「えへへー、お兄ちゃーん」
「俺はここにいるぞ」
全く、なんであんな量食ったかな。結構な量入ってたのにさ。
「暁依、いけるかね」
「さぁな。俺たち外出るか?」
外に出た方が胡桃は困るかもだけど、こっちは楽になるから結局いいんだけど、どこも行くところないし。
「どこ行くんだよ、暁依」
「適当な場所だよ。どこでもいいんだから」
こう話していると弟とは思えないんだけどなぁ。俺より2つも下なのに。学校でも1位2位を争うイケメンなのになんで彼女出来ないんだろう?
「お前まだ彼女いないんだよな?」
「あぁ、もう飽きたよ。毎日毎日正門で待ち伏せされてさ」
そんな思いしたこと――あっ
「俺もお前の年の頃はそうだったな」
「柊はイケメンだからだろ」
イケメンに言われたくないけど。
「お前の方がイケメンだろうが」
「まぁ大してよくないけどな」
イケメンの悩みかな?
「そろそろつくれよ。俺も嫌われそうだけど」
「簡単につくれたら」
『苦労しないさ』
思うことは同じらしい。唯一血繋がってるのが暁依だからかな。
「暁依は母さんどう思ってるんだ」
「もう諦めてるよ。あんな奴」
そりゃあそうか。思い出したくもないからな。
「そうだよな。」
「咲春の父親はどうなんだよ」
「いい人なんじゃないか。ってか、咲春のことそう呼ぶのな」
「姉ちゃんな感じがしないし。」
ごもっとも。確かにそんな感じはしない。
「だったら俺も兄ちゃんな感じしないと思うんだが」
「血繋がってるからだろうな」
学校の回りに近づくと1年の人たちが暁依目当てでたくさん集まる。こんなことなかったけどな。
「なんかやってるのか」
「知らないのか?バンドやってるんだよ」
そんなの聞いたことないんだが。それで人気があるのか。
「ボーカルか?」
「あぁ。それ以外やれる気がしないから」
1番主役じゃないか。俺は学校の中に入り、空き教室に向かう。
「ここ2年空き教室になってるんじゃないのか。」
「俺が1年の時はここよく使ってたんだ」
ここは俺が使ってた教室だからな。物もまだ残ってるはずだ。これも卒業によって捨てるんだがな。
「俺が1年のとき、ボーイズアイドルやってたんだ。結構人気があって、評判だった。」
「じゃあなんでやめたんだ」
「最初から決めてたんだ。1年間しかやらないって。あと、言い出したのは俺だから」
「言い出したって何をだ」
「やめるって。ほら、マイクとかも入ってるから使ったらいい」
段ボールの中にただ1つのマイクが入っている。部屋を出るときに残していったものだ。
今回の問題
5X×4X=?
現実の俺はかなりブサイクだけどね。