IS~インフィニット・ストラトス~  電子の妖精   作:ポコ

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 月末は忙しい事に加えて、俺屍2をやってたら1週間も経ってしまってました。
 俺屍2はそのかいあって取りあえずクリア。だが、クリアしてからが本当の地獄だ……!
 まだ一族の力が安定してないのに、無理やり弓使いの奥義併せでラスボス倒しちゃったからねぇ……俺屍2ってストーリーを進めば進めるほど敵が強くなるんだけど、クリア後に試しに中ボスに挑んだら一撃で逝きました。無論、こちらが。どうしようこれ。


第43話 どこの家庭も複雑です

 はろはろー。世界の篠ノ之束さんだよー。るーちゃんのお願いだから来てみたけど、ここってあまり面白そうじゃないんだよねー。あ、束さんが今まで来なかったのはるーちゃんに呼ばれてないからじゃなくって、束さんが乗り気じゃなかっただけだからね! るーちゃんに忘れられてたとか、そういうんじゃないんだからね!?

 んーと、適当に前話の事を言えば良いんだっけ? 男装スパイの正体がバレて、たっちゃんがはっちゃけたよ! よし、おーわりっと。じゃ、束さんはバカを潰すのに忙しいからまったねー!

 

 

――――――――

 

 

――――side ルリ――――

 

 

 拝啓、お母さん。ルリです。

 今まで一夏さんが一番空気の読めない人だと思ってましたけど、こんな近くに同レベルの人がいたんですね。びっくりです。

 きっと今頃、お母さんもモニターの前で大笑いしてるんでしょうけど、こっちは空気が凍り付いてます。南極のペンギンさん達もびっくりの寒さです。

 何でそんなに寒いのかと言われると、空気の読めない根源が皆さんに白い目で見られてるからです。さっきまでこの世の終わりとばかりに落ち込んでたデュノアさんも、空気の読めない事に定評のある一夏さんまでです。お姉ちゃんの周りなんか、寒いどころか絶対零度です。

 

「あのー……そろそろ許してくれないかな~なんて……」

「何だか急に簪の声が聞きたくなってきたわねー。ねえルリ。ちょっと電話して呼んでくれない?」

「り、鈴ちゃんの鬼ぃ――――っ!!」

 

 その空気の読めない人である楯無さんは、現在お姉ちゃんの前に正座させられてます。お姉ちゃんと一夏さんが揃って混乱してる時に最悪な登場の仕方をしましたから、お姉ちゃんのやり場のない怒りが全部楯無さんに行っちゃったみたいですけど、自業自得ですね。バーカ。

 

「なあルリ」

「なんですか? 一夏さん」

「俺も昔から弾や鈴に『空気読め』とか『鈍感』とかよく言われてたんだけどさ」

「今も言われてますけど」

「…………いや、鈍感は言われて仕方ないかもしれないんだろうけどさ。自分では分かんねえけど」

「はぁ……それで、結局何ですか?」

「……俺の空気の読めなさって、あれくらい酷いのか?」

 

 そう言いながら一夏さんが目を向けた先には、お姉ちゃんの前で正座している楯無さん。

 楯無さんと一夏さん、どっちが空気読めてないかですか……ふむ。

 

「一夏さんは空気を読めないで空気を壊しますけど、楯無さんは空気を読んだ上で空気を壊してます」

「それじゃあ、俺より楯無さんのが酷いって事か!」

「……一夏、何で微妙に嬉しそうなの?」

 

 自分より下がいるかもしれない事が、そんなに嬉しいんでしょうか……デュノアさんが引いちゃってます。私もちょっと近寄りたくないです。

 

「……状況次第ですね。楯無さんは大事な時にやらかしますけど、一夏さんは日常的にやらかしてます」

「……つまり?」

「2人とも同じくらいひっどいです」

「んなっ!? う、嘘だろルリ! 俺はあそこまで酷くないよな! な!」

 

