転生したらカチョウの守護念獣。   作:びーびーびー

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カチョウの準備

暗黒大陸の渡航中、VIPたちは定期的に晩餐会に訪れる。ここには、カキンの王族はもちろん、他の国の政界の大物や芸能人、商人などの上級国民と呼ばれる者たちしかいない。

 

 カチョウ達もカキン王国の王子なので出席するのだが、王子たちには時間割がある。その時間割とは、各王子の入場時間と退出時間だ。カチョウ達は後の方に入場することになっている。

 

 今現在では丁度、上の王子たちが晩餐会から退場したところだろう。そろそろカチョウ陣営も晩餐会に行く準備をする。ちなみにカチョウは双子の妹フウゲツと一緒に行くことになっている。

 

 「は~、やだわ。あんな地味な妹と一緒に行かないといけないなんて、貴方もそう思わない?」

 

 カチョウが使用人にドレスコードしてもらっている時に、自分の守護念獣にそうといただてた。

 

 カチョウに強制的に鳥の姿になっておくように命令された、守護念獣はあきれたような顔で答える。

 

 「本当はそう思ってないくせに。もっと正直になったらどうですか?お互いに傷つくだけですよ。もう直ぐどちらかが死ぬことになるのに。最後くらい今まで通り仲よくしたらどうなんです?」

 

 デブどりの発言を聞いてカチョウは時が止まったように目を見開いて一瞬固まった。しかし、直ぐに、不安そうな表情をして歯をかみしめながら、自身の守護霊にこう語るのだ。

 

 「しょうがないじゃない!!できないのよ。したくても…」

 

 段々声がかすれて小さくなる。

 

 「あなた、自分の父親に兄弟同士で殺しあえって言われた気持ちがわかる?私はなんとしてもフウゲツを生かしたいの。だからあえて嫌われるようにしてるの。だからこれはしょうがないのよ。」

 

 カチョウは震える体を必死に抑えるように握りこぶしを固くしながらデブどりにそう話す。ドレスコードをしていた使用人もカチョウの本心を聞き驚いていた。

 

 「僕からするとそんなことしてもフウゲツちゃんはご主人様のこと嫌いにならないと思うけどな。今は急に豹変した君に驚いてどうすればいいかわからなくなっているのかも。そんな感じがするよ。」

 

 羽を広げやれやれとしたしぐさをする念獣をみてカチョウは少しむかついてしまい起こり気味に話す。

 

 「それでも、私にヘイトが向くことによって的をカチョウからずらすことができる!そうでしょ?」

 

 鳥は考えるしぐさをしながら答える。

 

「確かに自分の印象を下げることでカチョウの生存は上がるかもしれない。誰だって性格の良い方を味方にしたいからね。けど、この継承戦は僕をみてわかるように、そんな程度で生存率が上がるようなものではないんだ。協力が必要なんだよ。」

 

 協力、カチョウは一人の王子にならなければ生きられないと思い、これまで悩んで生きていた。しかし、自分の守護念獣と話すまで気づかねかった。

 

 そう、協力すればいいのだ。何で今まで思いつかなかったんだろう。

 

 「協力ね。そうだわ。協力すればいいんだ。私決めたわ!ふーちんと強力する。そして、二人だけになったら私が死ぬの。何で思いつかなかったのかしら?私が死んだあとふーちんが死ぬかもしれないのに。本当に盲点だったわ。死んでる場合じゃないわ。ふーちんを守らないと。」

 

 守護念獣は声を大にして言いたい。そうじゃないと。

 

 カチョウのメイクアップも終わりそろそろ準備が出来そうだ。

 

 「え、えと。カチョウ僕としては君を生かしたいんだけど?」

 

 おどおどして聞くと、にらみながら強い口調でカチョウは堪えた。

 

 「私なんて死んでもいいの。あんたにいっておくわ。私を無理に守らなくてもいいからね。そのかわり、フウゲツが私のそばにいるときは、フウゲツを守ってちょうだい。」

 

 「そんな、本来。守護念獣は主人を守るものなんですよ?できませんよ。」

 

 カチョウは首を捻りながら考えるしぐさをする。

 

 「そこが疑問なのよね。どうしてあなたは私を守りたいと思うのかしら?これも誓約というものなのかしら?守護念獣が宿主の性格に依存するのならば、私の守護念獣は少なくとも私を守らないわ。守るとしたら、私が守ろうとしているフウゲツが死んだときね。守る対象が無くなるから。けど、貴方は違う。私の心と離れているような気がする?守護念獣って宿主の影響って個人差あんの?」

 

 早くも、何か気付いてはいけないことに気づきそうなカチョウ。デブ鳥は冷や汗が止まらなく出ている。

 

 カチョウ、さすが王子なだけあって賢いな。教えた念のことや守護念獣のことも理解している。とりあえず何か言い訳をしないと。

 

 「でも、その守りたいという気持ちが傷を治すという能力になったんじゃないでしょうか。カチョウが傷ついたらいやでしょう?だからそういう増力になったんですよ。」

 

 「うん、確かに。そうね、貴方がいればどんな傷でもへっちゃらね。そう考えると頼もしくなってきたわ。これからもよろしくね。デブどり!」

 

 にパッとした顔でカチョウはデブどりの丸々太った体を持ち上げる。

 

 「こちらこそ、よろしく。」

 

 カチョウはデブどりを抱える、

 

 「カチョウ王子、準備が完了となりました。」

 

 使用人がドレスコート終え、カチョウに伝えた。その表情はいつものいやいややっているようなものではなく、その目には少し優しさが感じられた。

 

 「そう、ありがと。」

 

 しかし、興味がなさそうにカチョウが返した。そして、目線をデブどりにしてルンルンで話す。

 

 「さあ、行くわよ。デブどり。晩餐会であなたを見せびらかすのよ!私の守護念獣はどんな傷も治せるってね。」

 

 「あのー、それはまずいんではないんでしょうか?」

 

 「大丈夫よ。センリツたちから念の秘匿のことについては教えてもらったわ。私は自分の父親と話すの貴方を見せびらかしてね。こういうの私はフウゲツを王様にするってね!わかった。デブどり!」

 

 ふふふ、見てなさいお父様と笑う彼女の顔は少しいたずらを考えている子供のようだった。

 

 「は、はい。」

 

 

 

 カチョウは歩を進める。軽快に歩を進める。勢いよく自室を抜け、センリツたちがいるリビングに強い足取りで向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デブどり多くね?傷ついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上にかけられた看板には37564と書かれている。

 

 ここは人がたくさんいる。みんな見た目で裕福ではないことがわかる。そしてここは汚い。スラム街みたいだ。この船のそこでは今そんな風になっている。

 

 そんな所に一匹のゴキブリがスイスイと人後お身を分けて進んでいく。

 

 その時、

 

 ブチッ

 

 酔っ払いがつぶした。酔っ払いはある男に声をかける。

 

 「あんた、どうした?ひでえカオしてるけど」

 

 「そうですか…」

 

 「ああ。今にでも誰かを殺そうとしている顔だよ。」

 

 

 

 

 

 

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