俺が2年前以来に入った部屋は埃っぽかったが物はちゃんと使える。マイクも拭いて消毒すれば新品同様に使えた。
「よし、暁依、頑張れよ」
「だったら今日のライブ一緒にやろうぜ」
俺は2年前にやめたし、アイドルとバンドなんだから合わないだろう。俺は首を横に振った。
「見に行くだけでいいよ。俺は――」
「固いこと言うなよ。さっさと来いよ」
「はっ!?だから俺は!」
手を捕まれてそのままつれていかれた。衣装だって1年のは入らないし、このままかよ。真っ黒のTシャツに紺色のズボン。いかにも陰キャで病んでるじゃん。
「こんなんで大丈夫かよ」
「大丈夫だって。俺らも似たようなもんだし」
そんなもんじゃないし。俺は心のなかでそうつっこんだ。言ったら負けだろうけど。
「あと30分だ。もうそろそろメンバー集まるぞ」
暁依がそういうと奥の方から楽器を持った4人がやってきた。
「え?先輩?」
そりゃあそうだろう。いつも通り来たら話したことない先輩がいるんだから。
「ちょっと誘った。」
「楽しそうだからいいけどよ、暁依はなにやるんだ」
ボーカルがいなくなるのはまずいだろう。
「俺ギターボーカルやるから、柊はボーカルやってくれ。ツインボーカルだ」
「暁依、先輩だぞ?ついに頭狂ったか」
「こいつ兄だし」
なんだ、兄のことを言ってないのかよ。
「月島柊だ。よろしく」
「はぁ、兄ですか…」
あり得なさそうだな。苗字もおなじなんだからどう見てもそうだろ。
「よろしくお願いします」
1人だけすごい礼儀正しいな。そう挨拶してきたの君がはじめてだよ。
「よろしく。それで、曲はなんだ」
「これ」
暁依が楽譜を出してきた。これ、俺が歌ってた曲のカバーか。懐かしいな。
「俺がつくった曲だな」
「そうなんですか!」
俺が2年前に作った曲だ。デビュー曲だったかな。
「デビュー曲だったはずだけど」
「firefrowさん、出番です」
ついに呼ばれた。こんな緊張、久しぶりだ。ラストコンサート以来だった。
「みなさん!こんにちは!」
暁依が挨拶をする。視線は俺の方向と暁依の方向に向いていた。多分3年生だけこっち向いてるのだろう。
「今日は俺の兄、柊も来てるよ!」
爽やかな声で俺のことを紹介した。
「3年生のみんな、2年ぶりのステージ楽しんでいってな!」
『おーっ!』
暁依より反応いいじゃないか。ふてくされないようにしないな。
「それじゃあ聞いてくれ、
そうして演奏が始まる。4分半のステージだ。
初めて斜体使ってみましたがどうでしょうね?new seaのところが斜体になってます。