 凄い必死ですね。そんなに楯無さんが酷いと思ったんでしょうか。向こうで楯無さんが『一夏君にあそこまで言われるとか……』って崩れ落ちちゃってますけど、全然気づいてないですね。

 

「事実です。デュノアさんにも聞いてみたら良いんじゃないですか?」

「へぇっ!?」

「しゃ、シャルル! ルリの言う通りなのか!?」

「…………そ、そんな事ないんじゃないかなー?」

「……俺の眼を見て言ってくれないか?」

「……………………………ごめん」

「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」

「うっさい一夏!!」

「んがっ!?」

「い、一夏――――――っ!?」

 

 あ、お姉ちゃんの投げたペンが見事におでこに。

 当たり所が悪かったのか、一夏さんが悶絶しちゃってます。

 お姉ちゃんは、楯無さんのお説教は終わったのかな? ……終わったみたいですね。正座のまま真っ白に燃え尽きてます。

 

「ふ、ふふ……一夏君にあそこまで同類扱いを嫌がられるとか……」

「……バカばっか」

 

 ……真っ白になったのは、お姉ちゃんのお説教じゃなくて一夏さんのせいみたいです。けど、今回は言われても仕方ないと思います。まったく、一夏さんも楯無さんも揃いも揃ってバカなんですから。2人とも、やる時はやってくれると思うんですけど。

 

 

――――side 鈴――――

 

 

「それで、デュノア社が壊滅するってどういう事よ楯無さん」

「鈴ちゃん。何もなかったみたいに話を戻さないでくれない?」

「……もっと正座させてあげよっか?」

「さて、デュノア社の話をしましょうか!」

 

 ったく。最初からそうしなさいよね。折角真面目な雰囲気だったのに、滅茶苦茶じゃないの。

 

「あの、会長さん。デュノア社は……」

「楯無で良いわよシャルロット(・・・・・・)ちゃん」

「え……な、何でボクの名前……!」

「シャルロット?」

「ふふ。生徒会長の情報網を侮っちゃダメよ」

 

 ふーん。一応偽名くらいは使ってたのね……名前だけ変えても戸籍も何もなきゃ意味ないと思うけど。ていうか、シャルロットの偽名がシャルルって、捻りが無さすぎでしょ。

 

「シャルルって、本当はシャルロットって名前なのか?」

「……うん、そうだよ一夏。ボクの本当の名前はシャルロット。母さんが付けてくれた大事な……本当に大事な名前」

「偽名を使ってたのって、やっぱスパイのためか?」

「うん。父さん……デュノア社長が勝手につけたんだ」

 

 そう言ったデュノアの顔は、何もかもを諦めたみたいだった。

 デュノアが社長の子供っていうのは間違いないみたいだけど、なんでデュノア社長は態々実の娘をスパイになんてしたのかしら。代表候補生だからIS学園に潜入させやすいと思った?

 確かに潜入させるだけならそうだろうけど、貴重な代表候補生の所在を、フランス政府にどうやって誤魔化したのかしら。国からの指示だっていうなら納得だけど、一国家がこんな穴だらけのスパイを送り込んだりするのかしら? 

 

「ねえシャルロットちゃん。大体の調べはついてるんだけど、聞いて良い?」

「……はい。ボクの知ってる事なら、何でも聞いて下さい」

 

 ん。楯無さんがデュノアに色々聞くみたいね。楯無さんに任せたら大丈夫……かしら? 一応生徒会長だし……正直不安だけど。

 

「じゃあ1つ目ね。どうしてシャルロットちゃんがスパイに選ばれたの?

 言っちゃ悪いけど、シャルロットちゃんは代表候補生としては結構な実力だけど、スパイとしては素人以下。素性がバレたらシャルロットちゃんの身が危ないって事くらい、デュノア社長が分かってなかったとは思いたくないんだけど」

 

 い、いきなりザックリいったわね。何で父親が娘を見捨てたのか知ってるかって言ってるようなもんじゃない!

