近づく二人   作:月島柊

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紗由理視点が中心です。最初から紗由理視点だし。


大丈夫

 お父さんがいないから私は一人になってしまった。胡桃ちゃんはライバルだから泊まりづらいし、あ、そうだ!あの子だったら。

 

「ってことで…」

「そう言われても、今人来てるのよ」

「ダメかな」

「ごめんね」

 

ダメだった。誰の家だったらいいんだろう。

私は真っ暗な中、1人で歩いた。お昼ご飯から何も食べてないからお腹もすいてるし、喉も昨日から飲んでない。もう倒れそう…

 

「君、未成年だよね、」

「え…」

 

補導されちゃう…これじゃあ柊くんに会えなくなっちゃう。

 

「この子の姉です!」

 

そう言って女の人は私を連れていく。

 

「君、私の家来て」

 

誰なのかも分からず、私は家に行った。

 

「あの、ここは」

「月島家へようこそ!」

 

月島?柊くんと同じ苗字…!まさか!

 

「私月島咲春。1つしただね」

「私、――」

 

その時、ドアが開き、誰かが入ってくる。

 

「ただいま、咲春」

「お帰り、」

 

そう言って咲春ちゃんが言った名前は

 

「柊くん」

「あれ、紗由理…?」

 

私に気がついたそうだ。柊くんって、やっぱりあの人だった。

 

「柊くん、怪我は」

「あぁ、大丈夫。」

 

ホントかな。ナイフ刺されたみたいだし。

 

「柊くん、紗由理ちゃんに会いたいからって退院早めたんだよ」

「私のために?」

「あぁ。全然会ってなかったから」

 

私のために…柊くんって、私を忘れてたんじゃなかったの?ずっと来なかったから。

 

「妹の件とか、胡桃のこともあって会えてなかったんだ。ごめんな」

「じゃあお詫びで、デートしてよ」

 

胡桃ちゃんと同じくらい楽しみたかった。ただそれだけだった。

 

「……」

「ダメなの?」

「あ、あぁ…胡桃とかもあるし…」

 

やっぱり胡桃ちゃんの方が好きなんだ。私のことなんて何も思ってない。

 

「…そっか。そうだよね。」

 

私は玄関に向かった。もう邪魔するのも止める。ここで守るなんて嘘だ。私を守るはずない。どうにか、どこかの路地裏に――

 

「じゃあ、私帰るね。」

「いつでも来いよ。」

「うん。」

 

私は真っ暗な暗闇に入った。街灯の明かりをたよりに進んでいくしかない。路地裏の場所なんて知るはずない。

しばらく歩いて、警察に見つからずに歩けた。ここで野宿する。奥の方に閉店した店があるそうだ。そこまで行けば。

 

「あ、スマホ充電ない…」

 

残りは5%。今日中になくなってしまう。何もできないんだ。けど、それでいい。私を入れてくれる家は大体見捨てる。そうなんだったら私は1人でいてもいい。孤独でいても。

 

 朝日が照らしてきた。もう朝なんだ。ここまで人が来るはずない。来たら、私は死んじゃった方が楽だと思う。




しばらく休止します。再開は分かりません。
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