈴の良姉パワーが止まるところを知らぬ。鈴はどこまでいくのやら。

 次回投稿日は14日になると思います。
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