 

「ちょ、楯無さん! いきなりそんな言いにくい事を聞く事ないだろ!?」

「黙ってなさい一夏君。私はね、生徒会長としてこの学園を護る義務があるの。確かにシャルロットちゃんにとっては辛い質問だろうけど、裏付けは取らなきゃ私達も動けないのよ」

「けど!」

「……良いよ一夏。会長さんの言ってる事は尤もだから」

「シャルル……」

「あはは……こんな時になんだけど、これからはボクの事は“シャルロット”って呼んでくれると嬉しいな」

「……ああ、分かったシャルロット」

「ん。ありがと一夏」

 

 ……無理して笑っちゃって。楯無さんはデュノアをどうするつもりかしら?

 

「ボクがスパイに……捨て駒にされた理由ですよね。簡単ですよ。ボクは、愛人の娘ですから。父さんにとっては目障りだったんだと思います」

「「な……っ!」」

「……愛人?」

「……そう。調査通りね」

 

 愛人の娘だから捨て駒にされたって……何考えてんのよデュノアの父親は!! 愛人でもなんでも自分の子供なのは変わんないじゃないのよ!!

 

「ふ……ふざけんなよ! なんだよそれ! 愛人の子供だからって、シャルロットは何も悪くないじゃねえかッ!」

「落ち着きなさい一夏君」

「落ち着けって……こんなの落着けるわけ――――っ」

「……落ち着きなさいって言ったのが聞こえなかった?」

「――――ッ!」

「一夏君が怒る気持ちは分かるわ。私だっていい気分じゃないもの。けどね、話は最後まで聞いてから判断しなさい。いちいち感情的になってたら、正しい判断が出来なくなるわよ」

「……わかり、ました……」

 

 はぁ……楯無さんってやっぱし凄いのね。普段があれだから忘れがちだけど、一夏に怒った時はアタシまでちょっと怖くなったわよ。

 楯無さんの威圧に驚いてると、ルリが服の裾を引っ張ってきた。

 

「お姉ちゃん。愛人って何?」

「へ、ルリ? え、え~と……あ、明日教えてあげるから!」

「……今は言いにくい事なの?」

「あー……うん。ちょっと今は言えることじゃないわね」

「……分かった。明日教えてね」

「うん。ゴメンねルリ」

 

 アタシがそう言うと、ルリはアタシの膝の上に座ってきた。

 ルリにはちょっと早い話だったわね……けど今から部屋に帰らせるのもあれだし。このまま座らせといてあげよっか。

 

「じゃあ2つ目。デュノア社長からは何をしてこいって言われたの?」

「篠ノ之束博士謹製の第三世代機【白式】の奪取。それと、一夏の生体データ」

「うわぁ、予想通りベタな目的ねえ……って、機体の奪取!? データじゃなくて!?」

「うん。社長からはそう言われた」

「えぇー……何なのそれ。本気で出来ると思ってたのかしら。いや、そもそも出来たらどうなるか、少しは予想しなかったのかしら……シャルロットちゃんは変に思わなかったの?」

「……ボクには、従う以外に選択肢が無かったから」

「……ふーん」

 

 ん? なんか楯無さんの雰囲気が変わったような……気のせいかしら。

 

「さて、と。デュノア社長の目的もシャルロットちゃんの素性も聞けたし……ちょっとデュノア社長が思ったよりお馬鹿さんで驚いたけど、これでシャルル・デュノア(・・・・・・・・・)さんに聞きたい事は終わりよ」

「はい……」

「で、これがシャルロット(・・・・・・)ちゃんにする最後の質問」

「「「え?」」」

 

 シャルルじゃなくて、シャルロットにする質問? 何を聞くつもりなのかしら。

 一夏もデュノアも不思議そうにしてたけど、次の楯無さんの言葉で引き攣った顔になった。

 

「シャルロットちゃん。貴女はこれからどうしたいの?」

 

 

――――side シャルロット――――

 

 

 会長の、楯無さんの質問に対して、ボクは何も言えなかった。

 これからどうしたいかなんて……そんなの、ボクに選ぶ権利なんてあるわけ無いじゃないか。それくらい、楯無さんなら分かってるはずなのにこんな事を聞くなんて……どういうつもりなんだろ?

 そう思ってぼんやりと楯無さんを見てると、どんどん表情が険しくなっていった。……もしかして怒ってるのかな。それはそうだよね。自分が生徒会長をしてる学園に、堂々とスパイが来たんだもん。

 

「……聞こえてるの? シャルロットちゃん。私は貴女(・・)がどうしたいか訊いてるんだけど」

「……聞こえてます。けど、どうしてそんな事を聞くんですか? ボクがどうなるかなんて、そんなの刑務所送りに決まってるじゃないですか。ううん、貴重な男性装者に危害を加えようとしたから、もっと酷いとこに行くかもしれないですね」

 

 うん、きっとそうだ。あ、もしかしたら父さん達が全部の責任をボクに押し付けるかもしれないよね……そうなったら死刑かな? でも、お母さんのとこに行けると考えたら、それも悪くないかな。

 

「……シャルロット。お前、それ本気で言ってるのかよ」

「え……どうしたの一夏?」

 

 自分の罪状がどうなるか考えてると、一夏が凄く真剣な顔で聞いてきた。本気で言ってるのかって……死刑以上に重い罪なんてあるのかな?

 

「楯無さんはお前にどうしたいか(・・・・・・)って聞いてるんだぞ! それなのに、どうせ刑務所送りだとか、もっと酷くなるかもとか……ふざけてんのかよ!」

「…………あぁ」

 

 そう言われたら、そうだったかも。けど、どうなるかとどうしたいかなんて、今のボクには大して変わらないじゃないか。ボクに先を選ぶ権利なんて無いんだから。

 

「うん、そう言われてたね。でも、それがどうしたの? どうしたいかなんて言われても、どうしようもないじゃない。ボクは裁判にかけられて、どうなるかは国任せ。ボクがどうしたいかなんて関係ないでしょ?」

「…………ッ! このっ……大馬鹿野郎――――ッ!!」

 

 パァンッ!!

 

「……え?」

 

 

 頬が熱い。

 

 叩かれたの?

 

 一夏に?

 

 何で?

 

 ボクがスパイだから?

 

 あぁ、そっか。死んで楽になるなんて許さないって事か。

 

 

「……ごめんね一夏。スパイが簡単に死んで楽になるなんて、許せないよね」

「……は?」

「でも、ボクがどうなるかは国が決める事だから――――」

「違うだろっ!!」

「え?」

 

 気が付いたら、一夏がボクの肩を掴んで真っ直ぐ見つめてきてた。

 一夏の眼は、真っ直ぐで、怒ってて、悲しそうで、涙ぐんでて……え?

 

「一夏……何で一夏が泣いてるの?」

「シャルロットが、分からずやだからだ!!」

「分からずや……?」

 

 ボクが分からずやって、どこが?

 全部受け入れてるつもりなんだけど……。

 

「ボクのどこが分からずやなの……?」

「決まってるだろそんなの……!」

 

 一夏が何を言ってるか分からなかったけど、次の一夏の言葉で、楯無さんや一夏が何を怒ってたのかが分かった。分かってしまった。けど――――。

 

 

「何で一言――――“助けて欲しい”って言ってくれないんだよッ!!」

 

 

 ――――ボクが、それを望んでも良いの?




うちのシャルは原作よりかなりネガティブです。理由はいきなり大人数にバレたから。
原作では(表向きは)一夏にしかバレてなかったから、一夏が黙っててくれるって言われて安心できた故だと思うのです。そりゃいきなり生徒会長にバレたらこうもなります。

ちとキリが悪いですが、続きは次回。
ネギまアンケートを締め切ったので、良ければ活動報告をどうぞ。
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